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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
表2−試験方法と市場での侵食負荷との関係
試験方法(適用規格) 侵食負荷の加速方法 適用材料 市場で想定する侵食負荷
350 ℃回転試験a) 高温(350 ℃)溶融鉛フ表面処理を施さな 高温溶融鉛フリーはんだ流体の固体金属
(JIS C 62739-1) リーはんだ流体 い金属材料 溶解作用による侵食。
フラックス塗布 フラックスの化学的腐食作用による侵食。
450 ℃回転試験b) 高温(450 ℃)溶融鉛フ表面処理を施した 高温溶融鉛フリーはんだ流体の固体金属
(JIS C 62739-2) リーはんだ流体 金属材料 溶解作用による侵食。
450 ℃回転試験での 曲げ応力(2 mm) 表面処理を施した 高温溶融鉛フリーはんだ流体の固体金属
2 mm曲げ負荷試験c) 高温(450 ℃)溶融鉛フ金属材料 溶解作用による侵食。
(JIS C 62739-2) リーはんだ流体 表面処理を施した金属材料表面の曲げ応
力負荷による侵食。
注a) 350 ℃回転試験は,表面処理を施さない金属材料の侵食を,侵食深さ測定に適したレベルで発生させるのに適
した温度での試験である。ただし,それぞれの金属材料に適切な時間の事前設定が必要である。表面処理を
施した金属材料では,侵食が発生する時間が掛かり過ぎるので適用しない。
b) 450 ℃回転試験は,表面処理を施した金属材料の侵食を,侵食深さ測定に適したレベルで発生させるのに適し
た温度での試験である。ただし,それぞれの表面処理に適切な時間の事前設定が必要である。表面処理を施
さない金属材料では,侵食が速すぎて深度測定の基準である侵食していない部位が確保できないので適用し
ない。
c) 2 mm曲げ負荷試験は,450 ℃回転試験では時間が掛かり過ぎるため,更なる加速が要求される場合に適した
試験である。ただし,それぞれの表面処理に適切な時間の事前設定が必要である。表面処理を施さない金属
材料では,侵食が速すぎて深度測定の基準である侵食していない部位が確保できないので適用しない。
5.2 材料ごとの推奨試験方法
はんだ槽及び附属部品の金属材料ごとに分類した,推奨試験方法を,表3に示す。
表3−金属材料ごとに分類した推奨試験方法
金属材料及び表面処理 加速侵食試験を適用
金属材料 表面処理 350 ℃回転試験 450 ℃回転試験 450 ℃回転試験での
2 mm曲げ負荷試験
SUS304 なし A B B
SUS316 なし A B B
チタン なし A B B
鋳鉄 なし A B B
SUS304,SUS316 表面拡散タイプ B A A
SUS304,SUS316 コーティングタイプ B A A
注記 “A”は推奨する。“B”は推奨しない。
表面処理は,母材中に窒素などを拡散させることによって,表面処理層を形成する表面拡散タイプと,
母材上にコーティング皮膜を形成するコーティングタイプとに分類され,それぞれに次のような処理方法
がある。
a) 表面拡散タイプ 窒素固溶拡散処理,拡散浸透窒化処理,高温ガス窒化処理,浸炭窒化処理及びプラ
ズマ窒化処理
b) コーティングタイプ 複合セラミックスコーティング,CrNコーティング及びアルミナ溶射コーティ
ング
注記 侵食のメカニズムは,附属書Cを参照。
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6 各試験方法に共通する事項
6.1 試験片の作製方法
試験片は,次に示す方法で作製する。
a) 基本的にはプレス機を用いた打抜き加工を行うが,硬度が高く打抜き加工が適さない材料(チタン,
鋳鉄など)については削り出しで加工する。
b) 試験片の加工工程で発生する端面のばりなど,侵食の発生に影響を与える可能性があるものは,面取
りなどによって排除する。
c) 表面処理を施す場合は,上記a) 及びb) の工程の後に行う。
d) 試験片の表面に,油又はその他の汚れを付けると試験結果に影響するため,作製後の取扱いには十分
な注意を払う。
6.2 試験用はんだ合金
試験に用いるはんだ材料は,個別規格に規定がない場合,JIS Z 3282に規定するSn96.5Ag3Cu0.5を用い
る。はんだ材料のSn純度が高い場合,侵食が短時間で起こり,正確な評価ができない可能性がある。
6.3 加速ストレス
6.3.1 試験温度
試験温度は,JIS C 62739-1では350 ℃±3 ℃,JIS C 62739-2では450 ℃±3 ℃とする。
これらの試験温度は,焦点深度測定法による侵食深さの基準となる侵食されない面が明らかに分かるよ
うに,また,金属材料及び表面処理による侵食深さの差を明確にするために設定している。金属材料に必
