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ョンを起こす凝着力としては,ファンデルワールス力,静電力,介在する液体の表面張力が代
表的である。
2.3 材料技術
(Terms relating to material science)2.3.1シリコン オン インシュレータ,SOI(silicon-on-insulator)
絶縁体と,その上に形成されたシリコンの薄い層とによって構成された構造体。
注記 サファイア(SOSの場合),ガラス(SOGの場合),酸化シリコン,窒化シリコン,又は高抵抗
シリコンが絶縁体として用いられる。
2.4 機能要素
(Terms relating to functional element)2.4.1アクチュエータ(微小電気機械デバイス)(actuator)
電気的エネルギー又は非力学的運動エネルギーを力学的運動エネルギーに変換して,機械的仕事を行う
機械要素。
2.4.2
マイクロアクチュエータ(microactuator)
マイクロマシニング技術によって作られたアクチュエータ。
注記1 マイクロマシンが機械的仕事を行うためには,その基本要素としてマイクロ化されたアクチ
ュエータが不可欠である。主な例として,シリコンプロセスで作製した静電アクチュエータ,
PZTのような機能性材料を利用した圧電アクチュエータ,ゴム製空気圧アクチュエータなど
があるが,その他にも様々なエネルギー変換原理を応用した多くのマイクロアクチュエータ
が研究開発されている。しかし,これらのアクチュエータは,小形化するほどエネルギーの
変換効率が低下するため,マイクロマシン用の新規アクチュエータとして,生物の運動メカ
ニズム,例えば,たんぱく分子の変形,細菌のべん(鞭)毛運動,筋収縮などを解析し,こ
れらを利用することも研究されている。
注記2 例えば,微小静電アクチュエータは狭領域の静電場によって駆動し,微小磁気アクチュエー
タは狭領域の磁場によって駆動し,微小圧電アクチュエータは狭領域の応力場によって駆動
する。
2.4.3
光駆動形アクチュエータ(light-driven actuator)
光を信号源又は動力源としたアクチュエータ。
注記 光わい(歪)効果などの性質を示す材料が開発されたことによって,これらの材料特性を利用
した種々の光駆動形アクチュエータが提案されるようになった。これらのアクチュエータは,
構造が簡単で,非接触で駆動可能なことが特徴である。磁性体の光吸収による加熱で生じる,
磁化方向が可逆的に変化するスピン再配列現象を利用したモータも提案されている。また,熱
膨張を利用するもの,及び高分子の光化学反応を利用するアクチュエータも研究されている。
2.4.4
圧電アクチュエータ(piezoelectric actuator)
圧電材料を利用したアクチュエータ。
注記 圧電アクチュエータは,単板形,バイモルフ形及び積層形に分類され,圧電材料としてはチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)が一般的に用いられる。その特徴は,次の1)5)などである。
――――― [JIS C 5630-1 pdf 6] ―――――
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1) 応答速度が速い。
2) 単位寸法当たりの発生力が大きい。
3) 構造が簡素で小形化が容易。
4) 変位レンジが小さく微小変位コントロールが容易。
5) エネルギー変換効率が高い。
超音波モータ,微小変位ステージ,圧電ファン,圧電ポンプ,圧電スピーカなどに用いられ
ている。開発例として,圧電バイモルフの共振振動を利用して移動を行う移動機構用圧電アク
チュエータ,積層形圧電素子の変位をてこで拡大する微小位置決め用圧電アクチュエータなど
がある。
2.4.5
形状記憶合金アクチュエータ(shape-memory alloy actuator)
形状記憶合金を利用したアクチュエータ。
注記 形状記憶合金アクチュエータは,小形軽量で,発生力が大きい。温度変化サイクルによって,
連続的な繰返し動作をさせる。また,スイッチングによる通電加熱で任意の動作をさせること
も可能である。最近では,特に,速い動きを必要としない用途において,フィードバック機構
及び冷却機構を工夫することによって,サーボシステムを構成することが試みられている。例
えば,細胞の操作のためのマイクログリッパ,微小流量を制御するマイクロバルブ,医療用の
能動内視鏡などの開発が行われている。
2.4.6
ゾル・ゲル変換アクチュエータ(sol-gel conversion actuator)
物質のゾル状態“液体状態”とゲル状態“固体状態”との間の変化を利用したアクチュエータ。
注記 ゾル・ゲル変換アクチュエータは,生物に近い動きをさせることが可能である。例えば,電解
溶液に入れたポリアクリル酸ソーダ・ゲルの小球に電極を付け,電圧を印加すると変形を繰り
返すアクチュエータが得られる。これを細い管に直列に封入し足を多数形成すると,一定方向
