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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図B.2−沿面距離が6.3 mm以下の部分放電停止電圧Ueの試験結果 [6]
図B.3−沿面距離が6.3 mm以下の絶縁破壊電圧Ubの試験結果 [6]
――――― [JIS C 60664-4 pdf 26] ―――――
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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
附属書C
(参考)
高周波電圧における固体絶縁物の絶縁性能
C.1 固体絶縁物の劣化のメカニズム
気中空間距離と比べて,固体絶縁物は少なくとも1けた大きい絶縁破壊電界強度になっている。ただし,
この絶縁破壊電界強度は,絶縁の厚さ,絶縁材料の温度及び電気ストレスの持続時間などのパラメータに
大きく依存している[10]。組成及び処理にかかわる材料固有の影響も考慮しなければならない。一般にい
えることは,絶縁の厚さが比較的薄く(<0.1 mm),かつ,ストレスが短時間の場合,商用周波数におい
ては,100 kV/mmのオーダーの非常に大きい絶縁破壊電界強度が得られる。
しかし,実際の使用では,固体絶縁物の大きい絶縁破壊電界強度は,十分活用できていない。材料自体
に含まれる空洞又は成層絶縁系内部のガス空げきによって,絶縁破壊電圧を大きく下回ったところで部分
放電が発生する。このように,空洞内のガスが短時間のあいだ導電性となる。しかし,固体絶縁物の残り
の部分は絶縁を維持する。空洞内における部分放電の間に,空気(又は類似のガス)の絶縁破壊が発生す
る場合は,比較的小さい絶縁破壊電界強度を適用する。容量性電圧分布による交流電圧ストレスの場合,
及び固体絶縁物が比較的高い誘電率であることに応じて,ガスが充満した空洞全体により大きな割合の電
圧がかかることから,更に結果が悪化する。このために,絶縁ガスは,それ自身の絶縁破壊電界強度が小
さいにもかかわらず,更に大きなストレスを受ける。
したがって,実際の絶縁システムでは,絶縁破壊電圧を大きく下回ったところで部分放電が発生するこ
とがあり,結局,これらのことから,ほぼすべての固体絶縁物で破壊が生じる[11]。次の例で示すように,
好ましくない条件下で絶縁破壊が生じるまでの時間は非常に短く,商用周波数・高電圧試験の間でさえも
固体絶縁物の劣化が起こり得る。
例えば,絶縁フィルムで覆ったプリント回路板[12]を考える。この場合,導体と,公称距離で0.4 mmの
間隔を置いた隣接のはんだパッドとの間にストレスをかけている。高電圧を印加すると,絶縁フィルム(コ
ーティング)の下側で強力な部分放電が発生し,最終的に試験品の破壊に至る。このことを,3.15 kV(実
効値)の一定商用周波数試験電圧Utについて,図C.1に示す。この試験電圧は,2.2 kV(実効値)という
部分放電開始電圧を既に45 %もオーバーしている。絶縁材料が高品質であるため,部分放電強度qがナノ
クーロンの範囲にあるにもかかわらず,試験品はこのストレスに約37分耐えることができる。
――――― [JIS C 60664-4 pdf 27] ―――――
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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図C.1−コーティングの耐部分放電能力;定試験電圧Ut (f = 50 Hz) 12]
図C.2−コーティングの耐部分放電能力;線形上昇する試験電圧Ut (f = 50 Hz) 12]
――――― [JIS C 60664-4 pdf 28] ―――――
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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
図C.2において,試験片には,初期上昇速度が4 kV/minでほぼ直線的に上昇する商用周波数試験電圧
Utでストレスを加える。2.2 kV(実効値)での部分放電開始がはっきりとみられる。これらの試験片で典
型的にみられるのが,非常に大きい部分放電強度が直ちに発生することである。部分放電強度及び部分放
電インパルス速度は,試験電圧値にほぼ比例している。試験片は,この見かけ上はかなり高いストレスに
約7分間しか耐えることができなかった。この例が明りょうに示すように,商用周波数電圧であっても,
部分放電は比較的短時間,大きい破壊能力をもち得る。
さらに,日常の用途では,機器の寿命期間中に発生するすべてのストレスとその損傷作用が累積するこ
