JIS C 60664-4:2009 低圧系統内機器の絶縁協調―第4部:高周波電圧ストレスの考慮 | ページ 2

4
C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
が最大で20 %まで低下することを示している。この低下が最大となる周波数をfminと呼ぶ。
注記 この規格では,図A.1に図示すように,fminを3 MHzとしている。
4.3.3 平等電界及び準平等電界の条件に対する空間距離の規定値の決定
大気圧における気中平等電界空間距離の,周波数についての絶縁特性は,次の表現に要約することがで
きる。
− fcritを上回る範囲では,絶縁破壊電圧は周波数の上昇に応じて低下する。絶縁破壊電圧の最大低下は,
約20 %である。
− 絶縁破壊電圧は,周波数fminのときに最低になる。これより高い周波数の場合,絶縁破壊電圧は上昇
して,商用周波数での値を超えることがある。
これらの特性は,準平等電界条件にも適用できると仮定する。
平等電界に対する規定値の決定は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3のケースBの値に
基づいている。これらの値の使用には,JIS C 60664-1又はJIS C 60664-5の6.1.2に従った耐電圧試験が必
要である。
準平等電界に対する規定値の決定は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3のケースAの値
に基づいている。耐電圧試験は不要である。ただし,導電部の曲率半径は,空間距離の20 %以上でなけれ
ばならない。
規定値の決定には,次の二つの方法がある。
a) 詳細な評価を意図していない場合,この規格の周波数範囲内では,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C
60664-5の表3による,必要とする耐電圧の125 %に相当する空間距離の規定値を適用する。
b) 詳細な評価を意図している場合は,次の規定を適用する。
1) crit未満の周波数に対する空間距離[式(1)参照]は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表
3による必要とする耐電圧の100 %に相当する規定値とする。
2) minを超える周波数に対する空間距離は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3による必
要とする耐電圧の125 %に相当する規定値とする。
3) critとfminとの間の周波数fに対する空間距離は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3に
よる必要とする耐電圧の
f fcrit
100 % 25 % (2)
fmin fcrit
に相当する規定値とする。
臨界周波数を求める場合は,まず,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3による必要とする
耐電圧の100 %に相当する空間距離を仮定する。次に,条件b) 1),b) 2)又はb) 3)のうち,いずれに該当す
るかを決定する必要がある。この評価は,得られた結果(空間距離)に影響されることがあるので,2回
目の繰返しが必要になることがある。
注記1 規定値の決定についての詳細を,附属書Fに示す。
注記2 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。

4.4 不平等電界

4.4.1  不平等電界の条件
30 kHzを超える周波数について,導電部の曲率半径が空間距離の20 %未満のとき,不平等電界が存在す
るとみなす。
4.4.2 部分放電及び絶縁破壊特性の実験データ

――――― [JIS C 60664-4 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
不平等電界条件の場合でも,fcritは式(1)から近似することができる。fcritを上回る範囲では,周波数が絶
縁破壊電圧に与える影響は,平等電界条件の場合よりもはるかに大きい。商用周波数における絶縁破壊電
圧の低下率は,50 %を超えるかもしれない。
不平等電界条件の場合,絶縁破壊電圧を下回る電圧では部分放電を予測しなければならない。高い繰返
し周波数をもつこれら放電によって劣化が引き起こされるリスクが高いことから,規定値の決定は,部分
放電の発生を回避できるだけの十分なものでなければならない。
実験データを,A.2.2に示す。
4.4.3 不平等電界条件に対する空間距離の規定値の決定
fcrit未満の周波数に対する空間距離[式(1)参照]は,JIS C 60664-1の表F.7又はJIS C 60664-5の表3に
よる,必要とする耐電圧の100 %に相当する規定値とする。
fcrit以上の周波数に対する空間距離は,規定値の決定に関して電圧の周波数を考慮しなければならない。
部分放電は過渡過電圧によって引き起こされることがあり,また,定常電圧によって維持されることがあ
ってはならないため(JIS C 60664-1の6.1.3.4参照),規定値の決定に関しては部分放電の放電停止電圧を
使用しなければならない。部分放電又は絶縁破壊を避けるための気中不平等空間距離(規定値)を,実験
値とともに図1に示す。
注記1 規定値の決定については,0.75 mmまでの空間距離に対しては絶縁破壊電圧から求めた,ま
た,これを超える空間距離に関しては,1 MHzでの部分放電の放電停止電圧から求めた,A.2.2
のデータを適用することができる。
不平等電界に対する寸法データを,表1に要約して示す。規定値は,導電部の曲率半径が小さい場合に
適用することができる。実際には,導電部の曲率半径が空間距離の20 %未満の場合,この条件を満足する。
注記2 規定値の決定に関する詳細を,附属書Fに示す。
注記3 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。

