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C 3216-5 : 2019
A.2.2 方法B 試験片を導電性フィルムでコートする方法
誘電正接が測定できる電気ブリッジを用いる。
試験片の導体を一つの電極,及びコーティングしたグラファイトをもう片方の電極として,試験片を測
定装置(電気ブリッジ)に接続する。
試験片を取り付けた装置の温度を,適正な誘電正接−温度曲線が得られるよう一定の速度で周囲温度か
ら特定の温度まで昇温する。温度は試験片に接触した温度検出器で測定する。読み取った結果は,温度検
出器の位置及び接触状況に影響する可能性があり,異なった装置では異なった結果となる場合がある。
定期的に誘電正接及び温度を測定し,X軸に温度(線形)をY軸に誘電正接(線形又は対数)をプロッ
トする。読取りが速くできる場合は,自動的にチャートレコーダー又はコンピュータシステムに記録する
ことが望ましい。自動的に記録することによって,試験はより急速な温度上昇で測定することが可能とな
るが,読取値と実際の温度との間に著しい遅れがないように,よく注意する必要がある。実際の設備,温
度上昇及び解釈については,受渡当事者間で合意することが望ましい。
A.3 結果の解釈
A.3.1 概要
図A.1及び図A.2に示すように誘電正接−温度曲線の結果を,それぞれ線形法及び対数法として表すこ
とができる。
d値は,線形又は対数のY軸で表す。tgδ値の計算は二つの方法で異なる。どの方法を用いたかによって,
結果を区別する。次のグラフは,単に方法を理解するために示したものであり,材料に対する規定の要求
事項ではない。
A.3.2 線形法
接線は,誘電正接−温度曲線において,温度上昇とともに最初に上昇した急な部分に接して描く。水平
線を,受渡当事者間で合意した温度に対応する曲線上の点を通して描く。この水平線と前述の接線とが交
差するポイントに対応する温度を決定する。値は,tgδ=xxx(℃)(線形)として表す。
図A.1−線形法の例
A.3.3 対数法
昇温式(A.2.1.1参照)の場合,Y軸から受渡当事者間で合意した2本の水平線を描く。2本の水平線と
曲線との交点を通るようにして,曲線の最小値を通る水平な線に交差するように延長する。後者の交差点
ポイントによって温度を決定する。値は,tgδ=xxx(℃)(対数)として表す。
――――― [JIS C 3216-5 pdf 21] ―――――
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図A.2−対数法の例
――――― [JIS C 3216-5 pdf 22] ―――――
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附属書JA
(規定)
代替試験方法
この附属書は,本体の対応する箇条を補足するものであり,本体で規定する試験方法に対し,置き換え
て適用が可能な,絶縁破壊(箇条4)及び均一性(箇条5)の試験方法について規定する。
注記 この附属書で規定する試験方法は,旧規格(JIS C 3216-5:2011)をIEC 60851-5に整合させる
に当たり,この内容によって大きな変更となり市場の混乱が予想される事項について,完全整
合化に向けた経過措置として,廃止したJIS C 3003:1999及びJIS C 3006:1999に従った試験方
法を代替試験方法として併記したものである。現時点市場でのコンセンサスが十分であるとは
言えないため,この規格にも併記する。
JA.1 絶縁破壊
JA.1.1 横巻線
横巻線の絶縁破壊は,同一巻枠から適切な長さの試験片3本をとる。公称導体径が1.0 mm未満につい
ては金属シリンダ法,1.0 mm以上については金属はく法によって行う。平角線については金属はく法又は
組合せ固定法によって行う。試験電圧は50 Hz又は60 Hzの正弦波に近い波形の交流電圧とし,約500 V/s
の割合でなるべく一様な速さで上昇させる。ただし,5 s未満で破壊する場合は昇圧の速さを下げ,5 s以
上で破壊するようにする。横巻線における金属シリンダ法,金属はく法及び組合せ固定法は,次による。
a) 金属シリンダ法 試験片を直径25 mm径の表面が平滑な金属シリンダに一重に密接して10回巻き付
け,更に外周に密接して金属はく1)を巻き付けて,導体と金属はく及び金属シリンダとの間に電圧を
加えて,絶縁破壊電圧値を測定する。
注1) 金属はくの厚さは約0.02 mmとする。
b) 金属はく法 試験片の中央部約100 mmの部分に密接して金属はく1)を巻き付けて,導体と金属はく