に移動するムカデのようなマイクロロボットができる。また,細い管の中を自動的にほふく前
進するマイクロロボットなどに応用することも考えられている。
2.4.7
静電アクチュエータ(electrostatic actuator)
静電力を利用したアクチュエータ。
注記 静電アクチュエータは,構造が簡単で小形化するほど質量当たりの出力向上が期待できるため,
マイクロマシン用のアクチュエータとして多くの研究がなされている。ワブルモータ,フィル
ム形静電アクチュエータなどの試作例がある。
2.4.8
くし(櫛)歯状アクチュエータ(comb-drive actuator)
くし歯状の一連の平行突起部をもつ構造が同様の構造及び隙間を保ちながらかみ合い,これらの間の静
電力で駆動されるアクチュエータ。
注記 二つの構造間に電荷が与えられることによって静電引力が作用し,くし歯構造同士が引きつけ
あい,電荷がなくなると微細加工されたばねの力によって元の位置に戻る。
2.4.9
ワブルモータ,ハーモニック静電モータ(wobble motor, harmonic electrostatic motors)
――――― [JIS C 5630-1 pdf 7] ―――――
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ロータと偏心したステータ表面とをロータが滑らずに転がり運動させる可変ギャップ形静電モータ。
注記 ワブルモータは,ハーモニック静電モータとも呼ばれロータと静電力発生用の電極とをもつス
テータ,及びロータ又はステータ表面に形成される絶縁膜から構成される。ロータは,公転方
向及び反対方向に自転し,自転速度Vrotは,次の式によって求められる。
Vrev LstatLrot
Vrot
Lrot
ここに, Vrev : 公転速度
Lstat : ステータ周長
Lrot : ロータ周長
その特徴は,次の1)4)などである。
1) ロータ周長をステータ周長に近づけることによって低速・高トルクが容易に達成できる。
2) しゅう動部がなく摩擦及び摩耗の影響がない。
3) 種々の材料が使用可能。
4) アスペクト比を容易に大きくできる。
一方,ロータが公転によって振動するという問題がある。試作例には,可とう継手によって
ロータを支持したワブルモータ,ICプロセスによって製作されロータが支軸に対し転がり運動
するワブルモータがある。
2.4.10
マイクロセンサ(microsensor)
マイクロマシニングによって作製された物理量及び化学量を検出する微小な素子の総称。
注記 マイクロマシンの中で最も早期に開発され,実用化されているのがこのマイクロセンサの分野
である。機械量センサ(圧力,加速度,触覚,変位など),化学量センサ(イオン,酸素,温度,
湿度など),電気量センサ(磁気,電流など),バイオセンサ,光学センサなどの様々なマイク
ロセンサが開発されている。機構部を含む検出部と集積回路とを一体化した例が多い。センサ
をマイクロ化する利点は,次の1)4)などの利点が挙げられる。
1) 環境を乱さない。
2) 局所的な状態が計測できる。
3) 回路と一体化できる。
4) 省電力。
2.4.11
バイオセンサ(biosensor)
生体物質を素子に用いたセンサ,生体関連物質を測定対象とするセンサ,及び生体をモデルとしたセン
サの総称。
注記 バイオセンサの一般的な構成は,測定対象物を識別するための生体分子識別材料(酵素,抗体
などの生体触媒が用いられることが多い。)また,その反応に伴う物理量及び化学量を検出する
デバイスから成る。このデバイスには半導体センサ及び種々の電極(ISFET,マイクロ酸素電
極,蛍光検出オプティカルセンサなど)を用いることができ,シリコン微細加工技術によって
製作される。血液分析システム,グルコースセンサ,マイクロロボットなどに使用される。
2.4.12
集積化マイクロプローブ(integrated microprobe)
――――― [JIS C 5630-1 pdf 8] ―――――
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マイクロプローブと信号処理回路とを統合し,一体化したプローブ。
注記 センサは,その感応部分の大きさが小さいほど被測定系を乱さないS/N比の良い計測ができる,
局所の情報を得ることができるといった特長がある。集積化マイクロプローブは,シリコンを
微細加工によって極微細な針状に加工したマイクロプローブと信号処理回路とを統合・一体化
したデバイスである。シリコン針を数nmから数μmに加工したプローブ,インピーダンス変
換回路などが一体化されている。生体用の微小電極,走査トンネル顕微鏡(STM)及び原子間
力顕微鏡(AFM)に利用されている。
2.4.13
ISFET(ion-sensitive field-effect transistor)
イオン感応性電極と電界効果形トランジスタ(FET)とを一体化した半導体センサ。
注記 イオン感応性電極部では,血液の水素イオン濃度(pH)及び炭酸ガス分圧などの変動によって
