JIS C 62133-2:2020 ポータブル機器用二次電池の安全性―第2部:リチウム二次電池 | ページ 8

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c) カッターナイフ
d) スライドガラス(2枚 : 厚さは1 mm以上)
e) 1 mm方眼紙
f) ニッケル小片の保存容器
A.6.2 ニッケル小片準備手順の例
次のステップで着手する。
a) 方眼紙を実体顕微鏡のステージに置き,方眼紙のます目に顕微鏡の焦点を合わせる。
b) 顕微鏡で見ながら,方眼紙の線に沿わせてニッケル小片を置く。詳しくは,ニッケル片の,幅方向0.20
mmの辺が方眼紙の上下方向の線に,長手方向2.00 mmの辺が方眼紙の左右方向の線に,沿うように
置く。
c) ニッケル小片の左半分1.0 mmを覆うようにスライドガラスを置く。その際,スライドガラスの右側
の辺を方眼紙の上下方向の線に沿わせる。
d) 指でスライドガラスを押さえ,カッターナイフを使用して,スライドガラスに覆われていないニッケ
ル小片の右半分(1.0 mm)が上方にもち上がるように曲げる。
e) 上方向にもち上がっている部分の下にもう1枚のスライドガラスを置く。ニッケル片が90°に曲がる
ように,もち上がった部分に右側からスライドガラスを押し付ける。
f) 試験前に変形しないように,完成したニッケル小片は容器で保管する。
注記 ニッケル小片は,プレス装置を使用して作成することも可能である。
ニッケル小片に折り目を付けた後のニッケル材を図A.10に示す。
単位 mm
図A.10−完成したニッケル小片の寸法
A.6.3 ニッケル小片の配置
ニッケル小片の配置方法に関する推奨事項を次に示す。
a) .5に規定するようにニッケル小片を指定場所に置くことができない場合には,配置を変更すること
が可能である。
b) 角形単電池の場合,ニッケル小片は平たん(坦)部に置く。ただし,加圧表面の中央に配置しなけれ
ばならない。最外層にニッケル小片を配置することが困難である場合には,図A.11に示す層間に配置
してもよい。
c) ニッケル小片は,アルミニウムはくから剥離した正極活物質に置いてはならない。指定場所から活物

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質が剥離した場合は,加圧ジグの中央で押すことができる正極活物質が存在する別の場所にニッケル
小片を置く。
d) ニッケル小片の配置は,角形単電池製造業者又は試験機関で決めてもよい。
正極
セパレータ
負極
セパレータ
ニッケル小片
正極
図A.11−指定場所に置けない場合のニッケル小片の配置
A.6.4 破損セパレータの取扱い
試料を作成中にセパレータが破れるなど破損したものは評価に使用してはならない。
A.6.5 セパレータ及び電極の巻き戻しの注意
正極,負極及びセパレータを引っ張り,電極体の元の場所に巻き戻す場合は,電極体の巻きが緩まない
ように注意を払う。
円筒形単電池にニッケル小片を配置する作業の具体例を図A.12に示す。
ニッケル小片を挿入後, 電極体に巻き戻すときに,
正極塗布の境界部を電極体から巻き
電極体を巻き戻す。 元の位置に印を付けた場
がす。中心からセパレータ外周に
所を戻す。
線を引く。
ニッケル小片
マーキング
電極体
正極塗布の境界部
D D D
図A.12−円筒形単電池
A.6.6 短絡防止のための絶縁フィルム
試験前の短絡を防止するために,厚さ25 μm以下の絶縁フィルムを挿入することが望ましい。
A.6.7 単電池解体時の注意
単電池を解体する方法に関する推奨事項を次に示す。
a) 単電池は,周囲温度20 ℃±5 ℃,露点−25 ℃以下のドライチャンバ又はドライルーム中で解体する
ことが望ましい。
b) 解体中は,単電池を短絡させないように注意する。例えば,エッジがセラミック又は絶縁されている
道具を使用する。単電池の封止部分を解体するときは,特に注意する。
c) 多くの異なる構造の単電池があるため,最適な構造及び短絡しやすい箇所を製造業者に確認すること
が望ましい。
d) 解体中に短絡した単電池を,次の試験に使用することは望ましくない。

