JIS C 61191-6:2011 プリント配線板実装―第6部:BGA及びLGAのはんだ接合部のボイド評価基準及び測定方法 | ページ 4

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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
附属書B
(参考)
X線透視装置
B.1 X線装置
5.1に規定する代表的なX線透視装置の構成例を,図B.1に示す。
注記 X線管が試料ステージの下方に,X線検出器が試料の上方に配置されたX線透視装置もある。
開放型X線管
X線キャビン
試料出し入れ窓(鉛ガラス付き)
X線検出器/スイング機構
図B.1−X線透視装置の構成
B.2 X線管
X線管は,次の特性を備える。
a) 開放式又は密閉式のX線管
b) 管電圧 : 30 kV160 kV
c) 管電流 : 0 mA0.2 mA
d) 最大ターゲット出力 : 3 W10 W
e) 認識サイズ : 通常 2 μm
f) ターゲット : 透過型タングステンターゲット
g) ターゲット厚さ : 0.5 mm以下
h) 線放射角 : 120°以上

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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
B.3 操作機構
操作機構は,次の特性を備える。
a) 遠隔操作による多軸操作機構
b) 軸(横方向)の動作範囲 : 400 mm(±5 mm)
c) 軸(奥方向)の動作範囲 : 300 mm(±5 mm)
d) 軸(縦方向)の動作範囲 : 250 mm(±5 mm)
B.4 画像入力システム
画像入力システムは,次の特性を備える。
a) 最大幾何学倍率 : 200倍以上
b) 検出器 : イメージ・インテンシファイア(I.I管),2型,4型,6型
c) 中心解像度 : 75 Lp/cm
d) カメラ : 2/3インチCCD
e) 水平解像度 : 570本
注記 イメージ・インテンシファイアの代わりに,CMOS検出器を用いたX線透視装置もある。
B.5 画像処理装置
画像処理装置は,次の特性を備える。
a) 積分処理,平均処理及びコントラスト調整
b) 2点間測定,面積測定及び面積率の測定

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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
附属書C
(参考)
BGAはんだボール中のボイド
4.5 a)に規定するBGAはんだボール中のボイドについて記載する。
C.1 はんだボール接合部のボイド
現状,産業界のデータでは,はんだ接合部のボイドが,信頼性に関わりのあることを示しているものは
ないが,ボイドの大きさ又はボイドの発生頻度の変化は,製造パラメータの修正が必要であることを示し
ている。ボイド発生の原因として,ソルダペーストから抜け出す時間がなく閉じ込められたフラックス及
び洗浄が不適切な電子回路基板上の汚染物の二つの原因が報告されている。ボイドは,はんだ接合部のX
線透視画像の明るい部分で,通常,パッケージ全体でランダムに見られる。
X線でのボイド測定の品質は,被測定物に対する適切なX線条件の正確な適用に加え,X線装置の性能
及び品質にも依存する。ボイドの大きさの正確な測定は,可能であるが,X線フィルム及び検出器の校正
のため,既知のサンプルを使う手順が必要である。多くの場合は,ボイドの原因の究明及び除去に努力を
払う方が望ましい。
C.2 ボイドの発生要因
ボイドは,BGAのはんだボール中,はんだ接合部とBGAとの界面,又ははんだ接合部と電子回路基板
との界面に発生する。いろいろな原因又は理由が考えられるが,はんだボール製造工程中に発生したボイ
ドが原因になることもある。実装後のボイドは,実装前の半導体デバイスのはんだボール中にもともとあ
ったボイド又はリフロープロセスで発生したボイドのいずれかによる。ボイドは,BGA実装中に電子回路
基板との界面に近いところに発生することもある。通常,これらのボイドは,リフローソルダリングでは
んだが凝固するときに閉じ込められたフラックスの揮発成分によって生成される。フラックスの揮発成分
は,リフロー実装工程で用いるソルダペーストに含まれるフラックスの揮発成分,又は手直しなどのため
に供給されるフラックスの揮発成分である。
ボイドは,ビアインパッド構造によるものも含め,接合部の中央からデバイス側(はんだボールとデバ
イスとの界面)で発生する。これは,リフローソルダリング中に,電子回路基板のランドに供給したフラ
ックスの中に閉じ込められた気泡及び気化したフラックスが上昇したためと考えられ,供給したソルダペ
ースト及びBGAのはんだボールが,リフローソルダリング(代表的なピーク温度210 ℃230 ℃)中に
溶融して溶け合うときに発生する。リフローソルダリング工程中に,閉じ込められた気泡及び気化したフ
ラックスが逃げ出すために,時間的に十分な余裕がない場合には,ボイドは,リフロー温度プロファイル
の温度下降領域で溶けたはんだが凝固するときに形成する。したがって,ボイド形成の発生防止対策とし
て,リフロー温度プロファイルの作成が,特に重要である。
ボイドの発生は,図C.1に示すように,半導体デバイス又は電子回路基板のランド表面の汚染,及びは
んだボールとランドとの間の金属間化合物又は製造工程で除去できなかったフラックスの残さ(渣)に起
因する。

