JIS C 6186:2008 光ファイバ用光パワーメータ校正方法 | ページ 5

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C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
j) 被測定器のその他の依存性による不確かさ。被測定器の種類及び校正手順によっては,不確かさを引
き起こすその他の条件がある。
以上から,被測定器の合成標準不確かさは,標準不確かさから算出する。
n
2
uDUT uDUT, i (24)
i1

5.4 結果の報告

  各校正結果は,JIS Q 17025に準拠して報告することが望ましい。この規格に準拠した校正証明書又は校
正報告書には,少なくとも,次の情報を含む必要がある。
a) 5.1で規定したすべての校正条件。
b) 被測定器が調整されていない場合には,被測定器の補正係数又は偏差。
c) 被測定器が調整済の場合は,被測定器の調整前の補正係数(又は偏差)及び調整後の補正係数(又は
偏差)。
d) 5.3で規定した拡張不確かさの形式における校正不確かさ。
e) 校正中の,被測定器の機器状態
f) トレーサビリティの証拠[JIS Q 17025の5.10.4.1 c)参照]

6 校正済光パワーメータの測定不確かさ

  校正済光パワーメータの測定不確かさは,校正不確かさよりも大きい。それは,校正不確かさ及び光パ
ワーメータの測定条件に対する依存性による不確かさの組合せとなる。
基準条件又は動作条件において使用する校正済光パワーメータの測定不確かさの決定は,校正手順には
含まない。それは,例えば,仕様を規定するために,光パワーメータの製造業者が実施する。また,それ
は,校正証明書又はこの規格に準拠した校正報告書の必す(須)事項ではない。

6.1 基準条件での不確かさ

  基準条件は,光パワーメータの性能試験又は相互比較に使用する。それらは,通常,測定機器の最小の
不確かさを規定するのに製造業者が定義付けするため,校正条件と同一又はそれに近い条件になることが
多い。
基準条件の不確かさは,基準条件で動作している校正済で,かつ,調整済の光パワーメータによる測定
結果の不確かさとなる。それは,光パワーメータの校正不確かさ及び基準条件並びに光パワーメータの基
準条件に対する依存性に依存する。これが,基準条件の不確かさが校正の不確かさより常に大きい理由で
ある。基準条件が校正の条件(条件の変更による不確かさはなし)と同じでも,基準条件への被(光パワ
ー)測定器の依存性は,別の時間のために校正の不確かさに加え(求積法において)なければならない。
校正済光パワーメータの基準条件における不確かさの算出は,5.3.2に規定した参照標準器の校正条件にお
ける測定不確かさの算出と同様である。
u2 CFDUT
uDUT, refcondition 2
uDUT (25)
ここに, u(CFDUT) : 5.3で決定する被測定器の校正不確かさ
uDUT : 5.3.4で決定する被測定器の基準条件の依存性による不
確かさ
基準条件の記載は,5.1に規定した校正条件と同様に行うことが望ましい。

――――― [JIS C 6186 pdf 21] ―――――

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C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)

6.2 動作条件での不確かさ

  動作条件での不確かさ(又は動作不確かさJIS C 1005の3.2.11参照)は,動作条件の範囲内で動作する
校正済で,かつ,調整済の光パワーメータによる測定結果の不確かさとなる。それは,校正不確かさ及び
動作条件並びに光パワメータの動作条件に対する依存性に依存する。
u2 CFDUT
uDUT, operating 2

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                                               uextension
ここに, u(CFDUT) : 5.3で決定する被測定器の校正不確かさ
uextension : 式(27)で決定する光パワーメータの動作条件依存性によ
る拡張不確かさ
5.1に規定した校正条件の場合と違って,各動作条件は,可能であれば範囲で記載することが望ましい。
一連の動作条件は,次に規定する。
a) 再校正の最大時間間隔
b) 周囲の温度範囲
c) 光パワーレベルの範囲(測定範囲)
d) スポット径及び開口数(NA)によって記載するビーム形状の範囲又は適用可能な光ファイバタイプ
e) 適用可能なコネクタ及びアダプタ対(存在する場合)
f) 光源の波長の範囲
g) 光源の最大スペクトルバンド幅
特に規定がない限り,動作条件には,とり得るすべての偏光状態を含む。また,結露点以下の相対湿度
を想定している。
上記の条件は,光パワーメータの製造業者又は動作条件での校正を行う校正機関のいずれかが指定する
ことができる。拡張不確かさを算出するためには,各条件に対する依存性によるすべての不確かさを合算
する。
n
2
uextension (27)
uextension,i
i1
ここに, uextension,i : 拡張不確かさに寄与する項目
n : 寄与する項目の総数
6.2.1 測定条件依存性の決定
個々の依存性は,動作範囲内で,関連条件を変化させることによって光パワーメータの感度の相対変化
を記録することが望ましい。試験の間,その他のすべての条件を校正条件に保持することが望ましい。ゼ
ロ点の決定は,校正条件での感度によって定義する。この方法で,正及び負の最大感度変化によって定義
する範囲について,各依存性を規定することができる。通常,図5に示すように,ゼロ点に対して非対称
な範囲が得られる。

