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C 5925-1 : 2016
A.3 伝達係数(transfer matrix coefficient)
伝達係数tijを図A.2に示す。
入力パワー
光パワー
伝達係数
透過パワー
波長
図A.2−伝達係数
A.4 対数伝達行列(logarithmic transfer matrix)
対数伝達行列は,次のように表す。
a11 a12 a1n
a21
A
aij
an1 ann
ここに, aij : 端子iに対応するチャネルiの光パワーに関して端子jから出
力する光パワーの減衰量をdB値表現したものである。すなわ
ち,次の式となる。
aij 10 log10 tij
ここで,tijは伝達係数である。
aijは,0又は正の数である。波長依存性を考慮する必要がある場合,伝達係数と同様に,対数伝達行列
は,次のように表す。
a111 a121 a1n1 a112 a122 a1n2 a11k a12k a1nk
a211 a221 a2n1 a212 a222 a2n2 a21k a22k a2nk
A , ,
an11 an21 ann1 an12 an22 ann2 an1k an2k annk
図A.1に示したデバイスで,四つの使用波長の場合,伝達行列は6×6×4行列となる。端子1から端子
6への波長λ1における挿入損失はa161であって,端子2の波長λ4における反射減衰量はa224である。端子
5から端子2への波長λ3における挿入損失はa523である。
――――― [JIS C 5925-1 pdf 21] ―――――
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附属書B
(参考)
双方向伝達用WDMデバイスの特性
B.1 概要
WDMデバイスの典型的な端子構成は,1×Nである。1×N WDMデバイスは,MUX(光合波器)又は
DEMUX(光分波器)として用いられるだけでなく,双方向伝達にも用いられる。1×2 WDMデバイスの
機能を図B.1に示す。一方向伝達用途(光分波器)を図B.1 a)に,双方向伝達用途を図B.1 b)に示す。
a) 一方向伝達用途における1×2 WDMデバイスの機能(光分波器)
b) 双方向伝達用途における1×2 WDMデバイスの機能
λk : 波長
図B.1−1×2 WDMデバイスの機能
図B.1 a)の一方向伝達用途では,端子1(port 1)は入力端子,port 2及びport 3は出力端子を示す。波長
λ1をport 2に,波長λ2をport 3に伝達する。この用途では,WDMデバイスとして遠端クロストークを規
定できる。ここで,“遠端”は,反対側という意味である。port 2(λ1)の遠端クロストークXTFEは,対数伝
達行列を用いて次の式で表す。
XTFE port ,21 a121 a122
port 3(λ2)の遠端クロストークは,a132−a131として表す。遠端クロストークはdBで表し,負の値とする。
遠端アイソレーションも規定が可能である。遠端アイソレーションを,port 2はa122,port 3はa131と表す。
遠端アイソレーションは,“一般的な”クロストークと同じ意味である。
図B.1 b)の双方向伝達用途では,port 1はλ1の入力端子であって,かつ,λ2の出力端子である。この用
途では,近端アイソレーション及び近端クロストークを定義できる。ここで,“近端”とは,デバイスの同
じ側という意味である。port 2(λ1)の近端アイソレーションをa322として表す。port 2(λ1)の近端クロストーク
XTNEは,対数伝達行列を用いて次の式で表す。
XTNE port ,21 a121 a322
――――― [JIS C 5925-1 pdf 22] ―――――
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B.2 近端アイソレーション及び近端クロストークの定義
近端アイソレーション及び近端クロストークの用語について,次のとおり定義する。
B.2.1
双方向(近端)アイソレーション[bidirectional (near-end) solation]
双方向WDMデバイスの光合分波器において,次の式で定義する値。
BCA amox
ここに, amox : 対数伝達行列の要素
m : 光合波器の入力端子番号
o : 光分波器の出力端子番号
x : 端子mから入力する波長番号
B.2.2
双方向(近端)クロストーク[bidirectional (near-end) rosstalk]
双方向の光合分波器について,双方向(近端)クロストークは本来伝達する分波波長の光損失から双方
