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C 62610-2 : 2021 (IEC 62610-2 : 2018)
エアフロー
T3-1r
T4
T3-2r
図6−熱動作環境(キャビネットの側断面図)
キャビネットに吸気フィルター又は排気フィルターがある場合は,フィルターによる生じる圧力損失に
よってエアフローの風量が減じることを考慮することが望ましい。
キャビネット装置における規定点温度と動作温度範囲との関係を,図7に示す。サブラック装置又はシ
ャシー装置(T3-nr)の規定点温度が“T3-nr>T4”の状態から“T3-nr=T4”へ低下した場合は,キャビネットに
おける動作温度範囲は,図7に示すように右側へ移動する。
これは,キャビネット装置の周囲温度がより高い温度をとることができることを示しており,空調機器
(HVAC : Heating Ventilation Air Conditioning)の要求性能を緩和することが可能である。
さらに,図7の中で,サブラック装置又はシャシー装置の規定点温度がキャビネット周辺の周囲温度よ
りも高くなっている(T3-1r>T4,実線で示されるライン)ことは,主に,キャビネット内のエアフロー不均
衡が原因であることを示している。
破線は,サブラック装置又はシャシー装置の規定点温度がキャビネットの周囲温度に等しい(T3-1r=T4)
場合を示す。
A及びBは,それぞれの場合のキャビネットの動作温度範囲を示す。
――――― [JIS C 62610-2 pdf 11] ―――――
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C 62610-2 : 2021 (IEC 62610-2 : 2018)
T3-1r > T4
T3-nr
T3-1r = T4
T3-1(max)
T3-1(min)
A T4
B
キャビネットの動作温度範囲
垂直軸 : キャビネットに搭載した対象とする
n-サブラック装置又はシャシー装置の規定点温度
水平軸 : 設置したキャビネットの周囲温度
図7−キャビネットの動作温度範囲
5.7 キャビネットのサーバールームへの配置及び推奨エアフロー
5.6で示したような空調負荷の軽減効果を得るためには,推奨するエアフローに即してキャビネットを
配置しなければならない。
4.4で示した様々な推奨エアフロー状態を適用したキャビネットを,サーバールームに適切に配置した
例を図8に示す。
排気
空調機器へ 空調機器へ
T T T T
R2 R2
R2
F
F F F F F
R1 R1
(1) F R2 (2) F T B B B B
空調機器より T
(3) F + B T + R1
(4) F + B T + R2(6) F + B
(5) F + B R1 + R2空調機器より
キャビネット吸気
図8−サーバールームのアイルコンテインメントにおけるキャビネットエアフロー例
――――― [JIS C 62610-2 pdf 12] ―――――
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C 62610-2 : 2021 (IEC 62610-2 : 2018)
附属書A
(参考)
電子機器の熱設計の一般的方法
A.1 熱抵抗及び熱回路網モデル
A.1.1 熱抵抗
電子機器の実用的な熱設計において,一つの有効な手法は,熱回路網法による解析である。この手法は,
種々の電子機器の熱設計において広く用いられている。熱回路網は,ノードと熱抵抗とで構成する。ノー
ドは,固体内及び流体内のある部分の温度を代表する点である。固体内又は流体の流れに沿った熱抵抗は,
電気抵抗の概念によく似ている。温度の定常状態は次の式で表される。
Tn=RT×Q
ここで, Tn : 固体又は流体内の温度上昇
RT : 物質の熱抵抗
Q : 固体又は流体内を流れる熱流
A.1.2 熱抵抗モデル
サブラック装置又はシャシー装置内のプラグインユニットについての簡略化した熱回路網モデルを,図
A.1に示す。図A.1において,黒点は,その部分の温度を代表したノードである。ジャンクション温度TJ
及び表面温度TCは,次の式で求める。
TJ=TA+TA+TCA+TJC
TC=TA+TA+TCA
ここで, TJ : ジャンクション温度
TC : 表面温度
TA : 吸気温度。吸気温度は,規定点温度に対応し,装置の吸気
口から30 mm50 mm離れた点で測定する。
TA : プラグインユニット上の部品の周囲空気と吸気との間の温
度上昇
TCA : 部品周囲温度と表面温度間の温度上昇
TJC : 部品表面とジャンクションとの間の温度上昇
それぞれの温度上昇値は,関係する熱抵抗を用いて,次の式で求める。
TA=RA×Q
TCA=RCA×PD
ここで, RA : 吸気と部品近傍の空気との間の空気の流れに沿った熱抵抗
Q : プラグインユニット全体の発熱量
RCA : 部品近傍の空気と部品表面との間の熱抵抗
PD : 一つの部品の発熱量
RAは次の式で求める。
1
RA
CFP
ここで, F : 流量
ρ : 標準大気の密度,4.1参照
――――― [JIS C 62610-2 pdf 13] ―――――
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C 62610-2 : 2021 (IEC 62610-2 : 2018)
CP : 標準大気の定圧比熱,4.1参照
サブラック装置又はシャシー装置内のプラグインユニット上の部品表面温度は,吸気温度からの温度上
