JIS C 60664-4:2009 低圧系統内機器の絶縁協調―第4部:高周波電圧ストレスの考慮 | ページ 7

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
湿度の高い条件下で長期間保管する場合に,高周波電圧において,固体絶縁物の絶縁破壊電界強度に与
える影響を図C.4に示す[19]。マイカを詰めたフェノール系の絶縁破壊電界強度の低下が,異常に大きい。
これは,商用周波数でも既に重要な問題となっているが,周波数が高くなると更に重大さを増す。マイカ
を詰めたフェノール系の性能が低いのは,水分吸着(JIS C 60664-5参照)が比較的高いことによるもので,
こうした条件では水分吸着は質量比で1 %のオーダーにあることが分かっている。
同一条件下で,ガラス-シリコンラミネートの水分吸着は,質量比で0.3 %にすぎない。
注記 #x/newの“new”は,湿度処理をしていない新しい材料を意味する。また,#x/180d;y %の“180d”は,
湿度y %で180日間の湿度処理をした材料を意味する。
図C.4−高周波での絶縁破壊電界強度,固体絶縁物,湿度の影響;50 ℃で状態調節;
#1 : マイカを詰めたフェノール系,d = 0.75 mm;
#2 : ガラス-シリコンラミネート,d = 1.5 mm(d = 沿面距離)

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
固体絶縁物の絶縁破壊電界強度は,材料の厚さの関数であり,非常に薄いフィルムは,厚さ0.75 mmの
試験片の場合よりも1けた高い絶縁破壊電界強度をもつことがあり得る。このことを,図C.5が実証して
いる[20]。ただし,周波数が増すと値が大きく低下することもある。1 MHzでは,絶縁破壊値が50 Hz値
の約10 %にすぎなかった。こうした低下は,厚さが約1 mmの試験片の場合に匹敵する。したがって,固
体絶縁物の厚さに準拠した規定値の決定では,絶縁破壊電界強度がこのように絶縁厚さに左右されること
を考慮しなければならない。
図C.5−高周波における絶縁破壊,絶縁フィルム;
#1 : セルロースアセトブチレート;#2 : ポリカーボネート;#3 : セルローストリアセテート [20]

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
温度が絶縁破壊電圧に及ぼす影響は,図C.6でみることができる[20]。したがって,温度は重要な影響
因子であり,規定値の決定及び試験に際して考慮しなければならない。
高周波電圧における部分放電特性に関する詳細な結果を,数kHzまでの周波数について利用することが
できる[16],[21]。この範囲内では,部分放電による破壊に至る時間が周波数に反比例していることが確認
されている。この関係は,促進試験で既に利用されている。したがって,特に,より高い電圧周波数では,
部分放電が発生するときには,十分な固体絶縁物寿命を期待することができない。
図C.6−高周波での絶縁破壊,絶縁フィルム;#1 : ポリスチレン,d = 80μm;
#2 : ポリエチレン,d = 50 μm [20]

――――― [JIS C 60664-4 pdf 33] ―――――

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C 60664-4 : 2009 (IEC 60664-4 : 2005)
附属書D
(規定)
高周波電圧での絶縁試験
D.1 試験電圧源
商用周波数を大幅に超える周波数で何らかの高電圧試験をする場合,周波数を調整可能な試験電圧源が
適切かどうかが基本的な問題となる。
図D.1−高周波共振変圧器[二次コイルの巻数(N2)が出力電圧(U2)に与える影響][22]
高周波共振変圧器は,低電圧,高周波発電機と組み合わせて使用できる[22]。この方法の問題点は,図
D.1の例が示すとおりである。高共振周波数を得るためには,変圧器の二次巻線の巻数を,図D.1のよう
に減らさなければならない。これによって,利用できる出力電圧も減ることになる。
周波数全域をカバーするためには,複数の共振変圧器を必要とする。このような試験電圧源がもつ,も
う一つの問題点が,試験片のインピーダンスと試験電圧の周波数及び振幅との間の強力な反作用(reaction)
である。
この代わりに,高周波,高電力オシレータ(トランスミッタ)を試験電圧源として用いてもよい。これ
によって,より高い周波数をより多くの電力出力と組み合わせることができる[5],[6]及び[20]。例を図D.2
に示す。この電圧源の出力電圧は約4 kVピークで,最高周波数は5 MHzである。

――――― [JIS C 60664-4 pdf 34] ―――――

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図D.2−高周波,高電力オシレータ [5] 及び [6]
試験電圧源が大きな容量性負荷を供給する能力は,試験電圧源を選択するときの最も重要な問題の一つ
となる。部分放電結合容量は試験片の容量より大きいことが望ましいので,通常は結合コンデンサが容量
性負荷を決定する。
表D.1は,[5]及び[6]で使用した強力な試験電圧源についての代表的データの一部を示す。出力電圧は,
強力な高電圧源(4 kV,400 mA)から給電を受ける真空4極管から発生する。可変陽極インダクタンス及び
全負荷容量からなる直列共振回路を,使用する周波数に同調する。最高試験電圧と最高負荷容量(主とし
て,部分放電結合容量)との両者を,表D.1に示す。この試験電圧源の全調波ひずみは,共振動作の結果
2 %未満になる。
表D.1−試験電圧源 [5] 及び [6] のデータ
周波数 結合容量 最高試験電圧 必要試験電流
MHz pF kV A
0.1 1 100 2.7 1.9
0.2 1 100 4.0 5.5
0.5 450 3.4 4.8
1 520 2.7 8.8
3 320 1.0 6.0
D.2 高周波部分放電試験
D.2.1 試験機器
高周波電圧における部分放電試験が必要な場合[5]及び[6],標準の部分放電測定機器は使用できないため,
幾つかの問題が加わってくる。ただし,一般には,デジタルオシロスコープを,高周波試験電圧抑制のた
めの手段と組み合わせれば十分である。
報告されている高周波試験電圧による部分放電測定の多くは,図D.3に示す試験回路を用いて実施した
ものである[24]。部分放電の検出は,高いサンプリングレートをもつデジタルオシロスコープでデジタル
積分することで行う。
図D.3に示す回路は,高周波発生器及び増幅器(1)から給電を受ける高周波共振変圧器(2)をベースとする
[22]。これに代わるものとして,高周波電力オシレータを,図D.2に示すように共振状態で用いてもよい。

――――― [JIS C 60664-4 pdf 35] ―――――

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JIS C 60664-4:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60664-4:2005(IDT)

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