膜電圧が変化する。増幅用のアンプとして電界効果形トランジスタ[FET : キャリヤによる電
流通路(チャネル)のコンダクタンスをキャリヤの流れに直角な電界によって制御するトラン
ジスタ]が使用される。シリコンの微細加工技術によって,シリコン基板上に検出部及び増幅
器が一体化されて製作される。また,バルブなどのメカニカル部品も同時に製作された例もあ
る。ISFETは医学分析,環境機器などの分野で用いられる。
2.4.14
加速度計(accelerometer)
入力された加速度を,その大きさに比例した出力(通常,電気的)に変える変換器(ISO 2041:2009の
4.10参照)。
注記 シリコン微細加工技術を基にした加速度センサは,一般に軟らかいばね及び質量で構成されて
いる。加速度が加わる質量の慣性力によってばねの変位を検出するか,又はその変位を相殺す
る力を測定して,加速度を検出している。これらシリコンで作られたセンサのうち,加速度セ
ンサは次世代の商品として期待されており,半導体ひずみゲージ方式,静電容量検出方式,電
磁サーボ方式,静電サーボ方式などの多くの事例がある。さらに,共振周波数の変化を検出す
る振動検出方式センサ及び圧電効果を利用した圧電効果形加速度センサもある。自動車,ロボ
ット,宇宙産業などの幅広い分野への応用を目指して,開発が進められている(JIS B 0153参
照)。
2.4.15
マイクロジャイロ(microgyroscope)
角速度を検出する微小なセンサ。
注記 マイクロジャイロは,マイクロロボットの姿勢センサとして期待されている。機械式のジャイ
ロは,コリオリ力を利用し回転式及び振動式がある。また,サニャック効果を利用したものと
しては,リングレーザジャイロ及びオプティカルファイバジャイロがある。これらの方式のう
ち,マイクロ化に向くと考えられる振動式[音さ(叉)形及び音片形]がマイクロ用として研
究されている。
2.4.16
ダイアフラム構造(diaphragm structure)
柔軟な膜を用いた隔壁構造。
注記 マイクロ領域では,材料として主に単結晶シリコン,ポリシリコンなどが用いられ微細加工プ
――――― [JIS C 5630-1 pdf 9] ―――――
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ロセスにおける異方性エッチングによって作製される。また,ダイアフラムの厚さは,数μm
数十μm用途に応じて変えることができる。この構造は,圧力変化を検出又は変位を発生さ
せるのに用いられる。応用としては,自動車エンジンなどの圧力センサの感圧部分に使用され
る。さらに,マイクロバルブ及びマイクロポンプにおいては,圧力を変化させる膜として利用
される。
2.4.17
微小片持ちはり(梁)(microcantilever)
微細加工によって作られた片持ちはり(梁)。
注記 微小片持ちはりは,原子間力顕微鏡(AFM)のような高解像度プローブ顕微鏡に多用される。
2.4.18
微小流路(microchannel)
微細加工によって作られた流路。
注記 微小流路は,ラブオンチップのような微小流体システムに多用される。微小流路内の流れは巨
視的な流れと異なりその解析は,微小理工学における重要な課題の一つとなっている。微小流
路は,音響用導波路としても用いられる。
2.4.19
マイクロミラー(micromirror)
反射角が制御できる微小な鏡。
2.4.20
走査ミラー(scanning mirror)
光を走査するための鏡。
注記 走査ミラーは,レーザープリンタのヘッド部,光応用センサの走査部,光ディスク用ヘッド,
ディスプレイなどに用いられている。マイクロマシニング技術によってミラー及び駆動部を一
体化及び配列化した走査ミラーアレーも製作できる。マイクロマシンの具体的応用として期待
されている分野の一つである。
2.4.21
マイクロスイッチ(microswitch)
微細加工で作られた機械スイッチ。
注記1 “マイクロスイッチ”という用語は,従来技術によって作られた市販のスイッチで既に使わ
れている。
注記2 マイクロスイッチの主な応用は,マイクロリレーである。
2.4.22
光スイッチ(optical switch)
電気信号に変換することなく光を直接スイッチングする光学要素。
2.4.23
マイクログリッパ(microgripper)
微小な対象物を把持するための機械要素。
注記 マイクログリッパには二つの位置付けがある。マイクロマシンを組み立てるツールとしての位
置付け,及びマイクロロボットなどの手としての位置付けである。いずれの場合でも,対象物
をつかむための指とそれを動かすアクチュエータとをもち,組立のツールとしてのマイクログ
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JIS C 5630-1:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62047-1:2016(MOD)