JIS C 3803:1977 がいし及びブッシング用語

JIS C 3803:1977 規格概要

この規格 C3803は、鉱工業において用いるがいし及びブッシングに関する用語,その読み方及び意味について規定。

JISC3803 規格全文情報

規格番号
JIS C3803 
規格名称
がいし及びブッシング用語
規格名称英語訳
Glossary of terms for insulator and bushing
制定年月日
1977年5月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.29, 29.080.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1977-05-01 制定日, 1980-04-01 確認日, 1985-09-01 確認日, 1991-03-01 確認日, 1996-06-01 確認日, 2001-02-20 確認日, 2006-06-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS C 3803:1977 PDF [10]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 3803-1977

がいし及びブッシング用語

Glossary of Terms for Insulator and Bushing

1. 適用範囲 この規格は,鉱工業において用いるがいし及びブッシングに関する主な用語,その読み方
及び意味について規定する。
なお,参考のため対応英語を示す。
2. 分類 がいし及びブッシングの用語を,次のように分類する。
(1) 一般
(2) がいし
(3) ブッシング
(4) 特性
(5) その他
3. 番号,用語,読み方及び意味 番号,用語,読み方及び意味は,次のように定める。
1.00 一般
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
1.01 がいし 電気導体を絶縁して支持するための絶縁insulator
体とこれと一体に組み立てられた金具と
からなる絶縁支持物。
1.02 うわぐすり じんあいの付着を軽減するとともに磁器glaze
の機械的強度を増すため磁器表面に施さ
れたガラス質の表面層。
1.03 かさ shed
絶縁体の表面漏れ距離を増すために,絶縁
体の本体の周辺に沿ってかさ状に張り出
した部分。
1.04 水切りかさ みずきりか water drip shed
多量の降雨又は注水の際に,隣り合ったか
さ さ若しくはひだの間が落下する水によっ
て橋絡され,フラッシオーバ電圧が低下す
ひだ るのを防ぐために,他のかさ若しくはひだ
の直径よりも特に直径を大きくした磁器
製又は金属製かさ。
1.05 ひだ 絶縁体の本体又はかさに設けられた環状rib
の突出部。
1.06 下ひだ したひだ かさの下面に設けたひだ状の突起。 under-rib
1.07 かさのピッチ 隣接する2枚のかさの先端間の距離。 pitch of shed
1.08 胴 どう 絶縁体からかさ及びひだを除いた本体部core
分。

――――― [JIS C 3803 pdf 1] ―――――

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C 3803-1977
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
1.09 かさの出張り かさのでっ がいしの胴から突出したかさの長さ。 projection of shed
ぱり
1.10 平均直径 へいきんち がいしの絶縁部の外表面積を表面漏れ距average diameter
ょっけい 離の で除した寸法。
1.11 がいしユニットの高 がいしゆに spacing of a insulator
がいし単体の連結長さ。連用がいしのクレ
さ っとのたか ビス−アイ形の場合は金具きり孔中心間unit
さ の距離。ボールソケット−ソケット形の場
合はソケットに装置されたボールピン先
端間の距離。
1.12 がい管 がいかん 両端の開いた管状の中空絶縁体。 hollow porcelain
1.13 耐塩がい管 たいえんが 塩じん害に耐えるように考慮して設計さanti-pollution type
いかん れたがい管。 porcelain shell
2.00 がいし
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2.01 磁器がいし じきがいし 絶縁体が磁器で構成されたがいし。 Porcelain insulator
2.02 ガラスがいし 絶縁体がガラスで構成されたがいし。 Glass insulator
2.03 樹脂がいし じゅしがい 絶縁体が樹脂で構成されたがいし。 resin insulator

2.04 エポキシ樹脂がいし えぽきしじ 絶縁体がエポキシ樹脂で構成されたがいEpoxy resin insulator
ゅしがいし し。
2.05 円板形がいし えんばんが 絶縁体が円板形のがいし。 disc insulator
たがいし
2.06 円柱形がいし えんちゅう 絶縁体が円柱形のがいし。 rod insulator,
がたがいし cylindrical insulator
2.07 中実がいし ちゅうじつ 絶縁体が中実のがいし。 solid-core insulator
がいし
2.08 中空がいし ちゅうくう 絶縁体が中空のがいし。 Hollow insulator
がいし
2.09 かさ形がいし かさがたが 絶縁体がかさ形のがいし。 shell type insulator
いし
2.10 糸巻形がいし いとまきが 絶縁体が糸巻形のがいし。 Spool type insulator
たがいし
2.11 耐塩がいし たいえんが 塩じん害に耐えるように考慮して設計さanti-pollution type
いし れたがいし。 insulator
2.12 線路用がいし せんろよう 架空電線路用として設計されたがいし。Insulator for overhead
がいし Line
2.13 発変電所用がいし はつへんで 発変電所機器及び母線用として設計されInsulator for station
んしょよう たがいし。
がいし
2.14 電車線路用がいし でんしゃせ 電車線路用として設計されたがいし。 Insulator for electric
んろようが Overhead line
いし
2.15 通信線路用がいし つうしんせ 通信線路用として設計されたがいし。 Insulator for
んろようが Communication line
いし
2.16 懸垂用がいし けんすいよ 支持物から懸垂して使用されるがいし。Suspension insulator
うがいし
2.17 耐張用がいし たいちょう 支持物から電線の張力方向に引張り使用Strain insulator
ようがいし されるがいし。

