この規格ページの目次
3
C 60068-3-3 : 2021 (IEC 60068-3-3 : 2019)
注釈1 図2参照。
注釈2 床の基本応答スペクトルは,一般に,狭帯域となる。基本応答スペクトルは,工場の建設技術
者が計算したもので,一般に機器製造業者及び試験技術者には知られていない。
3.4
広帯域応答スペクトル(broad-band response spectrum)
同時に扱う互いに影響する多くの振動数が存在することを示す運動を記述する応答スペクトル
注釈1 図3のc)参照。
注釈2 帯域幅は通常1オクターブより大きくなる。
3.5
臨界振動数(critical frequency)
振動によって供試品の機能不良及び/若しくは性能劣化が現れる振動数,並びに/又は機械共振及び/
若しくは例えばチャタリングなどのその他の応答の影響が起きる振動数
(出典 : JIS C 60068-2-6:2010の3.9)
3.6
折れ点振動数(crossover frequency)
振動の特性が一つの関係から次の関係に変化する振動数
注釈1 例えば,折れ点振動数は,振動振幅が,振動数対一定変位から振動数対一定加速度に変化する
振動数の場合がある。
(出典 : ISO 2041:2009の2.118を変更,例を省略し,注釈を追加)
3.7
カットオフ振動数(cut-off frequency)
ゼロ周期加速度漸近線が始まる応答スペクトルの振動数
注釈1 カットオフ振動数は,単一自由度(SDOF)振動系が運動の増幅を示さず,解析される波形の上
限を示す振動数である。
3.8
減衰(damping)
システムにおけるエネルギー損失のメカニズム
注釈1 実際には,減衰は,構造系,振動モード,ひずみ,加えられた力,速度,材料,接合部の滑り
などの多くのパラメータに影響される。
注釈2 この定義は,ISO 2041の定義と同一ではない。
3.8.1
臨界減衰(critical damping)
変位した系が,振動することなく元の位置に戻ることが可能な最小の粘性減衰
3.8.2
減衰比(damping ratio)
粘性減衰系における臨界減衰に対する実際の減衰の比
3.9
方向係数(direction factor)
――――― [JIS C 60068-3-3 pdf 6] ―――――
4
C 60068-3-3 : 2021 (IEC 60068-3-3 : 2019)
地震による地表の水平加速度と鉛直加速度との間に通常存在する大きさの違いを表す係数
3.10
床加速度(floor acceleration)
ある地震の地表の運動による特定の建物の床(又は機器取付構造物)の加速度
注釈1 実際には,床加速度は,その水平成分と垂直成分とに分解される場合がある。
3.11
幾何学係数(geometric factor)
多軸同時の入力振動を受ける機器の異なる軸間の影響を考慮した単軸試験に要求される係数
3.12
重力加速度,gn
高度及び緯度によって変化する地球上の加速度であり,地球の重力による標準加速度
注釈1 この規格では,gnの値は最も近い整数である10 m/s2に丸める。
3.13
地表加速度(ground acceleration)
ある地震動による地表加速度
注釈1 実際には,地表加速度は,その水平成分と垂直成分とに分解されることがある。
3.14
3 dB振動数(lateral frequencies)
3 dB帯域幅の両端の振動数
注釈1 図2参照。
3.15
機能不良(malfunction)
要求する機能を開始若しくは維持する能力の欠如,又は安全に反する結果を及ぼす期待しない余分の動
作の開始
注釈1 機能不良は,製品規格に規定される。
3.16
狭帯域応答スペクトル(narrow-band response spectrum)
単一振動数励振が卓越する応答スペクトル
注釈1 図3のa)参照。
注釈2 帯域幅は通常1/3オクターブ(3分の1オクターブ)以下である。
注釈3 広く離れた明確に規定する振動数が幾つか存在する場合,それらの各応答を狭帯域応答スペク
トルとして,別々に扱っても問題がないことを証明可能な場合には,そのようにしてもよい[図
3のb)参照]。
3.17
減衰固有振動数(damped natural frequency)
自身の物理特性(質量,剛性及び減衰)だけに依存する減衰線形システムの自由振動の振動数
