この規格ページの目次
- 431 回路の種類による要求事項
- 431.1 線導体の保護
- 431.2 中性線の保護
- 431.3 多相系統の中性線の遮断及び再閉路
- 432 保護器の種類
- 432.1 過負荷電流及び短絡電流の両方に対して保護する器具
- 432.2 過負荷だけを保護できる器具
- 432.3 短絡だけを保護できる器具
- 432.4 保護器の特性
- 433 過負荷保護
- 433.1 電線と過負荷保護器との協調
- 433.2 過負荷保護器の設置位置
- 433.3 過負荷保護器の省略
- 433.4 並列使用導体の過負荷保護
- 434 短絡電流保護
- 434.1 推定短絡電流の決定
- 434.2 短絡保護器の設置位置
- 434.3 短絡保護器の省略
- 434.4 並列使用導体の短絡保護
- JIS C 60364-4-43:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS C 60364-4-43:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS C 60364-4-43:2011の関連規格と引用規格一覧
3
C 60364-4-43 : 2011 (IEC 60364-4-43 : 2008)
431 回路の種類による要求事項
431.1 線導体の保護
431.1.1 過電流の検出は,431.1.2を適用する場合を除き,全ての線導体で行わなければならない。それに
よって過電流を検出した導体は遮断しなければならないが,必ずしもその他の充電用導体を遮断する必要
はない。
例えば,三相電動機の場合のように,一相の遮断が危険を生じる可能性がある場合は,適切な予防策を
用いなければならない。
431.1.2 TT系統又はTN系統において,中性線がなく,線導体間で給電する回路では,次の条件を同時に
満足する場合は,線導体の1本では過電流を検出しなくてもよい。
a) 同一回路又は電源側に,不平衡負荷を検出し,全ての線導体を遮断するための保護器を備えている。
b) )で規定する保護器の負荷側に施設した回路の人為的に設けた中性点からは中性線を配線しない。
431.2 中性線の保護
431.2.1 TT系統又はTN系統
中性線の断面積が線導体と同じ太さ以上であり,また,中性線の電流が線導体の電流を超えないことが
予測される場合は,中性線に過電流検出器又は遮断器を設ける必要はない。
中性線の断面積が線導体より小さい場合,中性線にはその断面積に応じた過電流検出器を設ける必要が
ある。この過電流検出によって線導体を遮断しなければならないが,中性線までも遮断する必要はない。
上記二つの場合,中性線を短絡電流に対して保護しなければならない。
注記 この保護は,線導体における過電流保護器によって行うことができる。この場合,中性線に対
する過電流保護又は中性線に対する遮断装置を設ける必要はない。
中性線電流が線導体の電流値を超えることが予測される場合は,431.2.3による。
中性線に関する要求事項は,遮断に関するもの以外はPEN導体に適用する。
431.2.2 IT系統
中性線を配線する場合は,各回路の中性線に過電流検出器を備える必要がある。過電流検出によって,
中性線を含め当該回路の全充電用導体を遮断しなければならない。ただし,この対策は,次の場合には必
要としない。
− 設備の源点など電源側に設置した保護器によって,その中性線を有効に過電流保護する場合。
− 定格感度電流が中性線の許容電流の0.2倍を超えない漏電遮断器によってその回路を保護する場合。
この遮断器は,中性線を含めその回路の全充電用導体を遮断する。その遮断器は,全ての極に対して十
分な遮断容量をもたなければならない。
注記 IT系統においては,中性線を配線しないことが望ましい。
431.2.3 高調波電流
中性線電流が,その導体の許容電流を超えることが予測されるような,線電流の高周波含有量である場
合は,多相回路の中性線に過負荷検出装置を設けなければならない。過負荷検出は,中性線を流れる電流
の特性に適合しなければならず,また,線導体を遮断しなければならないが,必ず中性線までも遮断する
必要はない。中性線を遮断する場合には,431.3の要求事項を適用する。
注記 上記以上の中性線の保護に関する要求事項は,JIS C 60364-5-52に規定している。
431.3 多相系統の中性線の遮断及び再閉路
中性線を遮断する必要がある場合,遮断及び再閉路は,中性線を線導体より先に遮断してはならない。
また,中性線が線導体と同時又はそれ以前に再閉路するように設定しなければならない。
――――― [JIS C 60364-4-43 pdf 6] ―――――
4
