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C 60068-2-65 : 2019 (IEC 60068-2-65 : 2013)
A.1.4 残響室の吸音
残響室表面の吸音率は,残響音場の生成を可能にする長い残響時間を確保するために小さいことが望ま
しい。残響室の全ての表面の平均吸音率は,試験振動数範囲で0.06未満であることが望ましい。これは,
部屋の壁を金属製又は表面の滑らかなコンクリート製とし,それらをエポキシ樹脂又は他の非吸音塗料で
被覆することで実現できる。壁が金属製の場合,その壁は,十分な質量があり,堅く,試験振動数範囲で
の共振を避けるために,減衰度が高い(エネルギーを吸収するので)ことが望ましい。
A.1.5 監視点
監視点と供試品の表面との間の距離は,最低試験振動数の1/2波長又は供試品から部屋の壁までの距離
の半分のいずれか短い方よりも長くすることが望ましい。1/2波長よりも短い箇所にマイクロホンを置か
なければならない場合,結果の評価に当たっては,供試品からの反射の影響を考慮するよう注意するとよ
い。
図A.1に供試品周囲のマイクロホンの一般的な配置を示す。図4に供試品周囲の仮想面上の監視点の標
準的な位置を示す。図A.2に長い円筒状供試品周囲のマイクロホンの標準的な配置を示す。いずれにして
も,マイクロホンの位置は,試験要求事項を満たすことが望ましい。
マイクロホンの要求事項は,4.3.2に示した。マイクロホンの受感面の直径は,上限試験振動数の波長の
20 %以下が望ましい。10 kHzの場合,直径6.35 mmのマイクロホンが適している。
M : マイクロホン
M : マイクロホン
LL : 供試品の長さ
: 供試品の長さ
図A.2−長い円筒状供試品の監視点マイクロホンの標準的配置
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A.2 進行波管の試験
進行波管の場合,音波は音源から管に沿って伝搬する。管の断面積が一定の場合,管の長さに沿った音
圧レベルは,供試品又は管壁によるエネルギー吸収の影響は別として,みかけ上は一定である。進行波管
は,進行波が管に沿って反射しないように吸音性媒体,例えば,ガラス繊維製くさびで終端することが望
ましい。進行波管を主残響室に接続する場合,これらの反射を避けることが望ましい。
進行波管は,例えば多くの航空機が備えている円形の供試品に合わせた断面形状の管で構成する。音響
エネルギーを,適切なカップリングホーンを介して,この管の一端に注入し,もう一方の端は,音響吸収
終端に結合する。設計振動数範囲内の注入した音響エネルギーの全ては,終端に吸収され,定常波の形成
を妨げる。この構成は,供試品の露出面上に斜め入射で進む許容可能な音圧流を管の作動部にもたらす。
試験のとき,供試品を,進行波管の側面に取り付けるか,又は側面の一部をなすようにしてもよい。こ
のようにすれば,供試品の1側面だけが進行する雑音にさらされることになる。代わりに,供試品の両側
を同時にさらすことをシミュレートするために,供試品を管の試験領域内に置いてもよい。
進行波管で達成できる音圧レベルは,入力音響パワーが等しい場合,残響室で得られるレベルよりも高
い。得られるレベルは,音源の音響パワー並びに管の断面積及び形状によって異なる。通常,大きな部屋
で得られるよりも少なくとも10 dB高いレベルが実現できる。
作動部の構成は,雑音スペクトルが過度にその壁の内側の表面の振動,壁を通して伝送損失の影響を受
けないために十分な質量及び減衰を含める必要がある。
与えられた音響雑音の試験レベルでは,作動部でのダクトの直径は,利用可能な音響パワー及び供試品
の大きさに対してバランスがとれている必要がある。一般的に,名目上円筒状の供試品では,供試品の周
りの環状隙間は,供試品の直径の10 %25 %であることが望ましい。許容可能な雑音分布を得るために,
供試品の周りの隙間が均一であることが望ましい。
パネルアセンブリを試験する場合,ダクトの壁は,斜め入射励起が外部表面の全体に加えられる供試品
を収容することが望ましい。
A.3 空洞共鳴の試験
空洞共鳴試験の候補となり得る空洞の幾つかの種類を,次に示す。
飛行時に開いている航空機のコンパートメント又は貨物室(ストア)は,空洞を気流にさらす。空洞の
共振振動数で定在波が生成されることが多い。別の例として,固体燃料ロケットの中空の中央燃焼室が挙
