JIS C 6186:2008 光ファイバ用光パワーメータ校正方法 | ページ 4

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C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
る場合には,その相関を考慮する必要がある(GUMを参照)。
次に,拡張不確かさを,式(5)で算出する。
U CFDUT k u CFDUT (5)
ここに, k : 包含係数(附属書Aを参照)
5.3.1 測定系による不確かさ
測定系によって,次の不確かさが発生する。
a) 光源の光パワーの不安定性による不確かさ : 出力光パワーの固有の経時変化に加えて,レーザ光源の
光パワーは,反射戻り光の変動及び反射戻り光の偏光状態の変動に応じて不安定になることがある。
b) ビームスプリッタ又は分岐デバイスの分岐比(同時測定法の場合)による不確かさ : 例えば,それら
のデバイスの偏光依存性に起因する。
c) 測定系及び測定方法によっては,上記のほかにも不確かさを考慮する必要がある。
光源光パワーの不安定性及びビームスプリッタ,又は分岐デバイスの分岐比(同時測定法の場合)の不
安定性は,補正係数の測定にばらつきをもたらす。これらの不安定性による不確かさは,校正中に測定し
た補正係数CFcomparison,1CFcomparison,n[式(1)]の実験的な標準偏差から算出できる。この不確かさを減少さ
せるために,比較の回数は多くすることが望ましい。
不確かさタイプAの評価の詳細は,附属書Aに規定する。
sCFcomparison
usetup,typeA= (6)
n
ここに, s(CFcomparison) : 補正係数の実験的な標準偏差
n : 校正手順における測定サイクルの回数
この不確かさは,測定によって評価した標準偏差から算出し,すべての校正に用いることもできるし,
タイプBの評価から算出することもできる。したがって,不安定性は,校正ごとに大幅には変化しないし,
また,被測定器には依存しない。式(6)のnは,常に現在の校正手順における測定サイクルの回数である。
また,このタイプAで評価された不確かさは,交互測定法を使用する場合の接続の再現性,又は校正手順
におけるわずかな測定条件の変化の影響を受ける。それは,参照標準器(5.3.2)又は被測定器(5.3.4)に起因す
る不確かさも(ある程度)考慮に入れることが望ましい。不確かさの要因は漏れなく考慮するが,二重カ
ウントしてはならない。
ここに示したすべての部分不確かさを合成して,測定系による不確かさを式(7)で算出する。
m
2
setup, (7)
usetup u i
i1
5.3.2 参照標準器の不確かさ
参照標準器の不確かさは,主として,その校正及び現在の校正条件の不確かさ並びにこれらの校正条件
における参照標準器の依存性に起因する。
次の不確かさを評価する必要がある。この評価は,測定若しくは推定又は両者の組合せで行う。不確か
さの計算は,附属書Aに,校正条件の依存性の測定は,6.2.1に規定する。
a) 参照標準器の校正の不確かさ。これは,校正証明書から得る。
b) 参照標準器の,(以前)校正したときの条件と5.3.3で算出する現在の校正条件uchangeとの差異による不
確かさ。
c) 参照標準器の温度依存性による不確かさ。

――――― [JIS C 6186 pdf 16] ―――――

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d) 参照標準器の相対湿度依存性による不確かさ。積分球を備えた光パワーメータは,狭帯域レーザ光源
を使用する場合には,特に水の吸収ピークに敏感である。
e) 参照標準器のビーム形状の依存性による不確かさ。
f) 多重反射の依存性による不確かさ。多重反射は,光入力端子と放射光源(例えば,コネクタ及びアダ
プタ対)との間に発生することがある。器具が異なると,測定光パワーは変わる場合がある。
g) 参照標準器の波長依存性による不確かさ。
h) 参照標準器のスペクトルバンド幅依存性による不確かさ。
i) 参照標準器の偏光状態の依存性による不確かさ。ただし,無偏光又は無偏光化された光を用いた場合
を除く。
j) 光学干渉による不確かさ。検出器表面及び検出器窓の表面並びにコネクタ端面の間にファブリーペロ
ー共振器が形成されることがある。
k) 参照標準器の分解能による不確かさ。参照標準器の分解能が 攀 準不確かさは,式(8)で算
出する(GUM,F.2.2.1を参照)。
1
uref,resolutionyref (8)
2 3
l) 参照標準器のその他の依存性による不確かさ。参照標準器の種類によっては,上記以外の不確かさも
あり得る。これらは,測定又は推定する必要がある。経時変化は,状態の変化と理解し,時間が,状
態に影響を与えていることに留意する。
参照標準器を校正したときと被測定器の校正に使用するときとの経過時間 既知であるので,その
不確かさはu( 0となる。参照標準器の経時変化による不確かさは,5.3.3.1で算出し,b)で考慮する。
参照標準器の合成標準不確かさは,標準不確かさから式(9)で算出する。
n
2 2
uref uref,i (9)
uchange
i1
5.3.3から決定するように,uchangeは,校正条件の変更による不確かさである。
5.3.3 補正係数及び条件の変化による不確かさ
参照標準器は,現在の校正条件とは異なる条件で校正するので,校正時とは異なる感度を示すことがあ
る。現在及び以前の測定条件の差異例を次に示す。
平行及び拡散放射ビーム,光源スペクトルの差異, 非反射及び多重反射設定,測定間隔が大きい場合の
標準器の経時変化。
参照標準器を校正するときの条件が名目上現在の校正条件と同一であり(ただし,それらの不確かさは
異なる場合がある。),参照標準器の経時変化が無視できる場合は,ここは,省略してよい(CFchange=1)。
図4に示すように,それぞれの変化は,条件の公称の変化及び不確かさの変化を含む。