C 60364-4-43 : 2011 (IEC 60364-4-43 : 2008)
432 保護器の種類
保護器は,432.1432.3に規定する種類のもので,その特性は432.4によらなければならない。
432.1 過負荷電流及び短絡電流の両方に対して保護する器具
434.5.1に規定するものを除き,過負荷電流及び短絡電流の両方を保護する器具は,その保護器の設置点
における推定短絡電流以下の全ての過電流を遮断でき,かつ,配線用遮断器として投入できるものでなけ
ればならない。
その保護器は,次のいずれかである。
− 過負荷及び短絡引外し機能を組み込んだ配線用遮断器
− ヒューズと組み合わせた配線用遮断器
− gG特性のヒューズリンクをもつヒューズ
注記1 ヒューズは,完全な保護器を構成する全ての部品から成り立っている。
注記2 433.1及び434.5の要求事項を満足する場合は,この細分箇条は,その他の保護器の使用を除
外するものではない。
432.2 過負荷だけを保護できる器具
これらの保護器は,箇条433の要求事項を満足しなければならない。ただし,遮断容量は,その保護器
を設けた点での推定短絡電流の値未満であってもよい。
注記1 これらの保護器は,一般に反限時形保護器である。
注記2 aM形ヒューズは,過負荷の保護はできない。
432.3 短絡だけを保護できる器具
過負荷保護がその他の手段で達成できる場合か,又は箇条433が過負荷保護の省略を許容している場合
は,短絡電流だけを保護する器具を設けなければならない。このような保護器は,推定短絡電流以下の短
絡電流を遮断することができ,かつ,配線用遮断器として投入できなければならない。このような保護器
は,箇条434の要求事項を満足しなければならない。
この保護器には,次のものがある。
− 短絡電流引外しだけの配線用遮断器
− gM特性で,aM形ヒューズリンクをもつヒューズ
432.4 保護器の特性
過電流保護器の動作特性は,例えば,JIS C 8201-2-1,JIS C 8201-3,JIS C 8211,JIS C 8222,JIS C 8269-2,
IEC 60269-3,IEC 60269-4又はIEC 60947-6-2に規定する動作特性に従わなければならない。
注記 その他の保護器の遮断時間と電流に関する特性が,この箇条に規定するものと同等の保護レベ
ルを備えている場合は,それらの保護器の使用を除外するものではない。
433 過負荷保護
433.1 電線と過負荷保護器との協調
過負荷に対して電線を保護する器具の動作特性は,次の条件1[式(1)]及び条件2[式(2)]に適合しな
ければならない。
IB≦In≦IZ (1)
I2≦1.45×IZ (2)
ここに, IB : 回路の設計電流
IZ : 電線の連続許容電流(JIS C 60364-5-52の箇条523参照)
――――― [JIS C 60364-4-43 pdf 7] ―――――
5
C 60364-4-43 : 2011 (IEC 60364-4-43 : 2008)
In : 保護器の定格電流
I2 : 保護器が規約時間内に有効に動作することを保証する電流
注記1 調整できる保護器の場合,定格電流Inは選定した設定電流に読み替える。
保護器の有効な動作を保証する電流I2は,製造業者から提供されるか,又は製品規格で示さなければな
らない。
例えば,I2未満の過電流の発生が継続するような場合には,この箇条に従った保護は不確実となる可能
性がある。このような場合,より大きい断面積のケーブルの選定を考慮することが望ましい。
注記2 IBは,線導体を流れる設計電流か,又は第3調波が高いレベルの場合に中性線を流れる恒久
的な電流である。
注記3 保護器の規約時間内に有効な動作を保証する電流は,製品規格によるIt又はIfでもよい。It
及びIfとも,Inの倍数であるので,値及び目盛の正確な表示に注意することが望ましい。
注記4 433.1の条件式(1)及び式(2)の説明に関しては,附属書B参照。
注記5 回路の設計電流IBは,補正率を適用した後の実際の電流Iaとして考えることができる(JIS C
60364-1の箇条311参照)。
433.2 過負荷保護器の設置位置
433.2.1 電線の断面積,種類,施設方法又は構成の変更によってその許容電流が低減する箇所には,過負
荷保護を保証する器具を設置しなければならない。ただし,433.2.2及び433.3を適用する場合を除く。
433.2.2 電線の過負荷保護器は,変更(断面積,種類,施設方法又は構成)がある点と保護器の設置点と
の間の配線部分に分岐する回路及びコンセントを接続せず,更に,次の二つの条件の少なくとも一つに適
合する場合は,変更のある電線に設置できる。
a) 箇条434の規定に従って短絡保護がなされている。
