JIS C 3307:2000 600Vビニル絶縁電線(IV)

JIS C 3307:2000 規格概要

この規格 C3307は、600 V以下の一般電気工作物や電気機器の配線に用いる塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された単心の絶縁電線について規定。

JISC3307 規格全文情報

規格番号
JIS C3307 
規格名称
600Vビニル絶縁電線(IV)
規格名称英語訳
600 V Polyvinyl chloride insulated wires
制定年月日
1951年9月18日
最新改正日
2016年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60227-3:1997(NEQ)
国際規格分類

ICS

29.060.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電気設備 I 2021, 電気設備 II-1 2021, 電気設備 II-2 2021, 電気設備 III 2021
改訂:履歴
1951-09-18 制定日, 1954-09-18 改正日, 1957-09-18 確認日, 1960-09-18 確認日, 1961-09-01 改正日, 1964-08-01 確認日, 1966-05-01 改正日, 1969-04-01 確認日, 1972-02-01 確認日, 1973-06-01 改正日, 1976-05-01 確認日, 1977-02-01 改正日, 1980-03-01 改正日, 1985-06-01 確認日, 1993-10-01 改正日, 2000-12-20 改正日, 2006-06-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS C 3307:2000 PDF [7]
C 3307 : 2000

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線
工業会 (JCMA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これによってJIS C 3307 : 1993は改正
され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願などの知的財産権にかかわる確認については,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 3307 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 3307 : 2000

600 V ビニル絶縁電線 (IV)

600 V Polyvinyl cloride insulated wires

序文 この規格は,1997年に第2版として発行されたIEC 60227-3, Polyvinyl chloride insulated cables of rated
voltages up to and including 450/750 V−Part 3 : Non-sheathed cables for fixed wiringに対応する日本工業規格(日本産業規格)で
あるが,国内事情のため技術的内容を変更して作成している。
なお,IEC 60227-3 : 1997を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)としてJIS C
3662-3 : 1998(定格電圧450/750 V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル−第3部 : 固定配線用シースなしケーブ
ル)がある。
1. 適用範囲 この規格は,600V以下の主に一般電気工作物や電気機器の配線に用いる塩化ビニル樹脂を
主体としたコンパウンド(以下,ビニルという。)で絶縁された単心の絶縁電線(以下,電線という。)に
ついて規定する。
備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している)及びNEQ(同等でない)とする。
IEC 60227-3 : 1997, Polyvinyl chloride insulated cables of rated voltages up to and including 450/750
V−Part 3 : Non-sheathed cables for fixed wiring (NEQ)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3101 電気用硬銅線
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3152 すずめっき軟銅線
3. 記号 記号は,IVとする。
4. 特性 特性は,6.によって試験を行ったとき,表1による。

――――― [JIS C 3307 pdf 2] ―――――

2
C 3307 : 2000
表1 特性
項目 特性 試験方法
適用箇条
導体抵抗 付表1及び付表2の値以下 6.3
耐電圧 水中 6.4a)
付表1及び付表2の試験電圧に1分間耐えなければならない。
スパーク 6.4b)
付表1及び付表2の値の5倍の試験電圧に耐えなければならない。
絶縁抵抗 常温 (20℃)付表1及び付表2の値以上 6.5.1
高温 (60℃) 6.5.2
絶縁体の引張り 引張強さ 10MPa以上 6.6
伸び 100%以上
加熱 引張強さ 加熱前の値の85%以上 6.7
伸び 加熱前の値の80%以上
耐油 管状 引張強さ 浸油前の値の85%以上 6.8
ダンベル状 浸油前の値の80%以上
管状 伸び 浸油前の値の85%以上
ダンベル状 浸油前の値の60%以上
巻付加熱 表面にひび及び割れを生じてはならない。 6.9
低温巻付け 6.10
加熱収縮 3%以下 6.11
加熱変形 厚さの減少率50%以下 6.12
難燃 60秒以内で自然に消えなければならない。 6.13
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1,付表2及び次による。
a) 導体 導体は,軟銅導体又は硬銅導体とする。軟銅導体は,JIS C 3102に規定する軟銅線若しくはこ
れをより合わせたもの,又は硬銅線をより合わせた後に焼なまして,軟銅にしたものとする。ただし,
電気機器の配線に使用する5.5mm2以下のより線は,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線を使用し
てもよい。硬銅導体は,JIS C 3101に規定する硬銅線又はこれをより合わせたものとする。
なお,最外層のより方向は,Sよりとする。
b) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上にビニルを付表1及び付表2に示す厚さに導体と同心円状に被覆す
る。絶縁体の平均厚さは,付表1及び付表2の値の±10%とし,最小厚さは,付表1及び付表2の値
の80%以上とする。
なお,電線の表面には,有害なきず及び気ほうがあってはならない。
c) 電線の色 電線の色は,導体が軟銅の場合は,黒・白・赤・緑・黄・青の6色とし,硬銅の場合は,
黒・白・青の3色とする。
6. 試験方法
6.1 外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2 構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3 導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4 耐電圧 耐電圧は,次のa)又はb)のいずれかによる。
a) 水中 水中は,JIS C 3005の4.6a)(水中)による。
b) スパーク スパークは,JIS C 3005の4.6c)(スパーク)による。
6.5 絶縁抵抗

