この規格ページの目次
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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
国家標準を維持する機関。
3.13
ナチュラル標準(natural standard)
参照標準を具現するのに用いることができる,原子又は分子の遷移。
3.14
動作条件(operating conditions)
測定器の測定の不確かさを規定するための,影響量の範囲を規定したもの。通常,基準条件よりも広い
範囲で規定する。
(ISO/IEC Guide 99:2007の4.9を参照。一部修正)
注記 動作条件及び動作条件下の不確かさは,通常,製造業者が使用者の便宜のために規定する。
3.15
動作範囲(operating range)
ある動作条件に対応して規定する数値範囲。
3.16
光入力端子(optical input port)
放射パワーを入力する,又は,光ファイバ端を接続する,光波長計(又は,標準器)の物理的入力部。
光路(レンズ,絞り,ライトガイドなどの光学素子の介在を含む,含まないにかかわらず)は,光入力端
子と検出器とを接続しているものとみなす。
3.17
基準条件(reference conditions)
測定器の性能試験のため,又は,測定結果の相互比較のために規定した使用条件。
(ISO/IEC Guide 99:2007の4.11を参照。一部修正)
注記 基準条件は一般に,測定器に影響を及ぼす影響量の基準値又は基準範囲を含んでいる。
3.18
参照光波長計(reference wavelength meter)
被試験光波長計の校正に基準として用いる標準器。
3.19
参照光源(reference source)
原子若しくは分子の遷移を用いて安定化したレーザ又は光周波数若しくは波長が既知である光周波数コ
ム。
3.20
参照標準(reference standard)
一般に,ある場所又はある組織内で利用できる最高の計量性能をもち,そこで行う測定の基になる標準。
(ISO/IEC Guide 99:2007の5.6を参照。一部修正)
3.21
被試験器(test meter)
参照光波長計又は参照標準と比較し校正する光波長計(又は標準器)。
3.22
トレーサビリティ(traceability)
不確かさを全て表記した,切れ目のない比較の連鎖を通じて,通常は,国家標準又は国際標準で決めた
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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
標準に関連付けられる測定結果又は標準の値の性質。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.41を参照。一部修正)
3.23
トレーサビリティの連鎖(traceability chain)
切れ目のない比較の連鎖(図1参照)。
(ISO/IEC Guide 99:2007の2.41及び2.42を参照。一部修正)
国家標準
国立標準機関
実用標準
認定校正機関
仲介標準
民間の校正機関
実用標準
被試験器
図1−トレーサビリティの連鎖の例
3.24
光波長計[wavelength meter (Michelson interferometer single-)]
マイケルソン干渉計に基づき,一つの光源の波長を測定することのできる機器。
注記 入力光パワーを測定できるよう設計した機器もあるが,大抵の光パワーメータよりも不確かさ
は大きい。
3.25
実用標準(working standard)
測定器を日常的に校正するために用いる標準。
(ISO/IEC Guide 99:2007の5.7を参照。一部修正)
注記 実用標準は,通常,参照標準で校正する。
4 校正の準備
4.1 組織
校正機関は,JIS Q 17025の要求を満たすことが望ましい。その場合,各校正のステップごとの作業指示
及び用いる装置を文書化した測定手順書をもたなければならない。
4.2 トレーサビリティ
トレーサビリティは,JIS Q 17025の要求を満たすことが望ましい。
校正手順で用いる全ての標準器は,あらかじめ,国立標準機関又は認定校正機関に対するトレーサビリ
ティを確保した上で,手順書に従って校正する。校正手順の各々の階層ごとに複数の標準器を維持するこ
とで,標準器の性能を同一階層内で比較検証できるようにすることが望ましい。
校正結果に重大な影響を及ぼすその他全ての試験装置が,全て校正済みであることを確認する。また,
必要に応じて,これらの試験装置及びそのトレーサビリティの連鎖を規定する。再校正の周期も規定し,
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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
文書化する。
4.3 測定及び校正に関する注意事項
ここでは,光波長計の全ての測定及び校正に関する一般的な注意事項を示す。
校正は,温度制御下の環境で行うことが望ましい。推奨温度は,23 ℃とする。必要な不確かさによって
は,測定中,温度,気圧及び湿度の監視が必要になる場合がある。これは,空気屈折率がこれらの要因の
関数になっているためである。環境が機器動作の仕様の範囲内であることを確実なものとするため,湿度
制御が必要になる場合がある。
測定室は清浄に保ち,光コネクタ及び光入力端子は測定前に常に清掃し,光波長計の光コネクタは品質
及び汚れがないことを確認することが望ましい。光波長計は,精密な機械式機器であるため,光パワーメ
ータの校正での要求とは逆に,光ファイバの方を必要に応じて機器の方へ動かすことが望ましい。
レーザダイオードは,戻り光に敏感である。安定性を増すために,レーザダイオードと被試験器との間
に光アイソレータを用いることが望ましい。
また,光パワーを表示する機器は,JIS C 6186の校正手順を参照する。外部共振器レーザのような狭い
線幅(例 50 kHz)の光源は長い可干渉距離を引き起こすことがあり,注意することが重要である。可干
渉性の反射は,光パワーの合計ではなく電界のベクトル和として加わる。
ナチュラル標準に基づく参照光源を用いた場合,参照光波長計を用いた校正よりも小さい不確かさが得
られる。
4.4 使用者への推奨事項
