JIS C 62623:2014 パーソナルコンピュータの消費電力測定方法 | ページ 2

4
C 62623 : 2014
EUTがアクティブ(作業)モードである時間の比率。
3.1.14
試験結果の使用者(user of the test results)
自己が求める目的に適用するために,この試験結果を利用する組織。
注記 当該組織の例には,自主協定の参加事業者,規制制度担当機関,民間企業などがある。
3.1.15
ウェイクオンLAN,WoL(wake on LAN)
イーサネットを介したネットワーク要求によって指示を受けたときに,コンピュータがスリープ又はオ
フから復帰できるようにする機能。

3.2 略語

  この規格で用いる主な略語は,次による。
ACPI(Advanced Configuration and Power Interface) 電力制御インタフェース
注記1 ACPI仕様は,次のURLで参照することができる。
<http://www.acpi.info/>
CF(Crest Factor) 波高因子
CFR(Crest Factor Ratio) 波高率
CPU(Central Processing Unit) 中央処理装置
EPS(External Power Supply) 外部電源装置
EUT(Equipment Under Test) 被試験機器
注記2 この規格では製品とも呼び,他の仕様においてはUUT(Unit Under Test)と呼ばれることも
ある。
FBBW(Frame Buffer Bandwidth) フレームバッファ幅
HDD(Hard Disk Drive) ハードディスクドライブ
IPS(Internal Power Supply) 内部電源装置
LAN(Local Area Network) ローカルエリアネットワーク
MCF(Meter Crest Factor) 計器波高率
MCR(Maximum Current Ratio) 最大電流比率
OS(Operating System) オペレーティングシステム
PAPR(Profile Active Power Ratio) プロファイル稼働時消費電力比率
PAWR(Profile Active Workload Ratio) プロファイル有効作業負荷比率
PCF(Product Crest Factor) 製品波高率
PF(Power Factor) 力率
RAM(Random Access Memory) ランダムアクセスメモリ
RGB(red green blue) アールジービー
RMS(Root Mean Square) 実効値
SSD(Solid State Drive) 半導体ドライブ
TEC(Typical Energy Consumption) 標準消費電力量
THD(Total Harmonic Distortion) 全高調波ひず(歪)み
ULE(Ultra Low Energy) 超低消費電力
UPS(Uninterruptible Power Supply) 無停電電源装置

――――― [JIS C 62623 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
C 62623 : 2014
WoL(Wake on LAN) ウェイクオンLAN

4 EUTの仕様

4.1 コンピュータの種類

4.1.1  デスクトップパーソナルコンピュータ
デスクトップパーソナルコンピュータは,多くの場合において机上あるいは床上といった常設場所に本
体を設置することを意図するパーソナルコンピュータとする。デスクトップパーソナルコンピュータは移
動用として設計しておらず,外部コンピュータディスプレイ,キーボード及びマウスを使用する。デスク
トップパーソナルコンピュータは,家庭及びオフィスの広範囲な用途向けに設計している。
4.1.2 ノートブックパーソナルコンピュータ
ノートブックパーソナルコンピュータは,明確に携帯用として設計してあり,交流電源への直接接続あ
り又はなしのいずれかで長時間動作することを意図するパーソナルコンピュータとする。ノートブックパ
ーソナルコンピュータは,一体形コンピュータディスプレイを使用し,一体形バッテリによって動作が可
能である。また大部分のノートブックパーソナルコンピュータは,外部電源又は直流電源装置(ACアダ
プタ)を使用し,一体形のキーボード及びポインティングデバイスを装備している。ノートブックパーソ
ナルコンピュータは,一般的にデスクトップパーソナルコンピュータにおいて使用するものと機能面にお
いて類似するソフトウェアの動作を含め,デスクトップパーソナルコンピュータと同様の機能を提供する
ように設計している。この規格では,ドッキングステーションは附属品とみなすため,EUTの一部として
考慮しない。他の入力装置とともに又はその代わりにタッチセンサ画面を使用する可能性があるタブレッ
トパーソナルコンピュータは,この規格においてノートブックパーソナルコンピュータとみなす。一般的
に,小形の画面サイズ及び基本メモリサイズによって特定するネットブックコンピュータも,この規格に
おいてはノートブックパーソナルコンピュータとみなす。
4.1.3 一体形デスクトップパーソナルコンピュータ
一体形デスクトップパーソナルコンピュータは,コンピュータとコンピュータディスプレイとが一つの
交流電源ケーブルを介して交流電力を受ける単一機器として機能するデスクトップパーソナルコンピュー
タである。一体形デスクトップパーソナルコンピュータは,次の二つの形態とする。
− コンピュータディスプレイとコンピュータとが単一機器に物理的に統合している製品
− コンピュータディスプレイは分離しているが直流電力コードによって主要きょう体に接続しており,
コンピュータとコンピュータディスプレイとが共に一つの電源装置から電力を供給される単一製品と
して一括されている製品
一体形デスクトップパーソナルコンピュータは,デスクトップパーソナルコンピュータの一種として,
一般的にデスクトップパーソナルコンピュータと同様の機能を提供するように設計している。
注記 一体形デスクトップパーソナルコンピュータは,オールインワンコンピュータと呼ばれること
もある。

