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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
イル,フラックスの量,種類及び性質を調査することが望ましい。ボイドの生成は,材料及び/又は工程
の調整及び最適化によって影響を受ける。BGAの実装工程又は手直し工程で過大な量のフラックスを用い
ることは,フラックスの蒸発によるボイド生成の可能性が高まる。実装工程では,フラックスの使用量を
最小限にすることが望ましい。
C.7 はんだ接合部のボイドのプロセス管理基準
工程開発及び技術変化への対応は,常に必要である。BGAのランドの大きさ,はんだボールの大きさ及
びランドピッチが絶えず減少しているため,それに応じて実装基板のパターン形状寸法も変える必要があ
る。品質及び信頼性の目標を実現するために,新しい材料及び工程が必要な場合もある。
ボイドは,開発から製造までのさまざまな段階でよく問題となる。製品が顧客の要求,製品寿命及び信
頼性要求を確実に実現するためには,最低限のボイドの許容水準を維持することが必要である。製造業者
は,ボイド管理のため工程管理及び継続的な製品改善技術を活用することが望ましい。
ボイドの発生頻度及び大きさの変化は,工程及び材料の改善と同様に,工程管理の必要性を示している。
ボイドの発生頻度及び大きさを管理する工程の設定の必要性を判断するために,許容限度目標を用いるこ
とが必要である。例えば,ボイドのあるはんだボールが5 %未満という許容限度目標を作ることもできる。
さらに,ボイドの大きさの限界を設定することもできる。ボイドの大きさの許容限界は,はんだボールの
大きさとの関係で決める。はんだボールの断面直径の25 %より大きいボイドの大きさは,全接合面積の6 %
に相当する(図C.3参照)。このようなプロセス管理限度(許容限度目標)は,契約上の義務として顧客と
の合意の下に取り決めることが望ましい。
はんだボールに一つ以上のボイドがある場合には,はんだボール中のボイドの投影面積の合計を算出す
るために,それぞれのボイドの投影面積を合算する。ボイドの数及びはんだボール接合部のボイド占有率
については,ボイドの位置が信頼性に大きく影響する。はんだボール中のボイドが,故障の原因となる証
拠及び実証データはない。ボールと電子回路基板との界面と同様に,ボールとLSIパッケージ基板との界
面のボイドは,はんだ接合部の亀裂発生につながる可能性が高い。通常,亀裂は,(発生する場合には)界
面に発生し,ボイドが,やがて亀裂の進展を加速する経路となる場合がある。
図C.3−ボイドの外形及びはんだ接合部外形と電子回路基板との界面のボイド範囲の例
――――― [JIS C 61191-6 pdf 21] ―――――
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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
C.8 評価基準
BGAの実装品に対する評価基準は,産業界の実装プロセス専門家の経験に基づいている。ボイドのクラ
ス分けは,ボイドが実装前に発生したのか,実装後に発生したのかによって分類する。この有益な情報は,
最終的な使用環境に基づく信頼性条件に関係する場合もある。ボイドの大きさの許容限度を用いることに
よって,顧客と取り決めた受入条件に適合する実装プロセスを作ることもできる。
C.9 プロセス指標
表C.2表C.4に記載する特性は,ボイドの種類を特定し,JIS C 61191-1の4.3(分類)による三つの製
品レベルにおけるボイドの発生割合を示している。目標値として設定してきたボイド数の増加の結果は,
プロセスの変更又はプロセスパラメータの必要な変更を決定する適切な手助けとなることもある。
プロセス変更は,正常な製造サイクルの中で用いる適切な統計的工程管理手法(SPC)によって行うこ
とが望ましい。表C.2表C.4は,新製品の立上げ,製品及びプロセスの品質管理,生産設備の調整,部
品の品質管理,顧客からのフィードバックへの対応及びプロセス又はパラメータへの類似の変更のために
用いることが望ましい。SPCの結果が部品の問題となる場合(例えば,一つのBGAボールの中に複数の
ボイドがあり,電子回路基板上のその他のBGAボールにボイドがない場合)を除いて,電子回路基板実
装レベルで用いるサンプリングプランを導入することが望ましい。部品の問題となる場合は,実装プロセ
スを精査するよりも,疑わしい部品の部品レベルでのサンプリングプランを実行するのが望ましい。
表C.2−1.5 mm,1.27 mm及び1.0 mmピッチの部品に対するプロセス是正指標
プロセス是正指標
タイプ 定義 対策
製品レベルA 製品レベルB 製品レベルC
部品受入時の断面観察又はX線CT装置によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
A はんだボール中 プロセスの根本
ボイドがあるボールは,90 %以下。