あるITU-T波長帯(附属書D参照)内において1点の光波長計校正を行った場合,その波長帯にわたっ
て十分であると期待できる。隣接した波長帯に対して校正を外挿することによる不確かさの増加は,個々
の機器の設計に応じて決定しなければならない。
5 単一波長校正
5.1 一般事項
光波長計の波長校正は,参照標準との比較に基づいて行い,その不確かさは,被試験器の安定性,ON/OFF
再現性,波長依存性及び光コネクタの再現性の寄与からなる。
補正は,校正結果に基づいて行う。
ON/OFF再現性の測定によって,機器の不確かさ計算への寄与が得られる。内部波長基準の安定化の再
現性及び光軸合わせの安定性が,この不確かさ寄与の主な成分である。
波長依存性の測定も,機器の不確かさ計算への寄与を与える。この測定には,次の目的がある。
a) 機器内で,空気屈折率に対する補正が,正しく行われたことを検証する。
b) 切捨て誤差によって生じる不確かさ寄与を決定する。
c) 被試験器内において,光路長が有限であることによって生じる不確かさ寄与を決定する。
d) 波長に依存する光ビームの偏向など,光軸合わせによる系統的な影響を決定する。
校正は,波長ロック特性用モニタ付きの参照光源を用いるか,又は参照光波長計を用いることで行うこ
とができる。
測定結果の取得は,コンピュータ制御によって行うことが望ましい。
5.2 校正条件の設定
校正条件のいかなる変化も誤った測定結果を生じさせる場合があるため,これら条件を設定し維持する
ことは,校正において重要である。校正条件は,想定する動作条件に近いものであることが望ましい。こ
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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
れによって,動作環境での(付加的な)不確かさをできるだけ小さくすることができる。校正条件は,可
能な場合,不確かさをもった公称値の形で規定することが望ましい。この規格の要求を満たすためには,
校正条件として少なくとも次の事項を含まなければならない。
a) 校正日
b) 周囲温度及びその不確かさ(例 23 ℃±1 ℃)。測定の間,温度が規定の範囲内に収まっていること
を確認するために,連続的なモニタが必要になる場合がある。
c) 大気圧(例 1 020 hPa1 025 hPa)。測定の間,大気圧が規定の範囲内に収まっていることを確認する
ために,連続的なモニタが必要になる場合がある。
d) 相対湿度(例 30 %50 %)。測定の間,相対湿度が規定の範囲内に収まっていることを確認するた
めに,連続的なモニタが必要になる場合がある。特に指定がない場合,校正は結露の起こらない相対
湿度で行う。
e) 光入力パワー(機器の許容仕様内でなければならない。)。
f) 光コネクタの種類及びその研磨タイプ
g) 標準物質の詳細又はその識別番号。例えば,ガス吸収セルに対するもので,次による。
1) ガス種及び同位体 例 13C2H2
2) 光路長 例 15 cm
3) 容器内の圧力 例 1 000 Pa
4) 遷移 例 R(21)
h) 励起光源の中心真空波長又は光周波数,及びその不確かさ
i) 遷移にロックした光源を用いる場合,そのロック特性は測定中,連続的にモニタしなければならない。
これはロックインジケータで確認することができる。
注記 上記の条件でも,全てを網羅しきれていない可能性がある。測定不確かさに重大な影響を及ぼ
すパラメータがその他にある場合があるため,その場合は合わせて報告することが望ましい。
5.3 校正手順
5.3.1 一般事項
校正手順の概要は,次による。
a) 適切な校正条件を設定し記録する(5.2参照)。全ての機器の電源を入れ,安定化するのに十分な時間
を待つ。
b) 参照光源を立ち上げる。
c) 旧型の機器では設計上,光コネクタを介して光ファイバからの光を直接,干渉計内に導入することが
ある。この場合,干渉計の光軸を決定するため,基準信号光(一般にヘリウムネオンレーザ)の一部
が機器から出てくる。被試験光波長計からのこの余剰基準信号強度を最大化することによって,光コ
ネクタの光軸合わせを最適化する。このときの光パワーは,直線性のよい光パワーメータを用いて測
定する。
d) 取扱説明書に従って,被試験光波長計の機器状態を設定する。単位は適切なものを選ぶ。
e) 光波長計の機器状態を記録する。
5.3.2 測定系の構成
図2に,ロック特性モニタQをもつ参照光源Sを用いた構成を示す。周囲の温度,気圧及び湿度をモニ
タする必要がある場合がある。湿度による屈折率の変動は,1 550 nmにおいて±4×10−7よりも小さい。
相対湿度のモニタリングは必須ではなく,最高の仕様性能を得る場合だけ必要になる。
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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
略記号
C 制御用コンピュータ
F 光ファイバ接続
I コンピュータインタフェース接続
M モニタ接続
P 基準光パワーメータ
Q ロック特性モニタ
S 参照光源
W 被試験光波長計
図2−ロック特性モニタ信号を用いた光波長計測定
光源からのロック特性モニタ信号がない場合,ロック特性をモニタするために,参照光波長計を用いる
(図3)。ロックがない条件では,ロック状態と比較して測定結果が大きくドリフトする。この測定は,参
照光波長計及び被試験光波長計の両方で同時に行うことが重要である。
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JIS C 6187-2:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62129-2:2011(IDT)
JIS C 6187-2:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.30 : 光増幅器
JIS C 6187-2:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6186:2008
- 光ファイバ用光パワーメータ校正方法
- JISC6186:2020
- 光ファイバ用光パワーメータ校正方法
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項