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C 60079-25 : 2008 (IEC 60079-25 : 2003)
6.2 区分 “ia”
区分 “ia” の機器に適用する要件(JIS C 60079-11の5.2参照)が,一つの実体として考えた本安システ
ム又はシステムの部分によって満足する場合,そのシステムの全体又は部分は区分 “ia” に属する。
6.3 区分 “ib”
区分 “ib” の機器に適用する要件(JIS C 60079-11の5.3参照)が,一つの実体として考えた本安システ
ム又はシステムの部分によって満足する場合,そのシステムの全体又は部分は区分 “ib” に属する。
7 周囲温度定格
本安システムの部分又は全体が,標準周囲温度(−20 ℃+40 ℃)を超える温度で動作することを指
定されている場合には,システム文書にその温度範囲を記述する。
8 現場配線
本安性が依存する機器間の配線の電気的パラメータ及びそれらの由来を,システム文書に指定する。そ
れに代わる方法としては,ケーブルのタイプを指定して,それを使用する理由付けを含める。特定のケー
ブルを指定する場合は,IEC 60079-14の関連する規定にも適合しなければならない。
特定の回路に多心ケーブルを利用することが可能な場合は,システム文書には,IEC 60079-14に規定す
るような多心ケーブルの許容し得るタイプも指定する。異なる回路間の故障を考慮しなくてよい特別な場
合には,次の内容を注記としてシステム文書のブロック図に含めなければならない。
“機器間の接続ケーブルがその他の本安回路を含む多心ケーブルの一部分を利用する場合,その多心ケ
ーブルは,IEC 60079-14に規定するタイプA又はタイプBの要件に適合しなければならない。”
9 本安システムの接地及びボンディング
一般的に一つの本安回路は,完全に非接地とするか,又は危険区域に関係する基準電位に1点だけでボ
ンディングしなければならない。必要なアイソレーションのレベルは(1点を除いて),JIS C 60079-11の
6.4.12に従って500 Vの絶縁試験に耐えるように設計されていなければならない。この要件が満たされな
い場合,回路はその要件を満たしていない箇所において接地されているとみなす。一つの回路が複数の分
岐回路に電気的に分離されている場合に限り,多点接地接続を許容する。この場合,各分岐回路は1点接
地とする。
遮へい(蔽)は,IEC 60079-14に従って大地又は構造物に接続しなければならない。大きな電位差(10
Vを超える。)が構造物と回路との間に生じるような場所に設置して使用するシステムの場合,回路を外部
の影響を受けないように電気的に分離することが望ましい。外部の影響とは,構造物からある距離はなれ
た大地電位の変化をいう。本安システムの一部を危険度0区域 (Zone 0) で使用する場合,特別な注意を必
要とする。
システム文書は,本安システムのいずれかの点をプラントの基準電位に接続するかを,また,そのとき
のボンディング部分についての特別な要件を,明確にすることが望ましい。基準電位への接続は,IEC
60079-14を併せて参照することによって決定する。
10 雷及びその他の電気的サージに対する保護
リスク分析の結果,雷及びその他のサージを受けやすいとみなされる場合には,予防策を講じて危険を
回避しなければならない。
――――― [JIS C 60079-25 pdf 6] ―――――
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C 60079-25 : 2008 (IEC 60079-25 : 2003)
本安回路の一部が危険度0区域 (Zone 0) に設置され,危険度0区域 (Zone 0) での爆発又は電位差によ
る破損の危険性がある場合は,サージ保護デバイスを設置しなければならない。サージ保護を必要とする
のは,遮へい(蔽)を含むケーブルの各導体と構造物との間であって,導体が構造物にボンディングされ
ていない場合である。サージ保護デバイスは,危険度0区域 (Zone 0) の境界の外で,かつ,できるだけ境
界の近く,望ましくは,1 m以内に設置しなければならない。
危険度1区域 (Zone 1) 及び危険度2区域 (Zone 2) における機器のサージ保護は,設置場所がサージを
受けやすい場合,システム設計に含めなければならない。
