JIS C 6186:2008 光ファイバ用光パワーメータ校正方法 | ページ 3

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C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
3.33
被測定器 (test meter)
参照標準器との比較に基づいて,校正する光パワーメータ(又は標準器)。
3.34
トレーサビリティ (traceability)
測定の結果又は標準値をもつ性質であって,各段階の不確かさ(誤差)が分かっている比較を,途切れ
ることなく続けることで成り立つ一本の連鎖によって,つながりをもつ状態。具体的な標準器(通常,国
家標準又は国際標準)の値と関連付けることで実現ができる(VIM, 6.10を参照)。
3.35
トレーサビリティの連鎖 (traceability chain)
途切れない比較の連鎖(図2及びVIM, 6.10を参照)。
国家標準
国立標準機関
実用標準
認定された校正機関
仲介標準
民間の校正機関
実用標準
被測定器
注記 仲介標準はVIM, 6.8を参照。
図2−トレーサビリティの連鎖の例
3.36
実用標準 (working standard)
測定機器を日常的に校正又は確認するために用いる標準(VIM, 6.7を参照)。
注記 実用標準は,通常,参照標準で校正する。
3.37
ゼロ点誤差 (zero error)
光入力端子に光を入力しない状態における光パワーメータの測定結果(VIM, 5.23を参照)。

4 校正の準備

4.1 組織

  校正機関は,JIS Q 17025の要求を満たす必要がある。各校正のステップごとの作業指示及び使用する装
置を文書化した測定手順書をもたなければならない。

4.2 トレーサビリティ

  トレーサビリティは,JIS Q 17025の要求を満たす必要がある。
校正手順で使用するすべての標準器は,あらかじめ,国立標準機関又は認定された校正機関で,トレー

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サビリティを確認された手順書に従って校正する。校正手順の各々の階層ごとにそれぞれ,複数の標準器
を準備することが望ましい。そうすることによって,標準器の性能を同一水準での比較によって確認する
ことができる。
校正結果に少なからず影響を及ぼす試験装置は,すべて校正済であることを確認する必要がある。また,
要求に応じてこれらの試験装置のトレーサビリティの連鎖及び校正の頻度(校正間隔)を規定し文書化し
なければならない。

4.3 測定及び校正に関する注意事項

  ここでは,光パワーメータ又は光ファイバ用光パワーメータのすべての校正及び測定に関する一般的な
注意事項を示す。
温度制御機能のない検出器を用いる場合,校正は,23 ℃に調整された温度制御室で行うことを推奨する。
湿度に敏感な検出器を用いる場合又は装置に結露の可能性のある場合は,湿度制御環境が必要となる。研
究室の湿度の変更は,空気の吸収を変え,それによって光パワーを変える可能性がある。この効果は,空
間ビーム校正時に1 360 nm及び1 410 nmの間で時系列的に湿度が変わるとき,特に顕著となる。参照標
準器及び被測定器を,ほぼ等距離の空間ビーム光路で時間並列的に測定する場合は,湿度の変動の影響は,
校正結果においてほぼ無視できる。
測定室はクリーンに保ち,コネクタ及び光入力端子は,測定前に清掃して,検出器側のコネクタの性能
及び清潔度は常に確認する。測定中は必要に応じて光ファイバをベンチに固定するなどして,光ファイバ
の動きを極力抑えなければならない。光ファイバを動かさずに,検出器を光ファイバに近づけなければな
らない。
光パワーメータの励振に使用する光源は,中心波長及びスペクトルバンド幅で規定し,十分狭いスペク
トルバンド幅の光源を用いて,測定値が広い波長域にわたり平均化されないよう注意しなければならない。
光源の安定性を確認するため,例えば,独立に光パワーをモニタすることなどが有効となる。
レーザダイオードは,戻り光に敏感なので安定性を増すため,レーザダイオード及び被測定器の中間に,
光減衰器又は光アイソレータを用いるとよい。レーザダイオードは,スペクトルバンド幅が狭いので,マ
ルチモード光ファイバを用いると光学的基準面上にスペックルパターンを生じ,測定の不確かさが増すこ
とがある。
光ファイバコネクタ及びアダプタは,光源側と光入力端子又は検出器側との間で多重反射を生じ,測定
結果(附属書Bの[B]を参照)に誤差を生む可能性があるので,光ファイバコネクタ及びアダプタは,校正
用には低反射のものが望ましい。そうでなければ,補正係数の導入及び不確かさの増加を考慮する必要が
ある。
参照標準器では,検出器の直径は3 mm以上とし,平行ビームを受光しやすく,また,ごみ及びほこり
の影響も抑えやすくすることが望ましい。参照標準器の表面反射は可能な限り小さく,光源が拡散光を放
射する場合,参照標準器は,積分球タイプが望ましい。平面検出器及び数学的補正を組み合わせることも
可能で,放射されたファーフィールド分布に参照標準器の検出器の角度依存性の測定値を乗じ,ファーフ
ィールド放射角の領域にわたって積分して補正する。
検出器は,ある波長域で顕著な温度依存性を示すので,高精度測定には,検出器の温度制御を採用する
ことが望ましい。

