JIS C 60068-2-82:2009 環境試験方法―電気・電子―第2-82部:試験―試験XW1:電気・電子部品のウィスカ試験方法 | ページ 2

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C 60068-2-82 : 2009 (IEC 60068-2-82 : 2007)
JIS C 60068-2-20 : 1996 環境試験方法−電気・電子−はんだ付け試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-20 : 1979,Environmental testing−Part 2-20 : Tests−Test T : Soldering
Amendment 1 : 1986及びAmendment 2 : 1987 (IDT)
JIS C 60068-2-58 : 2006 環境試験方法−電気・電子−表面実装部品 (SMD) のはんだ付け性,電極の
耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-58 : 2004,Environmental testing−Part 2-58 : Tests−Test Td : Test
methods for solderability,resistance to dissolution of metallization and to soldering heat of surface
mounting devices (SMD) (MOD)
JIS C 60068-2-78 : 2004 環境試験方法−電気・電子−第2-78部 : 高温高湿(定常)試験方法
注記 対応国際規格 : IEC 60068-2-78 : 2001,Environmental testing−Part 2-78 : Tests−Test Cab : Damp
heat, steady state (IDT)
IEC 61192-3 : 2002,Workmanship requirements for soldered electronic assemblies−Part 3 : Through-hole
mount assemblies
IEC 61760-1 : 2006,Surface mounting technology−Part 1 : Standard method for the specification of surface
mounting components (SMDs)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60068-1によるほか,次による。
3.1
ウィスカ (whisker)
保管中又は使用中に自然に成長する金属の突起物。
この規格では,次のものをウィスカとして扱う。
− アスペクト比(長さ/直径)が2以上
− 長さが10 m以上
注記1 ウィスカは,次の特徴をもつ。
− 折れ曲がったり,ねじれたりすることはあるが,通常,直径は一定である。
− 柱の円周に沿って帯が見られることがある。
− 成長方向に筋状こん(痕)がある。
− 通常は枝分かれがない。
例外はあるがまれであり,更なる研究が必要とされる。
注記2 ウィスカの成長には,電界は関与しない。また,ウィスカはデンドライト(凝固過程又はイ
オン種のイオンマイグレーションの結果として材料の表面に成長するシダ状の物質)と混同
すべきではない。
3.2
材料構成 (material system)(母材,下地層及び最外層めっき)
部品の端子を構成する母材,下地層及び最外層めっき。
この規格では,次のものを材料構成として扱う。
a) 母材 : 端子材料を構成する基本となる材料
b) 下地層(適用する場合) : 最外層のめっきの直下にあるめっき層
注記 下地層は,母材と最外層との間に複数のめっき層がある場合があるが,部品の最外層のすず

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C 60068-2-82 : 2009 (IEC 60068-2-82 : 2007)
又はすず合金層の直下にある層を意味する。
c) 最外層のすず又はすず合金めっき
3.2A
はんだ熱処理 (preconditioning by heat treatment)
はんだ付け工程を模擬した熱処理。

4 試験装置

  試験装置の構成は,次による。

4.1 デシケータ

  デシケータは,6.1に規定する条件を満足するもの。

4.2 耐湿槽

  耐湿槽は,JIS C 60068-2-78に規定する槽とし,6.2に規定する試験条件を満足するもの。

4.3 温度急変槽

  温度急変槽は,JIS C 0025に規定するNaの条件で,6.3に規定する試験条件を満足できる槽とする。

4.4 光学顕微鏡

  光学顕微鏡は,照明装置が付き,倍率50倍以上で,かつ,長さ10 mのウィスカを拡大観察できるも
の。ウィスカの長さを測る必要がある場合には,精度±5 mの機械的又は電子的な測長装置を備えるもの。

4.5 走査電子顕微鏡

  走査電子顕微鏡(以下,SEMという。)は,供試品の傾斜及び回転が可能な機構をもつもので,かつ,
供試品表面を観察できるもの。

4.6 取付けジグ

  取付けジグは,4.1,4.2及び4.3に規定する試験装置の中に入れることができ,かつ,観察装置に取り付
けることができるか又はその観察装置の中に入ることができる適切な大きさ及び形状をもつもの。

