JIS C 60068-2-57:2018 環境試験方法―電気・電子―第2-57部:時刻歴及びサインビート振動試験方法(試験記号:Ff) | ページ 2

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C 60068-2-57 : 2018 (IEC 60068-2-57 : 2013)
注記 対応国際規格 : IEC 60068-3-3:1991,Environmental testing−Part 3: Guidance−Seismic test
methods for equipment(IDT)
JIS C 60068-3-8 環境試験方法−電気・電子−第3-8部 : 振動試験方法の選択の指針
注記 対応国際規格 : IEC 60068-3-8,Environmental testing−Part 3-8: Supporting documentation and
guidance−Selecting amongst vibration tests(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
注記 用語の幾つかは,JIS C 60068-1,JIS C 60068-2-6又はISO 2041にも規定されているが,この
規格の利用者の利便性を考慮して,規定した。
3.1
臨界振動数(critical frequency)
次のような現象が起きる振動数。
− 振動による供試品の機能不良又は性能劣化。
− 機械共振及び/又はその他の応答の影響(例えば,チャタリングなど。)
(JIS C 60068-2-6,3.9参照)
3.2
折れ点振動数(crossover frequency)
振動の特性が一つの関係から次の関係に変化する振動数。
注記 例えば,試験の振動が,一定変位から,一定加速度に変わる振動数。
(ISO 2041:2009,2.118参照)
3.3
減衰(damping)
系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する振動振幅の継続的減衰。
注記1 減衰は,実際には,構造系,振動モード,ひずみ,外力,速度,材料,接合部の滑りなどの
多くのパラメータに影響される。
注記2 JIS C 60068-2-6:2010の3.8では,“系内部の種々のエネルギー損失のメカニズムに起因する
一般的用語”と定義しているが,同じ意味であることに注意する。
3.4
粘性減衰(viscous damping)
振動系の一要素又はある部分が,速度に比例し,動きの反対方向の抵抗力を受ける場合の減衰。
3.5
臨界減衰,Cc(critical damping)
変位した系が振動することなく最短時間で元の位置に戻ることができる最小の粘性減衰。
3.6
減衰比(damping ratio)
粘性減衰系における臨界減衰に対する実際の減衰の比。
注記1 減衰比(DR)は,式DR=C/Ccから求めることができる。ここで,Cは実際の粘性減衰値で,
Ccは臨界減衰である。
注記2 減衰比は,通常パーセント値。

――――― [JIS C 60068-2-57 pdf 6] ―――――

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C 60068-2-57 : 2018 (IEC 60068-2-57 : 2013)
3.7
シグナルトレランス(signal tolerance)
次の式から求められる値。
NF
T 1 100 (%)
F
ここに, T : シグナルトレランス
NF : フィルタを通さない信号の実効値
F : フィルタを通した信号の実効値
注記 この値は,試験の制御に使用する信号,例えば,加速度,速度又は変位に適用する。
(JIS C 60068-2-6:2010,A.2.2参照)
3.8
固定点(fixing point)
供試品を運用中に固定している点で,取付具又は振動台に接している供試品の部分。
注記 実際の取付構造物の一部を取付具として使用する場合は,固定点は,供試品上の点ではなく,
取付構造物上の点とする。
(JIS C 60068-2-6,3.1参照。ただし,注記2を除く。)
3.9
重力加速度(standard acceleration)
gn
地球の重力による標準加速度。地球上の重力加速度は,高度及び緯度によって変化する。
注記 この規格では,gnの値は10 m/s2に丸めている。
3.10
高応力サイクル(high stress cycles)
供試品に高い応力による疲労を発生させる応答のサイクル。
注記 供試品中の応力は,通常は測定又は制御しない。ここで使用する高い応力は,高い励起の外挿
値である(A.1.4参照)。
3.11
計測点(measuring points)
試験を実施するときにデータを収集する特定の点。
注記1 これらの点には,次に定義する二つの種類がある。
注記2 供試品の挙動を調べるために,供試品の内部の点の測定を行うことがあるが,それらの点は,
この規格でいう計測点ではない。
(JIS C 60068-2-6,3.2参照)
3.11.1
監視点(check point)
取付具,振動台又は供試品上の点で,固定点の一つに可能な限り近く,取付具,振動台又は供試品と強
固に結合している点。
注記1 試験要求事項を満たすために,複数の監視点を使用する場合がある。
注記2 固定点が4点以下の場合,それぞれの点の近傍を監視点として使用するのがよい。固定点が
4点を超える場合は,製品規格で代表的な4点を監視点として規定するのがよい。