4.4 使用者への推奨事項

  光パワーメータの使用者は,少なくとも,参照標準器を1台もって,当該の参照標準器で比較及び確認
することが望ましい。これによって,再校正に出される前後の光パワーメータの比較が特に重要となる。

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なぜなら,その比較に従って使用者は,光パワーメータが校正から戻ってきた後に,例えば,輸送によっ
て,その指示が変わったかどうかの判断が可能になる。
校正のたびに,補正係数又は測定値表示の偏差を常に比較し把握していれば,過剰な経時劣化を見極め
ることができ,校正の間隔を適正化することができる。

5 光パワーの絶対値の校正

  光パワーメータの校正は,通常,被測定器及び不確かさが既知の校正済光パワーメータ(参照標準器)
の両方に放射光を照射し,参照標準器の測定結果を被測定器に値付けすることによって行う。
許容できるスペクトルバンド幅は,被測定器のスペクトル感度に依存する。すなわち,波長依存性が強
ければ強いほど光源のスペクトルバンド幅は狭くなる。通常スペクトル幅は,15 nm以下とし,スペクト
ル幅の比較的広いLEDなどは,校正に使用しない。したがって,光パワーメータの校正には,レーザダイ
オード,又は“白色”光源及び狭帯域フィルタ(例えば,モノクロメータ)を組み合わせたものを一般的
に使用する。
校正方法は,光源の種類及び励振ビームの形状によって,現在,表1に示すような四つの方法に大別さ
れる。
表1−一般的な校正方法及び対応する光パワーレベル
光源 空間ビームでの校正 光ファイバ出射ビームでの校正
フィルタ付“白色”光源 P 10 W P 10 nW0.3 W (MM) a)
P 2 nW (SM) b)
レーザダイオード P 10 W1 mW P 10 W1 mW[SMb)及びMMa)]
注a) M: マルチモード光ファイバ(通常GIファイバ)
b) M: シングルモード光ファイバ
また,交互測定法(sequential)及び同時測定法(parallel)に区分けされる。被測定器及び参照標準器を
光源でそれぞれ交互に照射するとき,放射光パワーは,例えば,適切な安定化を行うなどして,できるだ
け一定に保つことが望ましい。同時測定法で校正する場合には,ビームスプリッタ又は分岐デバイスを使
用して,被測定器及び参照標準器を二つのビームで同時に励振する。この場合,ビームスプリッタ又は分
岐デバイスの分岐比をできるだけ正確に決定するとともに,その安定性を確認しておくことが望ましい。
一例として,交互測定法による光ファイバを用いた校正のための測定系を図3に示す。クラッドモード
除去及び適切なモード励振のための励振器は,測定系に含める。

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Reference
参照標準器
power meter
S dB
Source
光源 Attenuator
光減衰器 Cladding
クラッドモード除去器
Power meter
(optional) mode 被測定器
(オプション) under test
stripper
図3−光ファイバを用いた交互測定法の校正測定系

