JIS C 62623:2014 パーソナルコンピュータの消費電力測定方法 | ページ 3

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5 試験手順及び条件,区分,TEC計算式,計測器の仕様並びに結果報告

5.1 一般事項

  次の手順は,EUTの消費電力又は消費電力量を測定する際に使用する。
この規格の使用者は,EUTのサンプルを測定する。サンプルサイズは,試験結果の使用者が定めた要求
事項に対する整合性を明示することができる適切な大きさとする。

5.2 試験設定

  EUT設定及び試験条件は,次による。
a) UTは,初期設定によって出荷される全てのハードウェア附属品及びソフトウェアを含め,この試験
手順において特に規定がない限り,当該製品とともに提供される指示に従って構成する。またEUTは,
全ての試験について次の要求事項に従い構成する。
1) 入力装置を装備せずに出荷するデスクトップパーソナルコンピュータ及び一体形デスクトップパー
ソナルコンピュータは,製造業者が推奨する入力装置(例 マウス及び/又はキーボード)ととも
に構成する。その他の外部周辺機器は接続しない。
2) デスクトップパーソナルコンピュータについては,外部コンピュータディスプレイとともに構成す
る。ただし,外部ディスプレイの消費電力量は,TEC計算に含まない。
3) ノートブックパーソナルコンピュータに一体形ポインティングデバイス又はデジタイザを装備して
いる場合は,個別のキーボード又はマウスを含める必要はない。
4) ノートブックパーソナルコンピュータは,その製品とともに出荷する外部電源を使用して交流電源
に接続する。バッテリパックは全ての試験において取り外す。バッテリパックを装備しないと動作
が不可能なEUTについては,満充電のバッテリパックを使用して試験を実施し,必ず試験結果にお
いてこの構成を記載する。
5) 画面については,RGB値が130,130,130に設定したビットマップによって規定する固定色のデス
クトップ背景(壁紙)を設定する。画面の明るさは出荷時のまま又は必要に応じて指定の輝度条件
に設定する。
注記1 出荷時の画面の明るさとは,最終使用者が望む当該製品の使用方法に適していると製造
業者が考える水準として定義する。
6) ノートブックパーソナルコンピュータ及び一体形デスクトップパーソナルコンピュータについては,
結果報告書に一体形ディスプレイの消費電力を含める。
注記2 5.3.5に従って追加の指定輝度条件についても測定を行い,結果報告書において公表する
ことができる。
7) UTのスリープタイマについては,アイドル又はアクティブ試験においてEUTがスリープ状態に
移行しないようにするため,無効又は30分に設定する。
ノートブック及びデスクトップパーソナルコンピュータの一般的な試験設定を,図1に示す。

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外部電源装置
安定化電源 安定化電源
(ACアダプタ)
出荷時構成のEUTを丸枠で示す。
図1−標準試験設定
注記3 図1は,有線LAN及び無線LAN接続を表している。c)に従って,一方だけを試験中接続
する。
b) 交流電源とEUTの電源装置との間に,5.7に規定する計測器要求事項を満たす有効RMS電力計測器
を設置する。計測器とEUTとの間に電源コード又はUPS機器は接続してはならない。計測器は,所
要の消費電力モードのデータを全て記録するまで,有効でなければならない。交流電源は,5.4の要求
事項を満たさなければならない。
c) スリープ,ロングアイドル,ショートアイドル及び任意のアクティブ時の測定に関して,EUTの消費
電力量は,次に説明する状態のいずれかにおいて,ネットワーク接続性とともに測定しなければなら
ない。
1) イーサネット対応のEUTについては,そのEUTが対応可能な最高リンク速度に対応するアクティ
ブ状態のネットワークスイッチに接続する。このネットワークスイッチは有効状態のネットワーク
を接続している必要はない。複数のネットワーク接続をもつEUTの場合には,一つのネットワーク
接続だけを接続状態にする必要がある。また,このネットワーク接続は,EUTが対応可能な追加の
電力管理機能を支援するために必要な最低要求事項にも対応しなければならない。
例えば,IEEE 802.3az-2010仕様は,EUT及びネットワークスイッチの両方が対応可能なイーサ
ネットリンクの電力管理機能に対応している。
この機能を試験するために,スイッチは当該機能にも対応可能でなければならない。無線通信の
ような別のネットワーク装置に対する電力は,全ての試験において遮断しておかなければならない。
これは,無線ネットワークアダプタ又は装置間の無線通信規約(例 Bluetooth)を適用する。
注記4 無線ネットワークアダプタの例については,IEEE 802.11を参照。
2) イーサネット対応ではないが,別の種類のネットワーク接続機能をもつEUTについては,該当ネッ
トワークを有効にして接続状態にする。
3) 無線接続機能だけをもつEUTについては,クライアント無線通信の最高及び最低データ速度に対応
する無線ルータ又はネットワークアクセスポイントに対する有効無線接続が,試験中維持されてい