サージ保護デバイスは,最小ピーク放電電流10 kA(IEC 60060-1に従う8/20 μsパルス10回)をバイパ
スできなければならない。サージ保護デバイスと近接構造物との間の接続は,4 mm2の銅線と等価な最小
断面積の導体としなければならない。危険度0区域 (Zone 0) 内の本安機器とサージ保護デバイスとの間の
ケーブルは,雷から保護されるように設置しなければならない。本安回路に用いるサージ保護デバイスは,
設置場所に適した十分な防爆性能をもつものでなければならない。
本安回路及び構造物を非線形のデバイス,例えば,ガス放電管及び半導体部品を介して接続するような
サージ保護デバイスの使用は,正常運転状態で保護デバイスを流れる漏れ電流が10 μA未満の場合,回路
の本安性を損なわないとみなす。
注記 500 Vでの絶縁試験を十分管理された条件で行うときには,測定を無効にしないようにサージ
抑制装置を外すことが必要な場合もある。
サージ抑制対策を用いる本安システムは,間接的な多重接地の効果を解析した文書によって確認しなけ
ればならない。サージ抑制デバイスのキャパシタンス及びインダクタンスは,本安システムの評価におい
て考慮する。
附属書Fは,本安システムのサージ保護の設計について,幾つかの視点を示している。
11 本安システムの評価
11.1 一般
システムがJIS C 60079-11に単独では適合していない構成機器を含む場合,そのシステムは全体として
解析しなければならない。そのようなシステムは,一つの機器であるかのように解析する。 “ia” システ
ムはJIS C 60079-11の5.2, “ib” システムはJIS C 60079-11の5.3の規定に従わなければならない。機器
内の故障に加えて,11.3に規定する外部配線の故障を考慮しなければならない。
注記1 本安システム全体として,規定の故障を適用することは,個別の機器に規定の故障を適用す
るよりも厳しくないと認識されている。それでも,前者は安全性について容認できる水準を
達成していると考えられる。
すべての必要な情報がそろっている場合及びJIS C 60079-11に適合している機器で構成されている場合,
システム全体は,JIS C 60079-11に規定する故障の数を適用する。システム全体として規定の故障を適用
することは,別途解析又は試験した機器の入力特性及び出力特性を比較する一般的で簡潔な方法に代わる
解決方法である。一つのシステムが,別途JIS C 60079-11に適合していることを解析又は試験によって示
した機器だけで構成する場合は,すべての構成機器のシステムへの適合性を証明しなければならない。機
器内部の故障は既に検討済みであるので,それ以上考慮する必要はない。一つの電源だけによるシステム
の場合,電源の出力パラメータはケーブルの故障を考慮しているので,ケーブルの故障は,これ以上考慮
する必要はない。附属書Aでは単一電源の単純な回路について,より詳細な規定を行っている。
一つの機器が,別個の複数の本安回路と接続する可能性がある場合(例えば,別個の二つの抵抗巻線を
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C 60079-25 : 2008 (IEC 60079-25 : 2003)
もつ抵抗式温度計),接続された回路全体は単一の回路として評価しなければならない。
一つのシステムが二つ以上の線形電源を含む場合,それらの電源を組み合わせるときの影響を分析しな
ければならない。附属書Bでは,最も頻度の高い電源の組合せに用いる分析を示している。
一つの本安システムが複数の電源を含み,その中に非線形の電源がある場合,附属書Bに規定する評価
方法は使用できない。その種のシステムに対しては,附属書Cで,電源の一つが非線形である場合のシス
テム解析方法を説明している。
注記2 詳細な専門的なアドバイスが必要な場合,しかるべき組織に尋ねることが望ましい。
図1は,本安システムを解析する場合の原則を示している。
本安システムの解析
システムは
機器はJIS C 60079-11 いいえ JIS C 60079-11 JIS C 60079-11
に適合しているか? の原則を使用する。 に従って表示し
試験する。
はい
一つの線形電源だけが はい
附属書Aに従う。
使われているか?
いいえ
それらの電源 はい
の出力特性は線 附属書Bに従う。
形であるか?
