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C 62137-4 : 2016 (IEC 62137-4 : 2014)
5.3 温度サイクル試験槽
温度サイクル試験槽は,図4に規定する温度サイクルの温度プロファイルが可能な試験装置とする。温
度サイクル試験槽の基本的な要求事項は,JIS C 60068-2-14の規定による。
5.4 抵抗測定器
抵抗測定器は,デイジーチェーン回路での電気的不導通を検出する装置とする。抵抗測定器は,連続的
に電気抵抗データを記録でき,かつ,瞬断検出器の機能をもつものを用いることが望ましい。
瞬断検出器の機能は,100 μsの瞬断を検出する感度をもつことが望ましい。また,抵抗測定器は,7.4
に規定する試験終了基準の電気抵抗を判定できるような,1 000 Ωを超える電気抵抗を測定できることが望
ましい。
5.5 試験用プリント配線板
製品規格に規定していない場合,試験用プリント配線板は,次による。
a) 試験用プリント配線板の材質 試験用プリント配線板の材質は,JIS C 6484に規定する一般用の片面
基板で,銅パターンを含め,厚さ1.6 mm±0.2 mmのガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板とする。
銅パターンの厚さは,35 μm±10 μmとする。
注記1 試験用プリント配線板のリフローはんだ耐熱性試験は,附属書Eに記載する。
b) 試験用プリント配線板の寸法 試験用プリント配線板の寸法は,試験用プリント配線板に実装するパ
ッケージの寸法及び形状による。ただし,その試験用プリント配線板は,引きがし強度試験装置に
固定できる寸法とする。
c) ランドの形状及び寸法 ランドの形状及び寸法は,IEC 61188-5-8又はそれぞれのパッケージ供給業者
によって推奨するランド寸法を用いることが望ましい。
なお,試験用プリント配線板及び試験用パッケージは,附属書Bの導通性による判定ができるよう
に,パッケージ実装後デイジーチェーンを形成するようにランド設計を行う。
注記2 製品規格で規定する場合の試験用プリント配線板の設計指針を,附属書Dに記載する。
注記3 試験用プリント配線板のはんだ付け性試験を附属書Cに,また,引きがし強度試験を附
属書Fに記載する。
d) ランドの表面処理 製品規格に規定がある場合,試験用プリント配線板のはんだ付けが可能な領域(ラ
ンド)には,例えば,酸化を防止する適切な方法として,有機表面保護膜(OSP)などを付ける。こ
の保護膜は,5.2に規定するリフローソルダリング装置を用いた,はんだ付け時のランドのはんだ付け
性を阻害してはならない。
5.6 ソルダペースト
ソルダペーストは,細かく分粒したソルダ及びフラックスと,ぬれ性,粘度,粘着性,だれ性,乾燥性
などを調整する添加剤とを用いて作製する。
製品規格に規定していない場合,ソルダペーストに用いるはんだ合金は,IEC 61190-1-3に規定する次の
いずれかによる。用いるソルダペーストの詳細は,製品規格の規定による。
a) 質量分率で,すず(錫 : Sn)63 %及び鉛(Pb)37 %とする。
b) 質量分率で,銀(Ag)3.0 %4.0 %,銅(Cu)0.5 %1.0 %,及び残りがすず(錫 : Sn)とする。
例 “Sn96.5Ag3.0Cu0.5”のような“Sn-Ag-Cu系”の三元組成を用いる。
6 供試品の作製
パッケージの実装は,リフローソルダリングを用い,その手順は次による。パッケージには,試験用プ
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リント配線板のランド及び実装後にデイジーチェーンが形成されるように改造した試験用ダミーパッケー
ジを用いる。
注記 はんだ接合部強度に影響を与える要因となるパッケージの端子及び試験用プリント配線板のラ
ンドのはんだ付け性を確認するための試験は,附属書Cに記載する。
a) 製品規格に規定していない場合,5.5に規定する試験用プリント配線板上のランドに,5.6に規定する
ソルダペーストを試験用プリント配線板上のランド寸法と同じ寸法,形状及び配置の開口部をもつ厚
さ120 μm150 μmのステンレス鋼板製のメタルマスクを用いて印刷する。
b) パッケージは,ソルダペーストを印刷した試験用プリント配線板を装着する。
