JIS C 62133-2:2020 ポータブル機器用二次電池の安全性―第2部:リチウム二次電池 | ページ 2

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過剰な内部圧力を低下し,開裂又は破裂を防止するための単電池又は組電池のガス排出弁の作動。
3.11
開裂(rupture)
内部又は外部の要因によって,電池容器が破れ,内容物が露出又は流出する現象。
3.12
破裂(explosion)
電池容器が猛烈な勢いで破れ,内容物が強制的に放出される現象。
3.13
発火(fire)
電池から炎が放出される現象。
3.14
(対応国際規格の用語を不採用とした)
3.15
(対応国際規格の用語を不採用とした)
3.16
リチウムイオンポリマー単電池(lithium ion polymer cell)
ゲルポリマー電解質,又は固体ポリマー電解質を使用し,液体電解液を使用していない単電池。
3.17
(対応国際規格の用語を不採用とした)
3.18
基準試験電流,It(reference test current)
JIS C 8711の7.1(一般事項)に規定されている電流。この規格では,基準時間5時間に対応した式It A
=C5 Ah/1hによって表現される電流。
3.19
上限充電電圧(upper limit charging voltage)
単電池製造業者が指定する単電池に対する充電時の上限電圧。
3.20
最大充電電流(maximum charging current)
単電池製造業者が指定する単電池に対する充電電流の上限値。
3.20A
標準温度域(standard temperature range)
単電池製造業者が指定する上限充電電圧及び最大充電電流で充電できる単電池表面の温度領域。
3.20B
下限試験温度(lower limit test temperature)
標準温度域の下限で行う試験に使用する周囲温度。
注記 下限試験温度は,表2に規定されている。
3.20C
上限試験温度(upper limit test temperature)
標準温度域の上限で行う試験に使用する周囲温度。
注記 上限試験温度は,表2に規定されている。

――――― [JIS C 62133-2 pdf 6] ―――――

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3.20D
下限充電温度(lower limit charging temperature)
単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度の下限値。
3.20E
上限充電温度(upper limit charging temperature)
単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度の上限値。
3.20F
低温度域(low temperature range)
最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,
上限は標準温度域に隣接し,下限は下限充電温度である領域。
3.20G
高温度域(high temperature range)
最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,
下限は標準温度域に隣接し,上限は上限充電温度である領域。
3.21
コイン形電池(coin cell, coin battery)
直径より高さが小さい円筒形の単電池又は組電池。
3.22
円筒形単電池(cylindrical cell)
単電池の総高が,直径以上の円筒形状の単電池。
3.23
角形単電池(prismatic cell)
直方体の形をした単電池。
注記 曲面をもつもの及びラミネートフィルム容器の単電池を含む。
3.24
電池ブロック(cell block)
全ての正極端子が接続され,かつ,全ての負極端子が接続された複数個の単電池の集まり。
3.24A
保護素子
PTC素子,ヒューズなどの電流制御(遮断)素子。この素子は,電池が異常な高温となった場合に通電
を阻止し,電池の破裂又は発火を防止する。
3.24B
保護回路
過充電時の過電圧を検出し充電を停止する機能,過放電による低電圧時の放電を停止する機能,過大電
流の充放電を防止する機能,温度を検知して動作を制御する機能などをもつ電子回路。
3.24C
特殊な構造の組電池
はんだ付けその他の接合方法によって,容易に取り外すことができない状態で機器に固定して使用され
る組電池,端子配置が固定されていない組電池,又は部品を保持できる十分な強度をもった電池容器をも
たない組電池。これらの組電池は,使用者(消費者)が交換できるように設計されていない。

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3.25
機能安全(functional safety)
入力に応じて正常に作動する機能及び物理単位に依存する全体の安全の一部。
3.26
放電終止電圧(end-of-discharge voltage,final voltage)
単電池及び組電池の放電を終了する電池電圧。
注記 放電終止電圧は,製造業者が指定する。
3.26A
モデル
材料,部品,それらの使用量,寸法,配置などが同じように設計された製品の一群。