――――― [JIS C 6186 pdf 17] ―――――

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図4−条件と不確かさの変化
5.3.3.15.3.3.8に示す各々の潜在的な誤差要因に対し,補正係数を算出する必要があるかを判断するこ
とが望ましい。
方法Aは,補正係数を算出する方法で比較的小さな不確かさとなる。方法Bは,補正係数を適用しない
方法であり(CFchange=1),最悪条件を包含するように,更に大きな不確かさを考慮することが望ましい。
方法Aを選択する場合には,(累積)補正係数は,式(10)又は式(11)で算出する。
rprevious
CFchange (10)
rcurrent
又は,
CFchange r (11)
ここに, rprevious : 以前校正した条件での参照標準器の励振に対する感度
rcurrent : 現在の校正条件での参照標準器の励振に対する感度
感度の相対変化 (rprevious−rcurrent)/rcurrent
部分補正係数CFchange,iを累積することによって,参照標準器の(累積)変化に関連した補正係数を算出
する。部分補正係数については,5.3.3.15.3.3.8に概説している。各影響量Xiに対しては,部分補正係数
を,式(12)で算出する。
CFchange,i
1 ri (12)
感度の相対変化 椰 “前”の校正条件から“現在”の校正条件への影響量の変化を直接測定するか又
は影響量 槿 の公称変化及び参照標準器の影響量 槿 に対する公称相対依存性から,式(13)で算出する。
CFchange,i
1 ci xi (13)
ここに, ci : 相対感度の影響量Xiでの偏微分であり,感度係数と呼ぶ。
1 r
ci (14)
r0 xi
感度係数が明確でない場合には,後述する不確かさタイプBを考慮しなければならない。
uchange,i
u ci xi (15)

――――― [JIS C 6186 pdf 18] ―――――

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ここに, u(ci) : 感度係数の標準不確かさであり,その依存性の測定は,6.2
で規定する。
最後に, 上記の各不確かさ要因から参照標準器の累積補正係数を,式(16)を用いて算出する。
n
CFchange CFchange,i

(pdf 一覧ページ番号 )