にあるボイド(実 原因を調査して
最大ボイド率(面積)は,20 %(直径は45 %)。
装前) 是正処置を行う。
B パッケージとの ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセスの根本
界面にあるボイ は,80 %以下。 は,70 %以下。 は,50 %以下。 原因を調査して
ド(実装前) 最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積) 是正処置を行う。
最大ボイド率(面積)
は,15 %。 は,10 %。 は,5 %。
(直径では40 %) (直径では32 %) (直径では22 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは,対象とする。
実装後の評価で断面観察又はX線CT装置によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
C リフローはんだ ボイドがあるボールは,100 %以下。 プロセス及び受
付け後,ボールの最大ボイド率(面積)は,25 %(直径では50 %)。 入部品の根本原
中にあるボイド 因を調査して是
正処置を行う。
D リフローはんだ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受
付け後,パッケーは,100 %以下。 は,80 %以下。 は,60 %以下。 入部品の根本原
ジとの界面にあ 因を調査して是
最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積)
るボイド は,25 %。 は,20 %。 は,15 %。 正処置を行う。
(直径では50 %) (直径では45 %) (直径では35 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは,対象とする。
――――― [JIS C 61191-6 pdf 22] ―――――
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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
表C.2−1.5 mm,1.27 mm及び1.0 mmピッチの部品に対するプロセス是正指標(続き)
プロセス是正指標
タイプ 定義 対策
製品レベルA 製品レベルB 製品レベルC
E リフローはんだ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受
付け後,実装基板は,100 %以下。 は,80 %以下。 は,60 %以下。 入部品の根本原
との界面にある 最大ボイド率(面積)
最大ボイド率(面積) 因を調査して是
最大ボイド率(面積)
ボイド は,25 %。 は,20 %。 は,15 %。 正処置を行う。
(直径では50 %) (直径では45 %) (直径では35 %)
最大ボイド率(面積)が2 %(直径では15 %)以下のボールは,
対象としない。
部品受入又は実装後のプロセス評価のため,X線透視装置によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
A,B 受入れ時にある ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセスの根本
ボイド は,80 %以下。 は,70 %以下。 は,50 %以下。 原因を調査して
最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積) 是正処置を行う。
最大ボイド率(面積)
は,15 %。 は,10 %。 は,5 %。
(直径では40 %) (直径では32 %) (直径では22 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは対象とする。
C,D, リフロー後にあ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受
E るボイド は,70 %以下。 は,60 %以下。 は,50 %以下。 入部品の根本原
最大ボイド率(面積)
最大ボイド率(面積) 因を調査して是
最大ボイド率(面積)
は,25 %。 は,25 %。 は,20 %。 正処置を行う。
(直径では50 %) (直径では50 %) (直径では45 %)
C.10 いろいろなはんだ接合部の直径に関するボイド占有率
例えば,直径0.2 mmのボイドを例にとった場合には,表C.5は,いろいろなボールの大きさに対する
ボイドの比率を表している。はんだ接合部の大きさが小さくなるにつれ,ボイドの検出可能比率は大きく
なる。すなわち,直径0.75 mmのはんだ接合部に対しては27 %であるが,直径0.30 mmのはんだ接合部に
対しては67 %に増大する。不適合品の決定は,製品の信頼性要求事項による。例えば,最大許容ボイドの