4 パラメータの測定許容差

  規定又は実測するパラメータに対する制御値又は測定値の精度は,次に示す許容差範囲になければなら
ない。
a) 電圧 : ±1 %
b) 電流 : ±1 %
c) 温度 : ±2 ℃
d) 時間 : ±0.1 %
e) 寸法 : ±0.1 mm
f) 容量1) : ±1 %
注1) 容量は,電流と時間との積で表す。
これらの許容差は,測定器具,使用する測定技術及び試験の手順における,その他全ての誤差の発生源
によって生じる総合的な精度を含む。
試験結果の報告に,使用した器具類の詳細を記載しなければならない。

5 安全性に関する一般事項

5.1 一般

  単電池又は組電池の安全性に関して,次の適用条件を想定する必要がある。
− 意図する使用
− 合理的に予見可能な誤使用
単電池及び組電池を,意図する使用及び合理的に予見可能な誤使用の双方の場合に安全であるように設
計し,製造しなければならない。単電池又は組電池は,合理的に予見可能な誤使用によって機能を失って
もよいが,重大なハザードを生じてはならない。また,単電池又は組電池の意図する使用においては,安
全で,かつ,あらゆる機能を継続しなければならない。
この規格が想定する潜在的ハザードは,次のとおりである。
a) 発火
b) 破裂
c) 漏液
d) 弁作動
e) 外部加熱による発火

――――― [JIS C 62133-2 pdf 8] ―――――

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f) 内容物が露出するような組電池容器の開裂
単電池及び組電池の5.25.8に対する適合性は,箇条7の試験,適切な規格(箇条2)及び表1によっ
て確認する。ただし,内部抵抗が3 Ωを超えるコイン形電池は除く。コイン形電池の内部抵抗の測定は,
附属書Dに従って実施しなければならない。

5.2 絶縁及び配線

  正極端子と組電池外部に露出した金属表面(電気的接触面を除く。)との間の絶縁抵抗は,直流500 Vを
60秒間印加後に5 MΩ以上とする。
内部配線及び絶縁は,予想される最大の電流,電圧及び温度に関する要求事項に耐えなければならない。
配線は,導電部の間に適切な空間距離と沿面距離とを保たなければならならない。また,内部接続の機械
的強度は,意図する使用に対して対応できなければならない。

5.3 弁作動

  組電池の容器及び単電池は,内部圧力を低下させる機構を設けるか,又は開裂,破裂若しくは発火を予
防するために設けた内部圧力の数値若しくは割合に至ったときに,過剰な内部圧力を低下させるように設
計しなければならない。外側容器の内部において単電池が支持材で固定されている場合,支持材の種類及
び支持の方法は,組電池が通常の作動において過熱を引き起こすものであってはならず,また,圧力低下
を妨害するものであってはならない。

5.4 温度,電圧及び電流の管理

  組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。また,組電池は,単電池製造
業者が指定する温度,電圧及び電流の限界レベルに制限する対策を備えなければならない。
単電池製造業者は,組電池製造業者に温度,電圧及び電流の制限値の情報を提供しなければならない。
組電池製造業者は,機器製造業者に温度,電圧及び電流の制限値の情報を提供しなければならない。

5.5 端子接続部

  端子接続部は,接続部で予想される最大電流を確実に流すことができる寸法及び形状でなければならな
い。外部の端子接続面は,良好な機械的強度及び耐腐食性を備えた導電材料によって構成する。端子接続
部は,短絡のリスクが最小限となるように配置しなければならない。