との間に電圧を加えて絶縁破壊電圧値を測定する。
c) 組合せ固定法 試験片をそれぞれ2分割し,図JA.1に示すように2本ずつを組み合わせて,適切な方
法で固定した試験片3組を作製して二導体間に電圧を加えて絶縁破壊電圧を測定する。
単位 mm
図JA.1−組合せ固定法
JA.1.2 エナメル線
エナメル線の絶縁破壊は,公称導体径が0.05 mm未満については金属シリンダ法,0.05 mm以上につい
ては2個より法によって行う。平角線については金属はく法によって行う。試験電圧は50 Hz又は60 Hz
――――― [JIS C 3216-5 pdf 23] ―――――
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の正弦波に近い波形の交流電圧とし,約500 V/sの割合でなるべく一様な速さで上昇させる。ただし,5 s
未満で破壊する場合は昇圧の速さを下げ,5 s以上で破壊するようにする。エナメル線における金属シリン
ダ法,2個より法及び金属はく法は,次による。
a) 金属シリンダ法 同一巻枠から長さ約30 cmの試験片をとり,その一端を図1に示す接続端子に取り
付け,約25 mm径の表面が平滑なシリンダの周りに1回巻き付け,末端に表JA.1に示す張力を加え
ながら,金属シリンダと導体との間に試験電圧を加えて,絶縁破壊電圧値を測定する。
なお,この試験に用いる変圧器の容量は,100 VA以上とする。
表JA.1−張力
公称導体径 張力
mm N
0.020以上0.030未満 0.020
0.030以上0.050未満 0.049
b) 2個より法 2個より法は,次による。
1) 試験片の作製 同一巻枠から長さ約50 cmの試験片3本をとり,その各々を二つに折り合わせ,図
2に示す試験機を用いて,表JA.2に示す張力を加えながら,約12 cmの長さの部分を表JA.2に示
すより回数により合わせた後,張力を取り去り,折り目部分を切って,2個より試験片を作製する。
2) 試験手順 試験片の2本の導体間に試験電圧を加えて,絶縁破壊電圧値を測定する。
なお,この試験に用いる変圧器の容量は,500 VA以上とする。
表JA.2−張力及びより回数
公称導体径 張力 長さ約12 cmについての
mm N より回数
0.050以上0.060未満 0.029 50
0.060以上0.080未満 0.049 40
0.080以上0.120未満 0.098 30
0.120以上0.180未満 0.39 24
0.180以上0.300未満 1.2 20
0.300以上0.500未満 3.4 16
0.500以上0.750未満 4.4 12
0.750以上1.300未満 15 9
1.300以上2.100未満 39 6
2.100以上3.200以下 69 3
c) 金属はく法 長さ約30 cmの試験片1本をとり,これに約50 mm間隔の4か所にそれぞれ約10 mm
の部分に接続して金属はく1)を巻き付け,導体と金属はくとの間に試験電圧を加えて,絶縁破壊電圧
値を測定する。
なお,この試験に用いる変圧器の容量は500 VA以上とする。
JA.2 均一性(公称導体径0.250 mmを超え1.600 mm以下に適用)
この試験は,公称導体径が0.250 mmを超え1.600 mm以下の巻線に適用する。
均一性は,5.3(高電圧均一性)による。ただし,試験電圧は表JA.3による。
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表JA.3−試験電圧
導体の種類 公称導体径 電圧(直流)
mm V
皮膜の種類
を超え 以下 3種 2種 1種 0種
銅 0.250 0.500 350 500
0.500 1.600
アルミニウム 0.400 1.600
参考文献 JIS C 3003:1999 エナメル線試験方法
JIS C 3006:1999 横巻線試験方法
――――― [JIS C 3216-5 pdf 25] ―――――
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JIS C 3216-5:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60851-5:2011(MOD)
JIS C 3216-5:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3216-5:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
- JISC3216-1:2011
- 巻線試験方法―第1部:全般事項