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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
表2−異なる周波数範囲に対する沿面距離の最小値
電圧 沿面距離a)
mm
Upeak 30 kHz < f 0.2 MHz b) 0.4 MHz b) 0.7 MHz b) 1 MHz b) 2 MHz b) 3 MHz b)
kV ≦ 100 kHz
0.1 0.016 7 0.3
0.2 0.042 0.15 2.8
0.3 0.083 0.09 0.09 0.09 0.09 0.8 20
0.4 0.125 0.13 0.15 0.19 0.35 4.5
0.5 0.183 0.19 0.25 0.4 1.5 20
0.6 0.267 0.27 0.4 0.85 5
0.7 0.358 0.38 0.68 1.9 20
0.8 0.45 0.55 1.1 3.8
0.9 0.525 0.82 1.9 8.7
1 0.6 1.15 3 18
1.1 0.683 1.7 5
1.2 0.85 2.4 8.2
1.3 1.2 3.5
1.4 1.65 5
1.5 2.3 7.3
1.6 3.15
1.7 4.4
1.8 6.1
注a) 表中の沿面距離の値は,汚損度1に対するものである。汚損度2の場合は補正係数1.2を,また,汚損度3の
場合は補正係数1.4を表中の沿面距離の値に乗じなければならない。
b) この表に表す値の間の周波数には,直線補間法を用いて算出してもよい。
6 固体絶縁物
6.1 一般的考慮事項
気中空間距離に比べて,固体絶縁物は少なくとも1けた大きい絶縁破壊電界強度になっている。しかし,
実際の使用では,固体絶縁物の大きい絶縁破壊電界強度は,十分活用できていない。
注記 予想よりも相当に小さい電界強度での劣化及び最終的破壊を引き起こすメカニズムについて
は,C.1で詳しく記載する。
6.2 影響要素
1 MHzの周波数に対しては,短期的な絶縁破壊電界強度が商用周波数の値の10 %近くまで低下すること
がある。絶縁破壊電界強度は,たとえ100 MHzに近い周波数においても,下限に達することはないと推定
される。
注記 高周波破壊特性を,C.2に参考として示している。
一般に,固体絶縁物の耐電圧は,特に高周波電圧において,湿度及び温度の影響を受けて更に低下する。
この影響は,7.3に従った試験に先立ち,コンディショニングによって考慮される。
このような特性を踏まえて,高周波の用途で使用するように意図された固体絶縁物は,92 %の相対湿度
を超える湿度環境に長期間さらしてはならない。例えば,ガラス及び一部のセラミックスのような一部の
材料は,湿度の影響を受けることはなく,したがって,この92 %という限度値に制限されることはない。
固体絶縁物の絶縁破壊電界強度は,材料の厚さの関数である。非常に薄いフィルムは,厚さ0.75 mmの
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試料よりも最大で1けた大きい絶縁破壊電界強度をもつことがある。したがって,固体絶縁物厚さに対す
る規定値の決定に当たっては,このような絶縁破壊電界強度の絶縁厚さへの依存性を考慮に入れなければ
ならない。
温度の絶縁破壊電圧に対する影響は,C.2に示している。したがって,温度は,規定値の決定及び試験
に際して考慮しなければならない重要な影響要素である。
高周波電圧における部分放電は,電圧周波数に対応した高い部分放電(PD)インパルス繰返し周波数をも
つ。したがって,部分放電が発生する場合は,固体絶縁物本来の寿命を期待することはできない。
6.3 固体絶縁物厚さの規定値の決定
箇条7に従った高周波試験の代わりに,次の規定値の決定の方法を使用することができる。この方法は,
電界強度がほぼ均一であって,かつ,それぞれ式(3)又は図3による既定値を超えることがなく,更に固体
絶縁物の中にボイド又は空げきが存在しない場合に,電圧の最高周波数10 MHzに対して適用する。これ
らの条件を満たすことができない場合は,箇条7に従った高周波試験が必要になる。
電界がほぼ平等(注記1参照)であれば,規定値を使用することができる。固体絶縁物層がd≧0.75 mm(=
d1)と厚い場合,電界強度Eのピーク値は2 kV/mm以下でなければならない。固体絶縁物層がd≦30 μm(=
d2)と薄い場合,電界強度のピーク値は10 kV/mm以下でなければならない。d1>d>d2の場合は,一定の厚
さdに対する直線補間のために,式(3)を使用しなければならない(図3も参照)。
E .025 .1667 (3)
d
ここに, E : 電界強度のピーク値 (kV/mm)
d : 固体絶縁物の厚さ (mm)
注記 1 電界強度の平均値からの偏差が±20 %未満の場合,電界は近似的に平等であるとみなされる。
図3−式(3)による固体絶縁物の規定値の決定のための許容電界強度
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固体絶縁物の規定値の決定のために電界強度を使用するには,ボイド又は空げき(隙)が介在しないほ