――――― [JIS C 60068-3-3 pdf 7] ―――――
5
C 60068-3-3 : 2021 (IEC 60068-3-3 : 2019)
3.18
全体共振(overall resonance)
構造物全体が励振運動を増幅する共振振動数
注釈1 1 Hz35 Hzの振動数帯域内では,一般に全体共振は,1次振動モードに対応する。全体共振振
動数が要求応答スペクトルの強部(3.28参照)に入っている場合,全体共振振動数を考慮する
ことが重要である。
3.19
休止(pause)
試験波と次の試験波(例えば,サインビート)との間
注釈1 機器の応答運動が重なることのないように,休止時間を設定することが望ましい。
3.20
推奨試験軸(preferred testing axes)
機器の最も弱い軸を含む直交する3軸
3.21
要求応答スペクトル,RRS(required response spectrum, RRS)
使用者が特定した応答スペクトル
注釈1 図1,図2及び図3を参照。
3.22
共振振動数(resonance frequency)
強制振動の場合,加振振動数を変化させたとき,系の応答が最大となる振動数
注釈1 共振振動数の値は,測定する物理量の影響を受ける。減衰線形システムの場合,変位,速度及
び加速度(それぞれ動的コンプライアンス,移動度及び加速度 : ISO 2041参照)に対する共振
振動数の値は,順に高くなる。これらの共振振動数の値の違いは,通常の減衰比の場合は小さ
い。
注釈2 耐震試験では,応答の伝達性が2を超える場合,共振振動数が重要であると仮定することが多
い。
注釈3 減衰線形システムでは,共振振動数は減衰固有振動数と一致する。
注釈4 この定義は,ISO 2041の定義と同一ではない。
3.23
応答スペクトル(response spectrum)
規定の入力運動に対する,特定の減衰比の一連の1自由度系の最大応答
注釈1 図1,図2及び図3参照。
注釈2 この定義は,ISO 2041の定義と同一ではない。
3.24
S1地震(S1-earthquake)
安全関連機器は,機能不良なしで連続作動するように設計される,機器の使用寿命中に発生すると予測
される地震
注釈1 S1地震は,原子力分野での運転基準地震に対応している。
――――― [JIS C 60068-3-3 pdf 8] ―――――
6
C 60068-3-3 : 2021 (IEC 60068-3-3 : 2019)
3.25
S2地震(S2-earthquake)
一定の構造物,システム及び構成品は,機能を残存するように設計される,地表に最大振動を発生させ
る地震
注釈1 構築物,システム及び構成品は,正しい機能,堅ろう性及びシステム全体の安全性の保証に不
可欠である。
注釈2 S2地震は,原子力分野での安全停止地震に対応している。
3.26
サインビート(sine beat)
低振動数の正弦波で変調された単一振動数の連続正弦波
注釈1 図5参照。
注釈2 サインビートの持続時間は,変調振動数の半周期である。
注釈3 この規格では,サインビートは,単一振動数波と考える。
3.27
時刻歴の強部(strong part of the time history)
瞬時値が最大値の25 %に達した時点から最後に25 %に落ちた時点までの時刻歴の部分
注釈1 図6参照。
3.28
応答スペクトルの強部(strong part of the response spectrum)
要求応答スペクトルの3 dB帯域幅よりも高いスペクトルの部分(図2参照)
注釈1 一般的に,応答スペクトルの強部は,振動数帯域の最初の3分の1にある。
3.29
増幅係数(superelevation factor)
建物及び構造物の伝達率に起因する地表の加速度に対する変化を考慮した係数
3.30
合成時刻歴(synthesized time history)
応答スペクトルが要求応答スペクトルを支配するように人工的に生成された時刻歴
3.31
試験レベル(test level)
試験波中の最大ピーク値
注釈1 耐震試験では,加速度は,通常使用するパラメータである。
3.32
試験振動数(test frequency)
試験中に供試品を加振する振動数
注釈1 試験振動数は,3.32.1及び3.32.2で定義する二つのタイプのいずれかである。
