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C 3216-5 : 2019
− 高圧電源。50 MΩの欠陥抵抗において電圧が75 %を超えて降下せず,内部直列抵抗によって短絡電流
を25±5 Aに制限し,開回路試験電圧を3503 000 Vで調節可能な,波形変動が5 %未満の安定し
た直流が供給可能なものとする。
− 欠陥検出回路。1.5 ms以下の応答速度で,表6に示す検知電流を検出可能なものとする。
− 線との接触が2.25 ms以上維持できる接触長さ(例えば,線速667 m/分以下のときは25 mm以上)を
もつ,導電材料からなる電極プーリ,グラファイトブラシその他接触構造体。
− 4.7 MΩ±10 %のサージダンピング抵抗。高電圧ラインに設置する。
注記 高電圧電極とアースとの間の絶縁は,非吸湿性及び非トラッキング性の容易に清掃できる高絶
縁材料で,3 000 Vの連続電圧を維持できる空間距離をもつものが望ましい。高電圧リード線は,
スイッチング及び欠陥検出する間,対地間の静電容量を最小にする必要があるため,シールド
しないことが望ましい。
5.4.3 試験手順
エナメル線を,エナメル線製造装置の製造速度で連続的に走線させる。このエナメル線を出荷ドラム,
スプール又はリールの手前で高電圧電極のプーリ,グラファイトブラシなどの電極構造物上を通過させる。
エナメル線の導体及び電極を開回路直流試験電圧の回路に接続する。開回路直流試験電圧は表7に規定す
る電圧の±5 %に調整する。
なお,アースするエナメル線の導体は陽極とする。
表6−インライン高電圧均一性欠陥検知電流
電圧(直流) 検知電流
V A
3000 18
2000 14
1000 10
750 9
――――― [JIS C 3216-5 pdf 16] ―――――
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表7−インライン高電圧均一性試験電圧
導体の種類 公称導体径 電圧(直流)
mm V
を超え 以下 FIW3 FIW4 FIW5 FIW6 FIW7 FIW8 FIW9
銅 0.035 0.050 750 750 1 000 2 000 2 000 2 000 3 000
0.050 0.053 750 750 1 000 2 000 2 000 2 000 3 000
0.053 0.063 750 750 1 000 2 000 2 000 3 000 3 000
0.063 0.085 750 1000 2 000 2 000 2 000 3 000 3 000
0.085 0.095 750 1000 2 000 2 000 3 000 3 000 3 000
0.095 0.118 750 1000 2 000 2 000 3 000 3 000 3 000
0.118 0.125 1000 2000 2 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.125 0.170 1000 2000 2 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.170 0.190 1000 2000 3 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.190 0.250 2000 2000 3 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.250 0.300 2000 2000 3 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.300 0.375 2000 3000 3 000 3 000 3 000 3 000 3 000
0.375 0.425 2000 3000 3 000 3 000 3 000 3 000 −
0.425 0.500 2000 3000 3 000 3 000 3 000 − −
0.500 0.600 2000 3000 3 000 3 000 3 000 − −
0.600 0.750 3000 3000 3 000 3 000 3 000 − −
0.750 1.060 3000 3000 3 000 3 000 − − −
1.060 1.600 3000 3000 3 000 − − − −
アルミニウム 0.400 1.600 − − − − − − −
5.4.4 結果
出荷ドラム,スプール及びリールに巻かれた連続製造長及びその欠陥数を記録する。
6 誘電正接(エナメル線及びより線に適用)
6.1 概要
この試験は,エナメル線及びより線に適用する。
巻線はキャパシタンス(コンデンサ)として扱うことができる。皮膜は誘電体として,導体及び導電性
媒質(メタルバス)はその誘電体の電極となる。要求された周波数で動作し,容量成分及び抵抗成分の測
定に適した回路に接続することによって,この皮膜の誘電正接が得られる。
なお,誘電正接の温度特性を測定する方法を,参考として附属書Aに示す。
6.2 試験装置
試験装置は,次による。
− インピーダンスメータ。関連規格に規定する周波数において,試験片の静電容量を±1 %の精度で測
定できるものとする。
− 周波数発生器。関連規格に規定する正弦波電圧出力をもつものとする。
− 方法A試験装置。図9に示すメタルバスを用いる。電極とする安定している溶融金属(合金)を保持
し,温度を±1 ℃で制御する温度維持装置をもつものとする。
− 方法B試験装置。温度を±1 ℃まで制御する温度維持装置をもつ二つの金属ブロック及び導電性分散
液を用いる。
――――― [JIS C 3216-5 pdf 17] ―――――
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1 プラグ 2 絶縁材料 3 金属容器 4 試験片 5 電極
6 ターミナル 7 絶縁したクランプ
図9−誘電正接測定用メタルバス
6.3 試験片
6.3.1 メタルバス電極用試験片(方法A用試験片)
直線状の試験片を,図9に示すメタルバスへ浸すため,U字状に曲げる。
6.3.2 導電性分散液電極用試験片(方法B用試験片)
6.3.2.1 公称導体径0.100 mm以下のエナメル丸線
長さ100±5 mmの直線状の試験片を,直径12 mmの裸銅線の周りに巻き,次に導電性分散液でコー
