JIS C 5381-331:2021 低圧サージ防護用部品―第331部:金属酸化物バリスタ(MOV)の要求性能及び試験方法 | ページ 8

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
附属書C
(規定)
加速耐久性スクリーニング試験
C.1 加速耐久性スクリーニング試験
この試験の目的は,初期故障不良がないかMOVを確認することである。この試験は,ESD用途で用い
るMOVには適用しない。
C.2 供試品の準備
この試験に用いる供試品の数は,同一の製造ロットから10個以上とする。供試品は,試験の前に表C.1
に示す電流によって印加電圧VTを測定し,記録する。また,全試料のVTのばらつき範囲は,±1 %以内と
する。
表C.1−VT測定で用いる電流値
MOVの直径 ≦7 mm ≧10 mm
VT測定時の電流 0.1 mADC 1 mADC
C.3 試験条件
試験する供試品を恒温槽内で温度105 ℃±5 ℃に加熱する。印加する直流電圧は,試験する供試品のVT
の最小値とする。
C.4 試験回路
試験回路図は図C.1による。

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
図C.1−加速耐久性スクリーニング試験回路図
規定がない場合,試験期間は1 000時間とする。VT測定の時間間隔として,168時間,366時間及び1 000
時間を推奨する。ただし,測定は,1 000時間経過の1回だけでも許容する。
1 000時間印加後の供試品を室温で1時間以上放置し,全ての供試品のVTを測定する。各VTの測定で,
VTの変化率が初期値から±10 %を超えた場合,又はヒューズが開放状態になった場合は,その時点でその
供試品は不適合品とみなす。不適合品が発生した場合,試験(電圧印加)は中止してもよい。
C.5 合格基準
合格基準は,バリスタ電圧の変化率が初期値から±10 %以内とする。ただし,供試品に対応する過電流
リレー又は125 mAの電流ヒューズが1個でも開放状態の場合は,不合格とする。

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
附属書D
(参考)
平均故障時間(MTTF)の試験方法の提案
D.1 サンプリング計画
信頼性水準60 %及び信頼水準90 %並びに許容故障回数Cが0及び1に基づく,使用者が選定する四つ
のサンプリング計画を提供する。その四つのサンプリング計画を表D.1に示す。
表D.1−サンプリング計画
寿命(年) 5 10 15 20 30
寿命(1 000時間) 44 88 132 176 264
MTTF(故障数/106時間) 22.7 11.4 7.57 5.7 3.8
故障率(%/1 000)水準記号 L- 2.27 L-1.14 M-0.76 M-0.57 M-0.38
Mレベルの
許容故障
信頼性水準 累積単位
回数 試験する累積単位時間(×106)
(%) 時間a)
C
(×106)
60 0 0.091 6 0.040 4 0.080 4 0.120 5 0.160 7 0.241 1
60 1 0.202 0.089 0.177 2 0.265 8 0.354 4 0.531 6
90 0 0.230 0.101 3 0.201 8 0.302 6 0.403 5 0.605 3
90 1 0.389 0.171 4 0.341 2 0.511 8 0.682 5 1.023 7
注a) Mレベルの累積単位時間(×106)は,試験する累積単位時間(×106)を計算するための基準
であり,情報提供だけを目的としている。
D.2 総試験時間
総試験時間は,合計2 000時間の平均故障時間試験を実施するのが一般的な方法である。
D.3 供試品
供試品の総数は,表D.1に示す年単位又は1 000時間単位での寿命要求に従って,NA又は(NB1+NB2)
のいずれでもよい。
NA=[表D.1から選択する試験を実施する累積単位時間(×106)]/2 000 (D.1)
NB1=NA/3,NB2=(2/3)NA/AF (D.2)
ここで,供試品NA及び供試品NB1は,通常定格条件の電圧及び温度(VM及び最大動作温度)下で試験
を実施する。供試品NB2は,加速因子AFを用いた加速条件下で試験を実施する。
試験する全ての供試品の初期バリスタ電圧は,互いに1 %以内にする。
注記 AFの決定方法は,検討中である。

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
D.4 試験準備
電圧源は,全ての供試品に規定する試験電圧(±0.5 %)を印加する。電圧源の電流定格は,供試品に流
れる電流の増加を制限するものであってはならない。
試験槽の温度は,規定値(±1 K)とする。
一つの電流検出用抵抗器Ryを各供試品に直列に接続する。Ryは試験槽の外側に配置する[図D.1のa)
参照]。Ryの値は,その両端の電圧が試験電圧の0.5 %を超えないように選択する。図D.1のb)に,低電圧
MOVに適した代替試験回路を示す。この回路は,オペアンプAと抵抗器Ryとによって漏電電流を電圧に
変換する。電圧計のV1及びV2並びに抵抗器Ryの精度は1 %とする。
a) 一般的な試験回路 b) 低電圧MOVに適した試験回路例
図D.1−MTTFの試験回路
注記 図D.1のb)に示す試験回路は,非常に大きな増幅率(10 000以上のものが一般的)をもつオペア
ンプ(OA)のバーチャル·ゼロ原理に基づいている。増幅率が10 000であるOAの出力電圧が0
mVから1 000 mVに変化すると,OA(V1)の入力電圧は0 mVから0.1 mVに変化し,0とみな
せる。したがって,図D.1のb)のMOVの低位端子は“ゼロ電位”又は“仮想ゼロ点”とみなせ
る。例えば,MOVを流れる電流が1 mA,Ry=1 000 Ωの場合,OA(V2)の出力電圧は1 mA×
1 000 Ω=1 000 mV,MOVの端子電位は0.1 mVになっている。
D.5 中間測定
供試品を通過する電流は,1時間,4時間,24時間,96時間,200時間,500時間,750時間,1 000時
間,1 250時間,1 500時間,1 750時間及び2 000時間経過後に中間測定を実施する。安定して増加する測
定値が認められる場合は,より短い間隔の追跡測定を実施する。
D.6 故障基準
故障基準は,供試品を通過する電流が着実に増加し,かつ,初期値(試験開始後1時間で測定する電流
値)の製造業者が指定する倍数を超えて上昇することが基準となる。
D.7 合格基準
故障回数は,表D.1に規定する値以下とする。

JIS C 5381-331:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-331:2020(IDT)

JIS C 5381-331:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-331:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0617-4:2011
電気用図記号―第4部:基礎受動部品