JIS C 4034-5:1999 回転電気機械―第5部:外被構造による保護方式の分類

JIS C 4034-5:1999 規格概要

この規格 C4034-5は、回転電気機械の外被構造による保護方式の分類及びその表示形式について規定。

JISC4034-5 規格全文情報

規格番号
JIS C4034-5 
規格名称
回転電気機械―第5部 : 外被構造による保護方式の分類
規格名称英語訳
Rotating electrical machines -- Part 5:Classification of degrees of protection provided by enclosures of rotating electrical machines (IP code)
制定年月日
1999年2月20日
最新改正日
2015年10月20日
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対応国際規格

ISO

IEC 60034-5:1991(IDT)
国際規格分類

ICS

29.160.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1999-02-20 制定日, 2004-06-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 4034-5:1999 PDF [13]
C 4034-5 : 1999 (IEC 60034-5 : 1991)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによってJIS C 4004 : 1992は廃止され,この規格に置き換えられる。
今回の制定は、回転電気機械の外被構造による保護方式の分類について,これまでJIS C 4004に含まれ
ていた部分(3.2)を分離し,現時点での最新の国際規格との整合性を図った。
JIS C 4034は,主題を“回転電気機械”として,次の各部によって構成される。
JIS C 4034-1 第1部 : 定格及び特性
JIS C 4034-5 第5部 : 外被構造による保護方式の分類
JIS C 4034-6 第6部 : 冷却方式による分類

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS C 4034-5 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 4034-5 : 1999
(IEC 60034-5 : 1991)

回転電気機械−第5部 : 外被構造による保護方式の分類

Rotating electrical machines−Part 5 : Classification of degrees of protection provided by enclosuresof rotating electrical machines (IP code)

序文 この規格は,1991年に第3版として発行されたIEC 60034-5, Rotating electrical machines−Part 5 :
Classification of degrees of protection provided by enclosures of rotating electrical machines (IP Code) を翻訳し,
技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,回転電気機械(以下,回転機という。)の外被構造による保護方式の分類及び
その表示形式について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 60034-5 Rotating electrical machines−Part 5 : Classification of degrees of protection provided
by enclosures of rotating electrical machines (IP Code)
2. 目的 この規格は,次のことを規定することを目的とする。
a) 次の1)及び2)の保護に関して,回転機に適用する外被構造による標準の保護の程度の定義
1) 外被構造内部の充電部との接触又は接近及び可動部(表面が平滑な回転軸及び類似な部品を除く。)
との接触に対する人命の保護並びに固形異物の侵入に対する保護
2) 水の浸入による有害な影響に対する保護
b) これらの保護の程度の表示記号
c) 回転機がこの規格の要求事項を満足していることを検証するために実施する試験
この規格は,外被構造による保護に関する要求事項を規定するものである。
この規格が対象とする外被構造とは,保護の程度以外のすべての点で使用目的に適合し,かつ,通常の
使用状態の下でこの規格で規定する保護の程度を維持できる外被構造をいう。
この規格は,回転機の機械的損傷又は湿気(例えば,凝結で生じる。),腐食性の蒸気,菌類若しくは害
虫などに対する保護の程度は対象としない。また,この規格は,防爆性能に関する保護の程度も対象とし
ない。
人身の安全のためだけに設けられた柵類は,外被構造物の一部とはみなさない。

――――― [JIS C 4034-5 pdf 2] ―――――

2
C 4034-5 : 1999 (IEC 60034-5 : 1991)
3. 表示記号 保護の程度を示す表示記号は,文字記号IPとそれに引き続く2個の数字で構成する。前者
を第1数字記号(第1形式名),後者を第2数字記号(第2形式名)と呼ぶ。
3.1 数字記号の置換え 保護の程度を単に1個の数字記号で示すときは,指示しない形式名の数字記号
をXで置き換える。
例 : IPX5,IP2X
3.2 付加文字 補足する情報は,付加文字で示す。2文字以上を付加する場合は,アルファベット順に付
加する。
3.2.1 特殊な適用分野では,数字の後に,水の浸入に対する保護が運転していない(文字S)又は運転し
ている(文字M)回転機に対して検証若しくは試験されたかどうかを示す1文字を付加することができる。
このような場合,その回転機の両方の状態の保護形式は,例えば,IP55S/IP20Mのように表示する。文字,
SとMが示されていない場合には,その保護形式がすべての正常な使用状態のもとでもたらされることを
意味する。
3.2.2 屋外用回転機(5.及び10.参照)を示すときは,Wを第2数字記号の後に添える。S,Mの記号が
あるときは,その後に添える。
3.3 表示例
参考 回転機によく使用する保護方式を,次に示す。