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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
図C.1−ボールとランドとの界面の小さなボイド群
C.3 ボイドの影響
どのくらいの数及び大きさのボイドが,製品の要求信頼性に影響するかどうかを考慮することが望まし
い。はんだ接合部の断面積の減少は,熱伝導性能及び電気伝導性能の低下を引き起こすため,ボイドは,
はんだボールの強度及び機能の低下によって信頼性に影響を与える可能性がある。大きなボイドは,更に
有害であるが,既存の小さいボイドも,リフローソルダリング中に集まって大きなボイドに成長する可能
性がある。ボイドの除去,又は少なくとも実質的な低減は,ほとんどの場合,望ましいことである。
中程度のボイドによって,逆に信頼性が僅かによくなったという研究がある。これらは,よく制御され
たプロセスについての例であり,はんだ接合部の高さの増大及び亀裂進展の一時的部分的な遅延の結果に
よるものである。BGAはんだ接合部のボイドの検出にはX線透視が必要であり,ボイドの影響又は位置
を確認するために断面観察が必要なこともある。
リード部品と異なり,BGAは,デバイスの周辺だけでなく,通常の外観からの観察技術では検査できな
い内部にもはんだ接合部がある。X線CT装置は高価な装置であるが,ボイドの検出及び位置認識に重要
な方式である。いずれにせよ,生産に導入する前には,ボイド許容水準にプロセスの品質を高めることが
望ましい。
C.4 X線透過画像による測定を行う場合の留意事項
はんだボイドの検出に用いる一部の古いX線検査装置では,“ボルテージブルーミング”又は“フォス
ファーブルーミング”と呼ばれている異常現象を現すX線撮像デバイスを使用する。この異常現象は,図
C.2に示すように,暗いバックの中に含まれる明るいエリア(はんだボール中のボイドのような)の大き
さが,X線源への電圧の増減に対応して,拡大又は縮小することである。この変動は,かなり大きいこと
もある。その結果,ボイドの正確な大きさの測定は,不確実である。
X線装置の性能は,通常の100万130万画素から200万画素のデジタルX線画像技術が,実用化する
とともにここ数年で劇的に進歩している。また一方,グレースケール画像処理の進歩も,更に大きな影響
があり,以前のシステムに比べて検出性能も大幅に改善してきている。従来の8ビットグレースケール感
度に対し,最近のX線システムでは,16ビットグレースケール感度をもつものもあり,僅かな強度の違い
も識別可能である。したがって,ボルテージブルーミングもなく,接合部の大きなボイドの検出と同様に,
小さいボイドの数においても,よりよく,より多くの検出ができる。また,これらの新型システムでは,
ボイド算出機能を備えており,同じサンプルに対して,以前の又は下位機種での算出に比べて大きい値で
算出する。

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C 61191-6 : 2011 (IEC 61191-6 : 2010)
a) ボイドの画像(管電圧50 kV) b) ボイドの画像(管電圧60 kV)
図C.2−ボイドがあるはんだボールのX線透視画像
C.5 ボイドの分類
いろいろなボイドを評価するために,発生場所に基づいてボイドを識別し,プロセス改善の是正処置を
規定する具体的な分類方法がある。BGAのはんだボール中のボイドの位置に対する分類基準の詳細を,表
C.1に示す。
ボイドは,次の五つに分類できる。
a) タイプA : 実装前のはんだボール中のボイド
b) タイプB : 実装前のパッケージとはんだボールとの界面にあるボイド
c) タイプC : 実装後のはんだボール中のボイド
d) タイプD : 実装後のパッケージとはんだボールとの界面にあるボイド
e) タイプE : 実装後の電子回路基板とはんだボールとの界面にあるボイド
表C.1−ボイドの分類
ボイドの分類 はんだボール中のボイド パッケージ側界面のボイド 基板側界面のボイド
実装前のBGAボール中の −
ボイド
タイプ A タイプ B
実装後のBGAボール中の
ボイド
タイプ C タイプ D タイプ E
C.6 ボイドの管理
実装品購入者は,BGAはんだボールのボイド発生頻度及びボイドの大きさを許容水準に管理するために
実装品供給業者と協力することが望ましい。実装品供給業者は,これらの目的を達成するため,工程条件
及び/又は材料条件の設定を調節する。これによって,通常,受け入れたBGAのはんだ接合部で,ボイ
ドが検出されることはほとんどない。ボイドを許容水準内にする改善のため,リフロー時間温度プロファ

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JIS C 61191-6:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61191-6:2010(IDT)

JIS C 61191-6:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61191-6:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC5603:1993
プリント回路用語