トして乾燥させる。例えば,試験片の上にグラファイト水分散液を塗布する。この層の長さは100±5 mm
とする。その後,例えば,100 ℃の強制循環恒温槽で30分間,試験片を乾燥させる。
6.3.2.2 公称導体径0.100 mmを超えるエナメル丸線及びエナメル平角線
方法Bを行う場合,長さ約150 mmの直線状の試験片を,導電性分散液でコートする。例えば,試験片
の上に長さ100±5 mmになるように,グラファイト水分散液を塗布し,100 ℃の強制循環式恒温槽で30
分間試験片を乾燥させる。
6.4 試験手順
方法A 6.3.1に従って作製した試験片を,図9に示すメタルバスに浸す。試験は一つの試験片で行う。
方法B 6.3.2に従って作製した試験片を,二つの金属ブロック間に置く。試験片は,インピーダンスメ
ータと接続し,個別規格に規定する試験温度にする。その後,誘電正接はインピーダンスメー
タから直接読む。試験は一つの試験片で行う。
6.5 結果
試験は1回行い,誘電正接,周波数及び試験温度を記録する。
7 ピンホール試験
この試験の目的は,5.3に規定する高電圧均一性と同じであり,巻線を食塩水中に浸して絶縁の欠陥を見
つける方法である。
公称導体径が0.070 mm未満の場合は約1.5 m,0.070 mm以上の場合は約6 mの試験片をとる。
公称導体径が0.070 mm未満の試験片は,1±0.05 mの部分を直径100±50 mmの円弧状に巻き取る。
公称導体径が0.070 mm以上の試験片は,5±0.2 mの部分を直径300±100 mmの円弧状に巻き取る。
個別規格に規定がない場合,試験片は循環式恒温槽にて125±3 ℃で10分間放置する(注記1参照)。
――――― [JIS C 3216-5 pdf 18] ―――――
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加熱処理後は曲げ伸ばしせず(注記2参照),室温まで冷やした試験片は簡単にピンホールが検出できる
ように(特徴的なピンク色の流れが見える。)適量の30 g/Lのフェノールフタレインアルコール溶液を加
えた2 g/L食塩水中に浸す。
次に,試験片の導体と液との間に開放電圧が12 V±2 Vの直流電源をつなげる。液を正極,試験片の導
体を負極とし,電圧は1分間加える。過度の加熱を避けるため,短絡電流は500 mAに制限する。ピンホ
ールの数は目視で観察し,記録する。
注記1 加熱処理を行わない場合,適切な結果は得られない。
注記2 試験片を曲げ伸ばした場合,液におけるピンホールの発生を生じる可能性がある。
注記3 試験は水中で行うため,水でクレージングが発生するような特定のエナメル線では誤った結
果になる可能性がある。
――――― [JIS C 3216-5 pdf 19] ―――――
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附属書A
(参考)
誘電正接の温度特性測定法
この附属書では,誘電正接の温度特性測定法の例を示す。
A.1 誘電正接(tan δ)−変曲点
エナメル線の試験片を,コンデンサとして扱う。導体を電極とし,もう片方の電極はグラファイトの乾
いた膜を試験片上にコーティングするか,又は溶融金属のメタルバスのいずれかを用いる。試験片の温度
を制御し一定の速度で昇温することによって,誘電正接(tan δ)を測定し,“温度−誘電正接(tan δ)”の
グラフを作成することができる。この曲線によってエナメル皮膜の焼付度合いに関する温度(ガラス転移
温度)が得られる。他の手法として,高温から低温に冷却する方式がある。
A.2 試験方法
A.2.1 方法A
A.2.1.1 昇温による合金溶融方法
誘電正接が測定できる電気ブリッジを用いる。
エナメル線の試験片を,柔らかな布地できれいに拭き固定具に組み付ける。固定した試験片を,溶融最
低温度で事前に温調した溶融状態の液体金属溶液に浸す。試験片の導体を一方の電極,及び溶融状態の液
体金属をもう片方の電極として,測定装置(電気ブリッジ)に接続する。試験片を設置した装置の温度は,
適正なカーブを得るため,一定の速度で周囲温度から特定の温度まで昇温する。定期的に誘電正接及び温
度を測定し,X軸に温度(線形)をY軸に誘電正接(線形又は対数)をプロットする。読取りが速くでき
る場合は,自動的にチャートレコーダー又はコンピュータシステムに記録することが望ましい。自動的に
記録することによって,試験はより急速な温度上昇で測定することが可能となるが,読取値と実際の温度
との間に著しい遅れがないように,よく注意する必要がある。実際の設備,温度上昇及び解釈については,
受渡当事者間で合意することが望ましい。
A.2.1.2 降温による合金溶融方法
誘電正接が測定できる電気ブリッジを用いる。
エナメル線の試験片を,柔らかな布地できれいに拭き固定具に組み付ける。固定した試験片を,溶融最
高温度で事前に温調した溶融状態の液体金属溶液に30秒浸す。試験片を取り出し,余分な溶融合金を取り
除き室温で約10秒放置した後,再び浸す。試験片の導体を一方の電極,及び溶融状態の液体金属をもう片
方の電極として,測定装置(電気ブリッジ)に接続する。適正な誘電正接−温度曲線が得られるよう試験
片の温度を一定に下げる。試験は1回行う。
定期的に誘電正接及び温度を測定し,X軸に温度(線形)をY軸に誘電正接(線形又は対数)をプロッ
トする。
読取りが速くできる場合は,自動的にチャートレコーダー又はコンピュータシステムに記録することが
望ましい。自動的に記録することによって,試験はより急速な温度上昇で測定することが可能となるが,
読取値と実際の温度との間に著しい遅れがないように,よく注意する必要がある。実際の設備,温度上昇
及び解釈については,受渡当事者間で合意することが望ましい。
――――― [JIS C 3216-5 pdf 20] ―――――
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JIS C 3216-5:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60851-5:2011(MOD)
JIS C 3216-5:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3216-5:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
- JISC3216-1:2011
- 巻線試験方法―第1部:全般事項