c) 5.2に規定するリフローソルダリング装置は,図2及び図3に示す温度プロファイルで,パッケージの
端子をはんだ付けするために用いる。温度の測定箇所は,ランド部とする。
Sn63Pb37はんだ合金を用いた代表的なリフロー加熱の温度プロファイル例を図2に示す。この図は,IEC
61760-1の図13に規定する図である。
Sn96.5Ag3.0Cu0.5はんだ合金を用いた代表的なリフロー加熱の温度プロファイル例を図3に示す。この
図は,IEC 61760-1の図14に規定する図である。
300
250 SnPb はんだリフロー
230 ℃ 240 ℃
215 ℃
200
180 ℃
温度 ℃
160 ℃ 180 ℃を超える
150 時間 > 60 s
150 ℃
130 ℃
予備加熱 温度下降率 < 6 ℃/s
100
代表例 温度上昇率 < 3 ℃/s
50
0
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240
時間 s
実線 : 代表的な温度プロファイル(端子温度)を示す。
点線 : 限界の温度プロファイル : 下の点線は,端子温度,上の点線は供試品の上面温度を示す。
図2−Sn63Pb37はんだ合金を用いたリフロー加熱の代表的な温度プロファイルの例
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C 62137-4 : 2016 (IEC 62137-4 : 2014)
300
Sn-Ag-Cuはんだリフロー
250 ℃
250 245 ℃
235 ℃
220 ℃
200 180 ℃
予備加熱
220 ℃を超える時間
℃
150 150 ℃ 45 s90 s
温度
代表例
温度下降率< 6 ℃/s
100
温度上昇率< 3 ℃/s
50
0
0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360
時間 s 0
実線 : 代表的な温度プロファイル(端子温度)を示す。
点線 : 限界の温度プロファイル : 下の点線は,端子温度,上の点線は供試品の上面温度を示す。
図3−Sn96.5Ag3.0Cu0.5はんだ合金を用いたリフロー加熱の代表的な温度プロファイルの例
7 温度サイクル試験
7.1 前処理
供試品のフラックスを洗浄する場合には,その洗浄方法を製品規格に規定することが望ましい。
7.2 初期測定
供試品の外観状態を調べ,供試品に試験の妥当性を損なうような不良がないことを確認する。
5.4に規定する抵抗測定器を用いて,供試品のデイジーチェーンの電気抵抗(導通性)を確認する。
初期測定の条件は,製品規格に規定することが望ましい。
7.3 試験
温度サイクル試験は,JIS C 60068-2-14の試験Na(規定時間で移し換える温度急変試験)によるほか,
次による。
供試品を,5.3に規定する温度サイクル試験槽に,槽内の空気が吹き抜け,かつ,供試品の周囲を空気が
十分流れるような位置に置き,図4に示すように供試品の温度が低温側から開始し,高温側への温度サイ
クルを繰り返すように,製品規格に規定するサイクル数の試験を行う。製品規格の規定によって,図4及
び表1に規定する試験条件の中から選択する。
デイジーチェーン回路の電気抵抗は,試験中に,5.4に規定する抵抗測定器を用いて連続的にモニター(測
定)する。
抵抗測定の条件は,製品規格に規定することが望ましい。
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最高保存温度
(Tmax)
室温
(Tn)
最低保存温度
(Tmin) 保持 保持
時間 時間
t1 t2
サイクル時間
tcyc
図4−温度サイクル試験条件
表1−温度サイクル試験条件
段階 試験条件A 試験条件B 試験条件C 試験条件D
最低保存温度 Tmin ℃ −40±5 −25±5 −30±5 Top min±5
最高保存温度 Tmax ℃ 125±5 125±5 80±5 Top max±5
保持時間 t1,t2 Sn63Pb37はんだ合金の場合,t1及びt2≧7分間
Sn96.5Ag3.0Cu0.5はんだ合金の場合,t1≦30分間,t2≧15分間
Sn96.5Ag3.0Cu0.5はんだ合金を用いたはんだ接合部における温度サイクル試験槽の放置時間設定は,高温側の場
合,応力緩和に必要な保持時間t2の15分間と,温度移行して温度が安定するまでの時間15分間との合計30分間と