――――― [JIS C 60664-4 pdf 7] ―――――

6
C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図1−部分放電(空間距離≧1 mm)又は絶縁破壊(空間距離<1 mm)を避けるための
大気圧における気中不平等空間距離の規定値の決定(針−平板電極,5 μm半径)

――――― [JIS C 60664-4 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
表1−不平等電界条件に対する大気圧での気中空間距離の最小値
電圧 空間距離
Upeak
kV mm
0.6以下a),b) 0.065
0.8 a) 0.18
1.0 a) 0.5
1.2 a) 1.4
1.4 a) 2.35
1.6 a) 4.0
1.8 a) 6.7
2.0 a) 11.0
注a) この表に示す値の間の電圧には,直線補間法を用いて算出してもよい。
b) 0.6 kV未満の電圧Upeakについては,データがない。

5 沿面距離

5.1 実験データ

  附属書Bのデータに従って,沿面距離の絶縁破壊電圧に対する周波数の影響を考慮する。
実施する調査及び実験で使用する材料に関する実験条件を,参考としてB.2に記載する。
実験データを,B.3に示す。部分放電電圧(PD電圧)及び絶縁破壊電圧は,電圧の周波数によって顕著
な影響を受ける。

5.2 沿面距離の規定値の決定

  100 kHz以下,1 MHz以下及び3 MHz以下の三つの異なる周波数範囲に関する測定データ(実験値)を,
限界曲線(規定値)とともに,図2に示す。沿面距離に対する寸法データを,表2に要約している。追加
の周波数範囲に関するデータは,直線補間によって得たものである。これらのデータは,汚損度1に対し
て有効である。
注記1 沿面距離の規定値の決定については,高周波電圧の部分放電が長時間発生していると材料に
破壊的な影響を与えることになるので,B.3の部分放電停止電圧データを部分放電として適
用できる。
関連の実験(参考文献[5]参照)では,汚損度2及び汚損度3に対する沿面距離は,補正係数を適用して,
汚損度1について決められた距離から導出できることが示された。汚損度2の場合は補正係数1.2を,ま
た,汚損度3の場合は補正係数1.4を適用できる。
注記2 汚損度1汚損度3は,JIS C 60664-1の4.6.2参照。
表2のデータは,トラッキング現象の影響を考慮していないので,JIS C 60664-1又はJIS C 60664-5を
考慮に入れなければならない。したがって,この規格の表2から導かれる値(ピーク電圧に対する値)が
JIS C 60664-1の表F.4又はJIS C 60664-5の表4から導かれる関連値(実効値に対する値)より小さい場
合は,後者を適用する。
これらの規定値のデータは,熱作用によって劣化する可能性のあるすべての材料に適用できる。このよ
うな劣化が起こる可能性のない材料(例,セラミックス)の場合には,この規格の箇条4による空間距離
に対する規定値で十分である。
注記3 規定値の決定に関する追加情報を,附属書Fに示す。
注記4 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。

――――― [JIS C 60664-4 pdf 9] ―――――

8
C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図2−部分放電(沿面距離≧1 mm)又は絶縁破壊(沿面距離<1 mm)を避けるための
沿面距離の規定値の決定

――――― [JIS C 60664-4 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 60664-4:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60664-4:2005(IDT)

JIS C 60664-4:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60664-4:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称