昇値で見積もることが可能である。この温度上昇値の構成要素は,着目する部品近傍までの空気温度上昇
及び部品表面での対流による空気温度上昇がある。いずれの要素も,風量,又は風量を通風断面積で除し
た風速及び発熱量を用いて決定することが可能である。
熱回路網モデル
RA
TA(吸気温度) TA + ΔTA RCA
TC(部品表面温度)
RJC
プラグインユニット TJ
エアフロー プラグインユニットの発熱量 Q
部品の発熱量 PD
[関連するパラメーター]
部品
熱伝導 ΔTJC ·部品の構造及び材質
構造
TJ
エア 熱伝達 ΔTCA ·部品の形状及びエアフローの流速
熱換気 ΔTA ·エアフロー流量
TA ·周囲の温度環境及びエアフローの状態
図A.1−サブラック又はシャシー内のプラグインユニットについての熱回路網モデル
――――― [JIS C 62610-2 pdf 14] ―――――
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C 62610-2 : 2021 (IEC 62610-2 : 2018)
参考文献
JIS C 6010-2 電子機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ−第2部 : 25 mm実装のインタ
フェイス整合寸法
注記 対応国際規格では,IEC 60917-2-1,Modular order for the development of mechanical structures for
electronic equipment practices−Part 2: Sectional specification−Interface co-ordination dimensions for the
25 mm equipment practice−Section 1: Detail specification−Dimensions for cabinets and racks,及びIEC
60917-2-2,Modular order for the development of mechanical structures for electronic equipment practices
−Part 2: Sectional specification−Interface co-ordination dimensions for the 25 mm equipment practice−
Section 2: Detail specification−Dimensions for subracks, chassis, backplanes, front panels and plug-in units
を記載している。
JIS C 6012-3-100 電子機器用の機械的構造−482.6 mm(19 in)シリーズの機械的構造寸法−フロントパ
ネル,サブラック,シャシ,ラック及びキャビネットの基本寸法
注記 対応国際規格では,IEC 60297-3-100,Mechanical structures for electronic equipment−Dimensions of
mechanical structures of the 482,6 mm (19 in) series−Part 3-100: Basic dimensions of front panels, subracks,
chassis, racks and cabinetsを記載している。
JIS C 62610-5 電気及び電子装置用の機械的構造−屋内キャビネットの熱管理−第5部 : 屋内キャビネ
ットの冷却性能
注記 対応国際規格では,IEC 62610-5,Mechanical structures for electrical and electronic equipment−Thermal
management for cabinets in accordance with IEC 60297 and IEC 60917 series−Part 5: Cooling performance
evaluation for indoor cabinetsを記載している。
IEC 60050-811:1991,International electrotechnical vocabulary−Part 811: Electric traction
IEC 60297-3-101,Mechanical structures for electronic equipment−Dimensions of mechanical structures of the
482,6 mm (19 in) series−Part 3-101: Subracks and associated plug-in units
JIS C 62610-2:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62610-2:2018(IDT)
JIS C 62610-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.240 : 電子設備の機械的構造
JIS C 62610-2:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6010-1:1998
- 電子機器用ラック及びユニットシャシのモジュラオーダ―第1部:通則 モジュラオーダ概念
- JISC6010-1:2021
- 電気及び電子機器実装の機械的構造 開発のためのモジュラーオーダー―第1部:基準規格