この規格ページの目次
4
C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
表1−連続妨害のレベル
レベル 開放試験電圧実効値
V
1 1
2 3
3 10
4 30
X 任意
注記 レベルXは,製品規格において設定できる。
表2−短時間妨害のレベル
レベル 開放試験電圧実効値
V
1 10
2 30
3 100
4 300
X 任意
注記 レベルXは,製品規格において設定できる。
短時間妨害における標準的な印加時間は,1秒間とする。ただし,製品規格では,特定の用途に関して,
異なる時間を設定してもよい。
試験は,機器設置場所の電源周波数に応じて,直流並びに50 Hz及び60 Hzのうち,一つ又はそれ以上
の周波数で実施する(附属書A参照)。
試験レベルは,製品規格が規定する試験電圧を超えてはならない。
附属書Bに,試験レベルの選定に関する情報を示す。
5.3 15 Hz150 kHzの周波数範囲における試験レベル
望ましい試験レベルは,表3による。
表3−15 Hz150 kHzの周波数範囲における試験レベル
レベル 開放試験電圧実効値のプロフィール
V
15 Hz150 Hz 150 Hz1.5 kHz 1.5 kHz15 kHz 15 kHz150 kHz
1 10.1 0.1 0.11 1
2 30.3 0.3 0.33 3
3 101 1 110 10
4 303 3 330 30
X X X X X
注記 レベルXは,製品規格において設定できる。
周波数に応じた試験レベル(附属書B参照)のプロフィールは,次による。
− 試験レベルは,周波数15 Hzから始まって150 Hzまで20 dB/decadeで減少する。
− 試験レベルは,150 Hzから1.5 kHzまで一定である。
− 試験レベルは,1.5 kHzから15 kHzまで20 dB/decadeで増加する。
――――― [JIS C 61000-4-16 pdf 6] ―――――
5
C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
− 試験レベルは,15 kHzから150 kHzまで一定である。
試験電圧のプロフィールを図2に示す。
直流を除いて15 Hz未満での試験レベルは規定していないが,それはこの周波数範囲における試験は不
要と考えられるためである。
6 試験装置
6.1 試験信号発生器
6.1.1 一般事項
各々規定した試験に対する試験信号発生器の特性は,6.1.2,6.1.3及び6.1.4による。
電源に電磁妨害が注入されて試験結果に影響を与えることがないように,信号発生器は,電磁妨害の発
生を抑制する方策をとらなければならない。
試験信号発生器のソースインピーダンスに関する情報を附属書Aに示す。
6.1.2 直流試験信号発生器の特性及び性能
試験信号発生器は,主として直流電源ユニットから構成し,その出力電圧は可変であり,短時間試験の
ために時間制御スイッチをもたなければならない。
連続妨害信号発生器は,次による。
− 波形 : リプルが5 %未満の直流
− 開放端出力電圧範囲(実効値) : 1 V(−10 %)30 V(+10 %)
− ソースインピーダンス : Voc/Isc=50 Ω(±10 %)
短時間妨害信号発生器は,次による。
− 波形 : リプルが5 %未満の直流
− 開放端出力電圧範囲 : 10 V(−10 %)300 V(+10 %)
− ソースインピーダンス : Voc/Isc=50 Ω(±10 %)
− スイッチ開閉時の出力電圧の立上り及び立下り時間 : 1 μs5 μsの間
試験信号発生器の原理的な回路図を図3に示す。
6.1.3 電源周波数 : 50 Hz及び60 Hzにおける試験信号発生器の特性及び性能
試験信号発生器は,一般に可変変圧器(電源側に接続される),絶縁変圧器及び短時間試験で用いる時間
制御スイッチから構成する。スイッチは,電源電圧波形の0°で同期して開閉する。
連続妨害信号発生器は,次による。
− 波形 : 総合高調波ひずみ率10 %未満の正弦波
− 開放端出力電圧範囲(実効値) : 1 V(−10 %)30 V(+10 %)
− ソースインピーダンス : Voc/Isc=50 Ω(±10 %)
− 周波数 : 選択した電源周波数
短時間妨害信号発生器は,次による。
− 波形 : 総合高調波ひずみ率10 %未満の正弦波
− 開放端出力電圧範囲(実効値) : 10 V(−10 %)300 V(+10 %)
− ソースインピーダンス : Voc/Isc=50 Ω(±10 %)
− 周波数 : 選択した電源周波数
− 出力電圧の開閉制御 : ゼロ点に同期(0°±5 %)
試験信号発生器の原理的な回路図を図4に示す。