ぼ平等の電界分布が必要になる。電界強度が算出できない(電界が平等でない)場合,ピーク値が式(3)又
は図3からそれぞれ得られる値よりも高い場合,ボイド若しくは空げきを排除できない場合,又は10 MHz
を超える高い周波数の場合,高周波電圧を用いた耐電圧試験又は部分放電試験が必要になる。JIS C 60664-1
の5.3.3.2.3に従って,耐電圧試験は短時間ストレスに,また,部分放電試験は長時間ストレスに適用する。
注記2 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
7 高周波試験
7.1 基本要求事項
次の試験は,使用電圧の周波数で実施する。
− 高周波交流電圧試験を利用した,空間距離及び固体絶縁物に対する短時間耐電圧の検証
− 定常的な高周波電圧の印加条件下で部分放電が発生しないことの検証
高周波では容量負荷が大きいため,高周波試験は主として構成部品及び半組立品に適用する。完成した
機器に対して追加的な高電圧試験が必要な場合,この試験は,商用周波電圧を用いて,JIS C 60664-1の
6.1.3に従って実施してもよい。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
7.2 試験電圧源
試験電圧源を,D.1に示す。
7.3 コンディショニング
製品規格による規定が特にない限り,試験は新品の試料を用いて実施しなければならない。温度及び湿
度処理による試料のコンディショニングは,次のことを意図する。
− 最も厳しい通常使用条件を代表させる。
− 新品の状態では出現しない潜在的な弱点を顕在化させる。
JIS C 60664-1の6.1.3.2に規定されているコンディショニングの方法は,高周波試験にも適用する。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
7.4 高周波絶縁破壊試験
この試験は,商用周波での高電圧試験と同様とする(JIS C 60664-1の6.1.3.4参照)。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
7.4.1 試験方法
高周波耐電圧性能は,機器の温度及び環境条件の影響を受ける。したがって,試験は,機器の通常使用
による温度上昇を含めて,使用中に遭遇する最も厳しい条件下で実施しなければならない。試験時間は1
分とする。
7.4.2 試験結果
試験時間中,絶縁破壊が生じてはならない。試験後,目視で確認できるほどの損傷(焼損,溶融など)
があってはならない。
7.5 高周波部分放電試験
7.5.1 一般的考慮事項
部分放電試験のための一般的な方法は,IEC 60270に規定されている。低電圧機器の部分放電試験につ
いては,JIS C 60664-1の6.1.3.4及びJIS C 60664-1の附属書Cを適用できるが,高周波電圧による試験の
場合は,次のように試験機器及び方法を変更しなければならない。
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試料の劣化のリスクを最小限に抑えるために,部分放電試験は,厳密な手順及び測定によって,かつ,
部分放電開始電圧の範囲内の試験電圧で実施することが望ましい。不合格基準として,低い部分放電レベ
ル(通常,10 pC未満)を規定しなければならない。規定の部分放電停止電圧を決定する正確さには限界
があり,かつ,試験中は通常は考慮しない温度及び湿度などの追加パラメータの影響を受けるため,部分
放電停止電圧には最高周期性ピーク電圧のF1 = 1.2倍の安全係数を含めなければならない(JIS C 60664-1
の6.1.3.5参照)。強化絶縁の場合は,更に厳しいリスク評価が必要であり,部分放電停止電圧については
F3 = 1.25の追加安全係数を用いなければならない(JIS C 60664-1の6.1.3.5参照)。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
部分放電試験は主として部品の試験であるが,機器の試験も可能である。機器試験の場合は,部分放電
の発生源を特定することが困難な場合があり,また,部分放電の大きさの測定値は装置内の位置によって
決まる。形式試験のときは,部分放電試験によって,絶縁システムの設計,絶縁材料の選択及び製造プロ
セスについて,それぞれの適切さを検証する。これらの試験は,機器の設計に当たっても非常に有用であ
る。抜取検査及びルーチン試験を実施することで,製造プロセス全体を検証することができる。これは,
品質保証にとって基本的な重要性をもつ。
高周波試験電圧であるため,近くにある別の電子機器との干渉を防止するために,導電性の囲いによっ
て試験システムを慎重に遮へいしなければならない。一般に,このような遮へい措置は,部分放電測定中
に要求される干渉レベルに十分対応できる。
7.5.2 試験方法
高周波電圧においては試料の劣化のリスクが高いので,電圧上昇速度は,試験電圧のオーバーシュート