4.2 消費電力モード

4.2.1  オフモード
オフモードは,EUTを交流電源に接続し,製造業者の指示に従い使用するときに,使用者が解除するこ
とができず不定時間保たれる可能性のある最低消費電力モードとし,シャットダウン,完全な電源オフ又
は電源投入に必要な電流だけ通電する状態とする。
注記 上記の最低消費電力モードは,ACPIシステムレベルのS5状態に相当する(3.2参照)。

――――― [JIS C 62623 pdf 7] ―――――

6
C 62623 : 2014
4.2.2 Poff
Poffは,オフモードにおける平均消費電力測定値を表す。
4.2.3 スリープモード
スリープモードは,EUTが一定の非アクティブ時間後に自動的に,又は手動選択によって移行すること
が可能な最低消費電力モードとし,メモリへの通電及び再起動に必要な電流だけ通電する状態とする。ス
リープ能力をもつEUTは,ネットワーク接続又はユーザインタフェース装置に反応して,ウェイクイベン
トの開始からディスプレイのレンダリングを含め製品が完全に使用可能になるまで,5秒以下の待ち時間
で素早く復帰することができる。スリープ状態においてWoL機能を無効にしてEUTを試験する場合,こ
の状態をスリープモードと呼び,WoL機能を有効にしてEUTを試験する場合,この状態をWoLスリープ
モードと呼ぶ。
注記 上記の最低消費電力モードは,ACPIシステムレベルのS3状態(Suspend to RAM)に相当する
(3.2参照)。
4.2.4 Psleep
Psleepは,WoL機能を無効にしたときのスリープモードにおける平均消費電力測定値を表す。
4.2.5 PsleepWoL
PsleepWoLは,WoL機能を有効にしたときのスリープモードにおける平均消費電力測定値を表す。
4.2.6 オンモード
オンモードは,EUTがスリープ又はオフモードでないときのモードを表す。オンモードには,ロングア
イドルモード,ショートアイドルモード及びアクティブ(作業)モードを含む幾つかの下位モードがある。
4.2.7 Pon
Ponは,オンモードにおける平均消費電力測定値を表す。
4.2.8 アイドルモード
4.2.8.1 一般事項
アイドルモードは,オペレーティングシステム及び他のソフトウェアの読込みが完了し,製品はスリー
プモードではなく,また,そのシステムが初期設定によって開始する基本アプリケーションに動作が限定
されているモードとする。アイドルは,4.2.8.2に規定するショートアイドルモード及び4.2.8.4に規定する
ロングアイドルモードの二つの形態で構成する。
4.2.8.2 ショートアイドルモード
ショートアイドルモードは,EUTが次の要件を満たしている状態とする。
− EUTはアイドル状態にある。
例 OSの起動,有効作業負荷の完了又はスリープからの再開(レジューム)から5分後。ただし,
以前の試験手順に準拠するために15分を要する場合もある。
− 画面はウォームアップのために30分間以上はオン状態にあって,5.3で規定する輝度に設定されてい
る。
− ロングアイドル電力管理機能は動作していない。
例 該当する場合においてHDDは回転しており,EUTはスリープモードへの移行を抑制されてい
る。
4.2.8.3 Psidle
Psidleは,ショートアイドルモードにおける平均消費電力測定値を表す。

――――― [JIS C 62623 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
C 62623 : 2014
4.2.8.4 ロングアイドルモード
ロングアイドルモードは,EUTが次の要件を満たしている状態とする。
− EUTはアイドル状態にある。
例 OS起動,有効作業負荷の完了又はスリープからの再開(レジューム)から15分後。
− 主要ディスプレイの画面は無表示であるが,EUTは作業状態(ACPI G0/S0)を維持している状態。
注記 “画面は無表示である”とは,主要コンピュータディスプレイ(一体形パネル又は外部ディ
スプレイ)が,画面コンテンツを見ることができない低電力状態(例 バックライトを消し
て画面を黒色にする。)に移行していることを示す。
− 電力管理機能は,出荷時に設定している場合において動作しているが,EUTはスリープモードに移行
することを抑制している。
例 主要ディスプレイはオン状態であるが,HDDの回転数を低減している可能性がある。
4.2.8.5 Pidle
Pidleは,ロングアイドルモードにおける平均消費電力測定値を表す。
4.2.9 アクティブ(作業)モード
アクティブモードは,EUTが次の状態に対応して作業を実行しているモードとする。
− 使用者によって事前又は同時の入力
− ネットワークを介した事前又は同時の指示
このモードには,使用者の更なる入力を待っている間,又は他の消費電力モードに移行する前に,記憶
装置,メモリ又はキャッシュのデータを捜し求める,及び積極的な処理を含む。このモードにおいて,画
面はオン状態であって,出荷時の輝度に設定する。
4.2.10 Pwork
Pworkは,アクティブモードにおける平均消費電力測定値を表す。

