JIS C 5381-321:2004 低圧サージ防護デバイス用アバランシブレークダウンダイオード(ABD)の試験方法 | ページ 2

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C 5381-321 : 2004 (IEC 61643-321 : 2001)
温度変
3.11 ブレークダウン電圧の温度係数αV(BR) temperature coefficient of breakdown voltage αV(BR) ]
化に対するブレークダウン電圧V(BR)の変化の比。
備考 mV/K又は %/Kで表す。

3.12 温度軽減 (temperature derating)

 規定する基準温度を超えた場合,ピークインパルス電流又はピー
クインパルス電力のどちらかを下げること。
備考 電流又は電力の百分率で表す。
熱平衡状態において,単位電力を消費

3.13 熱抵抗RthJA, RthJC, RthJL (thermal resistance RthJA, RthJC, RthJL)

したときの接合部を基準とした周囲,ケース又はリード端子部の温度上昇値。K/Wで表す。

3.14 過渡熱インピーダンスZthJA, ZthJC, ZthJL (transient thermal impedance ZthJA, ZthJC, ZthJL)

 熱平衡状態
に入る前の熱抵抗に相当するパラメータ。特定の時間間隔後における仮想接合部温度と想定した基準点又
は基準領域(周囲,ケース又はリード端子部)との間の温度差の変化量を,同じ時間間隔で関係する部分
の温度差が起きる電力損失の変化量で除したもの。
備考 過渡熱インピーダンスは,K/Wで表す。
3.15 定格平均電力損失PM (AV) rated average power dissipation PM (AV) ] デバイス故障を引き起こすことな
く規定する電流及び温度において反復的なパルスを流すときの定格平均電力損失。
3.16 ピークオーバシュート電圧VOS (peak overshoot voltage VOS) デバイスに波頭長10 獎 下の電流を
通電したときのクランピング電圧VCを超える過電圧。
備考 この値は,10/1 000の電流波形でのクランピング電圧VCの百分率で表す場合もある。

3.17 直流パルス試験電流IT (pulsed d.c. test current IT)

 ブレークダウン電圧V(BR)を測定するための試験
電流。通常40 ms未満の継続時間でミリアンペア単位のパルスを用い,製造業者が指定する。
備考 I(BR)ともいう。

3.18 ピークインパルス電流IPP (peak impulse current IPP)

 クランピング電圧VCを決定するために適用す
る電流。

4. ABDの基本機能及び説明

 ABDは,その基本構造において,アノード(陽極P)及びカソード(陰
極N)からなるP/N接合の半導体である(図1a参照)。
直流印加の例として,接合を逆バイアスするには,ABDのカソード(陰極N)側に正電位を印加する(図
1b参照)。

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N P N P
+ -
図1a 構造 図1b バイアスした状態
第一象限
+i
I FSM
+ −
I FS P-N
BR V WM
V C VV(BR)
−V +V
ID
V FS
IT
− +
P-N
I PP
I PPM
第三象限 −i
図1c V-I特性
アバランシパラメータ 順方向パラメータ
VWM : 最大使用電圧 VFS : 順電圧
ID : 待機電流 IFS : 順サージ電流
VC : クランピング電圧 IFSM : 定格順サージ電流
V(BR) : ブレークダウン電圧
IPP : ピークインパルス電流
IPPM : 定格ピークインパルス電流
IT : 直流パルス試験電流
備考 双方向ABDの場合,第一象限は,第三象限のV-I特性を示す。
図 1 片方向ABDの構造,バイアスした状態及びV-I特性