する。低温側の場合は,応力緩和に15分間を必要としない場合が多いため,保持時間t1を30分間以下に変更して
もよい(JIS C 62137-3の附属書A参照)。
製品規格の温度サイクルの条件設定は,次の条件で採用することが望ましい。
− 市場条件及び不良モードを再現する温度サイクル試験条件
− 市場条件及び線形の加速性を得る温度サイクル試験条件
− 従来規格及び類似の相関の取れる試験条件
− 試験時間を短縮する温度サイクル条件
注記 Top min : 最低動作温度,Top max : 最高動作温度
保持時間は,供試品が規定する温度に到達してからの時間を示す。
低温側から高温側,又はその逆の移し換え時間は,3分間以内とし,温度が安定するまでの時間とともにサ
イクル時間に含まれる(JIS C 60068-2-14参照)。
7.4 試験終了基準
試験は,はんだ接合部の断線によって,製品規格に規定する数量,若しくは全ての供試品内部のデイジ
ーチェーン回路の電気抵抗が上昇する,又は製品規格に規定する試験サイクル数に達するまで継続する。
電気抵抗上昇のしきい値は,製品規格に規定する。電気抵抗上昇のしきい値は,最高保存温度での供試
品内部のデイジーチェーン回路の電気抵抗上昇の百分率(例えば,10 %),又は高い電気抵抗値(例えば,
1 000 Ω)にて規定することが望ましい。
7.5 後処理
試験終了後,測定条件を整える必要がある場合は,最終測定の状態において,製品規格に規定する条件
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で後処理を行う。
製品規格には,供試品の冷却及び温度安定化のために所定の回復時間を規定してもよい。
7.6 最終測定
供試品の外観状態を調べ,供試品に試験の結果に影響を及ぼす不良がないことを確認する。
5.4に規定する抵抗測定器を用いて供試品のデイジーチェーンの電気抵抗(導通性)を確認する。
最終測定の条件は,製品規格に規定することが望ましい。
8 温度サイクル寿命
はんだ接合部(接合界面)の破断に伴い,デイジーチェーン回路の電気抵抗の増加が生じるときの試験
サイクル数を,その供試品の故障サイクルとする。
温度サイクル寿命の算出には,ワイブル分布の平均寿命又は特性寿命のように各供試品の故障サイクル
データから統計的手法を用いることが望ましい。温度サイクル寿命は,製品規格に規定する数量の供試品
の試験結果から算出する。
算出した温度サイクル寿命と加速係数とを用いることで,市場でのはんだ接合部の寿命を推定すること
ができる。ただし,加速係数は,はんだ材料,パッケージの寸法及び材料,プリント配線板の条件などに
依存する。加速係数は,市場条件と温度サイクル加速条件との関係で個別に見積もられなければならない
(附属書A参照)。
9 関連する製品規格に規定する事項
製品規格には,次の事項を規定する。
a) 試験用プリント配線板の仕様 (5.5参照)
b) ソルダペースト (5.6参照)
c) 供試品の作製 (箇条6参照)
d) 前処理条件(必要がある場合) (7.1参照)
e) 初期測定の項目及び条件 (7.2参照)
f) 試験条件 (7.3参照)
g) 低温状態及び高温状態の保持時間,移し換え時間並びに常温放置時間
(7.3に規定する条件以外の場合) (7.3参照)
h) 連続電気抵抗モニターの実施有無 (7.3参照)
i) 試験終了基準(試験サイクル数及び電気抵抗上昇のしきい値) (7.4参照)
j) 後処理 (7.5参照)
k) 最終測定の項目及び条件 (7.6参照)
l) 温度サイクル寿命及び算出条件(供試品の数量,加速係数の見積り) (箇条8参照)
――――― [JIS C 62137-4 pdf 10] ―――――
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- IEC 62137-4:2014(IDT)
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- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-14:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N)
- JISC6484:2005
- プリント配線板用銅張積層板―耐燃性ガラス布基材エポキシ樹脂