とを考慮する必要がある。電気的ストレス,熱[13]ストレス及び機械的ストレスも,事前にはほとんど知
ることができない法則に従って重畳する。こうした長期的作用のシミュレーションを,適切な短期的試験
によって実施することは,非常に困難な作業である。電気試験と適切な試験片のコンディショニングとを
組み合わせることで,はじめてこれが可能になる。適切なコンディショニング方法については,JIS C
60664-1の6.1.3.2を参照。
注記 JIS C 60664-1の引用項目番号を変更(内容は変更ない。)し,最新版に対応した。
これらストレスは部分放電[14]の発生に影響を与え,また,その損傷作用と誘電加熱とが相まって,絶
縁破壊電界強度を劇的に低下させる[15]。促進試験[16]で実証済みのように,部分放電による損傷作用は電
圧の周波数に応じて増大する。
最も正確な時間加速ができるのは,純粋な熱ストレスに関してである(アレニウスの法則[17])。ただし,
これも,化学的エイジング(酸化)を引き起こす場合は,シミュレーションにすぎなくなる。しかし,ス
トレス加速の間に劣化のメカニズムが変化する(例えば,劇的に上昇した温度の間の軟化/流動化)場合
は,時間加速方法は,使用できなくなる。熱ストレスの場合,このことは容易に予見,及び回避すること
もできる。しかし,増大した電気ストレスを適用して時間加速をすると,劣化メカニズムが変化する可能
性が生まれる[18]。
固体絶縁物については,通常,2種類の破壊メカニズムが関係する。一つは,高い電力負荷での誘電損
失によるものである。加熱が大きくなり,熱的不安定さ及び熱破壊に至ることがある。このような状況は
数分のうちに発生し,また,検証することも容易である。さらに,固体絶縁物は,絶縁層が異なること,
絶縁部品と導電部品との間のインタフェース又は絶縁材料の製造不良によって,ガス空げき又は空所を含
むことがある。このような小さな空げきでは,電気ストレスが十分に低く熱破壊を引き起こすほどでない
場合であっても,部分放電が固体絶縁物を実質的に破壊する可能性がある。
固体絶縁物の場合,電圧周波数が非常に重要な影響因子になっている。周波数を一定としたときの誘電
損失は,式(C.1)から求める。
Pv 2πfU2C tan (C.1)
ここに, Pv : 誘電損失(電力消費)(W)
f : 電圧周波数 (Hz)
U : 固体絶縁物の端間電圧の(実効値)(V)
C : 絶縁配置の容量 (F)
tanδ : 絶縁材料の誘電損失係数
誘電損失係数tanδは周波数に左右されるため,周波数が誘電損失に及ぼす影響は,見かけの線形依存性
から予測できるレベルよりも上下することがある。この結果,熱破壊の確率が高まり,短期の耐電圧性能
が低下する。
高周波ストレスが固体絶縁物に及ぼす作用をシミュレーションできるとは思えない。したがって,一般
にこの種の高いレベルのストレスの有無については,低周波数電圧を用いた固体絶縁物の試験が必要にな
――――― [JIS C 60664-4 pdf 29] ―――――
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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
ろう。C.2に示す実験結果は,高周波電圧での試験が必要となる特定の周波数における高いストレスを表
す電界強度値について,ある程度の情報を与えるはずである。
C.2 実験結果
高周波絶縁破壊特性については,異なる絶縁材料で調査が行われてきた[15]。最も重要な結果を,図C.3
に示す。周波数が1 MHzの場合,短期の絶縁破壊電界強度Ebは商用周波数値の10 %にすぎない。絶縁破
壊電界強度は,100 MHzと高い周波数であっても,下限には達しないようである。
図C.3−高周波における絶縁破壊電界強度,(固体絶縁物;沿面距離d = 0.75 mmの場合)[15]
固体絶縁物全般の耐電圧性能,特に高周波電圧における耐力は,湿度及び温度の影響で更に低下する。
――――― [JIS C 60664-4 pdf 30] ―――――
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JIS C 60664-4:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60664-4:2005(IDT)
JIS C 60664-4:2009の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 60664-4:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
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