を引き起こすことのない,可能な限り速いものとすることが望ましい。一般に,高周波部分放電試験中の
ノイズは,商用周波試験中よりもかなり大きくなる。
7.5.3 試験機器
試験電圧と部分放電信号の周波数スペクトルとが重なり合っていて,適切に分離する方法(フィルタリ
ング)が必要になることから,高周波電圧における部分放電の測定は,更に困難である。試験電圧の周波
数は広い範囲で変動することがあるので,同調ノッチフィルタが必要になる。これらフィルタの中心周波
数は,試験電圧の周波数に同調させなければならない。非正弦波試験電圧源の信号を部分放電信号から分
離することは相当に困難である。したがって,この規格の適用範囲内では,このような試験は実施しない
ほうがよい。部分放電の強度の測定の場合は,高周波試験電圧を抑制するために,デジタルオシロスコー
プを帯域消去フィルタと組み合わせて使用する。
高周波電圧をもつ部分放電試験回路の例を,D.2に示す。部分放電の検出は,サンプリングレートが高
いデジタルオシロスコープを用いてデジタル積分して行う。
7.5.4 試験回路
部分放電測定は,部分放電電流を検出して行う。このために,測定用抵抗Rmを試料と直列に接続する。
このRmの電圧降下を,帯域消去フィルタを通じて高帯域幅(100 MHz以上)のデジタルオシロスコープ
の一つのチャンネルで測定する。帯域消去フィルタは,試料に送る容量性電流が引き起こす電圧降下を除
去する。また,集中定数素子からなる試験回路と合わせた総合的な帯域幅が60 MHzになるようにする。
この手法によって,5 pCの部分放電感度を得ることができる。高周波試験電圧は高周波電圧計で測定し,
波形はデジタルオシロスコープの別のチャンネルで観測する。試験回路の詳細については,D.2.2を参照。
7.5.5 試験回路の必要帯域幅
次の評価では,試験回路は一次低域透過特性(PT1特性)をもっている。つまり,低域遮断周波数がゼ
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ロになり,高域遮断(3 dB低下)周波数fcが帯域幅となる。
試験回路の潜在的共振周波数又は低域遮断周波数の作用についての考慮事項を,D.2.2に規定している。
7.5.5.1 部分放電インパルス感度限界に対する最小帯域幅
高周波試験電圧の場合,高い部分放電インパルスのパルス繰返し周波数を予想しなければならない。し
たがって,部分放電インパルス感度限界は,パルス重畳を避けられるだけのものでなければならない。こ
の理由から,いわゆる“広帯域”測定機器だけを使用することができる。この点は,JIS C 60664-1で商用
周波電圧での試験について推奨していることと対照的といえる。
部分放電測定回路の最小帯域幅は,パルス重畳を避けるために,部分放電インパルス周波数以上でなけ
ればならない。この周波数でも,部分放電パルス波形の観測は,難しい。
通常は,部分放電インパルス周波数の5倍に当たる試験回路の高域遮断周波数fcで十分である。詳細に
ついては,D.2.2.2.1を参照。
7.5.5.2 部分放電インパルス分析のための最小帯域幅
部分放電信号の発生源を分析,並びに部分放電の発生源であるボイドの形状及びサイズをある程度分析
するためには,帯域幅を相当に大きくしなければならない。詳細については,D.2.2.2.2を参照。
7.5.6 試験回路の回路定数の決定
回路定数を適切化することで部分放電インパルスの重畳を避けなければならず,また,それによって部
分放電インパルスの波形を分析してもよい。このような回路定数の決定には,試験回路の分析が必要であ
るが,これはD.2.2で行っている。
7.5.6.1 試験回路が透過特性に与える影響
部分放電インパルスを適切に再現するためには,試験回路が近似的に非周期的に応答しなければならな
い。また,高域遮断周波数fcは可能な限り高いことが望ましい。詳細は,D.2.2.3.3.1に規定する。
試験回路が非周期的応答をするためには,配線のインダクタンスLwと結合コンデンサのインダクタンス
Lckとの和であるインダクタンスL
L LwLck (4)
を
2
RmC
L≦ (5)
4
に限定しなければならない。ここに,Rmは部分放電電流に対する測定用抵抗とする。有効容量Cは,試料
の容量をC3及び結合コンデンサの容量をCkとすると,式(6)のようになる。
Ck
C3C
C (6)
C3 k
この場合,高域遮断周波数fcは,簡易RC回路を仮定することで近似することができる。
fc 1 (7)
2 πRmC
低域遮断周波数はゼロである。
7.5.6.2 結合コンデンサが透過特性に与える影響
結合コンデンサCkの容量が試験回路の透過特性に及ぼす影響については,D.2.2.3.4 [5]で評価している
が,これが示すように,この影響は非常に強力であり,試料の容量C3に対比して結合コンデンサを小さく
することが適切とはいえない。
結合コンデンサの容量が小さいと測定信号が低減するため,測定信号の補正を考慮する。ただし,部分
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