4
C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
3.7
デシベル (decibel) : dB
対数上で,光パワーレベルを表すのに用いる単位。光パワーレベルは,常に基準光パワーP0に対する相
対値として次の式で表す。
P
LP/P010 log10 (dB)
P0
ここに,P及びP0は,同一の線形単位とする。
基準値は,常に報告しなければならない。例えば,基準1 mWに対する200 Wは,LP/1mW=−7 dB又は
LP(re 1 mW)=−7 dBと表現する。
一方で,二つの放射光パワーP1,P2の線形比Rlinは,光パワーレベル差としてデシベル(dB)で表示でき
る。
LP 10 log10 P1 / P2
10 log10 Rlin 10 log10 P2
10 log10 P1
同様に,相対的不確かさUlin又は相対偏差は,次のようにデシベル(dB)で表示できる。
10
UdB Ulin .434 Ulin(dB)
ln 10
注記 JIS Z 8202-2及びIEC 60027-3を,更に詳細に調査するとよい。IEC 60027-3では,単位記号に
文字を追加できない。しかし,dBmという単位記号は,1 mWを基準とする相対光パワーレベ
ルを表すのに広く使われ,光パワーメータでもよく表示されている。
3.8
検出器 (detector)
光の放射光パワーを測定可能な,通常電気量に変換する光パワーメータの変換素子。この規格では,検
出器は,一つの光路を通じて光入力端子に接続されているものと仮定している(IEC 61931及びVIM, 4.15
を参照。)。
3.9
偏差 (deviation) : D
被測定器による測定値PDUTと基準光パワーPrefとの差の相対値。
PDUT Pref
D
Pref
3.10
励振(光ファイバの)[excitation (fiber) ]
光ファイバ内の伝搬モード間の光パワー分布。マルチモード光ファイバでは,次のように規定する。
a) 光ファイバ端面でのスポット径
b) 光ファイバ出射光の開口数(NA)
全モード励振とは,光ファイバのコア径とほぼ等しいスポット径,及び光ファイバの開口数(NA)とほぼ
等しい開口数(NA)による励振を意味する。
シングルモード光ファイバは,一般的に一つのモード(基本モード)だけが励振される。
3.11
測定器の状態 (instrument state)
測定器(光パワーメータ)の(状態を完全に規定する)選定可能な一連のパラメータ群。
注記 測定器の状態に関する一般的なパラメータは,測定光パワーレンジ,波長設定,表示モード[ワ
――――― [JIS C 6186 pdf 6] ―――――
5
C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
ット(W)又はデービーエム(dBm)]及び測定結果が得られる出力形態(例えば,ディスプレイ,
インタフェースバス及びアナログ出力)とする。
3.12
放射照度 (irradiance)
光学的基準面上のある点で,微小面要素に入射する放射光パワーをその微小面要素で除したもの。
P
E (W/m 2 )
A
(IEC 61931,修正された定義2.1.15)
3.13
測定結果 (measurement result) : y
ウォームアップ,ゼロ点調整,波長校正など取扱説明書に示すすべての行為が完了した後の光パワーメ
ータ(又は標準器)のワット(W)単位の(表示又は電気的)出力。
不確かさの解析のためには,その他の単位,例えば,ボルト(V)などで表示した測定結果は,ワット
に変換することが望ましい。デシベル(dB)での測定結果も,ワットに変換するのが望ましい。全不確か
さの累積は,ワットで表示した測定結果に基づく。
3.14
測定範囲 (measuring range)
測定機器の誤差が指定された限界内に収まらなければならない測定量の値の集合(VIM, 5.4)。
注記 この規格では,測定範囲とは測定値の不確かさが規定されている放射光パワー(動作範囲の一
部)の範囲である。ダイナミックレンジという用語は,この規格において用いないほうがよい。
3.15
国家(測定)標準 [national (measurement) tandard]
国が定め,認知した標準。国内で当該量の他の標準に数値を値付けする基礎となるもの(VIM, 6.3)。
3.16
国立標準機関 (national standards laboratory)
国家標準を維持管理する機関。
3.17
非直線性 (nonlinearity) : NL
任意の光パワーPに対する感度と基準光パワーP0に対する感度との相対的差分。具体的には,次の式で
表す。
rP
NLP/P0
r P0
また,デシベル表示の場合は次の式で表す。
rP
NLP/P0 10 log10 dB)
r P0
注記1 基準値(基準光パワー)における非直線性は,0に等しい。
注記2 “ローカルな非直線性”という用語は,非線形性の校正時に得られた二つの異なる光パワー
レベル(3.01 dBの差がある)の測定値の相対的な差異を意味する。一方,“グローバルな非
直線性”という用語は,“ローカルな非直線性”の和を意味し,ここで定義した非直線性と同
義語である。
――――― [JIS C 6186 pdf 7] ―――――
6
C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
3.18
開口数(NA)(numerical aperture)
光源からのビーム広がりを表現するパラメータ。この規格では,開口数(NA)は,放射照度が最大放射照
度の5 %となる点のなす角の半分(ただし,線形表示での半分)のサイン値(正弦値)。
注記 この定義は,IEC 60793-1-43のGI型マルチモード光ファイバの開口数(NA)の定義を適用して
いる。この規格では,この定義はすべての拡散光に適用する。
3.19
動作条件 (operating conditions)
測定機器の測定値の不確かさを規定するための,その測定に関連する様々なパラメータの動作範囲の規
定。通常,測定の標準的条件として提示する基準条件より広い範囲に設定される(VIM, 5.5を参照)。
注記 動作条件及びその条件下の測定値の不確かさは,通常,測定器の製造業者が使用者の便宜のた
めに規定する。