げられる。ロケットの燃料が燃焼することに従って,空洞は,サイズが変わり,共振し,ロケットの構造
を励振する非常に高い音圧レベルを発生する。
空洞共鳴の試験は,機器の特定の部品に関して実施する。この試験は,空洞共鳴に同調した正弦波励振
又は狭帯域ランダム励振を使用すると一番よく実施できる。通常,既存の音響設備に必要な追加を行って
実施する。
供試品は,試験する空洞だけに,音響エネルギーが直接当たるように,試験室につるす。供試品の他の
表面は,表面の音圧レベルが少なくとも20 dB低くなるように保護することが望ましい。空洞内のマイク
ロホンの位置は製品仕様で規定する必要がある。この位置は,空洞の形状及び容積並びに予測される共振
モードによって異なる。
A.4 定在波管の試験
定在波管は,1波長より短い横の寸法をもつ堅い閉じた管であり,定在波がその長さ方向に沿って発生
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する。定在波管の場合,音源を音響ホーンで試験区域に接続してもよい。供試品は,音響源と反対側にあ
る管の端に取り付ける。励振は純音で行い,振動数は管の長さの固有振動数の一つに同調させる。管の振
動数を調整する必要がある場合は,管の長さを変えるための手段を設けなければならない。
定在波管の使い方の例を,次に示す。
− 非常に高い音圧レベル(約165 dB)のガス冷却原子炉で使用する吸音装置の関発
− ジェットエンジン入口部フェアリングに使用する炭素繊維パネルの評価
− 広帯域及び同調吸音装置の吸音特性の測定
これらの定在波管は,一般に材料のサンプルの試験,特殊吸音装置の開発などに使用する小型装置であ
る。
A.5 音源の選択
A.5.1 概要
音響による疲労試験は,最初,ジェットエンジンからの排気ガスを音響エネルギー源として使用するこ
とによって研究された。これは非常に高価で,かつ,限定的なものであった。
音響環境に関する試験の要求事項の発展に従って,幾つかの音源に関する構想が採用された。音響試験
用設備の建設のときに最大の注目を浴びたこれらの音源を,表A.3に示し,次に要約する。
A.5.2 電気空圧式変換器
電気空圧式変換器は,おそらく,試験所用の高強度雑音を発生するために最も広く使用されている装置
である。これらの装置では,大容量の低圧気体流を変調することによって,制御可能な高音響パワーレベ
ルを得ることができる。これらの装置は,擬似正弦波又はランダム音響振動を発生させるために使用でき,
例えば,変換器出力30 kWの高い音響パワーを出力できる。
A.5.3 電気油圧式変換器
電気油圧式変換器は,試験所用の非常に高い強度の雑音を発生させることができる。これらの装置では,
大容量の低圧気体流を変調することによって,制御可能な非常に高い音響パワーレベルを得ることができ
る。これらの装置は,擬似正弦波又はランダム音響振動を発生させるために使用でき,最大200 kWの非
常に高い音響パワーが可能である。
A.5.4 ダイナミックスピーカ
直接放射スピーカは,低レベルの音響調査,振動数応答試験及び部屋の音響特性の測定などに使用でき
る。これらのスピーカは,比較的安価で,制御しやすく,更には広い振動数帯域の制御可能な音響を出力
できる。一般的にスピーカの上限は,約10 Wである。
A.5.5 広帯域サイレン
広帯域サイレンも,比較的安価で,中間的な音響パワーレベルの正弦波又は擬似ランダム音を発生でき
る。サイレンには,低圧で小容量の圧縮空気が供給され,通常,音響出力約5 kWを出力できる。これら
のサイレンは,特定の適用分野に合う出力スペクトルで長期間にわたる音響耐久試験を実施する場合に使
用される。
A.5.6 ガスジェット
ガスジェットは,高強度,高振動数のランダム雑音に使用できる。音響を発生するためのこの方法は当
初,制御可能な高音響パワーレベルの音響発生器が開発される前に試験所で使用された。ガスジェットに
は,大量の圧縮ガスを必要とし,簡単に制御できないという欠点がある。
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表A.3−音源並びにその波形及び代表的出力パワーの例
音源 波形及び代表的出力パワー
電気空圧式変換器 擬似正弦波又はランダム :
高出力,最大30 kW
電気油圧式変換器 擬似正弦波又はランダム :
非常に高い出力,最大200 kW
