JIS C 5925-1:2016 光伝送用WDMデバイス―第1部:通則 | ページ 6

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出力端子




i≠0に対して,係数t0iとti0は,理想的には波長iで1であって,その他の使用波長で0である。係数tij
(i,j≠0,かつ,i≠jの場合)はディレクティビティであって,係数tiiは反射減衰量である。
C.5 波長ルータ
波長ルータとは,Nセットの波長のルーティング機能をもつWDMデバイスである。すなわち,入力端
子に依存し,それぞれのN個の波長を出力端子に伝達する機能をもつ(図C.4参照)。
図C.4−波長ルータの例
伝達行列及びその波長依存性は,次による。
出力端子




行列のゾーンA及びBで,係数tiiは反射減衰量であって,係数tij(i≠jの場合)はディレクティビティ
である。二つのゾーンCは,設計上対称な同一行列である。ゾーンCにおいて係数tijは,使用波長 槿 j
−N−2 1( 数M mod Nを示す。)において設計値1であって,その他の使用波長で0である。

――――― [JIS C 5925-1 pdf 26] ―――――

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C.6 波長アド・ドロップ
波長アド・ドロップは,Mセットの波長からのN−1の波長チャネル(N=2..M+1の場合)をドロップ
したり,同時にドロップしたN−1の波長チャネルを挿入するWDMデバイスである(図C.5参照)。
図C.5−波長アド・ドロップの例
伝達行列及びその波長依存性は,次による。
出力端子
入力端子
行列のゾーンAの伝達係数の設計値は,0である[このゾーンで係数tiiは反射減衰量であって,係数tij
(i≠jの場合)はディレクティビティである]。ゾーンBにおける伝達係数は,次を満たす。係数t1(N+1)
は全てのM−N+1個の使用波長λi(λi≠λjλk)で設計値1であって,その他の波長で0である。係数tj(N
+1)(j≠1の場合)は,使用波長(λj)で設計値1であって,その他の波長で0である。また,係数t1j[j
≠(N+1)の場合]は使用波長(λj)で設計値1であって,その他の波長で0である。その他の係数は,0で
あり,アド・ドロップアイソレーションと関係している(3.3.8参照)。n/aは,仕様対象外であることを示
す。

――――― [JIS C 5925-1 pdf 27] ―――――

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附属書D
(参考)
WDMデバイス用誘電体多層膜フィルタの技術例
D.1 概要
誘電体多層膜フィルタを使ったWDMデバイスは,基板(一般的には,ガラス基板)にコーティングし
た誘電体多層膜フィルタ,入出力端子の光ファイバ並びにコリメート用及び集光用のレンズから構成する
(図D.1参照)。
誘電体多層膜フィルタ
ファイバピッグテール (コーティング)
コリメータ
ガラス板(基板)
図D.1−WDMデバイス用誘電体多層膜フィルタの構成図
D.2 誘電体多層膜フィルタ技術
誘電体多層膜フィルタは,基本的にはファブリペローエタロンで構成し,バンドパスフィルタとして機
能する。フィルタは,通過帯域範囲内の光信号を通過し,その他の波長を高い反射率で反射する。フィル
タのキャビティ長が通過帯域の中心波長を決定する。
誘電体多層膜フィルタは,波長選択光フィルタとして知られている。誘電体多層膜フィルタは,ガラス
基板上に交互に堆積したコーティング層から構成される。層の数及び厚さを制御することによって,フィ
ルタの通過帯域の中心波長,及び通過帯域の幅を任意に調整することができる(図D.2参照)。

――――― [JIS C 5925-1 pdf 28] ―――――

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di (i=1k−1) : 厚さ
ni (i=0k) : 屈折率
θi (i=0k) : 入射角
図D.2−誘電体多層膜の構成図
D.3 誘電体多層膜フィルタの典型的な特性
誘電体多層膜フィルタ技術を用いた,1 510 nm及びCバンド用の3端子構成のWDMデバイスの一般的
な特性の例を,図D.3に示す。
40
35
30
B)
25
光損失(d
20
15
10
5
0
1 500 1 510 1 520 1 530 1 540
波長(nm)
図D.3−誘電体多層膜フィルタ技術を用いた,1 510 nm及びCバンド用WDMデバイスの特性の例

――――― [JIS C 5925-1 pdf 29] ―――――

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附属書E
(参考)
溶融延伸形WDMデバイスの技術例
E.1 概要
溶融延伸形光カプラは,光通信において重要な受動部品であって,光ファイバ回路,光合分波器,フィ
ルタリング,波長に依存しない分岐及び偏光選択分岐において,光の合波及び分波を行う。
最も単純な溶融延伸形カプラは,2×2双方向形であって,2本の独立のシングルモードファイバを一体
化したデバイスである。それぞれのファイバのクラッドを溶融して得られる,平行な光導波路間(図E.1
参照)において,基本的な原理に基づき結合が生じる。したがって,2本のファイバを十分に近接させる
必要がある。
理論上,基本的にはエネルギー移動の結果として,二つの光導波路間でパワーが一部又は完全に移動す
る。一方の導波路の固有モードのエバネセント波と,他方の導波路の固有モードのエバネセント波との間
で光結合が生じることによって,光パワーを交換する。
一定の間隔で配置した平行な相互作用領域は,結合過程で重要な役割を果たす。相互作用領域は,伝搬
方向には不変な構造をしており,結合モード解析によって溶融延伸部分で起きる光結合を説明することが
できる。
コア POUT1
溶融延伸部分
入力ファイバ
POUT2
PIN
テーパー移行部
出力ファイバ
コア
クラッド
図E.1−溶融延伸形2×2カプラの構造
溶融延伸形カプラのパッケージングの一例を図E.2に示す。パッケージングは一般的に溶融延伸部分を
保護するため二重構造とする。
パッケージングの第一段階として基板を使用し,カプラを固定する。基板の物性は,温度などの環境条
件の変化のため,カプラの性能に大きな影響を与える。ファイバと同じ物性をもつため,基板は合成石英
(SQ)が最も望ましい。この基板は,く(矩)形の溝が掘られた,かまぼこ形状をしており,位置決めス
テージを用いて簡単に位置合わせをして固定することができる。そして,ファイバの平行領域の両端で,
適切な接着剤を用いて固定することができる。パッケージングの第一段階を終えた後,溶融延伸形カプラ
は,まだ,む()き出しの状態なので保護のため,更にパッケージングを行う必要がある。第一段階の
パッケージングを行ったデバイスを金属管に入れ,気密状態を保つため封止剤を使って両端を封止する。
本体の材質には,SQとほぼ同じ熱膨張率をもつ合金を用いる。

――――― [JIS C 5925-1 pdf 30] ―――――

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JIS C 5925-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62074-1:2014(MOD)

JIS C 5925-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5925-1:2016の関連規格と引用規格一覧