――――― [JIS C 61000-4-16 pdf 7] ―――――
6
C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
6.1.4 15 Hz150 Hzの周波数範囲における試験信号発生器の特性及び性能
試験信号発生器は,一般に対象とする周波数範囲を網羅できる波形発生器から構成する。ステップ値は,
1×10−2 decade/s,又はもっと遅く自動的に掃引できる機能をもっていなければならない。シンセサイザの
場合には,周波数に依存したステップ値,すなわち,先行する周波数値の10 %のステップ値でプログラム
される機能をもっていなければならない。ステップ値は,手動でも設定できなければならない。
仕様は,次による。
− 波形 : 総合高調波ひずみ率1 %未満の正弦波
− 開放端出力電圧範囲(実効値) : 0.1 V(−10 %)30 V(+10 %)
− ソースインピーダンス : Voc/Isc=50 Ω(+10 %)
− 周波数範囲 : 15 Hz(−10 %)150 kHz(+10 %)
6.2 試験信号発生器の特性の検証
異なる試験信号発生器を用いた結果を比較できるように,信号発生器は,最も重要な特性に対して校正
又は検証する。
信号発生器の次の特性を検証する。
− 出力電圧波形
− ソースインピーダンス。ソースインピーダンスは,次の条件で検証する。
・ 直流,交流,及び周波数掃引の全ての試験信号発生器 : 最高及び最低試験レベル
・ 周波数掃引試験信号発生器 : 15 Hz,1.5 kHz,15 kHz,150 kHz
短時間妨害信号発生器のソースインピーダンスの検証に対しては,最初の50 msは無視できる。
− 周波数精度
− 開放端出力電圧精度
− スイッチ開閉時の出力電圧の立上り及び立下り時間(可能な場合)。
1 MHz以上の帯域をもつオシロスコープ並びに電圧及び電流プローブ,又はその他の同等の測定器を用
いて検証する。
測定器の精度は,±5 %よりも高くなければならない。
6.3 結合回路網及び減結合回路網
6.3.1 一般事項
結合回路網は,試験電圧をEUTの電源ポート,入出力ポート(信号及び制御)及び通信ポートにコモン
モードで印加するためのものである。減結合回路網は,試験を行うために必要な補助機器に試験電圧が印
加されるのを防ぐためのものである。
6.3.2 結合回路網
6.3.2.1 電源ポート及び入出力ポートに対する結合回路網
電源ポート及び入出力ポートに対して,各々の導体に対する結合回路網は,抵抗及びコンデンサの直列
回路で構成する。各々の導体の結合回路網は,並列に接続して,ポートに対する結合回路網を形成する。
図6は,結合回路網の回路図を示し,コンデンサの値は,C=1.0 μF及び抵抗値は100×n Ωとする。こ
こで,nは導体の数である(nは2以上とする。)。
一つのポートに対する結合回路網における各々の導体に対するコンデンサ及び抵抗は,1 %の許容差で
そろっていなければならない。
直流電圧試験の場合は,1.0 μFのコンデンサは,短絡しなければならない。
注記 ポートに対して直流電圧試験を行うとき,結合回路網のインピーダンスが動作信号を劣化させ
――――― [JIS C 61000-4-16 pdf 8] ―――――
7
C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
る原因となる場合がある。
遮蔽ケーブルに対しては,試験信号をケーブルの遮蔽部に直接注入するので,結合回路網は不要である
(図6参照)。
注記 ビル及び住宅の電源系へのグラウンドの配線方法については,欧米では配電用変圧器のグラウ
ンド電位及び同等のグラウンド(PE)をコンセントまで配線する方式を用いているが,我が国
ではPEをコンセントに配線していないTT方式が一般的である(JIS C 60364-1参照)。このた
め,イミュニティ試験を実施する場合には,PEの接続方法などを我が国のグラウンド形態及び
EUTのグラウンドのとり方に適合させる必要がある。また,EUTのグラウンドについても次の
3種類の形態がある。
a) 電源コードのプラグにPE用の端子がある場合
b) 電源コードにはPE用の端子がないが,きょう体にグラウンド端子(FG)がある場合
c) 電源コードにもきょう体にもグラウンド端子がない場合
上記の場合については,表3Aの方法で接続することが望ましい。
表3A−グラウンドの接続方法
EUTのグラウンド形態 EUTのグラウンドの接続
a) 電源コードのPE線を電源ポート用結合回路網及
び減結合回路網のPE出力に接続する。
b) EUTの設置仕様書にFGを電源のPEラインに接続
する指定がある場合は,電源ポート用結合回路網