5 供試品の準備

5.1 一般事項

  供試品は,市場に出荷状態の最終製品とする。

5.2 試験方法の選定

  母材並びに下地層及び最外層のめっきによる材料の組合せに適用する試験方法は,表6による。

5.3 試験前の保管条件

  試験又は前処理の前に,JIS C 60068-1の5.3に規定する標準状態に2時間以上放置する。

5.4 供試品の取扱い

  試験前,試験中及び試験後に供試品が汚染されないように,4.6に規定するジグに,部品の端子以外の部
位を固定することが望ましい。また,固定ジグは,供試品の金属面に接触させてはならない。また,発生
したウィスカが,取扱いで脱落しないように注意深く取り扱う。脱落した場合には,7.4の規定によって記
録を残す。ウィスカが脱落する可能性がある場合には,前もってジグの形状などを検討する。また,SEM
観察のために,カーボン,金,白金などをコーティング処理してはならない。

5.5 供試品のはんだ熱処理

5.5.1  室温試験及び高温高湿(定常)試験の前のはんだ熱処理(6.1及び6.2参照)
a) はんだ付けをする部品 表6に規定する事例1.1,事例3又は事例4によるめっき材料構成である場合

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には,供試品のはんだ熱処理を行う前に,最終の生産工程を経た日(例えば,製品の製造日コードで
示されている。)から30日間以上,室温に放置する。
製品規格に規定がない場合には,供試品は,はんだを用いないで,かつ,部品の端子を他の金属部
材に接触させないで,表1に示すはんだ熱処理を行う。
表1−はんだ熱処理の方法
はんだ熱処理
部品の種類
供試品の半分 供試品の残り半分
表面実装部品 リフロー温度プロファイルは,JIS C 60068-2-58の8.1.2.1,表3の
なし
(SMD) 群3による。
不活性液体a) を用い,条件は,JIS C 60068-2-20の試験方法Ta,
上記以外 方法1による。 なし
浸せき深さ : 最大4 mm
注a) 例 パーフルオロポリエーテル (PFPE)
試験は,はんだ熱処理後168時間以内に開始する。
試験報告書に,はんだ熱処理条件を記録する。
b) はんだ付けを意図していない部品 はんだ熱処理を行わない。
5.5.2 温度急変試験前のはんだ熱処理(6.3参照)
a) はんだ付けをする部品 表6に規定する事例1.1,事例3又は事例4によるめっき材料構成である場合
には,供試品のはんだ熱処理を行う前に,最終の生産工程を経た日(例えば,製品の製造日コードで
示されている。)から30日間以上,室温に放置する。
製品規格に規定がない場合には,供試品は,プリント配線板に実装してもよい。プリント配線板の
材料は,厚さ1.6±0.2 mmのガラスエポキシ樹脂製とし,実装条件は,表2による。
表2−はんだ付け方法
部品の種類 はんだ付け方法
SnAgCu系はんだのソルダペーストa) 及び低活性フラックスを用いる。
表面実装部品
熱風方式のリフロー装置を用い,リフロー温度プロファイルは,JIS C 60068-2-58の
(SMD)
8.1.2.1,表3,群3による。
SnAgCu系はんだを用い,IEC 61760-1の6.1に規定する温度プロファイルによるフロー
上記以外
はんだ付け
注a) 通常の生産で推奨されるソルダペースト量の50 %を用いる。この条件は,はんだ付け後も試験する領域
を確保するために,端子表面の一部をはんだで覆わないことを確実にする。
試験は,はんだ付け後,168 時間以内に開始する。
試験報告書に,はんだ付け条件を記録する。
b) はんだ付けを意図しない部品 製品規格に規定がない場合には,部品は,はんだ付けをしない状態で
試験する。

5.6 リードフォーミング(端子加工)

  部品が市販された後に,リードフォーミング(端子加工)のような機械的な応力を受ける場合には,同
等の前処理が必要になる。製品規格に規定がない場合には,IEC 61192-3の図2及び表1に規定する内側
の最小半径になるようにリード線を90°折り曲げる。

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6 試験条件

6.1 室温試験

  試験は,製品規格に規定がない場合には,表6によって選定した試験の厳しさに応じて,表3に示す条
件で行う。
表3−室温試験の厳しさ
厳しさ 温度 相対湿度
℃ %
A 30±2 60±3
B 25±10 50±25
試験時間 : 4 000時間

6.2 高温高湿(定常)試験

  試験は,製品規格に規定がない場合には,4.2に規定する槽を用いて次の条件で行う。
温度 : (55±3) ℃
相対湿度 : (85±5) %
試験時間 : 2 000 時間
供試品が結露しないような方法で,試験中に加熱,冷却,加湿及び除湿を行う。