4.3 プロファイル特性

4.3.1  プロファイル
プロファイルは,負荷サイクル特性と特定の使用事例(例 オフィスにおける使用,家庭における使用,
ゲーム利用など)とを組み合わせたものである。
注記 プロファイルに関する詳細については,附属書A,附属書B及び附属書Cを参照する。
4.3.2 主要プロファイル
主要プロファイルは,デスクトップ及びノートブックパーソナルコンピュータの使用者に関する最も一
般的なプロファイルである。
主要プロファイルはこの規格とともに使用するものであって,附属書Bに記載している。5.6において
使用するTEC計算式を判断するために用いる負荷サイクル特性及びプロファイルTEC誤差を,附属書B
に示す。
4.3.3 少数派プロファイル
少数派プロファイルは,主要プロファイルでは表さない,デスクトップ及びノートブックパーソナルコ
ンピュータ使用者の一般的ではないプロファイルを表している。例えば,過度のゲーム利用者は非常に独
特なプロファイルを示すが,パーソナルコンピュータ使用者に占める割合は,極僅かである。
4.3.4 プロファイル調査
プロファイル調査は,この規格の新たなプロファイルを作成するために実施する調査とする。この調査
は,裏付データとともに次の内容を示す。

――――― [JIS C 62623 pdf 9] ―――――

8
C 62623 : 2014
− 全ての負荷サイクル特性
− 4.3.6に規定するPAPR
− 4.3.9に規定するプロファイルTEC誤差
− 4.3.7に規定するPAWR
全てのデータは,使用者全体を代表する統計的に有意なサンプルサイズから得られている。プロファイ
ル調査の実施方法に関する指針を附属書Cに示す。
4.3.5 製品稼働時消費電力比率
製品稼働時消費電力比率は,Pon /Psidleの比率。すなわち,プロファイル調査における個別製品について
平均オンモード消費電力を平均ショートアイドル時消費電力で除した数値である。
4.3.6 PAPR
PAPRは,プロファイル調査において記録した全ての製品稼働時消費電力比率の平均値である。
4.3.7 PAWR
PAWRは,プロファイル調査対象製品について実施するPwork/Psidleの平均比率を表しており,PAWRを通
じて有効作業負荷がプロファイル調査に厳密に整合していることを検証するために使用する。
4.3.8 製品TEC誤差
製品TEC誤差は,Pwork消費電力測定値の代わりに静的な“ショートアイドル時”消費電力測定値を使用
することによって,測定TECと推定TECとを直接対比した場合に個別製品についてどの位の誤差がある
のかを評価するために,プロファイル調査において使用する誤差比率の計算値とする。
4.3.9 プロファイルTEC誤差
プロファイルTEC誤差は,プロファイル調査における製品TEC誤差の平均値とする。

4.4 区分特性

4.4.1  一般事項
次は区分特性の例であって,その他の例は,5.5に規定する区分登録一覧に記載する。
4.4.2 コアの数
コアの数は,EUTにおけるCPUの物理的コア数とする。
4.4.3 メモリチャネルの数
メモリチャネルの数は,EUTが対応可能なチャネルの総数で表す。
なお,メモリを実装している必要はない。各伝送路には個別のデータ経路がある。
4.4.4 システムメモリ
システムメモリは,ギガバイトで表すメモリ容量とする。
4.4.5 システムファン
システムファンは,電源装置に組込むファンを除いた,EUTで使用する全てのファンとする。
4.4.6 TEC補正
TEC補正は,EUTに機能を追加又は設定した場合,そのEUTのTECを一定量増加させる,年間のキロ
ワット時(kWh)で表す消費電力量補正値とする。追加機能の例を次に示す。
− グラフィックスカード,メモリ,TVチューナ,サウンドカード,ハードディスクドライブ,SSD等
− 一体形デスクトップパーソナルコンピュータについては,画面を追加機能として扱う。

――――― [JIS C 62623 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS C 62623:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62623:2012(MOD)

JIS C 62623:2014の国際規格 ICS 分類一覧