b) その全長が3 mを超えず,短絡の起きる危険性が最小となるように施設し,また,火災の危険性又は
人への危険性を最小にするような方法で施設する(434.2.1も参照)。
注記 a) に従った取付けについては,図C.1参照。b) に従った取付けについては,図C.2参照。
433.3 過負荷保護器の省略
この細分箇条の各規定は,火災の危険性又は爆発の危険性が存在する場所における設備,又は特殊設備
及び特殊場所の要求事項が別の条件を規定している場所における設備には適用してはならない。
433.3.1 一般事項
次の過負荷保護器の設置は,必要ない。
a) 断面積,種類,施設方法又は構成の変更点の電源側に設置した保護器によって有効に過負荷保護を行
っている変更点負荷側の電線用の過負荷保護器
b) 箇条434の規定によって短絡保護を行い,かつ,分岐する回路もコンセントもないという条件で,過
負荷電流が発生するおそれがない電線用の過負荷保護器
c) 電力会社が過負荷保護器を供給し,かつ,その保護器が設備の源点と主配電点との間の部分に対する
保護も担当し,この主配電点から先の過負荷保護が行われている場合の設備の源点における過負荷保
護器
d) 通信回路用,制御回路用,信号回路用及びこれらに類似の回路用過負荷保護器
注記 a),b)及びd)に従った設備に関しては,図C.3を参照。
433.3.2 IT系統における過負荷保護器の設置位置又は省略
433.3.2.1 過負荷保護器の取付け位置の緩和措置又は省略について規定する433.2.2及び433.3.1は,IT系
――――― [JIS C 60364-4-43 pdf 8] ―――――
6
C 60364-4-43 : 2011 (IEC 60364-4-43 : 2008)
統には適用できない。ただし,過負荷保護しない各回路を次の方法の一つで保護する場合は,この限りで
ない。
a) IS C 60364-4-41の箇条412に規定する保護手段の使用
b) 第2故障によって即時に動作する漏電遮断器による各回路の保護
c) 次のいずれかの絶縁監視装置だけを使用する恒久的な監理システム
− 第1故障によって回路を遮断する。
− 故障の存在を示す信号を出す。故障は,運用上の要求事項に従い,かつ,第2故障発生による危険
性を確認して修復しなければならない。
注記 IEC 61557-9に従った絶縁故障場所検出装置を備えることが望ましい。このような装置を適用
することによって,電源を遮断せずに絶縁故障を発見し,かつ,その場所を突き止めることが
できる。
433.3.2.2 中性線のないIT系統において,各回路に漏電遮断器を設置している場合は,1本の線導体の過
負荷保護器を省略することができる。
433.3.3 安全上の理由から過負荷保護器の省略を考慮しなければならない場合
予期しない回路の遮断が危険又は損傷を生じるような電気使用機器への供給回路には,過負荷保護器を
省略することができる。
これには,次のような回路がある。
− 回転機の励磁回路
− 揚重電磁石の電源回路
− 変流器の二次回路
− 消火器具に電力供給する回路
− 安全設備(盗難警報器,ガス警報器など)に電力を供給する回路
注記 上記の場合は,過負荷警報を設備することが望ましい。
433.4 並列使用導体の過負荷保護
1個の保護器で幾つかの並列使用導体を保護する場合は,並列導体に分岐する回路又は断路装置若しく
は開閉器を設けてはならない(附属書A参照)。
この箇条は,リング分岐回路の使用を除外するものではない。
433.4.1 並列導体間の均等な電流配分
1個の保護器が,均等に配分された電流が流れている並列使用導体を保護する場合には,433.1で用いる
IZの値は,各々の導体の許容電流の合計である。
JIS C 60364-5-52の523.7 a) の最初のインデント“並列使用導体が多心ケーブル又は単心よ(撚)りケ
ーブル若しくはよ(撚)り絶縁電線”の要求事項を満たしている場合は,均等な電流配分とみなす。
433.4.2 並列導体間の不均等な電流配分
相ごとに1条の導体を使用することが非実用的であり,かつ,並列導体における電流が不均等である場
合には,設計電流及び各導体の過負荷保護に対する要求事項は,個々に検討しなければならない。
注記 導体ごとの電流の差が設計電流に対して10 %を超える場合は,並列導体の電流は不均等である
とみなす。A.2にその指針を示す。
――――― [JIS C 60364-4-43 pdf 9] ―――――
7
C 60364-4-43 : 2011 (IEC 60364-4-43 : 2008)
434 短絡電流保護
この規格では,同じ回路に属する導体間の短絡の場合だけを考慮する。
434.1 推定短絡電流の決定