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印加電圧VOがP/N接合のブレークダウン(アバランシ)電圧V(BR)より大きいとき,ABDは,待機電流
IDより大きな電流を流し始める。過渡インパルス電圧を印加している間,ABDはある規定する値に電圧を
制限する。
ABDの主機能は,過渡電圧を制限すること及びサージ電流を分流することである。ABDはパッケージ
の方法でABDの特性が異なるので,サージ防護デバイスの設計に用いるときの選定に必要となるダイオ
ードのパラメータだけをここに掲載している。他のパラメータは,ここでは確認していないが,選定及び
特定の適用には,重要になることがある。
ABDは一つのパッケージに複数のダイオードを収容するような方法で構成することがある。複数ダイオ
ードパッケージは,SPDCの特性又は定格を満たすために直列又は並列のいずれかで組み立てた個々の
ABDチップを含むことがある。このABDの構成は,単一のSPDCとみなす。単一パッケージ内の複数の
接合部は,複数回線保護用の独立したABDとしても使用できる。ダイオードアレイ内のそれぞれのダイ
オードは,この規格によって個々に試験しなければならない。
逆バイアスの場合,ABDは,待機(高インピーダンス)又はクランピング(比較的低インピーダンス)
(図1c,第三象限参照)の二つの動作モードになる。待機状態でABDに流れる電流は,待機電流と呼ぶ。
この電流は接合(又は周囲)温度によって変化する。アバランシブレークダウンの開始は,ABDの電圧−
電流特性において高インピーダンス(待機)から,低インピーダンス(クランピング)への転移によって
区分する。オン状態でダイオードは,大きな過渡電流を流し,半導体接合部のブレークダウン電圧を上回
る比較的低いクランピング電圧を維持する。図1は片方向のABDである。ABDは片方向又は双方向に作
ることができる。双方向ABDは,第一象限及び第三象限において,両極性で類似の特性を示す。
図1cにおいて,第一象限のV-Iカーブは,片方向アバランシダイオードの順バイアス状態(半導体接合
のP側に正極性電圧印加)を示す。この状態で,片方向ABDは順バイアスP/N接合ダイオードと類似の
特性を示す。順方向では,順電圧が低いほど過渡電流は大きくできる。しかし順電圧は,規定した波形の
大きな過渡電流では高い電圧を示す。この電圧は,半導体材料の基板抵抗及び接合面積に依存する。
ブレークダウン電圧は,ブレークダウン電圧の温度係数に記述したように,接合部又は周囲温度に対し
て線形の変化を示す。 25 ℃で判定したクランピング電圧及び半導体ブレークダウン電圧の温度係数によ
って,他の周囲温度での実効クランピング電圧を決めることができる。

5. 使用状態

 通常の使用状態は,次による。
− 気圧 86106 kPa ( IEC 60749及びIEC 60721)
− 屋外用素子の周囲温度範囲は−40+85 ℃及び屋内用素子の周囲温度範囲は−20+70 ℃(IEC
60364参照)
− 太陽又はその他の照射(JIS C 0364-3参照)
− 標準温度状態下での相対湿度(IEC 60068参照)
− 屋内相対湿度90 %以下又は規定に従う
− 異常な使用条件に暴露するSPDCは,ABDの設計及び適用に特別の配慮を要求することがあり,製造
業者に注意を喚起することが望ましい。
− ダイオード製造業者が指定するその他の事項は,次のとおりとする。
最大連続ダイオード電圧,ピークインパルス電力又は電流温度軽減,ピークインパルス電流定格,過
渡反復定格,耐溶剤性,はんだ付け性及び引火性

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6. 試験方法及び手順

6.1 試験基準概要

 特性パラメータ試験を,6.36.8に示す。定格パラメータ試験を,6.96.19に示す。
特性パラメータは,ABD固有のもので,測定可能な性能である。定格パラメータは,ABDの限界能力又
は限界条件のいずれかを決めるための値である。6.36.8の試験は,サージ防護デバイス (SPD) 用の素子
を選定するときのために,ABDに規定するパラメータの測定方法を示す。これらのパラメータは,デバイ
スごとに異なることがあるので,SPD用に選定した部品のすべてを測定しなければならない。双方向ABD
は,正極性及び負極性電圧の両方で試験しなければならない。