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なければならない。
d) 5.10の規定に従って,EUTの詳細を記録する。
e) 5.4の規定のとおりに試験条件を測定し,5.10の規定に従って記録する。
f) 試験室の周囲照度条件は,5.9の要求事項を満たす計測器を用いて測定し,5.4に規定する適切な水準
に設定する。

5.3 試験手順

5.3.1  一般事項
試験手順は,消費電力の少ない順に示している。各消費電力モードの測定は,指定する手順に従って実
施しなければならない。ただし,各消費電力モードの消費電力測定値は,いかなる順番で測定してもよく,
TEC結果を必要としない場合には,使用者は,これらの消費電力モードを全て試験する必要はない。
5.3.2 オフモード測定
オフモードの測定は,次による。
− EUTを4.2.1に規定するオフモードにする。
− 1秒当たり1回以上の読取り間隔で有効消費電力値の積算を開始するように,計測器を設定する。
− 5分間の消費電力値を積算し,5分間で得た平均値(算術平均)をPoffとして記録する。
5.3.3 スリープモード測定
スリープモードの測定は,次による。
− EUTのスイッチを入れる。
− オペレーティングシステムの読込み完了後のアクティブ準備状態でログインし,標準動作デスクトッ
プ画面又はそれに相当する稼働準備画面を表示するように起動しているウィンドウを全て終了して,
EUTを4.2.3に規定するスリープモードにする。
− 計測器を必要に応じて初期化し,1秒当たり1回以上の読取り間隔で有効消費電力値の積算を開始す
る。
− 5分間の消費電力値を積算し,5分間で得た平均値(算術平均)をPsleepとして記録する。
− スリープについてWoL有効及びWoL無効の両方で試験する場合は,EUTを復帰し,オペレーティン
グシステム設定又は他の方法によってスリープに対するWoL設定を変更する。EUTをスリープモー
ドに戻して試験を繰り返し,この別設定を必要とするスリープ時消費電力値をPsleepWoLとして記録す
る。
5.3.4 ロングアイドルモード測定
ロングアイドルモードの測定は,次による。
− EUTのスイッチを入れる。
− オペレーティングシステムの読込み完了後のアクティブ準備状態でログインし,標準動作デスクトッ
プ画面又はそれに相当する稼働準備画面を表示するように起動しているウィンドウを全て終了して,
EUTを4.2.8.4に規定するロングアイドルモードにする。
− EUTがロングアイドルモードに移行した後,計測器を必要に応じて初期化し,1秒当たり1回以上の
読取り間隔で有効消費電力値の積算を開始する。
− 5分間の消費電力値を積算し,5分間で得た平均値(算術平均)をPidleとして記録する。
5.3.5 ショートアイドルモード測定
ショートアイドルモードの測定は,次による。
− EUTのスイッチを入れる。

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− オペレーティングシステムの読込み完了後のアクティブ準備状態でログインし,標準動作デスクトッ
プ画面又はそれに相当する稼働準備画面を表示するように起動しているウィンドウを全て終了して,
表示領域を完全に満たすように画像の大きさを調整し,ノートブックパーソナルコンピュータの場合
には,90 cd/m2以上に,また,一体形デスクトップパーソナルコンピュータの場合には,150 cd/m2以
上に明るさ水準を設定するか,又はこれらの水準が達成不可能な場合には,達成可能な最も近い水準
に製品の明るさを設定して,EUTを4.2.8.2に規定するショートアイドルモードにする。
− EUTがショートアイドルモードに移行した後,計測器を必要に応じて初期化し,1秒当たり1回以上
の読取り間隔で有効消費電力値の積算を開始する。
− 5分間の消費電力値を積算し,5分間で得た平均値(算術平均)をPsidleとして記録する。
5.3.6 アクティブモード測定(任意)(5.6に規定)
アクティブモードの測定は,次による。
− EUTのスイッチを入れる。
− オペレーティングシステムの読込み完了後のアクティブ準備状態でログインし,標準動作デスクトッ
プ画面又はそれに相当する稼働準備画面を表示するように起動しているウィンドウを全て終了して,
EUTを4.2.8.2に規定するショートアイドルモードにする。
− 有効作業負荷を読み込み,実行できるように準備する。
− 計測器を必要に応じて初期化し,有効作業負荷を開始する。1秒当たり1回以上の読取り間隔で有効
消費電力値の積算を開始する。
− 有効作業負荷の完了を示したときに,その平均消費電力をPworkとして記録する。
注記 有効作業負荷の基準は,5.6.4を参照。

