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C 5381-11 : 2014 (IEC 61643-11 : 2011)
動作責務試験(8.3.4)
500 A 以下 500 A超過
続流
7.1.1 d) 2)参照
(C.2)
電源の特性 電源の特性
(8.3.4.2.1) (8.3.4.2.2)
測定制限電圧の決定
(8.3.3)
クラスI試験 クラスII,クラスIII試験
試験
クラスは
何か
動作責務試験 動作責務試験
(8.3.4.3) (8.3.4.3又は
8.3.4.5)
追加責務試験
(8.3.4.4)
合格基準
(8.3.4.6)
試験完了
図6−動作責務試験のフローチャート
8.3.4.1 一般
この試験は,8.3.4.2に規定する交流電源によって最大連続使用電圧UCを印加中のSPDに,定めた回数
の規定インパルスを印加することによって使用状態をシミュレートする試験である。
動作責務試験を実施する場合の基本回路を,図7に示す。
測定制限電圧を8.3.3に規定する試験によって決定する。
供試品への過負荷を避けるため,次によって,正極性1回,負極性1回のサージ試験を実施する。
a) 8.3.3.1に規定する試験。ただし,クラスI試験のIimpの波高値だけで試験する。
b) 8.3.3.1に規定する試験。ただし,クラスII試験のInだけ試験する。
c) 8.3.3.3に規定する試験。ただし,クラスIII試験のUOCだけ試験する。
――――― [JIS C 5381-11 pdf 36] ―――――
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C 5381-11 : 2014 (IEC 61643-11 : 2011)
D
UC サージ
DUT
(SPD)
UC : 8.3.4.2による交流電源
D : 製造業者が指定するSPD分離器
DUT : 供試品(SPD)
サージ : 8.3.4.3によるクラスI及びクラスIIの動作責務試験用8/20電流
8.3.4.4による追加動作責務試験用インパルス放電電流Iimp
8.3.4.5によるクラスIIIの動作責務試験用コンビネーション波形
図7−動作責務試験用の試験設定の回路図
8.3.4.2 動作責務試験に対する交流電源特性
8.3.4.2.1 続流500 A以下のSPD
供試品は,交流電源に接続する。電源インピーダンスは,続流している間SPDの端子部で測定した電源
電圧の波高値が,UCの波高値よりも10 %以上低下しないようにする。
8.3.4.2.2 続流500 Aを超えるSPD
供試品は,電圧UCで次のいずれか大きい方の推定短絡電流を流せる交流電源に接続する。
a) 表8によって製造業者が提示した続流遮断定格Ifiに等しい電流。
b) 500 A
ただし,TT及び/又はTN系統で中性相と保護接地との間だけに接続するSPDを除き,推定短絡電流
は,100 A以上とする。
注記 SPDの続流遮断定格と,設置場所での特定の電源システムの推定短絡電流との協調に関する情
報については,JIS C 5381-12 及びJIS C 60364-5-53の534.2.3.5を参照する。
8.3.4.3 クラスI及びクラスII動作責務試験
この試験では,一群5パルスの正極性8/20電流インパルスの印加を,3回実施する。供試品を8.3.4.2に
規定する電源に接続する。各インパルスは電源周波数に同期する。同期角は,0°から30°間隔で増加し,
その角度での許容差は±5°でなければならない。試験のタイミング図を,図8に示す。
SPDにUCを印加する。電源の推定短絡電流は,一連のインパルスを加えている間,8.3.4.2に適合して
いなければならない。SPDへのUCの印加は,再点弧を検査するために,各群のインパルス印加後及び最
終の続流遮断後(ある場合),1分間以上連続しなければならない。最後の群のパルス印加及びその1分間
後,安定性を検査するために,更に15分間,SPDにUCを印加したままにしておくか,又は30秒間以内
に他の電源に切り換え,UCを再印加する。このために,電源の短絡電流容量を5 Aに低減してもよい。
クラスI試験でSPDを試験する場合,Iimpの波高値をもつ8/20電流インパルスを適用する。
クラスII試験でSPDを試験する場合,8/20電流インパルスのInを適用する。
注記 一つのSPDをクラスI試験及びクラスII試験で分類する場合は,製造業者の同意の下に,両ク
ラス試験の最も厳しいパラメータで1回だけ実施してもよい。
――――― [JIS C 5381-11 pdf 37] ―――――
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C 5381-11 : 2014 (IEC 61643-11 : 2011)
図8−クラスI試験及びクラスII試験の動作責務試験のタイミング図
インパルスの間隔は50秒60秒間,インパルス群の間隔は30分35分間とする。
群間では,供試品は交流電圧を印加する必要はない。
全てのインパルス電流を記録し,電流の記録は,供試品の破損又はフラッシオーバの兆候があってはな
らない。
8.3.4.4 クラスI試験に対する追加の責務試験
試験は,SPDを通過するインパルス電流を段階的にIimpまで増加する。
SPDにUCを印加する。サージを印加中,電源の推定短絡電流は5 Aとする。各インパルスを印加後及
び最終の続流遮断後(ある場合),再点弧を検査するために,1分間以上遮断しないで交流電圧を印加し続
ける。各群のインパルス印加及びその1分間後,安定性を検査するために,更に15分間,SPDにUCを印
加したままにしておくか,又は30秒間以内に他の電源に切り換え,UCを再印加する。このために,電源
の短絡電流容量を5 Aにする。
交流電圧を印加した供試品に商用周波電源の正の波高値に一致するところで,正極性のインパルス電流
を,次のように印加する。
a) 0.1 Iimpのインパルス電流を1回,熱的安定性を確認し,周囲温度まで冷却する。
b) 0.25 Iimpのインパルス電流を1回,熱的安定性を確認し,周囲温度まで冷却する。