5.6 組電池への単電池組込み

5.6.1 一般
組電池は電流,電圧,温度及びその他の安全要求に対するパラメーターに対して,独立した制御保護機
能をもち,単電池を作動領域内に維持しなければならない。ただし,制御保護機能は,充電器及び最終製
品のような外部機器から組電池へ提供してもよい。この場合,組電池製造業者は,この安全関連情報を充
電器製造業者及び最終製品製造業者へ提供しなければならない。
単一の容器の中に二つ以上の組電池がある場合,各組電池は単電池を作動領域内に維持する保護回路を
もつことが望ましい。
単電池製造業者は,組電池製造業者及び組電池設計者が適切な設計と組立とを確実に可能とするために,
電流,電圧及び温度の制限値を指定しなければならない(附属書A参照)。
直列接続された単電池の一部を選択的に放電するように設計された組電池は,単電池製造業者によって
指定された範囲以外での単電池の作動を防ぐために,保護回路を組み込まなければならない。
保護回路部品は,適切かつ熟慮して最終製品に加えることが望ましい。組電池製造業者は,充放電条件
下の保護回路の故障分析を含み,適合性を確認する試験報告書とともに,組電池安全回路の安全性分析結

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果を提供することが望ましい。
5.6.2 設計上の留意事項
組電池を構成する各単電池又は各電池ブロックの電圧は,表2に規定する上限充電電圧を超えてはなら
ない。ただし,これらの各単電池又は電池ブロックの充電電圧を上限充電電圧以下に制限する機能がポー
タブル機器側にある場合には,機器側で上限充電電圧を超えていないことを確認しなければならない。
組電池設計者への要求事項及び推奨事項を次に示す。
a) 単一の単電池又は電池ブロックからなる組電池は,単電池の充電電圧が表2に規定する上限充電電圧
を超えてはならない。
b) 直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての各
単電池又は全ての各電池ブロックの電圧を監視し,各単電池又は各電池ブロックの電圧が表2に規定
する上限充電電圧を超えてはならない。
c) 直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての各
単電池又は全ての各電池ブロックの電圧を測定し,各単電池又は各電池ブロックが上限充電電圧を超
えたときに充電が停止しなければならない。
d) 直列接続された複数の単電池,又は電池ブロックからなる組電池では,充電器の公称充電電圧を過充
電保護としてみなしてはならない。
e) 直列接続された複数の単電池,又は電池ブロックからなる組電池を構成する単電池は,同程度の容量
をもち,同じ設計,同じ化学系及び同じ製造業者が製造したものが望ましい。
f) 単電池及び電池ブロックは,製造業者が指定する放電下限電圧を超えて放電しないことが望ましい。
g) 直列接続された単電池又は電池ブロックからなる組電池は,組電池の制御系に単電池バランス回路を
組み込むことが望ましい。
5.6.3 単電池及び組電池構成部品の機械的保護
意図する使用及び合理的に予見される誤操作による損傷防止のために,組電池内の単電池,単電池接続
部及び制御回路は,機械的に保護することが望ましい。この機械的な保護は,組電池の容器又は最終製品
に組み込む場合は,最終製品の外装によって提供が可能である。
組電池容器及び単電池の収納部は,単電池製造業者が推奨する充放電中の単電池の寸法公差に適応する
ように設計することが望ましい。
携帯可能な最終製品に組み込む組電池に対して機械的な試験を行う場合,最終製品に組電池を取り付け
た状態で試験を行うことが望ましい。
5.6.3A 鋭利な角による危害の防止
単電池及び組電池には,機能上必要でない限り,意図する使用の際に危害を及ぼすおそれがある凹凸の
ある角又は鋭い角があってはならない。該当する角が単電池及び組電池の容器,接続部などの機能上必要
である場合,使用者(消費者)が触れることがないように構造上の保護措置を講じなければならない。た
だし,使用者(消費者)が取り扱うことを想定しない,単電池又は特殊な構造の組電池にあっては,受渡
当事者間の合意による措置によってもよい。適否は,目視によって判定する。

5.7 品質計画

  単電池製造業者及び組電池製造業者は,単電池又は組電池の型式ごとの生産工程について,材料及び構
成部品,並びに単電池及び組電池の検査手順を指定する品質計画を策定し,実施しなければならない。単
電池製造業者及び組電池製造業者は,自社の工程能力を把握し,製品の安全性に関連する必要な工程を管
理することが望ましい。

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JIS C 62133-2:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62133-2:2017(MOD)

JIS C 62133-2:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 62133-2:2020の関連規格と引用規格一覧