向(近端)アイソレーションを減じたもの。
注記1 対応国際規格では,“双方向(近端)アイソレーションから本来伝達する分波波長の光損失を
減じているもの”と定義しているが誤りであるため,修正した。
注記2 光合分波器を双方向WDMデバイスとして用いる場合は,デバイスの同じ側に入力チャネル
及び出力チャネルの両方をもつため,一方向への入力光が現れる出力端子は他の方向への入
力端子となり得る。双方向(近端)クロストークは,次の式による。
XB adocamox
ここに, amox : 対数伝達行列の要素
adoc : 対数伝達行列の要素
d : 光分波器の入力端子番号,かつ,光合波器の出力端子番号
o : 光分波器の出力端子番号
c : 端子doに対応する波長(チャネル)番号
m : 光合波器の入力端子番号
x : 端子mdに対応する波長(チャネル)番号
注記3 4波長双方向システムの例において,波長1及び波長2は左から右に伝ぱ(播)して分波し,
波長3及び波長4は,右から左に伝ぱ(播)して合波する(図B.2参照)。
図B.2−4波長双方向システムの図
図B.2で与えられた例に対して,波長3に対する端子2の双方向クロストークはa121−a423となる。
――――― [JIS C 5925-1 pdf 23] ―――――
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附属書C
(参考)
WDMデバイスの伝達行列
C.1 概要
この附属書は,WDMデバイスのタイプ別分類及びその機能と伝達行列との関係を示す。
注記1 この附属書の図は,必ずしもWDMデバイスとその端子の物理的なレイアウトには対応して
いない。
注記2 この附属書に示す図において,端子の矢印は光パワーの進行方向を示す。矢印のない端子は,
設計上,入力端子と阻止の関係にある。
注記3 この附属書に示すデバイスのタイプは,現在,光伝送用に用いるタイプだけを含む。伝達行
列の全ての可能な形式を含むわけではない。
注記4 伝達行列の定義はJIS C 5900参照。
注記5 伝達係数は0又は正の値であり,設計値を示す。
C.2 光合波器
光合波器は,N個の異なる波長信号をN個の入力端子から単一の出力端子に結合させる機能をもつ。端
子0は,出力端子である(図C.1参照)。
図C.1−光合波器の例
伝達行列及びその波長依存性は,次による。
出力端子
入
力
端
子
i≠0に対して,係数ti0は理想的には波長iで1であり,その他の使用波長で0である。係数tij(i,j≠0,
かつ,i≠jの場合)はディレクティビティであり,係数tiiは反射減衰量である。n/aは仕様対象外であるこ
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とを示す。
C.3 光分波器
光分波器は,N個の異なる波長信号を,波長ごとに入力端子からN個の出力端子で分離する機能をもつ。
端子0は,入力端子である(図C.2参照)。
図C.2−光分波器の例
伝達行列及びその波長依存性は,次による。
出力端子
入
力
端
子
i≠0に対して,係数t0iは理想的には波長iで1であって,その他の使用波長で0である。係数t00は,反
射減衰量である。n/aは仕様対象外であることを示す。
C.4 光合分波器
光合分波器とは,光合波器及び光分波器の両方の機能をもつWDMデバイスであって,端子0は,光合
波器の出力端子であって,光分波器の入力端子でもある(図C.3参照)。
図C.3−光合分波器の例
伝達行列及びその波長依存性は,次による。
――――― [JIS C 5925-1 pdf 25] ―――――
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JIS C 5925-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62074-1:2014(MOD)
JIS C 5925-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.20 : 光ファイバ接続装備
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.01 : 光ファイバシステム一般
JIS C 5925-1:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5900:2019
- 光伝送用受動部品通則
- JISC5901:2001
- 光伝送用受動部品試験方法
- JISC5973:2014
- F04形光ファイバコネクタ(SCコネクタ)