3.20
動作範囲 (operating range)
ある動作条件に対応して規定する数値範囲。
3.21
光入力端子 (optical input port)
光ファイバ端又は光パワーを接続するための光パワーメータ(又は,標準器)の物理的入力部。光路(光
線の経路で途中にレンズ,絞り又は光ガイドが介在することもある。)は,光入力端子及び光パワーメータ
の検出器を接続している。
3.22
光学的基準面 (optical reference plane)
ビームスポット径を規定するために用いる光入力端子の近傍又は光入力端子上にある平面。
注記 光学的基準面は通常光軸に垂直とし,機械的寸法は,光パワーメータの光入力端子の寸法と比
較できるように記述することが望ましい。
3.23
偏光依存感度 (polarization dependent response) : PDR
入力光のすべての偏光状態に対する光パワーメータの感度(指示値)の変動。通常,デシベルで表示す
る。
rmax
PDR 10 log10 (dB)
rmin
ここに, rmax及びrmin : すべての偏光状態に対する感度の最小値及び最大値
3.24
光パワーメータ(光ファイバ用)[power meter (fiber-optic) ]
光ファイバ通信に用いる一般的な光源から放射される光パワーを測定する機器。一般的な光源は,レー
ザダイオード,LED及び光ファイバ出力の光源を含み,拡散放射又は平行ビーム放射の双方に対応できる。
放射光は,規定する範囲内の光学的基準面に入射する。光パワーメータには,一体形と受光部が測定器本
体から分離している分離形とがあって,後者では,受光部を独立させて校正するのがよい。
注記1 (分離形の場合)特に測定器本体内にアナログ回路が用いられていると,測定結果は測定器
本体によって影響を受けることがある。そのような場合,検出ヘッドは測定器本体とともに
――――― [JIS C 6186 pdf 8] ―――――
7
C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
校正をしなければならない。
注記2 光パワーメータは,通常,変調された光の時間平均光パワーを測定できる。変調光のピーク
光パワー又はデューティサイクルによって,測定の不確かさが増すことがある。
注記3 この規格で用いる標準器は,すべて光パワーメータである。
3.25
放射光パワー (radiant power) : P
光放射の形態で放出,伝搬又は受光される光パワー(附属書Bの[A]を参照)。単位はワット(W)。
3.26
基準条件 (reference conditions)
測定機器の性能の試験及び測定結果の相互比較のための前提条件(VIM, 5.7を参照)。
注記 基準条件には,測定機器の動作に影響を及ぼす影響量の基準値又は基準範囲を通常含む。
3.27
参照標準器 (reference meter)
被測定器の校正に参照基準として使用する標準器。
3.28
参照標準 (reference standard)
一般に,任意の地域又は機関で得られる最も質の高い計測の基準を提供する標準。そこで行う測定の基
準となる(VIM, 6.6を参照)。
3.29
感度 (response) : r
任意の測定条件下で,光パワーメータの測定結果yを光パワーメータの光学的基準面上の放射光パワー
Pで除した値。
y
r (W/W)
P
注記 理想的な光パワーメータの感度は,すべての動作条件下で1となる。
3.30
スペクトル感度 [(spectral) esponsivity] : R
検出器の出力電流Iを入力の単色光パワーPで除した値。
I
R (A/W)
P
注記 スペクトル感度は,波長,温度などに依存する(図1参照)。
――――― [JIS C 6186 pdf 9] ―――――
8
C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
図1−光電型器の典型的な感度
3.31
スペクトルバンド幅 (spectral bandwidth) : B
光源のスペクトルにおける半値全幅(FWHM)。スペクトルが連続でない場合,例えば,縦モードがマ
ルチモードのレーザダイオードの場合,スペクトルバンド幅は,RMSスペクトルバンド幅Brmsで定義する。
2i 2
Pi Pi i center
i 2center i
B M Brms=M M
Pi Pi
i i
ここに, M : 22ln2 ガウス分布スペクトルで計算)
Pi : i番目の線スペクトルの電力,例えば,Wで表す。
槿 i番目の線スペクトルの真空中の波長
攀攀 中心波長
注記1 単一波長(単一縦モード)の光源ではスペクトルバンド幅<1 nmのように,スペクトルバン
ド幅の上限を規定すればよい。
注記2 通常は,最大光パワーの0.1 %以上の積分又は積算範囲を考慮すれば十分である。
3.32
スポット径 (spot diameter)
光学的基準面の照射された,最大放射照度の5 %の放射照度となる領域を,近似的に円とみなした場合
の円の直径。
注記1 開口数(NA)の定義との整合上,5 %を採用した。レーザビームに対しては,例えば,1/e2又
は1/eのように,5 %以外の基準を用いることもしばしばある。その場合はスポット径の値
とともに,その基準とした比率を記述する。
注記2 すべての光パワーを測定するため,光学的基準面の直径は,スポット径より大きい必要があ
る。
――――― [JIS C 6186 pdf 10] ―――――
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JIS C 6186:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61315:2005(IDT)
JIS C 6186:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.140 : 通信の分野で使用される測定設備
JIS C 6186:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1005:2006
- 電気・電子計測器の性能表示
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項