5.1 校正条件の設定

  校正条件は,校正手順における測定条件とし,校正条件の設定及び保持は,校正の重要な部分とする。
これらの条件が少しでも変化すると,測定結果に誤差を生じる。校正条件は,意図する動作条件に極めて
近似した条件にすることが望ましい。これによって,動作環境で(追加される)不確かさを最小限に抑え
ることができる。校正条件は,必要ならば不確かさを付記した公称値の形式で規定することが望ましい。
この規格の要求を満たすために,校正条件には少なくとも次の項目を含める。
a) 校正年月日
b) 周囲温度及びその不確かさ : 例 23 ℃±1 ℃
c) 周囲の相対湿度。校正に影響する場合に示し,規定がない場合は,結露点以下の相対湿度とする。
d) 光学的基準面への公称放射光パワーレベル
e) 光ビーム形状
1) 空間ビーム(例 平行ビーム),光学的基準面でのスポット径,ビームの開口数(NA),ビームの放
射分布を規定。典型的な放射分布には,一様分布,ガウス分布及び不規則分布(スペックル状態)
がある。
2) 光ファイバの種類及び必要ならば励振の度合い(例 全モード励振)
f) コネクタ及びアダプタ対 : (必要ならば)発光源の一部として採用するコネクタの種類,研磨状態及び
アダプタ
g) 発光源の中心波長及びその不確かさ
h) 発光源のスペクトルバンド幅及びその不確かさ
i) 偏光状態 : “無偏光”又は“偏光状態が不明の偏光”。後者を選択した場合,5.3.2及び5.3.4において
偏光依存感度による不確かさを考慮する必要がある。
校正条件は,上記の項目に限定するものではないことに留意する。測定の不確かさに大きな影響を及ぼ
すパラメータがある場合は,それらも報告する必要がある。
空間ビームを使用した校正では,光パワーメータの光学的基準面の受光径よりも直径の小さなビームを
使用し,光学的基準面の中心に照射することが望ましい。
光ファイバを使用する校正では,シングルモード光ファイバ,マルチモード光ファイバのいずれを使用
してもよい。再現性のよいビーム特性をもつことからシングルモード光ファイバが望ましいが,すべての
波長には適用できない。マルチモード光ファイバを使用する場合は,励振の再現が比較的容易な全モード

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励振が望ましい。適切な励振を得るために,励振器が必要となる場合がある。マルチモード光ファイバを
レーザダイオードで駆動した場合は,不規則なビームパターン(スペックルパターン)が生じることに留
意する。この場合,不確かさが増加することになる。クラッドの中の光パワー(クラッドモード)は,必
要な場合は,適切なモードストリッパ又は励振器で除去することが望ましい。
基準コネクタ及びアダプタ対は,光ファイバを使用した校正を想定している場合,すなわち,空間ビー
ムを使用しない場合にだけ報告する。基準コネクタ及びアダプタは,光パワーメータへの戻り反射が十分
に小さい組合せのものを使用することが望ましい。

5.2 校正手順

1) 適切な校正条件を設定し,記録する(5.1参照)。すべての機器のスイッチを入れ,動作が十分安定す
るまで待つ。
2) 取扱説明書に従って,参照標準器及び被測定器の機器状態を設定する。すべての機器の波長を光源波
長に設定する。適切な光パワーレンジを選択する。両測定器の機器状態を記録する。必要ならば,両
測定器のゼロ点調整を行う。
3) 参照標準器で光パワーPstd,1を測定する。参照標準器が調整済でない場合は,参照標準器の校正証明書
に記載されている補正係数CFstdを測定結果に乗じる。必要ならば,5.3.3で算出した補正係数CFchange
も乗じる。測定結果Pref,1=Pstd,1×CFstd×CFchangeを記録する。これは,真の光パワーに最も近い推定値
となる。
4) 被測定器で光パワーを測定する。取扱説明書に従って必要な補正を行う。測定結果PDUT,1を記録する。
5) 一連の補正係数の最初の係数を式(1)で算出する。
Pref,1
CFcomparison1, (1)
PDUT, 1
6) ステップ3)から5)までをn回繰り返し,その都度CFcomparison,1からCFcomparison,nまでの補正係数を算出
する。
7) 個々の補正係数から,平均補正係数CFDUTを式(2)で算出し,記録する。
n
1
CFDUT CFcomparisoni,

(pdf 一覧ページ番号 )

                                n  i=1
必要ならば,偏差Dは補正係数から,式(3)で算出する。
1
D 1 (3)
DUT
算出後,被測定器の利用に当たっては,測定結果にCFDUTを乗じる。又は,補正係数が1となるよ
うに被測定器を調整してもよいが,その場合は,確認のため,比較を反復することが望ましい。

5.3 校正不確かさ

  校正不確かさは,補正係数CFDUTの測定不確かさである。
合成標準不確かさを,式(4)で算出する。
2 2 2
u CFDUT usetupurefuDUT (4)
ここに, usetup : 設定による不確かさ(5.3.1)
uref : 参照標準器の不確かさ(5.3.2)
uDUT : 被測定器による不確かさ(5.3.4)
注記 式(4)は,入力量が独立又は相関がない場合にだけ正しい。幾つかの入力量にかなりの相関があ

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JIS C 6186:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61315:2005(IDT)

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JIS C 6186:2008の関連規格と引用規格一覧