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C 61000-4-11 : 2008 (IEC 61000-4-11 : 2004)
能力を測定するのに必要な回路は,図A.1による。
EUTのピーク電流が,規定する電圧発生器のピーク電流の供給能力(例えば,220 V240 V電源ライン
の場合,500 A)よりも小さく,規定する電圧発生器のピーク電流の供給能力より低い能力の電圧発生器を
用いる場合,まずEUTのピーク電流を測定して確認する。EUTの突入電流を測定した値が,附属書Aに
従って検証した試験電圧発生器のピーク突入電流の供給能力の70 %未満の場合は,規定する標準ピーク
電流の供給能力以下の試験電圧発生器を用いてもよい。実際のEUTの突入電流は,A.3の手順に従って,
コールドスタート時,及び電源切断してから5秒後の両方で測定する。
電圧発生器のスイッチング特性は,適切な容量の100 抗を負荷として測定する。
注記 電圧発生器の試験に用いる100 抗負荷は,無誘導性であることが望ましい。
電圧回復に要する時間及び電圧低下に要する時間並びにオーバシュート及びアンダシュートは,90°及
び270°の位相角の両方で,0 %から100 %へ,100 %から80 %へ,100 %から70 %へ,100 %から
40 %へ,及び100 %から0 %への各電圧切換えに対して検証する。
位相角の精度は,0 %から100 %へ及び100 %から0 %への電圧切換えに対して,0°から360°まで
45°刻みの九つの位相角で検証する。100 %から80 %へ,80 %から100 %へ,100 %から70 %へ,
70 %から100 %へ,100 %から40 %へ,及び40 %から100 %への各電圧切換えについては,90°及び
180°の位相角で検証する。
電圧発生器は,定期的に校正する。
6.2 電源
試験電圧の周波数は,定格周波数の±2 %以内とする。
7 試験セットアップ
試験は,EUTの製造業者が指定する電源ケーブルがある場合は,その最短のもので試験電圧発生器に接
続して行う。ケーブルの長さについて指定がない場合は,EUTの用途に照らして適切な最短の長さとする。
この規格で記述する試験セットアップは,次の3種類の現象のためのものを示す。
− 電圧ディップ
− 短時間停電
− 定格電圧と変化電圧との間の緩やかな移行に伴う電圧変動(オプション)
試験セットアップの例を,附属書Cに示す。
図C.1 a)は,内部切換装置を備えた電圧発生器を用いて,電圧ディップ,短時間停電及び定格電圧と変
化電圧との間の緩やかな移行に伴う電圧変動を生成する場合の概略図を示し,図C.1 b)は,信号発生器及
び電力増幅器を用いた概略図を示す。
図C.2は,三相機器用の概略図を示す。
8 試験手順
試験前には,試験計画を立てる。
試験計画は,システムの実際の使用方法に則したものがよい。
現地の状況を再現するのに必要な試験時のシステム構成を決めるため,正確な事前調査を必要とする場
合がある。
試験報告書で試験ケースを示し,それを説明する必要がある。
この試験計画には,次の項目を含めることが望ましい。
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C 61000-4-11 : 2008 (IEC 61000-4-11 : 2004)
− EUTの形式名
− 実行可能な接続(プラグ,端子など)及び対応ケーブル,並びに周辺装置に関する情報
− 試験を行う機器の電源入力ポート
− EUTの代表的な動作モード
− 技術仕様書で用い,かつ,規定する性能基準
− 機器の動作モード
− 試験セットアップの説明
EUTが実際の動作信号源を使用できない場合は,シミュレータを用いてもよい。
各試験について,何らかの性能低下がある場合は,記録しなければならない。監視装置は,試験中及び
試験後のEUTの動作モードを表示できることが望ましい。各試験の後で,すべての機能点検を行わなけれ
ばならない。
8.1 試験室の基準条件
8.1.1 大気条件
共通規格又は製品規格委員会が規定しない限り,試験室の大気条件は,EUT及び試験装置の動作に対し
てそれぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。
EUT及び試験装置に結露を生じるような高い相対湿度のときは,試験を行ってはならない。
注記 この規格が対象とする現象の影響が大気条件によって左右されることを示す十分な証拠がある
場合は,この規格を検討する責任をもつ委員会に注意を喚起することが望ましい。
8.1.2 電磁的条件
試験室の電磁的条件は,試験結果に影響を与えずにEUTの正常な動作を保証するものでなければならな
い。
8.2 試験の実施
試験中,試験のための電源電圧を2 %以内の精度で監視しなければならない。
8.2.1 電圧ディップ及び短時間停電
EUTに対して,試験レベル及び継続時間を選択した組合せについて最小10秒の間隔(各試験事象間)で
電圧ディップ又は短時間停電を3回繰り返して試験を行う。また,代表的な動作モードについて,それぞ
れ試験を行う。
電圧ディップの場合,電圧の変化は,電圧のゼロクロス又は製品規格委員会が規定する位相角において,
生じるようにしなければならない。指定する位相角は,製品規格委員会が45°,90°,135°,180°,225°,
270°及び315°の中から重要とみなされるものを選択する。
短時間停電の場合,位相角は,製品規格委員会が最も厳しいと規定したものによる。製品規格委員会に
よる規定がない場合,全相のうち一相が0°であることが望ましい。
三相交流の短時間停電試験の場合,三相すべてに対して同時に5.1による試験を行う。
単相交流の電圧ディップ試験の場合,単相の電圧に対して5.1による試験を行う。これは,1回の一連の
試験となる。
中性線をもつ三相交流での電圧ディップ試験の場合,それぞれの電圧(相電圧及び線間電圧)に対して
試験を行う。これは,6回の異なった一連の試験となる。[図4 a)及び図4 b)参照]。
中性線をもたない三相交流での電圧ディップ試験の場合,それぞれの線間電圧に対して試験を行う。こ
れは,3回の異なる一連の試験となる。[図4 b)参照]。
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注記 三相交流の場合,一つの線間電圧の電圧ディップ中は,その他の一つ又は二つの線間電圧にお
いても電圧変化が発生する。