6.2 試験条件

 デバイスに実施する6.36.8の試験は,その用途に対して要求するものである。特に指
定がない限り,周囲試験状態は,次のとおりとする。
− 温度 : 25±5 ℃
− 相対湿度 : 85 %未満
− 気圧 : 86106 kPa (IEC 60749)
備考 これらの試験に用いる電圧及びエネルギーレベルに関して,すべての試験について危険性を考
慮し,試験の際に適切な注意を払うことが望ましい。

6.3 クランピング電圧VC

(図2参照)6.3.1 この試験の目的は,規定する波形のピークインパルス電流IPPを通電したときの,ABDの電圧防護
レベルを決めることである。特に指定がない限り,デバイスは両極性で試験しなければならない。
S1 S2 L
R1 R2
PS C R3 DUT V CRO
R4
PS : 充電用電源 R2 : インパルス波形及び電流制限用抵抗
R1 : 充電用抵抗 R3 : インパルス波形調整用抵抗
S1 : 充電用スイッチ R4 : 電流測定抵抗(同軸形),カレントトランス又は
適切な定格のプローブを用いてもよい。
C : インパルス波形調整用コンデンサ
S2 : インパルス放電用スイッチ DUT : 供試品 (ABD)
L : インパルス波形調整用インダクタ V : ピーク電圧計
CRO : 電圧電流観測用オシロスコープ
備考 回路図は説明のためだけのものである。大電流,高周波の試験のためには4端子
ケルビン接触,差動オシロスコープ,短リードなどで観測しなければならない。
図 2 クランピング電圧VC,ピークインパルス電流IPP及び定格順サージ電流IFSMの試験回路
6.3.2 電圧電流特性曲線の確認のために,クランピング電圧は二つの電流レベルで測定しなければならな
い。ピーククランピング電圧及びピーク試験電流は時間の一致がなくてもよい。試験電流レベルは,特に
要求がない限り,10/1 000(又は8/20)の波形を用い,0.2Ipp及びIppにしなければならない。

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6.4 定格ピークインパルス電流IPPM

(図2参照) この試験の目的は,ABDの設計がデバイス故障を引き起こすことなくインパルス電流を規定回数印加できることを確認することである。多重ピークインパル
ス電流の評価は,電流波形が10/1 000(又は8/20)デバイスに印加して確認しなければならない。インパ
ルス電流は,45秒ごとに1回,通電しなければならない。双方向デバイスでは,単一極性で10連続パル
ス試験をしなければならない。7. の故障基準を適用する。

6.5 最大使用電圧VWM及び最大使用実効電圧VWMrms

(図3参照) この試験の目的は,デバイス故障を引き起こすことなく指定する温度範囲でABDに印加できる最大電圧を確認することである。製造業者は
ABDに通電される最大待機電流を指定する。最大使用実効電圧は,対称形及び双方向ABDにだけ適用す
る。
A
PS DUT DUT1 V
PS : 可変電圧直流電源(交流試験の場合,交流電源)
A : 直流微小電流計(交流試験の場合,交流電流計)
DUT : 供試品(片方向素子)
DUT1 : 供試品(双方向素子)
V : デジタル電圧計(交流試験の場合,オシロスコープ)
図 3 最大使用電圧VWM,待機電流ID及び最大使用実効電圧VWMrmsの試験回路

6.6 待機電流ID

(図3参照) この試験の目的は,製造業者が指定する温度で,ABDの待機電流レベルを確認することである。最大使用電圧VWMは,可変直流電源でデバイスに印加,通電しなければならない。
待機電流は,電圧の安定化を考慮して10 ms以上通電後に測定しなければならない。

6.7 ブレークダウン(アバランシ)電圧V(BR)

(図4参照)6.7.1 ABDは,指定するパルス直流電流及び温度で試験しなければならない。試験電流I(BR)又はITの通
電時間は40 ms未満でなければならない。
6.7.2 この電気的特性は,指定する試験電流による最小電圧範囲として表示する。特に指定する要求性能
がない場合は,試験電流I(BR)又はITは,1 mAを推奨する。低電圧又は更に高いパワーデバイスでは,更
に大きな試験電流とする。

――――― [JIS C 5381-321 pdf 10] ―――――

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