JIS C 60664-4:2009 低圧系統内機器の絶縁協調―第4部:高周波電圧ストレスの考慮 | ページ 5

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
A.2.2 不平等電界分布
不平等電界条件では,部分放電(コロナ)開始電圧を超えると,高周波電圧ストレスにおいてニードル
の先端近くに明るい発光現象が生じるのを裸眼で見ることができる。電圧をこの領域から更に引き上げる
と,細いチャンネルが反対側の電極(面)に向かって伸び始めて絶縁破壊を引き起こす。これで,ニード
ルの先端は劣化しているはずである。このことを,図A.3に示す。
不平等電界条件でも,fcritを式(A.3)から近似することができる。fcritを超えると,周波数が絶縁破壊電圧
に及ぼす影響は,平等電界条件に比べてより大きくなる。50 Hzのときの絶縁破壊電圧と比べると,絶縁
破壊電圧の低下は50 %を超え得る[1]。
図A.3−絶縁破壊後(上)及び前(下)のニードル先端
近年,部分放電開始電圧及び大気圧下での気中不平等電界空げき(点−面)の絶縁破壊電圧について,
詳細な測定がなされた[5],[6]。半径が5 m,30 μm及び100 μmの点電極ツリーイングニードル(Ogura),
及び有効半径が約5 μmのISO 7864による一方向ドレンチューブ[7] (B. Braun)を使用した。後者が主とし
て使用されたが,BBニードルと呼ばれている。
一般に,有効ニードル長さが空間距離の約3倍の場合,ニードル電極を不平等電界のシミュレーション
で使用することができる[8]。したがって,有効ニードル長さが約20 mmのBBニードルは,最大空間距離
が7 mmのときに使用できる。
図A.4 [6]の比較測定は,100 kHzの周波数で行われたものであるが,ツリーイングニードル(Ogura;30
μm及び5 μm)とBBニードル(約5 μm)との間に大きな挙動の差がないことを示している。図A.4によ
れば,最も低いデータは,BBニードルについて得られている。したがって,寸法データは,BBニードル
の測定値から導いた。

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図A.4−大気圧におけるf = 100 kHzに対する気中部分放電開始電圧,先端半径が異なる点−面電極 [6]
部分放電停止電圧は,より高い再現性があるので,この電圧を規定することが望ましい。部分放電が過
渡過電圧によって始まることがあり,また,どのような定常状態の電圧も部分放電を維持してはならない
ので,この電圧は,規定値の決定に対して適切な値でもある(JIS C 60664-1の6.1.3.4参照)。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
これらの測定から部分放電停止電圧の評価が行われてきており,460 kHzの周波数に対して,絶縁破壊
電圧と合わせて図A.5 [6]に示す。後者の試験は,使用する電圧源の最高試験電圧によって制限を受けた。
1 MHzの周波数についても,更に試験が実施された。その結果から,部分放電停止電圧及び絶縁破壊電
圧を,図A.6に示す[6]。空間距離が1 mm未満の場合,部分放電開始電圧は絶縁破壊とほぼ一致するので,
破壊と破壊との間を区別することができない。
3 MHzの周波数の場合は,限定された実験しかできなかったが,ある程度の一時的なデータを得た。こ
れは,1 MHzで得たデータにほぼ一致する。したがって,図A.6に示すデータは,この規格の範囲内での
寸法規定値の決定が妥当とみなした。
なお,部分放電開始電圧の測定結果は,ある程度まで,試験電圧の上昇速度によって影響を受けている
ので注意を要する。

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図A.5−大気圧におけるf = 460 kHzに対する気中部分放電停止電圧及び絶縁破壊電圧,
BBニードルによる点−面電極 [6]
図A.6−大気圧におけるf = 1 MHzに対する気中部分放電停止電圧及び絶縁破壊電圧,
BBニードルによる点−面電極 [6]

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
附属書B
(参考)
高周波電圧における沿面距離の絶縁性能
B.1 沿面距離の耐電圧性能
JIS C 60664-1においては,トラッキングは沿面距離の規定値の決定のために考慮する現象にすぎない。
しかし,より最近のデータ[9]は,このことが厳しい環境条件に,しかも,使用材料が耐トラッキング性を
もたない場合にしか当てはまらないことを実証している(JIS C 2134参照)。より良好な環境条件下では,
トラッキングが規定値の決定に大きくかかわるようにはみえない。この場合,特に,沿面距離が2 mm未
満と小さいとき,絶縁材料表面を横断する絶縁破壊電圧は,汚損によって低下し,規定値の決定に際して
絶縁破壊電圧を考慮しなければならない(JIS C 60664-5参照)。
汚損がより小さい場合,特に,沿面距離が小さい場合,絶縁表面を横断する絶縁破壊電圧は寸法規定値
の決定にかかわりがあり,周波数が絶縁破壊電圧に及ぼす影響を考慮しなければならない。
B.2 実験条件
沿面距離が小さい場合の耐電圧特性を測定するための試験片を,図B.1に示す。調査に含めた材料を,
表B.1に示す。プリント導体は,標準製造技法に従って適用した。試験片は清浄で,コーティングなしと
した。各基板について,平行導体間に15か所の測定点を設けた。公称電極距離もまた,図B.1に示す。部
分放電電圧と絶縁破壊電圧との両者を測定した。
単位 mm
図B.1−部分放電電圧及び沿面距離が6.3 mm以下の耐電圧を測定するための試験片

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
表B.1−調査に含めた材料
材料の分類 材料名称
B ガラス-エポキシラミネート FR4
C ポリエステル樹脂(熱硬化性),タイプ802
D フェノール系樹脂,タイプ31.5
E ガラス-エポキシラミネートFR4でラミネート処理したポリイミドフィルム
G ポリエステルラミネート GPO III
H メラミン樹脂,タイプ150
部分放電電圧及び絶縁破壊電圧を測定するために,試験電圧の上昇速度を約300 V/sとした。これによ
って,試験中に試験片が重大な劣化を引き起こすことはないものと考えられる。試験電圧が高周波である
のに上昇速度がより遅い(10 V/s程度)と,試験中に母材の劣化が生じる可能性がある。この結果,絶縁
破壊電圧測定値が10 %オーダー(order)で低下してしまう。
B.3 実験データ
試験結果を,図B.2及び図B.3に示す[6]。詳細は[5]でとりあげている。100 kHzの周波数に比べて,1 MHz
における部分放電開始電圧は66 %にすぎない。3 MHzの周波数では,これらの値は更に約30 %低下する。
したがって,電圧の周波数に応じて具体的な寸法基準を規定しなければならない。
絶縁破壊電圧は,電圧の周波数にさほど左右されない。ただし,空間距離の場合は,既にみられた飽和
作用が非常に強力であり,距離を数ミリメートルの範囲で変動させたところで絶縁破壊電圧はほとんど上
昇しない。
絶縁破壊電圧を大部分の試験片で測定している間に,電極及び/又は母材が劣化を起こした。こうした
損傷は絶縁材料に導電性をもたせてしまうものであるが,その発生源は2種類の劣化メカニズムに関連し
ているようである。その一つは,破壊中の高放電エネルギーによる電極材料の溶融である。もう一つは部
分放電による現象であり,破壊発生前に起こり,かつ,母材劣化の原因となるものである。

――――― [JIS C 60664-4 pdf 25] ―――――

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JIS C 60664-4:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60664-4:2005(IDT)

JIS C 60664-4:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 60664-4:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称