複数の電源コードをもつEUTの場合,それぞれの電源コードに対して個別に試験を行うのがよい。
注記 三相交流での相電圧の試験は,1回につき一相ごと行う。
a) 三相交流での相電圧に対する試験
注記 三相交流での線間電圧の試験も同様に1回につき一相ごと行う。(A)及び(B)は,いずれも70 %の
電圧ディップの例である。(A)が望ましいが,(B)でもよい。
b) 三相交流での線間電圧に対する試験
図4−三相交流での相電圧及び線間電圧に対する試験
8.2.2 電圧変化(オプション)
EUTに対して,最も代表的な動作モードについて最小10秒の間隔で3回,規定の電圧変化のそれぞれ
に従って試験を行う。
9 試験結果の評価
試験結果は,EUTの機能損失又は性能低下の観点から,その装置の製造業者若しくは試験の依頼者によ
って指定されるか,又は製造業者と購入者との協定による性能レベルと比較して分類する。推奨する分類
を,次に示す。
a) 製造業者,試験の依頼者又は購入者が指定する仕様限度内の正常な性能。
b) 妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなくEUTが
正常な性能に自己復帰する。
c) 操作者が介在する調整が必要な,一時的な機能損失又は性能低下。
d) ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの
損失。
EUTへの影響のうち,重要ではないとみなせるため,許容できる影響を,製造業者の仕様書に指定して
もよい。
この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針と
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して,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合の製造業者と購入者との間で性能
基準に対する協定を行うための枠組みとして用いてもよい。
10 試験報告書
試験報告書は,試験を再現するために必要なすべての情報を含んでいなければならない。特に次の事項
を記録しなければならない。
− 箇条8で要求する試験計画で規定する項目。
− EUT及び関連装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。
− 試験装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号。
− 試験を行った特別な環境条件。例えば,シールドルーム。
− 試験を行うために必要とする具体的な条件。
− 製造業者と依頼者又は購入者との間で指定する性能レベル。
− 共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準。
− 試験中又は試験後に観測したEUTへのすべての影響,及びこれらの影響が持続した期間。
− 合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格で規定する,又は製造業者と購入者とで協
定で指定した性能基準に基づく。)。
− 適合性を達成するために必要な装置の取扱いにおける具体的な条件。例えば,ケーブルの長さ,ケー
ブルの形式,遮へい,接地,EUTの動作条件。
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附属書A
(規定)
試験回路の詳細
序文
この附属書は,試験回路の詳細について規定する。
A.1 試験電圧発生器のピーク突入電流供給能力
電圧発生器のピーク突入電流供給能力を測定する回路を,図A.1に示す。ブリッジ整流器を用いている
ので,90°及び270°における試験に対して整流器の極性を変える必要はない。整流器の半サイクル電源
電流定格は,適切な動作安全係数を確保するために,電圧発生器のピーク突入電流供給能力の2倍以上と
する。
1 700 準 コンデンサは,±20 %の許容差内とする。また,電解コンデンサは,電源の公称ピーク
電圧を15 %20 %上回る定格電圧,例えば,実効値220 V240 V電源に対しては直流400 Vの定格電
圧をもたなければならない。また,適切な動作安全係数を確保するために,電圧発生器のピーク突入電流
供給能力の2倍以上,ピーク突入電流を許容できなければならない。コンデンサは,100 Hz及び20 kHz
の両方で可能な限り最小の等価直列抵抗をもち,どちらの周波数でも0.1 地
1 700 ンデンサを放電する必要があるため,抵抗器をコンデンサと並列に接続する。また,RC
時定数の数倍の時間を試験と試験との間に取らなければならない。10 000 抗器の場合,RC時定数は,
17秒であるため,突入電流供給能力試験の間には1.52分の待ち時間を取ることが望ましい。より短い待
ち時間が望ましい場合には,100 地 抗器を用いてもよい。
電流プローブは,1/4サイクルの間飽和することなく,電圧発生器のピーク突入電流の供給を許容でき
なければならない。
試験は,両極性に対し十分なピーク突入電流供給能力を保証するために,90°及び270°電源位相で電
圧発生器出力を0 %100 %の範囲で切り換えることによって行う。
A.2 ピーク突入電流容量を測定する電流モニタの特性
50 荷での出力電圧 : 0.01 V/A以上
ピーク電流 : 1 000 A以上
ピーク電流許容差 : ±10 %(3 msパルス幅)
実効値電流 : 50 A以上
最大I×T : 10 A・s以上
立上り及び立下り時間 : 500 ns以下
低域遮断周波数(−3 dB) : 10 Hz以下
挿入抵抗 : 0.001 坎 下
A.3 EUTのピーク突入電流
電圧発生器のピーク突入電流供給能力が規定の要求事項(例えば,220 V240 V電源に対して500 A以
上)を満足する場合,EUTのピーク突入電流を測定する必要はない。
――――― [JIS C 61000-4-11 pdf 15] ―――――
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JIS C 61000-4-11:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-11:2004(IDT)
JIS C 61000-4-11:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