3.32.1
規定試験振動数(predetermined test frequency)
製品規格に規定された振動数
――――― [JIS C 60068-3-3 pdf 9] ―――――
7
C 60068-3-3 : 2021 (IEC 60068-3-3 : 2019)
3.32.2
検査試験振動数(investigated test frequency)
振動応答検査で決定した振動数
3.33
試験応答スペクトル(test response spectrum)
振動台の実際の運動から解析又はスペクトル解析装置を用いて求めた応答スペクトル
注釈1 図2,図3のc)及び図3のd)参照。
3.34
時刻歴(time history)
加速度,速度又は変位の時間の関数としての記録
注釈1 この定義は,ISO 2041の定義と同一ではない。
3.35
ゼロ周期加速度,ZPA(zero period acceleration, ZPA)
応答スペクトルの加速度の高周波漸近値
注釈1 ZPAの実例を図2に示す。
注釈2 ゼロ周期加速度は,例えば時刻歴中の加速度の最大ピーク値を表すので,実用上重要である。
これを,応答スペクトルのピーク加速度と混同してはならない。
注釈3 この注釈は,フランス語版にだけ適用される。
4 一般及び耐震性能に関する考察
4.1 一般耐震試験クラス及び特別耐震試験クラス
一般耐震試験クラス及び特別耐震試験クラスの二つの耐震試験クラスが確立している。これらのいずれ
の耐震試験クラスも,他の耐震試験クラスよりも要求が強いと考えることは不可能である。二つの耐震試
験クラスの違いは,地震環境の特性を規定する場合の利用可能性及び/又はそれを規定する場合の正確さ
にある。原子力発電所の安全関連機器のように,特定の地震環境に対する高い信頼性·安全性が要求され
る場合,正確なデータを使用する必要があり,したがって,一般耐震試験クラスではなく,特別耐震試験
クラスを適用する。附属書Aには,試験クラス(一般耐震試験クラス又は特別耐震試験クラス)を選択す
るためのフローチャート及びこの指針で説明された選択を網羅した三つのフローチャート(図A.2図A.4)
が含まれる。この指針を最大限に活用するには,フローチャートを十分に検討することを強く推奨する。
箇条11箇条15には,地震環境が不明か,又は不正確である一般耐震クラスの対象となる機器の推奨
耐震試験方法を記載している。
一般耐震試験クラスは,地理的な場所及び支持構造物又は建物の特性を考慮した特定の調査の結果によ
らない地震動を対象とする機器を範囲とする。
このクラスでは,地震動は一般に地表面でのピーク加速度である一つのデータで特徴付けられる。この
加速度は,対象地域に関係する地震のデータから導出される。
機器を地表に取り付けない場合,建物及び/又は支持構造物の伝達率を考慮に入れることが望ましい。
箇条16箇条20には,地震環境が周知であるか,又は要求される応答スペクトル及び/又は時刻歴が
――――― [JIS C 60068-3-3 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 60068-3-3:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60068-3-3:2019(IDT)
JIS C 60068-3-3:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 60068-3-3:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-47:2008
- 環境試験方法―電気・電子―第2-47部:動的試験での供試品の取付方法
- JISC60068-2-57:2018
- 環境試験方法―電気・電子―第2-57部:時刻歴及びサインビート振動試験方法(試験記号:Ff)
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC60068-2-64:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
- JISC60068-2-81:2007
- 環境試験方法―電気・電子―第2-81部:衝撃応答スペクトル合成による衝撃試験方法