――――― [JIS C 4034-5 pdf 3] ―――――

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C 4034-5 : 1999 (IEC 60034-5 : 1991)
4. 保護の程度(第1数字記号)
4.1 第1数字記号は,人体を回転機内の回転部分又は導電部分に触れないように保護し,また,回転機
を固形異物の侵入に対して保護する程度を示す。表1の定義欄に各々の保護の程度について、阻止する固
形異物とその最小寸法を示す。
4.2 第1数字記号で示す保護の程度は,それより下位の保護の程度をすべて満足する。したがって,疑
わしい場合を除き,それより下位の保護の程度を検証する試験は不要である。
4.3 外扇がある場合,その羽根又はスポークの保護の程度が次の表に示す試験に合格しなければならな
い。試験は,回転子を手でゆっくり回転させて行う。
表面が平滑な回転軸及び類似の部品は,危険とはみなさない。
本体の保護の程度 外扇の試験
IP1X 50mm鋼球試験
IP2XIP5X 試験指試験
備考 特別な用途(農業用又は家庭用)においては,さらに上位の保護を必要とすることがある。
4.4 外被構造に水抜穴がある場合,次のことを適用する。
− 運転時に開いたままの水抜穴は,試験中は開いたままにしておかなければならない。
− 運転時に閉じたままの水抜穴は,試験中は閉じたままにしておかなければならない。
− 本体の保護の程度がIP3X又はIP4Xで,水抜穴が開いた状態で運転される回転機は,その水抜穴の
保護の程度はIP2Xを満足しなければならない。
− 本体の保護の程度がIP5Xで,水抜穴が開いた状態で運転される回転機は,その水抜穴の保護の程
度はIP4Xを満足しなければならない。
表1 第1数字記号で示す保護の程度
第1 保護の程度 試験条件
数字記号 概要(備考1.) 定義
0 保護を施していない回転機 特別の保護を施していない構造 表3
(無保護形)
1 50mm超過の固形異物に対して保護を施し
手の甲のような人体の大きな表面が,外被内部の導電部分又は
た回転機
(備考2.) 回転部分に偶然に,又は不注意に接触したり接近したりしない
構造(ただし,故意の接近に対しては無保護)
(半保護形) 直径50mm超過の固形異物が侵入しない構造
2 80mm長さを超えない指又は類似物が,外被内部の導電部分又
12mm超過の固形異物に対して保護を施し
た回転機
(備考2.) は回転部分に接触したり接近したりしない構造
(保護形) 直径12mm超過の固形異物が侵入しない構造
3 直径2.5mmを超える道具やワイヤが,外被内部の導電部分又
2.5mm超過の固形異物に対して保護を施し
た回転機
(備考2.) は回転部分に接触したり接近したりしない構造
(閉鎖形) 直径2.5mm超過の固形異物が侵入しない構造
4 直径1mm超過のワイヤ又は小薄片が,外被内部の導電部分又
1mm超過の固形異物に対して保護を施し
た回転機
(備考2.) は回転部分に接触したり接近したりしない構造
(全閉形) 直径1mm超過の固形異物が侵入しない構造
5 外部からの物体が,外被内部の導電部分又は回転部分に接触し
じんあい(塵挨)に対して保護を施した回
転機
(備考3.) たり接近したりしない構造
じんあいの侵入を極力阻止し,たとえ侵入しても正常な運転に
(防じん形) 支障がない構造
備考1. この欄の説明は,保護の形式を規定するために使用するのは適当ではない。
2. 固形異物の大きさは,互いに直角の三方向において定義欄にある数値を超えるもの。
3. じんあいの材質,大きさなどが分かっている場合,試験条件は製造業者と注文者間の協議によって定める。

――――― [JIS C 4034-5 pdf 4] ―――――

4
C 4034-5 : 1999 (IEC 60034-5 : 1991)
5. 保護の程度(第2数字記号)
5.1 第2数字記号は水の浸入に対する外被構造による保護の程度を示す。
表2の定義欄に第2数字によって示す各々の保護の程度について,外被構造による保護方式を詳しく示
す。
開放通路冷却回転機において,雨,雪,じんあいの侵入を防止又は低減させて,屋外で運転できるよう
な構造にしたものを屋外形とする。この保護の程度を記号Wで表す。
5.2 第2数字記号で示す保護の程度は,それより下位の保護の程度をすべて満足する。したがって,疑
わしい場合を除き,それより下位の保護の程度を検証する試験は不要である。
表2 第2数字記号で示す保護の程度
第2 保護の程度 試験条件
数字記号 概要 定義
0 保護を施していない回転機 水の浸入に対して特別の保護を施していない構造 表4
(無保護形)
1 鉛直方向に落下する水滴によって有害な影響を受けない構造
落下する水滴に対して保護を施した回転

(防滴形1)
2 通常の設置位置から15°まで機械を自由に傾けた場合に,鉛
鉛直から15°以内に落下する水滴に対し
て保護を施した回転機 直方向に落下する水滴によって有害な影響を受けない構造
(防滴形2)
3 散水に対して保護を施した回転機 鉛直から60°以内の角度で落下する散水状態の水によって
(防雨形) 有害な影響を受けない構造
4 飛まつに対して保護を施した回転機いかなる方向からの飛まつによっても有害な影響を受けない
(防まつ形) 構造
5 噴水流に対して保護を施した回転機いかなる方向からのノズルによる噴流によっても有害な影響
(防噴流形) を受けない構造
6 波浪に対して保護を施した回転機 波浪又は強力なジェット噴流によっても有害な影響を与える
(防波浪形) だけの水が機内に浸入しない構造
7 浸水に対して保護を施した回転機 規定の水圧,時間で水中に浸したとき,有害な影響を与える
(防浸形) だけの水が機内に浸入しない構造
8 水中の使用に対して保護を施した回転機
製造業者が規定した条件下の水中で,連続的に運転できる構
(水中形) 造
備考 通常,これは回転機が密封されていること
を意味するが,運転に支障のない程度の水
の浸入を認める場合もある。
6. 表示 保護の程度を表す文字記号と数字記号は,定格銘板又は外被上に表示する。
各部品の保護の程度が同一でない場合は,保護の程度の低いものから表示し,その後に適用部分を表示
する。
据付方法が保護の程度に影響を与える場合は,製造業者は定格銘板又は取扱説明書に,保護の程度に応
じた据付方法を表示する。
7. 試験に関する一般的要件 この規格に規定した試験は形式試験であり,標準機又はそのモデル機に対
して適用する。適用が困難な場合,確認の方法と試験法は当事者間の協議による。
別に規定がない限り,被試験機は新品で汚れておらず,すべての部品を装備し,かつ,製造業者が規定
した方法で据え付けなければならない。この試験,検査はすべて停止中に行う。

――――― [JIS C 4034-5 pdf 5] ―――――

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