保護器の各々の設置点における推定短絡電流を決定しなければならない。決定値は,計算又は測定のい
ずれでもよい。
注記 電力供給点での推定短絡電流は,電力会社から入手してもよい。
434.2 短絡保護器の設置位置
導体断面積の低減又はその他の変更によって電線の許容電流の変更がある場合には,短絡保護器を設置
しなければならない。ただし,434.2.1,434.2.2又は434.3を適用する場合を除く。
434.2.1 次の細分箇条に規定する幾つかの事例は,火災の危険性又は爆発の危険性がある場所及び特別な
規則が別の条件を規定している場所に設置した設備に対して適用してはならない。短絡保護器は,次の条
件で434.2に規定する以外の場所に配置してもよい。
断面積の低減又はその他の変更点と保護器の場所との間の電線の部分には,分岐する回路又はコンセン
トがあってはならず,その間の電線は,次による。
a) 長さは3 m以下
b) 短絡の起きる危険性が最小となるように施設する。
注記1 この条件は,例えば,外的影響に対し,配線の保護を強化することによって満たしてもよ
い。
注記2 図D.1参照。
c) 可燃性物質に近接して設置しない。
434.2.2 保護器が,変更点より負荷側の配線を434.5.2に従って短絡保護できる動作特性をもつものであ
る場合,その保護器は導体断面積の低減又はその他の変更点から電源側に設置してもよい。
434.2.2の要求事項は,附属書Dの方法によってもよい。
434.3 短絡保護器の省略
次の二つの条件を同時に満足する場合は,a) d)の場所に短絡保護器を設置する必要はない。
− 配線は,短絡の危険性を最小に減じるような方法[434.2.1のb)参照]で施設する。
− 配線は,可燃性物質に近接して設置しない。
a) 発電機,変圧器,整流器及び/又は蓄電池と,保護器が盤内に設置してある附属の制御盤との間を接
続する電線
b) 433.3.3で引用したような,その設備の運転にとって電源の遮断が危険を及ぼす回路
c) ある種の測定回路
d) 電力会社が一つ以上の短絡保護器を設置し,かつ,この保護器が設備の源点と主配電点との間の部分
に対する保護も担当し,この主配電点から先の短絡保護が行われている場合の設備の源点
注記 設備の源点とは,自家用電気設備の変圧器の二次側端子などを指す。
434.4 並列使用導体の短絡保護
1個の保護器の動作特性が,一つの並列使用導体中の最も動作しにくい位置で起こる故障に対して効果
的な動作を保証する場合には,その保護器は短絡の影響に対して並列導体を保護できる。この場合,並列
導体間の短絡電流の配分を考慮しなければならない。短絡電流は,並列導体の両端から供給される可能性
がある。
1個の保護器の動作が効果的でない場合は,次の手段のうち一つ以上を行わなければならない。
――――― [JIS C 60364-4-43 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 60364-4-43:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60364-4-43:2008(IDT)
JIS C 60364-4-43:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 60364-4-43:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60364-5-52:2006
- 建築電気設備―第5-52部:電気機器の選定及び施工―配線設備
- JISC8201-2-1:2011
- 低圧開閉装置及び制御装置―第2-1部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断器)
- JISC8201-3:2009
- 低圧開閉装置及び制御装置―第3部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組みユニット
- JISC8201-4-1:2020
- 低圧開閉装置及び制御装置―第4-1部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ
- JISC8211:2020
- 住宅及び類似設備用配線用遮断器
- JISC8222:2004
- 住宅及び類似設備用漏電遮断器―過電流保護装置付き(RCBOs)
- JISC8222:2021
- 住宅及び類似設備用漏電遮断器―過電流保護装置付き(RCBOs)
- JISC8269-2:2016
- 低電圧ヒューズ―第2部:専門家用ヒューズの追加要求事項(主として工業用ヒューズ)―標準化されたヒューズシステムA~K