大きさが,はんだボール直径の30 %(面積では11 %)である場合は,一つのボイドについても,複数の
ボイドの合計についても同様に適用することができる。新しいX線装置では,ボイド面積を合算すること
ができるアルゴリズムを用いるものもあるが,X線CT装置に対するアルゴリズムでは,ボイドの合算は
しない。
一つのボイドに対して,X線CT装置は,上記で求めた大きさより大きいボイドとして識別することが
できる。
例 はんだボールの大きさが直径0.75 mmで,かつ,最大許容ボイドがボール径の30 %の場合には,
はんだボール中央での最大ボイドの大きさは,次のように算出する。
最大ボイドの直径=0.75 mm×0.3(30 %)=0.225 mm
ボイドが,はんだボールの中央になく,電子回路基板上のランドパターン又は部品の近くにある場合に
は,その場所でのはんだボールの断面直径は,減少し,最大許容ボイドの大きさも減少する。
C.11 ボイド評価のためのサンプリングプラン
ボイドについての産業界の関心のため,この規格は,ボイドの基準目標及びプロセス管理手法に対する
基準を規定する。複雑性及び信頼性への影響の現れない状況で,ボイドがある製品を手直ししたり,良品
を廃棄したりすることは無意味である。ボイド発生の基準は,全数検査ではなく抜取検査で実施する。
――――― [JIS C 61191-6 pdf 23] ―――――
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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
サンプリングプランの条件を,表C.6に示す。この表は,合格判定数0の場合であることに注意するこ
とが望ましい。このことは,表C.2表C.4のボイドの大きさの指標を超える場合は,全てのロットの全
数検査が必要になることを意味している。適切な是正処置は,製品レベル(JIS C 61191-1の4.3参照)及
び顧客の要求に基づき異なることもある。最終的な処置は,影響を及ぼす部品を除去し置き換えることで
あるが,製品は,再評価を含む修理工程を許容するように設計するのが望ましいので,これらの対策は注
意深く評価しなければならない。
C.12 サンプリング時の表C.6の使用例
一度,許容限度(比率)のボイド基準を設定した場合でも,製造単位からランダムに抜き取り,ボイド
基準で規定する許容限度に適合するかを評価することが望ましい。サンプル数の決定は,その母数である
製造単位数による。特有な実装条件の一部であるBGAボール数についても考慮することが望ましい。
品質指標値2.5は,BGA実装及びボイド発生のプロセスの可能性を見極めるよい代表例である。製品レ
ベルAの品質指標値2.5は,消費者向け製品及びコンピュータ応用製品に用いる製品の評価に適用するこ
とができる。電気通信機器の分野でも同様である。高性能及び長寿命が必要で,中断のないサービスが望
ましいが,必須ではないある種の表面的な不適合を許容する製品レベルBの製品は,品質指標値1.5を適
用することが望ましい。
製品レベルCには,高信頼性電子製品向けで,連続した動作又は要求に即応した動作が必須な民生用及
び軍事用製品も含まれる。生命維持装置又は重要な兵器システムのように機器の故障時間が許されず,必
要なときに必ず動作しなければならない。BGAを含むこのクラスの電子回路基板は,高度の確実性が要求
され,性能発揮が重要である用途に適している。したがって,品質指標値1.0のサンプリング評価が必要
である。
品質指標値の目的は,評価したサンプル全てが評価基準を満足したにもかかわらず,製品全体の中には,
幾つか評価基準を満足しない場合があることが,品質指標値で表す統計的確率であるという可能性が存在
するということを定義することである。製品レベルCに対する品質指標値1.0では,製造ロットか125個
の実装品の場合,13個のサンプルを抽出することを要求している。全てのサンプルが基準を満たしても,
ロットサイズの1.0 %が基準を満たさない可能性があるということである。この場合,実装品2個以下で
あるが,多くの用途では十分に危険になり得る。
C.13 ファインピッチBGA
ボイド部分を除く接合面積は,標準ピッチBGAに比べて少ない。X線透視画像によって部品の受入検
査及び実装後の検査でボイドが見つかった場合に実施すべきプロセス是正処置を,表C.3に示す。ボール
の画像は,BGAピッチによって異なり,BGAピッチが小さくなるとランド及び接合面積も小さくなる。
これを考慮して,それに応じてボイドの大きさを縮小し最終的な接合信頼性を改善することが望ましい。
――――― [JIS C 61191-6 pdf 24] ―――――
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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
表C.3−0.8 mm,0.65 mm及び0.5 mmピッチの部品に対するプロセス是正指標
プロセス是正指標
タイプ 定義 対策
製品レベルA 製品レベルB 製品レベルC
