JIS C 6187-2:2014 光波長計―第2部:校正方法 | ページ 4

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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
g) 光コネクタの繰返し再現性の測定はこれで完了する。
n回の測定の平均中心波長は,式(20)を用いて算出する。
n
1
coni (20)
ctesti, j
n j1
ここに, λconi : n回(j=1, ···, n)の測定からなる,i番目の光コネクタ再現
性測定(i=1, ···, N)の平均波長
λctesti,j : 測定値
各接続における測定の不確かさは,式(21)を用いて算出する。
注記 式(21)は,式(A.3)に式(A.2)を代入した式に基づいている。
2/1
n
1 2
uctesti coni
ctesti, j (21)
n 1n j1
光コネクタの繰返し再現性による不確かさへの寄与は,式(22)及び式(23)を用いて算出する。
N
1
con coni (22)
N i1
N N 2/1
1 2 1 2
ucon coni con uctesti (23)
N 1 i1 N i1
ここに, ucon : 光コネクタ再現性の測定からの不確かさの寄与
N : 再現性測定の回数
光コネクタの繰返し再現性測定の各サイクルにおける測定回数nは,式(23)の右辺平方根中の第2項が
第1項と比べて無視でき,式(24)のように書けるよう,十分大きく選ぶことが望ましい。
N 2/1
1 2
ucon coni con (24)
N 1 i1

5.4 校正不確かさ

  次のリストは,完全ではない場合があることに注意する。測定の構成及び測定手順によって,更なる寄
与分を考慮することが必要になる場合がある。不確かさを計算し申告するために,数学的基礎(附属書A
参照)を用いることが望ましい。
a) 安定性の測定
b) N/OFF再現性測定
c) 波長依存性の測定
d) 光コネクタの繰返し再現性
e) 参照標準の不確かさ
f) 光源の不確かさ(ナチュラル標準に対する光源の安定度)
g) 被試験光波長計の表示分解能

5.5 結果の報告

  各校正の結果は,JIS Q 17025に準拠して報告することが望ましい。この規格に準拠した校正証明書には,
少なくとも,次の事項を記載する。
a) 5.2に規定する校正手順の,全ての校正条件。
b) 被試験器の調整を行わない場合,被試験器の補正係数又は偏差

――――― [JIS C 6187-2 pdf 16] ―――――

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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
c) 調整を行う場合,受取り時の補正係数又は偏差,及び調整後の補正係数又は偏差
d) 5.4及び附属書Aに規定する,拡張不確かさの形式における校正不確かさ
e) 校正中の被試験器の機器状態
f) 測定がトレーサブルであることの証拠[JIS Q 17025の5.10.4.1 c)を参照]。

6 絶対光パワー校正

  光波長計が光パワー測定の機能をもつ場合,JIS C 6186を用いて校正しなければならない。この場合,
機器の移動に対する制限(4.3参照)に配慮する。

――――― [JIS C 6187-2 pdf 17] ―――――

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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
附属書A
(規定)
数学的基礎
A.1 一般事項
この附属書は,測定の不確かさについて評価,合成及び報告するための形式をまとめている。これは,
ISO/IEC Guide 98-3:2008に基づく。より多くのアドバイスを得るためには,このガイドを参照する必要が
ある。
この文書では,測定の不確かさの評価方法について二つのタイプに区別する。タイプAは,同じ測定量
に対する一連の測定を統計的に分析し,不確かさを評価する方法である。タイプBは,その他の知識に基
づいて不確かさを評価する方法である。
A.2 タイプA評価の不確かさ
タイプA評価の標準不確かさは,同じ測定条件の下,ある量を何回か独立して観測した場合に適用でき
る。
n回の独立な繰返し観測Xiから見積もった量Xについて,算術平均は,式(A.1)を用いて算出する。
n
1
X Xi (A.1)
n i1
この平均値を,当該量の推定値として用いる。つまり,x=Xとする。その観測の実験標準偏差は,式(A.2)
を用いて算出する。
n 2/1
1 iX
2
sX X (A.2)
n 1 i1
ここに, X : 観測値の算術平均
Xi : 一連の測定の測定サンプル
n : 測定の回数で,大きな数値(例 n≧10)とする。
推定値をxに関するタイプAの標準不確かさutypeA(x)は,平均値の実験標準偏差であり,式(A.3)を用い
て算出する。
sX
utypeA x sX (A.3)
n
A.3 タイプB評価の不確かさ
タイプB評価の標準不確かさは,一連の観測の統計的な分析以外の手段によって不確かさを評価する方
法である。ここでは,量の変動に関する入手可能なあらゆる情報に基づいた科学的な判断によって評価す
る。
ある量Xの推定値xが,製造業者の仕様,校正証明書,ハンドブック又はその他の情報源から得られ,
その引用した不確かさU(x)が,標準偏差のk倍である場合,標準不確かさu(x)は,単に引用した値を乗数
kで除したものとなる[式(A.4)参照]。
ux Ux/ (A.4)
量Xについて,上限の値Xmax及び下限の値Xminだけが見積もれる場合(例 製造業者の仕様又は温度範