ダイナミックスピーカ 正弦波又はランダム :
低出力,約10 W
広帯域サイレン 正弦波又は擬似ランダム :
中間出力,約5 kW
ガスジェット 高振動数ランダム :
低出力
A.6 厳しさ
様々な適用分野の試験時間に対する全音圧レベル(OASPL)の幾つかの標準値を,表A.4に示す。これ
らの値は,同等の適用分野から実際の試験データが入手できない場合に用いることが望ましい。しかし,
産業分野を含む全ての場合に,製品仕様では,入手可能な情報を考慮に入れる必要がある。
表A.4−代表的OASPL及び試験時間
適用分野 OASPL 試験時間 音響スペクトル図
dB 分
高雑音産業用機械 120 60 3
高出力ブロワ 120 60 2
消音器より後方の産業用ガスタービンの排気系 120 60 1
航空機内の一般的区域 130 60 1
a)
産業用ガス配管内部 130 60
140
航空機内の機器設置場所,消音器なしの産業用ガスタービンの排気雑音 30 1
宇宙船及び宇宙船の構成部品 145 1 特殊
航空機内の雑音源近傍 150 30 1
a)
原子力発電所のガス配管内部 150 30
航空機の外部ストア 160 30 1
a)
循環機近くのガス配管の内部 160 30
ロケットエンジン又はブースタ周辺の機器 170 2 1
注a) 特定の適用分野から得られた又はその分野で測定したデータだけを用いる。
表A.4に関して,製品仕様で,OASPLが動作レベルを表すのか,又は例えば,他の目的のために値を大
きくしているのかどうかを明確に定義することが望ましい。
A.7 加速試験
加速試験では,機器が実際の動作中に受けるレベル,すなわち,音響デューティサイクル1) を上回るレ
ベルで試験を行う。加速の方法は,構造物の材料のSN曲線(繰返しひずみと疲労回数との関係)に基づ
いて行う。デューティサイクルが100時間の場合,供試品のSN曲線を用いて,試験音圧レベルを高くし,
試験時間を,例えば,10時間に短縮できる。
注1) “デューティサイクル”は,構成部品,装置又は機器が経験する一連の動作条件と定義される
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(IEC 60050-151の151-16-02)。
一般に共振モードが高い応力にさらされたとき,構造物内に最初の疲労破壊が発生することが繰返し実
証されている。したがって,加速試験中に監視すべき共振モードを決定するための事前の検討を行うこと
が望ましい。
動作時の音圧を超える音響試験音圧にする場合,適用する音圧とその結果である構造物のひずみとの間
の線形関係が維持されるように注意する必要がある。最初に非線形の関係が明らかになるレベルは,音響
試験の加速が可能な限界値である。この圧力/ひずみの非線形の兆候は,構造物の応力分布が動作音響レ
ベルの分布から変化したことを示しており,この変化によって,別の破壊モードが発生し,試験が無効に
なることがある。
加速試験中に狭帯域トラッキングフィルタを通してひずみゲージの応答を監視すると,破壊の始まりを
早期に検出できる。破壊が進展し始めると,監視している共振振動数に変化(通常,低下する。)が見られ
ることが経験から分かっている。さらに,その疲労レベルを維持するには,より強いパワーが必要である
ことが多い。そのとき,試験を中断し,供試品を点検するとよい。
A.8 統計的確度
統計的確度は,統計的自由度Nd及び信頼水準から求める。統計的自由度は,次の式(4)によって求める。
Nd BeTa (4)
ここに, Be : 振動数の分解能
Ta : 有効平均化時間
Ndは,製品規格に特に規定がない限り,120以上とする。製品規格が信頼水準を規定する場合には,こ
れらを使用して統計的確度を計算することが望ましい。
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JIS C 60068-2-65:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60068-2-65:2013(IDT)
JIS C 60068-2-65:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 60068-2-65:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様