JIS C 3306:2000 ビニルコード

JIS C 3306:2000 規格概要

この規格 C3306は、屋内で交流300V以下の小形電気器具に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁を施したビニルコード及びビニルキャブタイヤコードについて規定。

JISC3306 規格全文情報

規格番号
JIS C3306 
規格名称
ビニルコード
規格名称英語訳
Polyvinyl chloride insulated flexible cords
制定年月日
1950年7月15日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60227-5:1997(NEQ)
国際規格分類

ICS

29.060.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電気設備 I 2021, 電気設備 II-1 2021, 電気設備 II-2 2021, 電気設備 III 2021
改訂:履歴
1950-07-15 制定日, 1953-07-04 確認日, 1956-02-18 改正日, 1959-01-19 確認日, 1961-06-01 改正日, 1964-06-01 確認日, 1967-04-01 確認日, 1970-01-01 改正日, 1973-01-01 確認日, 1973-06-01 改正日, 1976-05-01 確認日, 1978-02-01 改正日, 1980-03-01 改正日, 1985-06-01 確認日, 1987-05-01 改正日, 1993-03-01 改正日, 1998-06-20 確認日, 2000-12-20 改正日, 2006-06-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS C 3306:2000 PDF [8]
C 3306 : 2000

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線
工業会 (JCMA) から工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これによってJIS C 3306 : 1993は改正さ
れ,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願などの知的財産権にかかわる確認については,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 3306 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 3306 : 2000

ビニルコード

Polyvinyl chloride insulated flexible cords

序文 この規格は,1997年に第2版として発行されたIEC 60227-5, Polyvinyl chloride insulated cables of rated
voltages up to and including 450/750 V−Part 5 : Flexible cables (cords) に対応する日本工業規格(日本産業規格)であるが,国
内事情のため技術的内容を変更して作成している。
なお,IEC 60227-5 : 1997[定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル−第5部 : 可とうケーブル
(コード)]を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)としてJIS C 3662-5 : 1998が
ある。
1. 適用範囲 この規格は,主として屋内で交流300V以下の小形電気器具に使用する塩化ビニル樹脂を
主体としたコンパウンド(以下,ビニルという。)で絶縁を施したビニルコード及びビニルキャブタイヤコ
ード(以下,コードという。)について規定する。
備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IECガイド21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している)及びNEQ(同等でない)とする。
IEC 60227-5 : 1997 Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including 450/750
V−Part 5 : Flexible cables (cords). (NEQ)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1のとおりとする。

――――― [JIS C 3306 pdf 2] ―――――

2
C 3306 : 2000
表1 種類及び記号
種類 記号(1)
単心ビニルコード VSF
二種単心ビニルコード HVSF
2個よりビニルコード VTF
二種2個よりビニルコード HVTF

ビニル平形コード VFF二種ビニル平形コード HVFFビニルキャブタイヤ丸形コード VCTFHVCTF二種ビニルキャブタイヤ丸形コード

                            ビニルキャブタイヤ長円形コードVCTFK
二種ビニルキャブタイヤ長円形コード HVCTFK
注(1) 記号の意味は,次による。
V : ビニル
SF : 単心コード
TF : 2個よりコード
FF : 平形コード
CTF : キャブタイヤコード
K : 長円形(小判形)
H : 二種絶縁体のもの
4. 特性 特性は,6.によって試験を行ったとき,表2による。
表2 特性
項目 特性 試験方法
ビニルコード 二種ビニルコード 適用箇条
導体抵抗 付表1の値以下 6.3
耐電圧 水中 1 000Vに1分間耐えなければならない。 6.4 a)
空中 2 000Vに1分間耐えなければならない。 6.4 b)
スパーク 5 000Vに0.15秒以上耐えなければならない。 6.4 c)
絶縁抵抗 常温 5M 地 上 (20℃) 6.5.1
高温 0.01M 地 上 (60℃) 0.005M地 上 (75℃) 6.5.2
絶縁体 絶縁体引張強さ10MPa以上 6.6
及びシ 伸び 100%以上 120%以上
ースの シース 引張強さ 10MPa以上
引張り 伸び 120%以上
加熱 絶縁体 引張強さ 加熱前の値の85%以上 加熱前の値の90%以上 6.7
伸び 加熱前の値の80%以上 加熱前の値の75%以上
シース 引張強さ 加熱前の値の85%以上
伸び 加熱前の値の80%以上
巻付加熱 表面にひび及び割れが生じてはならない。 6.8
低温巻付 6.9
加熱変形 絶縁体 厚さの減少率50%以下 厚さの減少率30%以下 6.10
シース 厚さの減少率50%以下
難燃 60秒以内に自然に消えなければならない。 6.11
曲げ(平形だけ) 素線の断線率が50%以下 6.12
線間短絡を生じず,かつ,絶縁体にひび,割れ,その
他の異状が生じてはならない。