――――― [JIS C 6187-2 pdf 18] ―――――

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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
囲)には,く(矩)形の確率分布を仮定し,推定値xは,式(A.5)を用いて算出する。
1
x Xmax Xmin (A.5)
2
標準不確かさは,式(A.6)を用いて算出する。
1
ux Xmax Xmin (A.6)
2 3
入力推定値xに関連する標準不確かさが原因となる,出力推定値yに関する標準不確かさへの寄与は,
式(A.7)を用いて算出する。
uy c u (A.7)
ここに, c : 入力推定値xに関する感度係数
A.4 合成標準不確かさの決定
合成標準不確かさは,幾つかの各不確かさを一つにまとめたものである。合成標準不確かさは,各不確
かさが統計上互いに独立であるとして,タイプA及びタイプB評価によって得た全ての標準不確かさの二
乗和平方根として算出する。
N
uc y ui2 y (A.8)
i1
ここに, i : 個々の要因の番号
ui(y) : 個々の標準不確かさ
N : 不確かさの数
注記 この式では,最大の要因の10分の1以下の不確かさは,二乗すると100分の1以下になるため
無視してもよい。
上記の量を基に,更に,不確かさを計算する場合は,合成標準不確かさucを式(A.8)に再度代入すればよ
い。ここで,ucは,部分的にはタイプA起源であるが,タイプBの不確かさを示していると考えることが
望ましい。
A.5 不確かさの報告
校正報告書及び技術的なデータシートにおいて,合成標準不確かさは,適用できる信頼の水準とともに,
拡張不確かさの形で報告する。補正係数又は偏差についても報告する。拡張不確かさUは,標準不確かさ
uc(y)に包含係数kを乗じることによって得る。
U k uc(y) (A.9)
約95 %の信頼の水準(規定値)に対してはk=2となる。約99 %の信頼の水準を選択する場合,k=3と
なる。前記のkの値は,ある条件の下で有効なものである(ISO/IEC Guide 98-3:2008参照)。これらの条
件を満たさない場合,より大きい包含係数を,これらの信頼の水準を達成するために用いることが望まし
い。

――――― [JIS C 6187-2 pdf 19] ―――――

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C 6187-2 : 2014 (IEC 62129-2 : 2011)
附属書B
(参考)
外れ値の棄却
B.1 概要
光波長計は,時々,真値から非常に離れた誤った波長測定値を示すことがある。これは,レーザの干渉
性,光パワーレベルの変調又はフリンジ逓倍系の不正確な動作といった要因によって生じる。これらの外
れ値を棄却しない場合,平均値は偏ったものになり,データセットの標準偏差は,過大評価したものにな
る。
B.2 前提
分析上の要求から,平均値の見積りを得るのに用いるデータサンプルは,標準偏差の見積りが妥当にな
るように十分に多くすることが望ましい。しかし,これは,統計の信頼性,サンプルの量及び取得時間と
のトレードオフになる。
B.3 測定及び解析手順
データセットに外れ値が存在することが疑われる場合,次のようにGrubbs検定[1],[2],[3] 1) を適用す
ることが望ましい。
注1) 角括弧内の数字は,参考文献の番号を示す。
a) データセットを取得する。
b) サンプルの平均及び標準偏差を計算する。
c) 平均から最も離れたデータ点xextをとり,式(B.1)を用いてZを算出する。
xext x
Z (B.1)
s(x)
ここで,s(x)は,式(A.2)を用いて算出する。
d) 表B.1に示す臨界値Zcと値Zとを比較する。Z>Zcの場合,極端な値xextが外れ値である確率は,95 %
である。この値を棄却し,b) d)を適切なサンプル数Nに対してZ になったとき,サンプルの全てのデータ値を有効な読み値とみなすことができる。

――――― [JIS C 6187-2 pdf 20] ―――――

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JIS C 6187-2:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62129-2:2011(IDT)

JIS C 6187-2:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6187-2:2014の関連規格と引用規格一覧