6.3 温度急変試験

  製品規格に規定がない場合には,次の条件でJIS C 0025に規定するNaの手順を用いる。
低温及び高温の温度については,表4に示す厳しさによる試験条件のいずれかを用いる。
表4−温度急変試験の厳しさ : 温度
厳しさ(1文字目) 低温側 高温側
℃ ℃
K −40±5 85±2
L −55±5 85±2
M −40±5 125±2
N −55±5 125±2
注記1 試験の厳しさは,表4と表5との組合せによって英字2文字で表す。例えば,KQは,−40 ℃
85 ℃を1 000サイクル行うことを示す。厳しさの要素が一つだけのときには,“x” を用い
て,例えば,−40 ℃85 ℃をKxと表す。
注記2 ここに規定する試験の厳しさの順番及び高温側と低温側との温度差は,厳しさの程度を特別
に表すものではない。附属書H参照。
低温及び高温のさら(曝)し時間は,各20分間とする。また,高温及び低温の両試験条件間の移動時間
は,30秒間未満とする。
試験サイクル数は,表6に規定する試験の厳しさに応じて,表5の条件を適用する。

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表5−温度急変試験の厳しさ : サイクル数
厳しさ(2文字目) サイクル数
P 2 000
Q 1 000
注記 試験の厳しさは,表4と表5との組合せによって英字2文字で表す。例えば,KQは,
−40 ℃85 ℃を1 000サイクル行うことを表す。厳しさの要素が一つだけのときには
“x” を用いて,例えば,1 000サイクルxQと表す。

7 試験方法

7.1 試験方法の選定手順

  製品規格に規定がない場合には,端子の最外層めっき,下地層及び母材の材質によって,試験方法を選
定する。その試験方法の選定手順は,表6による。
表6−異なっためっき材料構成による試験方法の適用
試験方法及び厳しさ
端子材料構成 室温試験 高温高湿 温度急変試験
事例
(母材,下地層及び最外層めっき) (定常)試験
6.1 6.2 6.3
下地層なしで母材が鉄 (Fe) 及びニッケル (Ni) だけから
なる合金又は下地層も鉄及びニッケルだけからなる合金。 適用
1 非適用 適用
最外層めっきは事例1.1の場合を除くすず (Sn) 又はす 厳しさxP
ず合金めっき。
下地層なしで母材が鉄 (Fe) 及びニッケル (Ni) だけから
なる合金又は下地層も鉄及びニッケルだけからなる合金。適用 適用
1.1 適用
厳しさA
最外層めっきは銅 (Cu) 及び/又は亜鉛 (Zn) を含むす 厳しさxP
ず (Sn) 合金めっき。
母材が事例1又は1.1以外。 適用 適用
2 適用
下地層がニッケル (Ni) 又は銀 (Ag)。 厳しさB 厳しさxQ
下地層なしで母材が,銅 (Cu) 又は銅合金。 適用 適用
3 適用
最外層めっきはすず (Sn) 又はすず合金めっき。 厳しさA 厳しさxQ
下地層なしで母材が,銅 (Cu) 若しくは銅合金又は下地層
が銅若しくは銅合金。 適用 適用
3.1 適用
最外層めっきがすず (Sn) でSnCu金属間化合物層が,厳しさB 厳しさxQ
既に形成されているa)。
母材又は下地層が,事例13の材料のいずれでもない。 適用 適用
4 適用
厳しさA 厳しさxP
注a) nCuの金属間化合物層が,次のような場合に厚さ0.5 m以上に成長していると推定される。
− 温度250 ℃以上で0.5秒間以上の溶融すずめっきを施したもの。
− すずめっきが電気めっきしてから24時間以内に,温度250 ℃以上で0.5秒以上保ったもの。
− すずめっきが電気めっきしてから24時間以内に,温度150 ℃以上で1時間以上保ったもの。

7.2 初期測定

  表6によって選定した試験を行う前に,箇条5で準備した供試品の外観観察を光学顕微鏡で,ウィスカ
の最大長さを測定し,試験報告書に記録する。
さらに,詳細な評価が必要な場合で,かつ,製品規格に規定がない場合には,SEMで最もウィスカの密
集した部分を拡大観察し,250 m×250 mの領域でウィスカの最大長さを測定する。

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