――――― [JIS C 3803 pdf 2] ―――――

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C 3803-1977
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2.18 引留用がいし ひきどめよ 電線を引留めるために使用されるがいし。 Strain insulator
うがいし
2.19 固定用がいし こていよう 支持物に固定して使用されるがいし。 rigid insulator
がいし
2.20 連用がいしユニット れんようが がいし連の構成要素として使用されるがString insulator unit
いしゆにっ いし単体。

2.21 連用がいし れんようが String insulator
2個以上の連用がいしユニットから構成さ
いし れるがいし。
2.22 がいし連 がいしれん Insulator string
2個以上のがいしを直列に連結して可とう
性を持たせて構成された一連のがいし。
2.23 単連 たんれん 一連だけ単独に使用されるがいし連。 Single string
(一連) (いちれん)
2.24 多連 たれん 並列に使用される2連以上のがいし連。 Multiple string
2.25 がいし装置 がいしそう がいし又はがいし連と支持物と電線間にInsulator set
ち 介在するすべてのがいし附属品を含めた
装置。
2.26 懸垂がいし装置 けんすいが 支持物からほぼ鉛直に懸垂して使用されSuspension insulator
いしそうち るがいし装置。 set
2.27 耐張がいし装置 たいちょう 支持物から電線の張力方向に引張り使用Strain insulator set
がいしそう されるがいし装置。

2.28 V形懸垂がいし装置 ぶいがたけ がいし連をV形に配置した懸垂がいし装 V-arranged suspension
んすいがい 置。 Insulator set
しそうち
2.29 V形耐張がいし装置 ぶいがたた がいし連をV形に配置した耐張がいし装 V-arranged strain
いちょうが 置。 Insulator set
いしそうち
2.30 円板形懸垂がいし えんばんが キャップ及びピンを備えた円板形の連用disc type suspension
たけんすい がいし。 insulator
がいし
2.31 クレビス形懸垂がい くれびすが クレビスキャップとアイピンを備えた円Clevis type suspension
し たけんすい 板形懸垂がいし。 Insulator
がいし
2.32 ボールソケット形懸 ぼーるそけ ソケットキャップとボールピンを備えたball and socket type
垂がいし っとがたけ 円板形懸垂がいし。 suspension insulator
んすいがい

2.33 長幹がいし ちょうかん 絶縁体の両端にキャップを備えた中実円long rod insulator
がいし 柱形がいし。
2.34 クレビス−クレビス くれびす− 両端にクレビスキャップを備えた長幹がClevis-clevis type long
形長幹がいし くれびすが いし。 rod insulator
たちょうか
んがいし
2.35 クレビス−アイ形長 くれびす− Clevis-eye type long
一端にクレビスキャップ,他端にアイキャ
幹がいし あいがたち ップを備えた長幹がいし。 rod insulator
ょうかんが
いし

――――― [JIS C 3803 pdf 3] ―――――

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C 3803-1977
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
2.36 ソケット−ソケット そけっと− 両端にソケットキャップを備えた長幹がsocket-socket type
形長幹がいし そけっとが いし。 long rod insulator
たちょうか
んがいし
2.37 高圧耐張がいし こうあつた 高圧電線路に使用されるキャップ及びピhigh voltage strain
いちょうが ンを備えた耐張用がいし。 insulator
いし
2.38 低圧引留がいし ていあつひ 絶縁体が茶台形又は糸巻形をした引留用shackle type strain
きどめがい がいし。 insulator

2.39 DVがいし でーぶいが DV線(引込用ビニル絶縁電線)引込用がdrop wire insulator
いし いし。
2.40 線路用ピンがいし せんろよう ピンを備えた線路用固定用がいし。 pin insulator
ぴんがいし
2.41 ラインポストがいし ベース及びピン金具を備えた線路用中実line post insulator
円柱形固定用がいし。
2.42 ステーションポスト 絶縁体の両端にベース金具を備えた発変station post insulator
がいし 電所用中実又は中空円柱形固定用がいし。
2.43 屋内ポストがいし おくないぽ 絶縁体の両端にベース金具を備えた屋内indoor post insulator
すとがいし 用円柱形固定用がいし。
2.44 長幹形ジャンパー支 ちょうかん long rod jumper wire
絶縁体の一端にベースを,他端にクランプ
持がいし がたじゃん 式キャップ金具を備えたジャンパー用中post insulator
ぱーしじが 実円柱形固定用がいし。
いし
2.45 電車線路用円板形固 でんしゃせ き電線などを支持するのに使用される円disc support insulator
定がいし んろようえ 板形固定用がいし。 for electric overhead
んばんがた line
こていがい