及び減結合回路網のPE出力に接続する。
特別な接地接続が指定されている場合は,基準グ
ラウンドプレーンに接続する。
c) 追加のグラウンド接続はしない。
6.3.2.2 通信ポートに対する結合回路網
通信ポート,及び平衡対線(1対又は多対)に接続することを意図しているその他のポートに対しては,
結合回路網にはT回路網を用いる。
図5にT回路網の回路図を示す。コンデンサの値は,C=4.7 μF,抵抗値はR=200 Ω,インダクタの値
はL=2×38 mH(バイファイラ巻き)とする。
T回路網の部品は,T回路網がEUTのコモンモード除去比を大きく低下させることがないような許容差
でそろっていなければならない。
80 dBを超えるコモンモード除去比で用いるのに適したT回路網を製作することは可能であろうが,こ
のような場合には,製品規格によって代替結合方法を規定するのがよい。
6.3.3 減結合装置
6.3.3.1 一般特性
減結合装置の機能は,補助機器及び/又はシミュレータをEUTの試験を行うポートから分離することに
よって試験電圧が補助機器及び/又はシミュレータに印加されることを防ぐことである。
減結合装置の最も重要な特性は,直流から150 kHzにわたる周波数範囲でのコモンモード減衰特性であ
る。
分離装置としては,能動装置及び受動装置のどちらも用いることができる。例えば,能動装置としては,
――――― [JIS C 61000-4-16 pdf 9] ―――――
8
C 61000-4-16 : 2017 (IEC 61000-4-16 : 2015)
増幅器,及び光学結合による分離装置があり,受動装置としては,絶縁変圧器などがある。
6.3.3.2 仕様
全ての種類の動作信号に対する装置に適用可能な絶縁及び減結合の仕様は,次による。
− 入力と出力との間,及び入出力と接地との間の絶縁耐力 : 1 kV,50/60 Hz,1分間
− 15 Hz150 kHzの範囲におけるコモンモード減結合(減衰) : 60 dB
試験レベルがレベル4未満の場合は,より低い絶縁耐力の減結合装置を用いてもよい。
減結合装置のコモンモード除去性能は,EUTポートのコモンモード除去比の低下を最小とするために,
できるだけ高いものでなければならない。
この箇条の要求事項は,絶縁変圧器及び交直変換装置で構成される電源ユニットのような複合装置に対
しても同様に適用する。
平衡線路に対して,6.3.2.2で規定したT回路網は,10 kHz150 kHzの周波数範囲において効果的な減
結合特性を示す。10 kHz未満の周波数に対する減結合装置も必要となる。
7 試験配置
7.1 一般事項
次の項目について,試験配置の仕様を規定する。
− 接地の接続
− EUT
− 試験信号発生器
− 結合回路網及び減結合回路網(減結合装置又は分離装置)
7.2 接地の接続
EUT,補助機器及び試験装置の安全接地に対する要求事項に常に適合しなければならない。
EUTは,製造業者の仕様に従って接地系に接続する。試験信号発生器,結合回路網及び減結合装置は,
基準接地面又は一つの共通接地ポートに接続する。基準接地面又は共通接地ポートへの接地接続線の長さ
は,1 m以下とする。
7.3 EUT
EUTは,機器の設置仕様に従って配置及び接続する。
電源ポート,入出力ポート及び通信ポートは,減結合装置又は分離装置を経由して,電源,制御及び信
号源に接続する(6.3.2参照)。
EUTを動作させる動作信号は,補助機器又はシミュレータから供給してもよい。
機器製造業者が指定しているケーブルを用いる。指定がない場合,その信号に適した種類の無遮蔽ケー
ブルを用いる。
ケーブル長は,遮蔽ケーブルの場合を除いて,試験のときに考慮する必要がない(8.3参照)。遮蔽ケー
ブルの場合は,製造業者が最大ケーブル長を指定しているときにはその長さとし,指定がないときはケー
ブル長は20 mとする。
7.4 試験信号発生器
試験信号発生器は,箇条8に規定するように,結合回路網又は結合抵抗器に接続する。
7.5 減結合装置又は分離装置
減結合装置又は分離装置は,EUTが試験する全てのポートと対応する信号源又は電源との間に接続する。
補助機器又は電源が絶縁されている場合,専用の減結合装置又は分離装置は,要求されない。
――――― [JIS C 61000-4-16 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS C 61000-4-16:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-16:2015(IDT)
JIS C 61000-4-16:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