5.4 試験条件

  EUTに対して実行する全ての試験は,表1に示す条件において実施する。
表1−試験条件
電源電圧 北米/台湾 : 最大消費電力が1.5 kWを超
115 (±1 %) a.c.,60 Hz(±1 %)
欧州/豪州/ニュー える製品の場合,電圧範囲は
230 (±1 %) a.c.,50 Hz(±1 %)
ジーランド/中国 : ±4 %
日本 : 100 (±1 %) a.c.,50 Hz(±1 %)
又は60 Hz(±1 %)
全高調波ひずみ(電圧) <2 % THD(最大消費電力が1.5 kWを超える製品の場合<5 %)
周囲温度 (23±5)℃
相対湿度 10 %80 %
周囲照度 (250±50)lx
注記1 この表に規定する電圧及び周波数の許容値は,安定化電源の使用を通じてだけ達成することができる。
注記2 一部の国々の公称電圧が上記の電圧と異なる(例 中国は220 V,インドは一般的に240 V)ことは認識し
ているが,この規格は試験費用を最小限に抑えるために,世界的規模のコンプライアンスに対して試験し
なければならない電圧の数を三つに限定している。交流電源の電圧及び周波数は総TEC値に何らかの影響
を及ぼすが,230 V,220 V及び240 Vの間にみられる差異は僅かであって,この規格に従った試験から予
測する自然な差異の十分に範囲内であると考えられる。
注記3 周囲照度設定は,ディスプレイが周囲照度制御に影響する場合においてだけ求める。

5.5 区分

5.5.1  一般事項
(削除)

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5.5.2 ULE区分
(削除)
5.5.3 TEC補正
5.6に規定する基本EUTの構成は,追加機能によって変化する可能性があるため,この規格ではTEC補
正を提供している。TEC補正は,当該TEC補正によって特定する特性をもつEUTの任意区分に対するTEC
制限値(試験結果の使用者によって規定する。)を増大することを意図している。
TEC補正は,メモリ,グラフィックス,TVチューナ,追加HDD,SSDの使用,独立形サウンドカード,
独立形ネットワークカード等の項目について提供する可能性がある。試験結果の使用者が,適用する消費
電力量補正を規定する。
独立形グラフィックス構成要素を追加機能として扱う場合には,FBBWを使用して補正値を判断する。
一体形デスクトップパーソナルコンピュータの場合には,画面を追加機能として扱う。
TEC補正消費電力量の算出は,次に示す。
− どのTEC追加機能が該当するのかを判断し,試験結果の使用者が規定する補正値に基づいてTEC追
加機能ごとにキロワット時によってTEC補正値を算出する。
− 試験結果の使用者が規定する適切な加重を適用する。
− 5.10に規定するとおりに総TEC補正消費電力量を報告する。
注記1 補正値はキロワット時,補正値又は年で定義する。試験結果の使用者が,消費電力量補正
の情報を提供する。附属書Dでは,補正値がどのようにTEC計算に含まれるのかを例示
している。
注記2 (削除)
注記3 ノートブックパーソナルコンピュータの場合,画面の消費電力は基本区分消費電力の一部
であるため,画面の補正は適用しないことが望ましい。

5.6 年間消費電力量の計算式

5.6.1  一般事項
TECは,EUTの特定消費電力モード(オフ,スリープ・WoLスリープ,ロングアイドル,ショートア
イドル及びアクティブ)における平均消費電力測定値の加重平均値である。
この規格とともに附属書Bに示す主要プロファイルを使用することを推奨する。
この規格の使用者が他のプロファイルの使用を選択する場合には,4.3.4に規定するプロファイル調査を
全て実施し,プロファイルTEC誤差を判定する。
プロファイルTEC誤差が15 %以下である場合,この規格の使用者は5.6.2の式を使用する。
プロファイルTEC誤差が15 %を超える場合,この規格の使用者は5.6.3の式を使用し,5.6.4の基準を満
たす有効作業負荷を作成する。
注記 附属書Dに,TEC計算の例を示す。
5.6.2 推定値による年間消費電力量の計算式(推定有効作業負荷)
TECestimated=(8 760/1 000)×[Poff×Toff+Psleep×Tsleep+Pidle×Tidle+Psidle×(Tsidle+Twork) ]
100 %=Toff+Tsleep+Tidle+Tsidle+Twork
上記の式において,Txは負荷サイクルの構成部であり,各Px消費電力モードに費やす時間の加重平均値
を表す。
ここに,
Toff 製品がオフモードに費やす時間の年間比率

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