――――― [JIS C 6186 pdf 22] ―――――

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図5−拡張不確かさの決定及び記録
高い測定精度を得るために,箇条4のガイドラインを守ることが望ましい。測定中の不確かさは可能な
限り小さくすることが望ましい。なぜなら測定結果には,その不確かさを含むからである。既知の物理的
な関連性,又は同形の被測定器での十分に多くの特性試験に基づいて推定する場合は,測定の代わりに推
定値を使用することができる。
動作条件における被測定器の合成標準不確かさを決定するためには,個々の依存性を定量化した限界値
を,式(A.6)を用いて標準不確かさに変換する必要がある。
個々の不確かさは,通常,独立していると仮定する。ただし,一部の事例では,不確かさが複数の条件
に強く依存することがある。幾つかの例を,6.2.4,6.2.6及び6.2.7に示す。(指定動作範囲内の)その他の
動作条件を変化させることによって拡張不確かさが実質的に増大する場合は,大きい方の不確かさを記録
する。その後,不確かさの算出はこの大きい方の不確かさを基に行わなければならない。
6.2.2 経時変化
経時変化は,ある期間内の感度の相対変化である。それは,同一条件における光パワーメータの連続的
な校正の結果又は製造業者の指示によって決定することができる。
製造業者にとって,ある期間における感度の相対変化の決定は,測定器が注意深く使用されると仮定し
て決定する。光パワーメータは,その典型的な環境条件の下で試験するのが望ましい。例えば,実験室の
機器は,23±1 ℃の周囲温度で,光入力端子には光を照射しないで,12時間の電源オン及び12時間の電
源オフの連続反復サイクル試験を行う。総試験時間は,その試験期間に等しくする。感度の変化は,実用
標準との比較によって測定するのが望ましい。実用標準の経時変化を排除するには,実用標準の規則的で
トレーサブルな再校正が必要になる。ここで,測定不確かさ,この場合は主に実用標準の不確かさを考慮
するのが望ましい。
前記の規定に従い,経時変化の不確かさをく(矩)形分布から算出することを推奨する(A.2参照)。例
えば,特定の波長で検出器が1年当たり最大0.1 %の割合で感度を増大することが知られている場合,経
時変化の不確かさは,0 %(時点0のとき)から+0.1 %(時点1年のとき)まで広がるく(矩)形分布
によって表す。
6.2.3 温度依存性
校正条件における感度の相対変化は,動作温度範囲内で温度を変化させることによって測定するのが望
ましい。感度における正負の最も大きい相対変化によって,不確かさのく(矩)形分布を決定する。この
場合,温度の関数としての感度の最大最小であって,温度の最高最低での感度ではないことに注意する(図
5参照)。
なお,半導体検出器の感度の温度に対する感度係数は,波長に依存することに注意する。
6.2.4 光パワーレベル依存性(非直線性)

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校正光パワーレベルにおける感度の相対変化は,箇条7に従って測定するのが望ましい。
6.2.5 光ファイバの種類又はビーム形状依存性
光ファイバ光パワーメータは,光ファイバ又は空間ビームを受光できるように設計する。光パワーメー
タの感度は,例えば,光パワーメータの光入力端子の不均一性及び角度依存性のために,光ビームの形状
に依存すると考えられる。感度の相対変化は,次の条件を満足する実用標準を使用して測定するのが望ま
しい。
a) 角度依存性が無視できる。
b) 表面反射が無視できる。
c) 光ファイバビーム又は空間ビームを受光するのに十分に大きい受光面である。
十分に評価された積分球を備えた光パワーメータを実用標準として使用することは,一つのよい方法で
ある。
図6−空間感度測定のための光学的基準面を10×10個の正方形の分割区分
もう一つの方法は,被測定器の光学的基準面の不均一な空間感度に起因していると考えられるすべての
不確かさを,数学的解析によって評価することである。これを行うには,光学的基準面としての受光面を
正方形,例えば,図6に示す10×10個に細分するのが望ましい。
次の二つのタイプの測定を実施することが望ましい。
a) 適切なビーム形状によって発生する光学的基準面上の空間光パワー密度及び入射角度の測定
b) 被測定器の光学的基準面上での斜め入射角依存性(角度依存性)を表す適切な乗数で補正された被測
定器の空間感度の測定。この空間感度は,細分割された正方形の一辺の長さに等しい直径をもつ光ビ
ームで測定するのが望ましい。
必要な測定結果のモデル化に基づき,(空間の)光パワーレベルに空間感度を乗じ,これらすべての積を
加算することによって,ビームパラメータの変化に対する感度の変化を評価することができる。空間感度
は,通常,波長に依存することに留意する。
6.2.5.1 光ファイバ依存性の測定
光ファイバに関係する不確かさの測定では,測定の対象である光ファイバは,コアの直径及び開口数
(NA)の両方について十分に励振するのが望ましい。光ファイバの長さは,約2 mを推奨する。必要であれ
ば,クラッド中の光パワー(クラッドモード)を適切なモードストリッパで除去するのが望ましい。光フ
ァイバは,校正条件によって定められるコネクタ及びアダプタ対によって結合するのが望ましい。コネク