c) 0.5 Iimpのインパルス電流を1回,熱的安定性を確認し,周囲温度まで冷却する。
d) 0.75 Iimpのインパルス電流を1回,熱的安定性を確認し,周囲温度まで冷却する。
e) 1.0 Iimpのインパルス電流を1回,熱的安定性を確認し,周囲温度まで冷却する。
試験のタイミング図を,図9に示す。
図9−クラスI試験のための追加責務試験のタイミング図
――――― [JIS C 5381-11 pdf 38] ―――――
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C 5381-11 : 2014 (IEC 61643-11 : 2011)
8.3.4.5 クラスIII動作責務試験
供試品を8.3.4.2に規定する電源に接続する。各インパルスは電源周波数に同期する。
SPDに対し,UOCに対応する次の3グループのインパルスを印加して試験する。
a) 正極性の半サイクル中の波高値で,5回の正極インパルス(±5°)
b) 負極性の半サイクル中の波高値で,5回の負極インパルス(±5°)
c) 正極性の半サイクル中の波高値で,5回の正極インパルス(±5°)
試験のタイミング図を,図10に示す。
図10−クラスIII試験に対する動作責務試験のタイミング図
8.3.4.6 全ての動作責務試験及びクラスI試験のための追加試験に対する合格基準
表4に規定する合格基準A,B,C,D,E,F,G及びMに適合しなければならない。
8.3.5 分離器及び過負荷のSPDの安全性特性
8.3.5.1 耐熱性試験
SPDは,周囲温度80 ℃±5 ℃の恒温槽に24時間放置する。表4に規定する合格基準C及びGに適合
しなければならない。
8.3.5.2 熱安定性
この試験は,次による。
a) 試験設定 試験手順は,次の2種類の異なる設計に対応して実施する。
− 電圧制限素子だけからなるSPDに対しては,c) 1)の試験手順を適用する。
− 電圧制限及び電圧スイッチング素子を用いるSPDに対しては,c) 2)の試験手順を適用する。
b) 供試品準備 異なる非線形性素子を並列に接続しているSPDに対して,試験は,残りの全ての電流経
路の断路又は遮断によって,SPDの各通電経路を試験する。同一のタイプ及び特性の素子を並列に接
続している場合は,一つの電流経路として試験する。
電圧制限素子に直列に接続した試験中の電流経路内の電圧スイッチング形素子は,試験中溶断しな
いような直径の銅線又はダミーで短絡する。
製造業者は,上記要求によって供試品を準備する。
c) 試験手順 試験の手順は,次による。
1) 電圧制限素子だけをもつSPDに対する試験 供試品は,商用周波電源に接続する。
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C 5381-11 : 2014 (IEC 61643-11 : 2011)
電圧は,SPDに電流が流れるように十分高くする。この試験における電流は,一定に設定する。
試験電流の許容差は,±10 %とする。第1の供試品に対して,実効値2 mAから開始する又はUC
での漏電電流が既に2 mAを超えている場合は,UCで試験を開始する。
この電流値は,2 mA又は先に設定した試験電流の5 %のいずれか大きい値で,段階的に増加する。
他の2個の供試品に対しての開始点は,2 mAから,第1供試品の分離した点の5段階前の電流値
に変更する。
各段階では,熱平衡(例えば,最高温度点での温度変化が10分間で2 K以下である)に到達する
まで保持する。
SPDケースの最高温度点における外部表面温度(接近可能なSPDだけ)及びSPDを通過する電
流は,連続的に監視する。
注記1 SPDの最高温度点は,初期試験,又は最高温度点を決定するために多くの点を監視する
ことで,決定してもよい。
この試験は,試験中の全ての非線形性素子が分離した場合には中断する。電圧は,分離器の誤動
作を避けるために,更に増加してはならない。
注記2 全ての非線形素子が分離したことが疑わしい場合は,目視検査を実施することが望まし
い。
注記3 素子のクラックだけでは,分離したとは認めない。
試験中にSPD両端の電圧がUREFよりも低くなった場合,電流調整を止め,電圧をUREFまで戻し
そのまま15分間維持する。連続的な電流監視は,これ以上必要ない。電源は,分離器が動作するま
での電流を制限しない短絡電流容量をもっていなければならない。最大許容電流値は,製造業者が
指定する短絡電流耐量を超えてはならない。
2) 他の素子と直列に接続した電圧スイッチング素子をもつSPDに対する試験 分離器が動作する前
に電流を制限しない短絡電流容量をもつ商用周波電源で,電圧UREFをSPDに印加する。最大許容
電流値は,製造業者の指定する短絡電流耐量を超えてはならない。
十分な電流が流れない場合は,試験手順c) 1)を用いる。
注記4 “十分な電流が流れない”という意味は,SPDが導通変化の開始に至らないと考える(例
えば,SPDが熱的に安定している)。
合格基準
表4に規定する合格基準C,H,I,J,M及びOを適用する。
さらに,屋内用のSPDの表面温度上昇は,試験中及び試験後120 K以下とする。試験中の全ての非線形
素子が分離した5分間後,表面の温度上昇は80 K以下でなければならない。
8.3.5.3 短絡電流耐量
この試験は,次のSPDの場合には適用しない。
− 屋外用及び手の届かない場所に設置するもの。
− TN及び/又はTTシステムにおけるN−PE間の接続だけのためのもの。
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JIS C 5381-11:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-11:2011(IDT)
JIS C 5381-11:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-11:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)