JIS C 5381-12:2021 低圧サージ防護デバイス―第12部:低圧電源システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 34

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
表K.2−設置クラス別のサージイミュニティ試験レベル(続き)
注d) 10 m未満のケーブル接続を意図する通信の場合,試験を推奨しない。
注e) EUT(供試装置)の上位(電源側)での防護(SPDによる)を指定する場合で,その防護なしで試験する場
合,試験レベルは,SPDの電圧防護レベルと等しくすることが望ましい。
注f) 高速通信回線は,非対称,対称,シールド,入出力及び/又は通信線を含めることが可能である。
一般機器のためのサージイミュニティレベルに関する追加の考慮事項は,次による。
IEC TR 61000-3-15及びIEC TR 61000-2-14では,機器の誤動作を避けるために,L−E間[充電相と接
地(グラウンド)との間,及び中性線と接地(グラウンド)との間]の定格インパルス電圧は,充電相と
充電相との間の公称電圧よりも5倍高くすることを推奨している。
JIS C 61000-4-5で規定する試験レベル(サージイミュニティレベル)の最小要求値は,IEC TR 61000-3-
15及びIEC TR 61000-2-14で規定する定格インパルス電圧よりも低い(表K.3参照)。
表K.3−交流入力ポートのサージイミュニティレベル
IEC TR 61000-3-15及びIEC TR 61000-2-14 JIS C 61000-4-5で規定する試験レベル(例)
機器の公称電圧 定格インパルス電圧 電圧 電流
(V) (kV) (kV) (kA)
120/240 0.6/1.2 0.5(レベル1) 0.25
230/400 1.2/2.0 1.0(レベル2) 0.5
277/480 1.4/2.4 2.0(レベル3) 1.0
400/690 2.0/3.5 4.0(レベル4) 2.0
注記 この表で示すJIS C 61000-4-5で規定する試験レベル(例)の電流値(kA)は,コンビ
ネーション波形発生器CWGの出力を短絡したときに流れる電流である。
コンピュータ,高速処理ユニットなどの敏感な機器では,サージイミュニティのために,追加の防護を
必要としてもよい。この機器は,スイッチング電源(SMPS)からの低電圧直流電源で動作する。SMPSの
入力回路は,高いインパルス耐電圧をもつが,SMPSの出力電圧はサージによって変化する可能性がある。
そのため,SMPSの出力回路には,特定の小形ABD又はサイリスタなどによる追加の防護を必要としても
よい。この場合,SMPSの直流出力電圧は,事前に測定し,防護のために適切な部品を適用してサージイ
ミュニティ試験を実施する。
JIS C 61000-4-5及びJIS C 60050-161:1997の161-01-20に規定するイミュニティは,電磁妨害が存在す
る環境で,機器,装置又はシステムが性能低下しないで動作することが可能な能力である。
上記したように,過電圧に対する機器の防護を達成するパラメータに基づいてSPDを選定することは,
可能である。これは,機器の充電相導体と接地との間のフラッシオーバを防護する(すなわち,絶縁協調
を意味する。)。過電圧に対する機器の防護は,7.4.5に規定するように,機器の定格インパルス電圧UWに
基づいて決定する電圧防護レベルをもつSPDを選定することで達成する。
注記 この基準は,JIS Z 9290-4,JIS C 60664-1,JIS C 60364規格群及びIEC 60364規格群でも規定し
ている。
なお,SPDのパラメータを,単に機器のイミュニティと一致させることに基づくSPDの選定は,不可能
であるため,上記の対策は,機器の完全なイミュニティを保証するものではない。例えば,JIS C 61000-4-
5に適合し,2 kVのサージイミュニティをもつ機器は,2 kV未満の電圧防護レベルUpをもつSPDによっ
て,高いストレス(サージ)から防護する場合でも,損傷又は機能損失を受けないとは限らない。

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イミュニティに対する機器とSPDとの協調は,次を含む各種パラメータに依存する。
− SPDの設計(電圧スイッチングSPD,電圧制限SPD,複合SPD)及び特性
− 機器内部の任意のサージ防護部品SPC(種類及び特性)
− 機器内部の任意の過電流保護器
− 機器内部の任意のコンデンサ又はフィルタ部品
− SPDと機器との間の配線のインピーダンス及び抵抗
− 受けるストレス(サージ電流値,頻度,波形など)
多くの場合,上記パラメータは,不明又は明確には決まらない。これは,多くの場合,SPD(機器の定
格インパルス電圧UWに基づき選定する。)は,イミュニティに対して機器を防護するが,LEMPに対する
システムの完全なイミュニティを保証するためには,システム全体での試験又はシミュレーションによる
追加の評価が,必要であることを意味する(附属書O参照)。

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附属書L
(参考)
一部の国における分電盤内へのSPDの設置例
一部の国における分電盤内へのSPDの代表的な設置例を,図L.1図L.5に示す。7.4.4及び6.5.5で規
定したように,SPDの接続リード線長は最短とし,SPDの定格短絡電流ISCCRは,分電盤内のSPD設置場
所での電源の推定短絡電流IPと協調を取ることが重要である。
2
1
3
SPD
記号説明
1 : 電源供給
2 : 主開閉器(一部の国では断路器)
3 : SPD及び分離器(分離器は,SPDの内部に組込み可能)
図L.1−主開閉器の負荷側に分離器(SPDの内部に組込み可能)及びSPDを接続した単線結線図
このような,SPD及び分離器の接続は,例えば,設備の耐電圧試験(我が国では絶縁抵抗試験という。)
の場合に,主開閉器の断路なしで,SPDを分離することが可能であるため,良い方法である。

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
記号説明
1 : 分電盤
2 : 主開閉器(主断路器又は主配線用遮断器)
3 : 主接地端子
4 : 中性点端子
5 : SPDを収納するきょう(筐)体
6 : 第一の分岐ヒューズブロック
7 : 追加の分岐ヒューズブロック
8 : 分電盤のきょう(筐)体への接続
PE : 保護導体(接地)を示し, 分電盤の主接地端子に接続している。
N : 中性線を示し, 中性点端子に接続している。
L1,L2,L3 : 三相電源線
図L.2−電源供給に最も近い利用可能な配線用遮断器にSPDを接続した例
(英国の代表的なTN−Sシステムの設備)
配線用遮断器は,SPDを接続,及び分離するための便利な手段でもある。分電盤内には十分なスペース
がないため,SPDは,電気安全を考慮し,分離したきょう(筐)体に収納する。このきょう(筐)体は,
SPDの接続リード線を短くするため,分電盤に隣接して直接設置する。追加の接地線によるボンディング
は,接続リード線の電圧降下を更に小さくするために実施する。

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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
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2 SPD
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記号説明
1 : 電源供給
2 : 主開閉器(主断路器又は主配線用遮断器MCB)
3 : 第一の分岐ヒューズブロック
4 : 追加の分岐ヒューズブロック
5 : ヒューズ又は配線用遮断器
図L.3−ヒューズ(又は配線用遮断器)経由で分電盤の第一の分岐にSPDを接続した単線結線図
適切なヒューズ(又は配線用遮断器)を用いることは,SPDの設置のために便利であり,例えば,設備
の耐電圧試験の場合,主開閉器を断路しないで,SPDを分離することが可能であるため,良い方法である。
ヒューズの大きさ(定格電流)は,SPDのサージ耐量を低減しないで,上位(電源側)のヒューズと協調
が取れるものを選定する。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 170] ―――――

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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-12:2020(IDT)

JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