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A.6.8 安全のための保護具
長袖の保護着,保護眼鏡,マスク及び手袋を着用することが望ましい。
A.6.9 解体時の発火についての注意
発火を管理する方法に関する推奨事項を次に示す。
a) 延焼を防ぐために,作業場所に不必要な可燃性の物を置かないことが望ましい。
b) 単電池が発火したときに内容物の飛散を防ぐ手段をとる。作業場所で,防火布又は防火砂が使えるこ
と,及びガスが効果的に排出されることが望ましい。
A.6.10 解体時及び電極体加圧時の注意
巻回した電極体の取扱い方法に関する推奨事項を次に示す。
a) 1個の電極体を1個のチャック付きポリエチレン製袋に入れる。その後,それらをアルミニウムラミ
ネート袋に入れる。電解液の蒸発を最小にするために,できるだけ小さい袋を使用する。例えば,100
mm(幅)×140 mm(高さ)×0.04 mm(厚さ)のポリエチレン製袋,120 mm(幅)×180 mm(高さ)
×0.11 mm(厚さ)のアルミニウムラミネート袋
b) 単電池の解体から電極体をアルミニウムラミネート袋に入れるまでを30分以内に実施する。
c) アルミニウムラミネート袋内での保管時間は,12時間を超えないことが望ましい。
1) 巻回した電極体は,袋から取り出した後,2分以内に試験装置に配置されることが望ましい。
2) 巻回した電極体の温度が試験温度に到達したときに,加圧を開始する。
3) 高温で試験するときは,電解液の蒸発を最小にするために,巻回電極群を試験装置に配置してから,
3分以内に加圧を開始することが望ましい。低温で試験するときは,10分以内に開始することが望
ましい。
A.6.11 加圧装置についての推奨仕様
サーボモータ式加圧装置の軌跡は直線的に動くが,油圧式加圧装置はそのように動かない。内部短絡が
生じると加圧装置は,単電池の電圧低下を検知して直ちに停止しなければならない。サーボモータ式加圧
装置は直ちに停止することができるが,油圧式加圧装置はそれができない。加圧装置は,サーボモータ式
加圧装置を使用することが望ましい。
サーボモータ式加圧装置の推奨仕様を表A.2に示す。
表A.2−加圧装置の推奨仕様
項目 7.3.9 b) 3.2.2)の仕様 推奨仕様
加圧方式 − サーボモータ式加圧
加圧速度 0.1 mm/s (0.1±0.01) m/s
加圧後の位置安定性 − ±0.02 mm
最高加圧力 円筒形 : 最大800 N 1 000 N以上
角形 : 最大400 N (左の列の仕様を達成するための推奨加圧力)
圧力測定方式 − ロードセルによる直接測定
圧力測定間隔 − 5 ms以下
50 mVの電圧差検出後の装置停止時間 − 100 ms以下
加圧装置の初期位置からの時間及び移動量を図A.13に示す。

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図A.13−方式が異なる加圧装置の時間と移動量との関係

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附属書B
(参考)
機器製造業者及び組電池組立業者への推奨
単電池及び組電池の製造業者から,機器製造業者及び組電池組立業者への有益な助言を,次に記載する。
この助言は,代表的なものであって,全てを網羅しているものではない。
a) 単電池を分解又は改造してはならない。組電池の分解は,訓練を受けた者だけによって行うのが望ま
しい。複数の単電池を内蔵した組電池の容器は,特別な治工具を使用しなければ開くことができない
ように設計することが望ましい。
b) 電池収納部(電池室)は,子供が簡単に組電池に触ることができないように設計することが望ましい。
c) 単電池又は組電池を短絡させてはならない。単電池又は組電池を,互いに短絡させるような,又は導
電性物質によって短絡を引き起こすような状態で,箱又は引出しの中に無秩序に保管してはならない。
d) 単電池又は組電池は,製造業者の包装状態で保管し,使用するまで取り出さない。
e) 単電池又は組電池を加熱したり,火中に投下したりしてはならない。また,直射日光の当たる場所に
保管することは避けることが望ましい。
f) 単電池又は組電池に衝撃を与えてはならない。
g) 単電池から漏液がある場合,電解液に直接触れてはならない。万一皮膚に付着した場合又は目に入っ
た場合,接触部を大量の水で洗い流し,医師の助言を受けることが望ましい。
h) 機器は,単電池又は組電池の誤った挿入を防止するように設計をしなければならない。また,明瞭な
極性の表示を付けなければならない。常に,単電池,組電池及び機器に明示されたプラス(+)及び
マイナス(−)の表示を確認し,正しい接続を確実に行う。
i) 単電池又は組電池を誤って飲み込んだ場合,直ちに医師の診察を受けなければならない。
j) 単一の組電池の中に組み込んだ単電池の最大数及び単電池の最も安全な接続方法について,単電池又
は組電池の製造業者に問合せを行う。
k) 機器には,専用充電器を用意する。販売する単電池及び組電池には,例外なく,充電に関する完全な
取扱説明書を付ける。
l) 単電池及び組電池は,清浄で湿気の少ない場所に保管する。
m) 機器は,使用済みの単電池又は組電池の取外しが容易な構造にする。

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JIS C 62133-2:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62133-2:2017(MOD)

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