                                 i1
また,校正条件の変化による合成標準不確かさは,式(17)で算出する。
n
2
uchange (17)
uchange,i
i1
この補正係数は,測定条件の差異に起因する参照標準器の感度変化(既知)であり,参照標準器の読取
値の補正係数である(5.2参照)。
5.3.3.1 経時変化
経時変化は,5.3.2で規定したように,条件変化の一つである。参照標準器の経時変化係数が既知であり,
その係数が長期間にわたり安定な場合以外は,補正係数は算出しない(CF=1)。不確かさuchange,tは,参照
標準器を校正してから被測定器の校正に使用するまでの経過時間 参照標準器の経時変化係数の不確
かさu(ct)に乗じて算出することが望ましい。
uchange,t
u ct t (18)
例 経時変化の限界だけが既知で,±0.1 %/年の場合 :
附属書Aに従って,経時変化係数は,ct=0 %/年であり,その不確かさは u(ct)=0.1/3 %/年
となる。
したがって,校正後1年における参照標準器の経時変化による不確かさは,次のようになる。
uchange,t
u ct t /1.0 3%/年 1年 .006 % (19)
5.3.3.2 温度変化に起因する補正係数
補正係数CFchange,θは,“前”の温度と“現在”の温度との公称温度差 及び参照標準器の温度感度係数
cθ(例えば,%/°C)に基づいて算出することが望ましい。
CFchange,θ
1cθ (20)
5.3.3.3 光パワーレベルの変化に起因する補正係数
不確かさは,参照標準器の“前”の光パワーレベルと“現在”の光パワーレベルとの非直線性から算出
することが望ましい。
必要に応じて,補正係数は,式(21)を用いて算出する。
NL
10
CFchange,NL
10 (21)
ここに, NL : 非直線性であり,デシベル(dB)で表示する。非直線性の測定は,
箇条7に示す。
5.3.3.4 ビーム形状の変化に起因する補正係数
補正係数は,ビーム形状を変えたときに測定する感度変化から算出する。
5.3.3.5 多重反射の依存性に起因する補正係数
一般に,参照標準器の光入力端子には,反射が生じるものと想定するのが望ましい。こうした反射は,
発光源に戻って,再度反射され,表示する光パワーレベルが増加することになる。したがって,補正係数

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(通常<1)が必要となり,不確かさ増大の原因となる。
例えば,参照標準器の校正で非反射性の光源を使用し,被測定器の校正で(光コネクタに起因する)反
射性をもつ光源を使用した場合は,参照標準器に表示される総光パワーは二次反射分だけずれる。この二
次反射が,総光パワーを5 %増加させると仮定した場合,それぞれの補正係数は0.95となる。この種類の
誤差は,高吸収率のエンクロージャをもち,低反射率のコネクタ及びアダプタ対を組み込んでいる光源を
使用することによって低減することができる。
5.3.3.6 波長変化に起因する補正係数
補正係数は,波長の公称変化 及び,波長に対する参照標準器の公称波長依存性c 侮
することが望ましい。
CFchange, 1 c (22)
5.3.3.7 スペクトルバンド幅変化に起因する補正係数
補正係数は,スペクトルバンド幅の公称変化及びスペクトルバンド幅に対する参照標準器の公称依存性
に基づいて算出することが望ましい。発光源のスペクトルバンド幅内で(未補正の)波長依存性が線形で
ある限り,補正係数は1となることに留意する。波長依存性が曲線の場合は,参照標準器の波長依存性,
及び両光源(参照標準器の校正で使用した光源及び被測定器の校正で使用した光源)のスペクトルに基づ
いて補正係数を算出する。
5.3.3.8 その他の補正係数
参照標準器の種類及び校正条件によっては,その他の補正係数が必要となる場合がある。これらについ
ても,上記と同様の測定又は推定を行うことが望ましい。
5.3.4 被測定器に起因する不確かさ
被測定器に起因する不確かさは,主に校正条件の不確かさ及びその条件における被測定器の依存性が原
因である。次の不確かさを評価する必要がある。これらの決定は,5.3.2と同様である。不確かさの算出は,
附属書Aに規定し,条件の依存性の測定は,6.2.1に規定する。
a) 被測定器の温度依存性による不確かさ。
b) 被測定器の相対湿度依存性による不確かさ。積分球を備えた光パワーメータは,狭帯域レーザ光源を
使用する場合には,特に水の吸収ピークに敏感である。
c) ビーム形状の依存性による不確かさ。 この不確かさは,被測定器の光入力端子の不均一性及び角度依
存性に起因する。
d) 多重反射の依存性による不確かさ。多重反射は,光入力端子と放射光源(例えば,コネクタ及びアダ
プタ対)との間に発生することがある。器具が異なると,測定光パワーは変わる場合がある。
e) 被測定器の波長依存性による不確かさ。
f) 被測定器のスペクトルバンド幅依存性による不確かさ。
g) 被測定器の偏光状態の依存性による不確かさ。ただし,無偏光又は無偏光化された光を用いた場合を
除く。
h) 光学干渉による不確かさ。検出器表面及び検出器窓の表面並びにコネクタ端面の間にファブリーペロ
ー共振器が形成されることがある。
i) 被測定器の分解能による不確かさ。被測定器の分解能が,δyDUTである場合には,標準不確かさは式(23)
のようになる(GUM,F.2.2.1を参照)。
1
uDUT, resolutionyDUT (23)
2 3

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JIS C 6186:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61315:2005(IDT)

JIS C 6186:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6186:2008の関連規格と引用規格一覧