いいえ
附属書Cを参考にする。
及び/又は,専門的なア システム文書を
ドバイスを受ける。 作成する。
図1−システム解析
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C 60079-25 : 2008 (IEC 60079-25 : 2003)
11.2 誘導性回路の解析
一つの機器が,機器の附属書類又は構造から,十分に定義された一つのインダクタンス及び抵抗から構
成されていることが明らかな場合,システムの誘導性についての本安性は,附属書Dに規定する手順によ
って確認しなければならない。
11.3 外部配線の故障
外部配線の故障を考慮しなければならない本安システムを設計するときには,次の故障を想定する。
a) 外部配線用電線の断線(故障数に制限なし)
b) 外部配線用電線間及び電線と遮へい(蔽)との間の短絡(故障数に制限なし)
c) ボンディング用構造物又はがい(鎧)装への任意の点での接触故障。この故障の解析のためには,構
造物又はがい装を通しての帰路はインピーダンスがゼロで,いかなる電圧及び電流も本安回路へは誘
導されることがないとみなす。
機器間接続用ケーブルの許容パラメータは,JIS C 60079-11の10.4.2に従って安全率1.5を用いて算出す
る。
11.4 形式検証及び形式試験
ある一つのシステムが十分に安全であることを立証するために,形式検証及び/又は形式試験が必要な
場合には,JIS C 60079-11の10. に規定する方法を用いなければならない。
12 表示
本安システムを構成するすべての機器は,容易に識別できなければならない。“単純機器”の場合は,追
跡可能な識別ラベルを付けることが望ましい。
最低限の要求は,システム文書が容易に追跡可能なことである。そのための一つの方法は,計装機器の
ループ番号である。ループ番号からループ図が確認できるので,その中にシステム文書を記載する。
本安システムが別途JIS C 60079-11に従う評価又は試験を受けた機器によって構成されている場合,そ
れらの機器の表示は最初の状態とする。
本安システムが全体として評価され,JIS C 60079-11に適合していることが明らかになった場合には,
機器はJIS C 60079-11に従って表示する。
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C 60079-25 : 2008 (IEC 60079-25 : 2003)
附属書A
(規定)
単純な本安システムの評価方法
序文
この附属書は,単純な本安システムの評価方法について規定する。
この単純な評価方法は,そのシステムが一つの電源をもつ場合にだけ適用する。図A.1を例に,単純な
システムの本質安全性の評価を決定するプロセスを次に記述する。
a) 二つの認証された個別機器に対する情報を考慮して,システムの区分又はシステムのグループの細分
類を決定する。システムは二つの機器における本安性区分の低い方を採用する。例えば,どちらかの
機器が “ib” の場合,システムは “ib” となる。システムグループの細分類は,IIC,IIB,IIAの順に
よって決定される。例えば,図A.1の場合は,システムはEx ia IICとなる。システム内の異なる部分
が異なる区分及び細分類をもつことは許容される。このような条件下で,回路内の個別の機器をシス
テム文書に明確に定義をすることが望ましい。
b) 電圧,電流及び電力のパラメータが次に示す値であることを検証する。
Uo ≦ Ui
Io ≦ Ii
Po ≦ Pi
本安機器に有効な入力抵抗が指定されている場合,許容入力電流の計算は,このパラメータを含め
てもよい。図A.1の例題では問題はないことを示す。
c) 接続する電源の電流又は電力のパラメータによって,本安機器の温度区分を決定する。
d) 最大許容ケーブルキャパシタンス (Cc) は,電源許容キャパシタンス (Co) から本安機器の入力キャパ
シタンス (Ci) を引いたもの,Cc=Co−Ciとなる。
e) 許容ケーブルインダクタンス (Lc) は,電源許容インダクタンス (Lo) から本安機器の入力インダクタ
ンス (Li) を引いたもの,Lc=Lo−Liとなる。
f) 電源が抵抗による電流制限形の線形電源の場合,許容Lc/Rc比は,附属書Dに従って決定する。
例えば,交流電流信号用のシャントダイオード形安全保持器を使用する場合,ある電源が双方向性
であってもよい。このような場合,両極性の出力について,その影響を考慮しなければならない。
危険区域 非危険区域
本安機器 システム 本安関連機器
Ex ia IIC T4 [Ex ia}] IIC
Ex ia IIC
Ui 30 V Uo 28 V
Ii 120 mA Io 93 mA
Pi 1.2 W ケーブルパラメータ Po 0.65 W
Li 10 μH Lc 3 mH Lo 3 mH
Ci 1 nF Lc/Rc 54 μH/Ω Lc/Rc 54 μH/Ω
Cc 82 nF Co 83 nF
図A.1−本安機器と本安関連機器との相互接続
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JIS C 60079-25:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60079-25:2003(IDT)
JIS C 60079-25:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.260 : 特殊条件で使用する電気設備 > 29.260.20 : 爆発性雰囲気で作動する電気装置
JIS C 60079-25:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60079-0:2010
- 爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件