JIS C 3609:2000 規格概要
この規格 C3609は、公称電圧6600 V以下の高圧架空電線路から柱上変圧器の1次側に至る引下用として使用する架橋ポリエチレン又はエチレンプロピレンゴムで絶縁された単心の高圧引下用絶縁電線について規定。
JISC3609 規格全文情報
- 規格番号
- JIS C3609
- 規格名称
- 高圧引下用絶縁電線
- 規格名称英語訳
- High-voltage drop wires for pole transformer
- 制定年月日
- 1969年5月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 29.060.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 電気設備 I 2021, 電気設備 II-1 2021, 電気設備 II-2 2021, 電気設備 III 2021
- 改訂:履歴
- 1969-05-01 制定日, 1972-02-01 確認日, 1975-08-01 改正日, 1978-09-01 確認日, 1979-02-01 改正日, 1984-05-01 確認日, 1987-05-01 改正日, 1993-03-01 改正日, 1998-06-20 確認日, 2000-12-20 改正日, 2006-06-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS C 3609:2000 PDF [7]
C 3609 : 2000
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電線
工業会 (JCMA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これによってJIS C 3609 : 1993は改
正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS C 3609 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 3609 : 2000
高圧引下用絶縁電線
High-voltage drop wires for pole transformer
1. 適用範囲 この規格は,公称電圧6 600V以下の高圧架空電線路から柱上変圧器の1次側に至る引下用
として使用する架橋ポリエチレン又はエチレンプロピレンゴム(以下,EPゴムという。)で絶縁された単
心の高圧引下用絶縁電線(以下,電線という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3152 すずめっき軟銅線
3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。
表1 種類及び記号
種類 記号
高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線 PDC
高圧引下用EPゴム絶縁電線 PDP
備考 記号の意味は,次のとおりである。
PD : 高圧引下用
C : 架橋ポリエチレン
P : EPゴム
4. 特性 特性は,6.によって試験を行ったとき,表2による。
――――― [JIS C 3609 pdf 2] ―――――
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C 3609 : 2000
表2 特性
項目 特性 試験方法
適用箇条
導体抵抗 付表1及び付表2の値以下 6.3
耐電圧 6.4
付表1及び付表2の試験電圧に1分間耐えなければならない。
絶縁抵抗 付表1及び付表2の値以上 6.5
沿面耐電圧 発煙,燃焼又はフラッシュオーバを生じてはならない. 6.6
耐トラッキング 6.7
噴霧回数101回においても0.5A以上の電流が試料表面を流れ
ず,かつ,燃え上がってはならない。
絶縁体の 架橋ポリ 引張強さ 10MPa以上 6.8
引張り エチレン 伸び 200%以上
EPゴム 引張強さ 7MPa以上
伸び 400%以上
加熱 引張強さ 加熱前の値の80%以上 6.9
伸び
厚さの減少率40%以下
加熱変形(架橋ポリエチレンだけ) 6.10
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1,付表2及び次の各項による。
a) 導体 導体は,絶縁体が架橋ポリエチレン絶縁のものは,JIS C 3102に規定する軟銅線,EPゴム絶縁
のものは,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線を用い,それぞれは単線又はより線とする。より
線は,同心よりとし,ピッチは層心径の20倍以下,そのより方向はSよりとする。
b) 絶縁体 絶縁体は,a)の導体の上に,付表1及び付表2に示す厚さの架橋ポリエチレン又はEPゴムを
導体と同心円状に被覆する。
絶縁体の平均厚さは,付表1及び付表2の値の90 %以上とし,最小厚さは,付表1及び付表2の値
の80 %以上でなければならない。ただし,導体上に必要によって適切なセパレータを施すことができ
る。
なお,絶縁体の色は,黒とする。
6. 試験方法
6.1 外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2 構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3 導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4 耐電圧 耐電圧は,JIS C 3005の4.6 a)(水中)による。
6.5 絶縁抵抗 絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。
6.6 沿面耐電圧 沿面耐電圧は,JIS C 3005の4.12(沿面耐電圧)による。電極間隔は100mm,試験電
圧は,5 000 Vとする。
6.7 耐トラッキング 耐トラッキングは,JIS C 3005の4.13(耐トラッキング)による。
6.8 絶縁体の引張り 絶縁体の引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。
6.9 加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,架橋ポリエチレンで
はJIS C 3005の4.17.2(試験方法)の表5のE,EPゴムではJIS C 3005の4.17.2の表5のCによる。
6.10 加熱変形 加熱変形は,架橋ポリエチレンについて行い,JIS C 3005の4.23(加熱変形)による。
加熱温度は,120℃±3℃,荷重は20 Nとする。
――――― [JIS C 3609 pdf 3] ―――――
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C 3609 : 2000
7. 検査 検査は,6.の試験方法によって,次の項目について行い,4.,5.及び10.の規定に適合しなけれ
ばならない。ただし,受渡検査については,受渡当事者間の協定によって,その一部又は全部を省略する
ことができる。
a) 外観
b) 構造
c) 導体抵抗
d) 耐電圧
e) 絶縁抵抗
f) 沿面耐電圧
g) 耐トラッキング
h) 絶縁体の引張り
i) 加熱
j) 加熱変形
8. 包装 包装は,1条ずつたば巻又はドラム巻とし,運搬中損傷しないように適切な方法で行う。
なお,ドラム巻の場合には,電線の両端を適切な方法で密封しなければならない。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,種類(又は記号)及び導体径(又は公称断面積)による。
例 高圧引下用EPゴム絶縁電線2.0mm又はPDP2.0mm
10. 表示
10.1 電線の表示 電線には,適切なところに次の事項を容易に消えない方法で連続表示する。
a) 公称電圧(6 600Vと記す。)
b) 種類又は記号
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造年又はその略号
10.2 包装の表示 包装の表示は,適切な方法で次の事項を表示する。
a) 公称電圧(6 600Vと記す。)
b) 種類又は記号
c) 導体径又は公称断面積
d) 長さ
e) 質量(ドラム巻の場合は,総質量も併記する。)
f) 回転方向(ドラム巻の場合だけ)
g) 製造業者名又はその略号
h) 製造年又はその略号
――――― [JIS C 3609 pdf 4] ―――――
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C 3609 : 2000
付表1 高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線
導体 絶縁体 仕上 導体 試験 絶縁 参考
導体径 公称 構成 外径 厚さ 外径 抵抗 電圧 抵抗 概算 標準
mm 断面積 素線数/素線径 (約) (20℃) 質量 条長
mm2 本/mm mm mm mm 圀一 V M 地 kg/km m
2.0 − − − 3.0 8.0 5.65 12 000 2 500 75 300
2.6 8.6 3.35 100
3.2 9.2 2.21 130
− 5.5 7/1.0 3.0 9.0 3.33 105
8 7/1.2 3.6 9.6 2.31 135
14 7/1.6 4.8 11.0 1.30 205
22 7/2.0 6.0 12.0 0.824 290
30 7/2.3 6.9 13.0 0.623 365
――――― [JIS C 3609 pdf 5] ―――――
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JIS C 3609:2000の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3609:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC3005:2014
- ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
- JISC3102:1984
- 電気用軟銅線
- JISC3152:1984
- すずめっき軟銅線