――――― [JIS C 3307 pdf 3] ―――――

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C 3307 : 2000
6.5.1 常温絶縁抵抗 常温絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。
6.5.2 高温絶縁抵抗 高温絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.2(高温絶縁抵抗)による。規定温度は,60 ℃
とする。
6.6 絶縁体の引張り 絶縁体の引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。
6.7 加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,JIS C 3005の4.17.2
(試験方法)の表5のBによる。
6.8 耐油 耐油は,JIS C 3005の4.18(耐油)による。浸油温度及び浸油時間は,JIS C 3005の4.18の
表6のAによる。
6.9 巻付加熱 巻付加熱は,JIS C 3005の4.19.1(A法)による。加熱温度は,120℃±3℃とし,巻付回
数及び円筒の径は,表2による。
表2 巻付回数及び円筒の径
単線 より線 巻付回数 円筒の径
mm mm2 回
0.83.2 0.98 6 仕上外径の1倍
4.0, 5.014, 22 仕上外径の2倍
− 38 1
60, 100 約1/2
6.10 低温巻付け 低温巻付けは,JIS C 3005の4.20.1(A法)による。冷却温度は,−10℃±1℃とし,
巻付回数及び円筒の径は,表3による。
表3 巻付回数及び円筒の径
単線 より線 巻付回数 円筒の径
mm mm2 回
0.83.2 0.98 6 仕上外径の3倍
4.0, 5.014, 22 3 仕上外径の4倍
− 38, 60 約1/2 仕上外径の5倍
100 仕上外径の6倍
6.11 加熱収縮 加熱収縮は,JIS C 3005の4.21(加熱収縮)による。
6.12 加熱変形 加熱変形は,JIS C 3005の4.23(加熱変形)による。加熱温度は,120℃±3℃とし,荷
重は,表4による。ただし,板状試験片を用いる場合の荷重は,10Nとする。
表4 荷重
単線 より線 荷重
mm mm2 N
0.8, 1.0 0.9 3
1.2 1.25 4
1.63.2 28 5
4.0, 5.0 1438 7
− 60 10
100, 150 15
200500 20
6.13 難燃 難燃は,JIS C 3005の4.26(難燃)による。試験方法は,4.26.2のb)(傾斜試験)による。
7. 検査 検査は,6.の試験方法によって,次の事項について行い,4., 5.及び9.1の規定に適合しなければ
ならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,その一部又は全部を省略してもよい。

――――― [JIS C 3307 pdf 4] ―――――

4
C 3307 : 2000
a) 外観
b) 構造
c) 導体抵抗
d) 耐電圧
e) 絶縁抵抗(耐電圧試験を,スパークで行った場合は,常温絶縁抵抗を省略する。)
f) 絶縁体の引張り
g) 加熱
h) 耐油
i) 巻付加熱
j) 低温巻付け
k) 加熱収縮
l) 加熱変形
m) 難燃
8. 製品の呼び方 製品の呼び方は,名称,導体の種類を表す記号(1)及び導体径若しくは公称断面積又は
記号,導体の種類を表す記号(1)及び導体径若しくは公称断面積による。
注(1) 硬銅線の場合だけ (H) とする。
例1. 600Vビニル絶縁電線 1.6mm又はIV1.6mm
例2. 200Vビニル絶縁電線 (H) 5.5mm2又はIV (H) 5.5mm2
9. 表示及び包装
9.1 電線の表示 電線の表示は,適切なところに次の事項を容易に消えない方法で連続表示する。
a) 記号
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年又はその略号
9.2 包装の表示 包装の表示は,適切な方法で次の事項を表示する。
a) 名称又は記号
b) 導体径又は公称断面積(19本よりの38 mm2のものは,導体構成を記す。)
c) 導体の種類を表す記号[硬銅線の場合だけ (H) と記す。]
d) 電線の色
e) 長さ
f) 質量(ドラム巻きの場合は,総質量も併記する。)
g) ドラムの回転方向
h) 製造業者名又はその略号
i) 製造年又はその略号
9.3 包装 包装は,1条ずつドラム巻き又はたば巻きとし,運搬中損傷のないように適切な方法で行う。

――――― [JIS C 3307 pdf 5] ―――――

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JIS C 3307:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60227-3:1997(NEQ)

JIS C 3307:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 3307:2000の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC3005:2014
ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JISC3101:1994
電気用硬銅線
JISC3102:1984
電気用軟銅線
JISC3152:1984
すずめっき軟銅線