――――― [JIS C 3306 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
C 3306 : 2000
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1及び次の各項による。
a) 導体 導体は,JIS C 3102に規定する軟銅線をより合わせたもの,又は硬銅線をより合わせた後焼き
なまして軟銅にしたものとする。導体上に必要によって,糸を横巻きにするか,適切なテープを施し
てもよい。
b) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上に付表1に示す厚さのビニルを被覆する。その絶縁体の平均厚さは,
付表1の値の90%以上とし,最小厚さは,付表1の値の80%以上でなければならない。単心コードは,
この絶縁加工を終わったものをもって完成品とする。
c) 線心の識別 線心の識別は,次による。
1) シースのあるもの 絶縁体の色又は絶縁体表面の色,その他適切な方法によって行い,通常表3に
よる。
表3 線心の識別
線心数 色
2心 黒,白
3心 黒,白,赤又は黒,白,緑
4心 黒,白,赤,緑
2) シースのないもの 絶縁体の色又は絶縁体表面の色,絶縁体に施す突起などの形状又は絶縁体上に
施す50mm未満の間隔で行う直線又は数字などの連続表示によって行う。
d) シース キャブタイヤコードのシースはビニルを用い,その平均厚さは付表1の値の90%以上とし,
最小厚さは,付表1の値の70%以上でなければならない。
e) 2個よりコード 2個よりコードは,線心2条を層心径の20倍以下のピッチでより合わせる。
f) 平形コード 平形コードは,a)の導体2条を一定の間隔で平行に配列したものに,付表1に示す厚さ
のビニルを施したもので,2心が容易に切り離すことができる形状とする。
g) キャブタイヤ丸形コード キャブタイヤ丸形コードは,線心所要条数を層心径の20倍以下のピッチで
より合わせ,介在物としてビニルで線心間のすき間を埋めた上にd)のシースを施す。また,介在物と
して綿糸その他の柔らかい繊維を使用することができる。
なお,その上に綿糸,その他の繊維又はテープを巻いてもよい。
h) キャブタイヤ長円形コード キャブタイヤ長円形コードは,b)の線心2条を密接して平行に配列して
d)のシースを施す。この場合線心間のすき間をシース材料で埋める。
6. 試験方法 試験方法は,次の各項による。
6.1 外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2 構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3 導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4 耐電圧 耐電圧は,次のa),b),c)のいずれかによる。
a) 水中 水中は,JIS C 3005の4.6 a)(水中)による。
b) 空中 空中は,JIS C 3005の4.6 b)(空中)による。
c) スパーク スパークは,絶縁体についてJIS C 3005の4.6 c)(スパーク)による。
6.5 絶縁抵抗
6.5.1 常温絶縁抵抗 常温絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。

――――― [JIS C 3306 pdf 4] ―――――

4
C 3306 : 2000
6.5.2 高温絶縁抵抗 高温絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.2(高温絶縁抵抗)による。ただし,規定温度
は,ビニルコードについては60℃とし,二種ビニルコードについては75℃とする。
6.6 絶縁体及びシースの引張り 絶縁体及びシースの引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシース
の引張り)による。
6.7 加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,絶縁体については,
ビニルコードの場合はJIS C 3005の4.17.2(試験方法)の表5のBによって,二種ビニルコードの場合は,
JIS C 3005の4.17.2の表5のFによる。また,シースについては,ビニルコード及び二種ビニルコードの
いずれの場合も,JIS C 3005の4.17.2の表5のBによる。
6.8 巻付加熱 巻付加熱は,JIS C 3005の4.19.1(A法)による。加熱温度は120℃±3℃とし,巻付回
数及び円筒の径は表4による。
なお,丸形及び長円形の線心については,単心と同様にして行わなければならない。
表4 巻付回数及び円筒の径
種類 巻付回数 円筒の径

単心コード 6 仕上外径
2個よりコード 線心径
平形コード 短径
キャブタイヤ丸形コード 仕上外径の2倍
キャブタイヤ長円形コード 短径の2倍
6.9 低温巻付け 低温巻付けは,JIS C 3005の4.20.1(A法)による。冷却温度は−10℃±1℃とし,巻
付回数及び円筒の径は表5による。
なお,丸形及び長円形の線心については,単心と同様にして行わなければならない。
表5 巻付回数及び円筒の径
種類 巻付回数 円筒の径

単心コード 6 仕上外径の3倍
2個よりコード 線心径の3倍
平形コード 短径の3倍
キャブタイヤ丸形コード 仕上外径の3倍
キャブタイヤ長円形コード 短径の3倍
6.10 加熱変形 加熱変形は,JIS C 3005の4.23(加熱変形)による。加熱温度は120℃±3℃とし,荷重
は表6による。ただし,板状試験片を用いた場合の荷重は,10Nとする。
表6 荷重
導体公称断面積 荷重 N
mm2 絶縁体 シース
0.5 3 −
0.75 5
1.25 4 7
2 5
6.11 難燃 難燃は,JIS C 3005の4.26(難燃)による。試験方法はJIS C 3005の4.26.2 b)(傾斜試験)
による。
なお,炎が微風などによって動揺しないように,適切な方法を講じる。
6.12 曲げ 曲げは,0.75mm2以上の平形コードについて行い,JIS C 3005の4.27.4(平形構造)による。

――――― [JIS C 3306 pdf 5] ―――――

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JIS C 3306:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60227-5:1997(NEQ)

JIS C 3306:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 3306:2000の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC3005:2014
ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JISC3102:1984
電気用軟銅線