部品受入時の断面観察又はX線CT装置によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
A はんだボール中 ボイドがあるボールは,90 %以下。 プロセスの根本原
最大ボイド率(面積)は,15 %(直径では40 %)。
にあるボイド(実 因を調査して是正
装前) 処置を行う。
B パッケージとの ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセスの根本原
界面にあるボイ は,80 %以下。 は,70 %以下。 は,50 %以下。 因を調査して修正
ド(実装前) 最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積) 処置を行う。
最大ボイド率(面積)
は,12 %。 は,9 %。 は,4 %。
(直径では35 %) (直径では30 %) (直径では20 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは対象とする。
実装後の評価で断面観察又はX線CT装置によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
C リフローはんだ ボイドがあるボールは,100 %以下。 プロセス及び受入
最大ボイド率(面積)は,20 %(直径では45 %)。
付け後,ボールの 部品の根本原因を
中にあるボイド 調査して是正処置
を行う。
D リフローはんだ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受入
は,100 %以下。
付け後,パッケー は,80 %以下。 は,60 %以下。 部品の根本原因を
ジとの界面にあ 最大ボイド率(面積)
最大ボイド率(面積) 調査して是正処置
最大ボイド率(面積)
るボイド は,20 %。 は,15 %。 は,12 %。 を行う。
(直径では45 %) (直径では40 %) (直径では35 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは対象とする。
E リフローはんだ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受入
は,100 %以下。
付け後,実装基板 は,80 %以下。 は,60 %以下。 部品の根本原因を
との界面にある 最大ボイド率(面積)
最大ボイド率(面積) 調査して是正処置
最大ボイド率(面積)
ボイド は,20 %。 は,15 %。 は,12 %。 を行う。
(直径では45 %) (直径では40 %) (直径では35 %)
最大ボイド率(面積)が2 %(直径では15 %)以下のボールは対
象としない。
部品受入又は実装後のプロセス評価のため,X線透視によって決定(サンプリングは,表C.6による。)。
A,B 受入れ時にある ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセスの根本原
ボイド は,80 %以下。 は,70 %以下。 は,50 %以下。 因を調査して是正
最大ボイド率(面積) 最大ボイド率(面積) 処置を行う。
最大ボイド率(面積)
は,9 %。 は,6 %。 は,4 %。
(直径では30 %) (直径では26 %) (直径では20 %)
大きさにかかわらず,ボイドがあるボールは対象とする。
C,D, リフロー後にあ ボイドがあるボールボイドがあるボール ボイドがあるボールプロセス及び受入
E るボイド は,70 %以下。 は,60 %以下。 は,50 %以下。 部品の根本原因を
最大ボイド率(面積)
最大ボイド率(面積) 調査して是正処置
最大ボイド率(面積)
は,20 %。 は,15 %。 は,10 %。 を行う。
(直径では45 %) (直径では40 %) (直径では32 %)
最大ボイド率(面積)が,4 %(直径では20 %)以下のボールは,
対象としない。
C.14 ファインピッチBGAのビアインパッド
ピッチの微細化が進むにつれ,配線スペースを確保するためマイクロビア及びビアインパッドの使用が
進んでいる。鉛フリーはんだ実装を必要とする設計では,特に,重要性が増している。はんだ接合部の中
――――― [JIS C 61191-6 pdf 25] ―――――
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JIS C 61191-6:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61191-6:2010(IDT)
JIS C 61191-6:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.180 : プリント回路及びプリント配線板
JIS C 61191-6:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5603:1993
- プリント回路用語