――――― [JIS C 60068-2-57 pdf 7] ―――――

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C 60068-2-57 : 2018 (IEC 60068-2-57 : 2013)
注記3 供試品が大きいか又は複雑なため,固定点に近接した点を監視点とすることができないよう
な特別の場合は,製品規格で監視点を規定するのがよい。
注記4 多数の小形の供試品を1個の取付具に取り付ける場合,又は幾つかの固定点がある小さな供
試品の場合は,制御信号を取り出すために,監視点を1点としてもよい(すなわち,基準点
となる。)。したがって,この信号は,供試品の固定点よりも,むしろ取付具に関係している
ことになる。この方法は,供試品を取り付けた状態の取付具の最低共振振動数が,試験の上
限振動数よりも十分に高いときに限り使用できる。
3.11.2
基準点(reference point)
監視点から選んだ点。基準点の信号を,この規格の要求事項を満たすように,試験の制御に使用する。
(JIS C 60068-2-6,3.2.2参照)
3.12
変調振動数(modulating frequency)
試験振動数を変調する振動数。
注記 A.2.2及び図1参照。
3.13
実測時刻歴(natural time history)
ある事象によって発生する加速度,速度,変位などの時間の関数としての記録。
3.14
振動系(oscillator)
機械振動を発生し又は持続することを目的とする1自由度系。
3.15
休止(pause)
引き続く二つの時刻歴又はサインビートの間の間隔。
サインビートは,次の式で計算できる。
1 100
T
f Cc
ここに, T : 休止時間(s)
f : サインビート振動試験振動数(Hz)
Cc : 試験振動数における臨界減衰(%)
注記 供試品の応答運動ができるだけ重ならないように休止時間を設定するのがよい。
3.16
推奨試験軸(preferred testing axes)
供試品の最も弱い軸を含む直交する3軸。
3.17
要求応答スペクトル(required response spectrum)
製品規格で規定する応答スペクトル。
3.18
応答スペクトル(response spectrum)
規定する入力運動に対する特定の減衰比の一連の1自由度系の最大応答をその固有振動数の関数として

――――― [JIS C 60068-2-57 pdf 8] ―――――

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C 60068-2-57 : 2018 (IEC 60068-2-57 : 2013)
プロットしたもの。
3.19
サインビート(sine beat)
低振動数の正弦波で変調する単一振動数の連続正弦波。
注記1 一つのサインビートの時間は,変調振動数の半周期に等しい(図2参照)。
注記2 サインビート信号の数学的表現は,A.2.2.1参照。
3.20
時刻歴の強い部位(strong part of the time history)
瞬時値が最大値の25 %に達した時点から最後に25 %に下がった時点までの時刻歴の部分(図3参照)。
3.21
掃引サイクル(sweep cycle)
振動数の規定振動数範囲での1回の往復移動。例えば,1 Hz→35 Hz→1 Hz。
(JIS C 60068-2-6,3.4参照。ただし,振動数“10 Hz150 Hz10 Hz”を変更した。)
3.22
合成時刻歴(synthesized time history)
応答スペクトルが要求応答スペクトルを包絡するように,人工的に作った時刻歴。
3.23
試験振動数(test frequency)
試験中に供試品を加振する振動数。
注記 試験振動数は,次に規定する2種類のいずれかである。
3.23.1
規定振動数(predetermined test frequency)
製品規格に規定する振動数。
3.23.2
検査による試験振動数(investigated test frequency)
振動応答検査で決定する振動数。
3.24
試験レベル(test level)
試験波形中の最大ピーク値。
注記1 この定義は,時刻歴振動試験には適用しない。
注記2 サインビート振動試験では,この値は,変調半波のピーク値に等しいか又はその近傍である。
3.25
試験応答スペクトル(test response spectrum)
振動台の実際の運動から解析又は応答スペクトル解析装置を用いて求めた応答スペクトル。
3.26
時刻歴(time history)
加速度,速度又は変位の時間の関数としての記録。
注記 “時刻歴”の数学的定義は,ISO 2041において,“ある量の時間の関数としての表現”と定義
されている。

――――― [JIS C 60068-2-57 pdf 9] ―――――

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C 60068-2-57 : 2018 (IEC 60068-2-57 : 2013)
3.27
ゼロ周期加速度(zero period acceleration)
加速度応答スペクトルの高い振動数での漸近値。
注記 ゼロ周期加速度は,例えば,時刻歴の加速度の最大ピーク値を表すので,実用上重要である。
これを応答スペクトルのピーク加速度と混同してはならない。例を図4に示す。

――――― [JIS C 60068-2-57 pdf 10] ―――――

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JIS C 60068-2-57:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60068-2-57:2013(IDT)

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JIS C 60068-2-57:2018の関連規格と引用規格一覧