2.46 多段積固定がいし ただんづみ 発変電所用として積重ねて用いられる一post insulator stack
こていがい 組の固定用がいし。

2.47 支線がいし しせんがい guy insulator
支線の中途に取り付け,その両者間を絶縁
し し,支線の張力荷重を受け止めるがいし。
2.48 玉がいし たまがいし 主として配電線路柱に使用する玉形支線ball type guy insulator
がいし。
2.49 井形がいし いがたがい 主として配電線路柱に使用する角状支線cube type guy
し がいし。 insulator
3.00 ブッシング
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
3.01 ブッシング 壁又はタンクなどの隔壁を貫通する導体bushing
又は導体を通す通路を持ち,これを隔壁か
ら絶縁し,支持する装置。
3.02 単一形ブッシング たんいつが plain bushing
主として単一種類の固体絶縁物を持ち,こ
たぶっしん れが絶縁の主体となるブッシング。

3.03 磁器ブッシング じきぶっし 絶縁体が磁器で構成された単一形ブッシporcelain bushing
んぐ ング。

――――― [JIS C 3803 pdf 4] ―――――

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C 3803-1977
番号 用語 読み方 意味 対応英語(参考)
3.04 樹脂ブッシング じゅしぶっ 絶縁体が樹脂で構成された単一形ブッシresin bushing
しんぐ ング。
3.05 エポキシ樹脂ブッシ えぽきしじ 絶縁体がエポキシ樹脂で構成された単一epoxy resin bushing
ング ゅしぶっし 形プッシング。
んぐ
3.06 油入ブッシング ゆにゅうぶ oil filled bushing
内部に絶縁油を満たし,これが内部絶縁の
つしんぐ 主体となるブッシング。
3.07 コンデンサブッシン 内部絶縁の主体となる絶縁物中に多数のcondenser bushing
グ 同心円筒状の電極を配置し,コンデンサを
形成させて電界を制御し又は分圧器を構
成するように設計されたブッシング。
3.08 油浸紙コンデンサブ ゆしんしこ 内部絶縁の主体となる絶縁物が油浸紙でoil impregnated paper
ッシング んでんさぶ 構成されたコンデンサブッシング。 condenser bushing
っしんぐ
3.09 レジン紙コンデンサ れじんしこ 内部絶縁の主体となる絶縁物がレジン紙resin treated paper
ブッシング んでんさぶ で構成されたコンデンサブッシング。 condenser bushing
っしんぐ
3.10 コンパウンド詰ブッ こんぱうん compound filled
内部に絶縁コンパウンドを満たし,これが
シング どづめぶっ 内部 bushing
しんぐ 絶縁の主体となるブッシング。
3.11 ガス封入ブッシング がすふうに gas filled bushing
内部に絶縁ガスを満たし,これが内部絶縁
ゅうぶっし の主体となるブッシング。
んぐ
3.12 気中−油中用ブッシ きちゅう− air-oil bushing
一端が大気中で,他端が絶縁油中で使用さ
ング ゆちゅうよ れるブッシング。
うぶっしん

3.13 気中−気中用ブッシ きちゅう− 両端が大気中で使用されるブッシング。air-air bushing
ング きちゅうよ
うぶっしん

3.14 油中−油中用ブッシ ゆちゅう− 両端が絶縁油中で使用されるブッシング。 oil-oil bushing
ング ゆちゅうよ
うぶっしん

3.15 中心導体 ちゅうしん ブッシングの中心を貫通する導体。 Central conductor
どうたい
3.16 中心パイプ ちゅうしん ブッシングを貫通する導体の通路を形成Central tube
ぱいぷ する管。
3.17 引込みリード ひきこみり draw lead
中心パイプを備えたブッシングにおいて,
ーど この管を貫通する導体。
3.18 保護ギャップ ほごぎゃっ ブッシングの外部でフラッシオーバを生Protective gap
ぷ じた場合に,ブッシングの損傷を防ぐ目的
で設けられた放電ギャップ。
3.19 電圧測定端子 でんあつそ 高圧端子の電圧を測定する目的でブッシPotential tap
くていたん ング内の一つの導電層の電位を外部に引
し き出すために設けられた端子。

――――― [JIS C 3803 pdf 5] ―――――

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