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C 6186 : 2008 (IEC 61315 : 2005)
タ及びアダプタ対並びに検出器の間の多重反射が測定結果に影響を与えないようにするためには,コネク
タ及びアダプタがともに低反射率であるのが望ましい。また,光源のスペクトルバンド幅は広範囲の波長
にわたっての平均化を避けるために十分狭くするのが望ましい。
ステップ1: 基準光ファイバの出力を実用標準及び被測定器の両方で測定し,その差を(数学的に)補
正して0にする。
ステップ2: 上記の手順を次に適用する。
a) EC 60793-2によって定義する標準シングルモード光ファイバ
b) (指定された)最大のコア径をもつ光ファイバ,及び/又は最大の開口数(NA)をもつ
光ファイバ
この試験の意図は,被測定器の光ファイバの種類及び光ファイバ内を伝搬しているモード数を測定する
ことである。
光ファイバに関係する不確かさを決定するためには,ステップ1に対する感度の最大相対変化(正又は
負)を用いるのが望ましい。この不確かさには,実用標準で光ファイバ出力を測定するときの不確かさ,
例えば,不均一性及びビーム拡散放射並びに実用標準の多重反射を原因とする不確かさを含む。
これらの測定では,光入力端子の不均一性に関連した“スペックル”を原因として,著しいタイプA不
確かさが生じることがある。スペックルは,マルチモード光ファイバ中の異なったモード間の干渉によっ
て生じる不規則な照射分布である。この効果は,レーザダイオードからの(高度のコヒーレンスをもつ)
放射によって光ファイバが励振されるときに,顕著である。この不確かさは,光ファイバをわずかに移動
させるごとに測定された一連の測定結果を平均化することで減少できる。
光ファイバの移動は,スペックルパターンを変化させる。この光ファイバの移動は,総放射光パワーの
変化が伴うことがあることに留意する。総放射光パワーが変化する原因は,反射光パワー変動及びレーザ
ダイオードの反射戻り光依存性に起因している。
励振波長が,光ファイバのカットオフ波長よりも十分に長い場合,シングルモード光ファイバ中には,
スペックルは存在しない。スペックルパターンを除去する可能性がある別の方法は,LED又は(フィルタ
された)“白色”放射光源のようなコヒーレンスの少ない光源を用いることである。
6.2.5.2 空間ビーム依存性の測定
光ファイバの依存性の測定と同様に,空間光ビームのスポット径及び開口数(NA)への依存性は,均一な
大面積検出器をもち,角度依存性を無視することができる実用標準との比較によって評価することができ
る。スポット径及び開口数(NA)への依存性の組合せの問題に対処するために,次の事項を評価する。
a) 指定する最小のスポット径,最小の開口数(NA)で励振することによる(校正条件の感度に対する)
感度の相対変化。
b) 指定する最大のスポット径及び最大の開口数(NA)で励振することによる感度の相対的変化。
6.2.6 コネクタ及びアダプタ対依存性
この規格では,光入力端子及び放射光源間の多重反射に対する被測定器の依存性について規定する(例
えば,光源及び光入力端子との間のビーム経路中にある光コネクタ又はその他の機械的な部品)。反射が正
反射又は拡散反射になることがあることに留意する。
角度依存性及び表面反射が無視できる実用標準を用いて,感度の相対変化を測定することが望ましい。
光ファイバは校正条件の一つとすることが望ましい。測定中,曲げによって誘発される光パワーレベルの
変化を避けるため,光ファイバの端を定位置に保持することが望ましい。
ステップ1: 基準コネクタ及びアダプタ対とともに,(基準光ファイバに対応する)基準ビーム形状に

――――― [JIS C 6186 pdf 25] ―――――

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JIS C 6186:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61315:2005(IDT)

JIS C 6186:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6186:2008の関連規格と引用規格一覧