要な試験時間は,それぞれの金属材料及び表面処理に適切な時間を予備試験で確認する(附属書A参照)。
注記 温度による侵食の加速係数は,附属書D参照。
6.3.2 回転数
試験片を回転させることによる溶融はんだと試験片との速度差は,ウェーブソルダリングにおける溶融
はんだの流速を想定している。表面処理の有無別の試験も回転数100 r/min±3 r/minと規定しており,回転
速度が規定よりも遅くなると実際の生産プロセスの溶融はんだの流速を下回るため,加速要素として成り
立たない。回転速度が規定よりも速くなると,溶融はんだも回転を始め,溶融はんだと試験片との相対的
な速度差は小さくなり,この場合も加速要素として成り立たない。
注記 回転速度による侵食速度は,図A.3参照。
6.3.3 試験片への曲げ応力
450 ℃回転試験において時間が掛かり過ぎる場合には更なる加速が必要となる。JIS C 62739-2に規定す
る450 ℃回転試験の2 mm曲げ負荷試験においては,試験片は追加加速として曲げ応力を受けている。1 mm
曲げ負荷では侵食発生の加速としては不十分であり,2 mmを超えた曲げ応力負荷を与えると,塑性変形
によって焦点深度測定法による深度測定が困難となる。
注記 曲げ応力負荷による侵食速度は,A.2参照。
6.4 試験中のドロスの取扱い
6.4.1 ドロスの発生及び除去周期
試験温度及び回転数が高いほどはんだの酸化が促進しドロスの発生量が増える。“350 ℃回転試験”と
“450 ℃回転試験”でのドロスの発生量を比較すると,“450 ℃回転試験”の方がドロスの発生は多いが,
16時間に1回以上のドロス除去を行うことで,いずれの試験においても発火,あふ(溢)れ出すなどのよ
うな事故を防ぐことができる。
ドロス低減策は,窒素ガス雰囲気にすることが有効である。ただし,酸素分圧の調整などの装置構成が
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複雑になることがあり,定期的なドロス除去で試験が可能であることからドロス低減策の推奨はしない。
6.4.2 ドロスの除去方法
ドロスの除去は,回転モータを止めた状態で,適切なジグ(例えば,図2に示すような多数の孔が開い
たステンレス製のおたま)を用いて行う。このとき,金属粉末が空気中に浮遊するため防じん(塵)マス
ク及び防じん(塵)めがねを着用し,また高温によるやけどなどの事故を防ぐため,耐熱手袋を着用しな
ければならない。除去したドロスからの金属粉末飛散を極力抑制するため,密閉可能な容器に入れる。
図2−適切なドロス除去ジグの例
6.4.3 ドロス除去後の溶融はんだ量
ドロスを除去した後は,ポット内の溶融はんだ量(規定する浸せき深さが確保できる量とする。)を確認
し,溶融はんだが不足する場合は,規定するはんだ合金を追加する。
6.5 侵食深さの測定方法
6.5.1 試験片の後処理
測定前に,はんだが付着している場合は,加熱して拭き取るか,酸洗い(例えば,5 %希釈塩酸で20 ℃,
10分間)をしてから測定する。
6.5.2 局部侵食の深さ測定
6.5.2.1 侵食深さの定義
孔状の場合の侵食深さDの一般的な定義は図3に示すように,次の式の関係になる。
D=(D0−UT)+Dとなる。
D 観察基準面(0位置)
D0 D
UT
図記号
D : 真の侵食深さ
D0 : 試験前の試験片の厚さ
UT : 試験後の試験片の厚さ
D : 侵食深さ(計測した侵食深さ)
図3−侵食深さの一般的な定義概念図
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6.5.2.2 測定法(焦点深度法)
JIS C 62739-1及びJIS C 62739-2の試験方法は,試験片が比較的小さくデプスゲージで測定するのは難
しいため,光学的手法を用いる。光学的手法にも各種あるが(附属書B参照),比較的安価で入手可能な
光学顕微鏡を用いた焦点深度法とする。
焦点深度法による侵食深さD0は,試験後の試験片の厚さが変化していないことと,侵食されていない部
分が観察同一画面上に残っていることを前提に,図4に示すように,次の式の関係になる。
D=(D0−UT)+Dとなる。
観察基準面(0位置)
D D
D0 U
図記号
D : 真の侵食深さ
D0 : 試験前の試験片の厚さ
UT : 試験後の試験片の厚さ
D : 侵食深さ(計測された侵食深さ)
図4−焦点深度法による侵食深さの定義概念図
6.5.2.3 焦点深度法による侵食深さの算出
測定に当たり,厳密さを要求する場合は,試験前後に試験片の厚さを計測し,図3の定義に従って計算
して求める。試験前後に試験片の厚さが変わっていない場合は,図4の定義に従って計測値(D)をその
まま用いてもよい。局部侵食の代表例を図5に示す。
図5−局部侵食の例
6.5.2.4 試験片の評価部分
試験片は,はんだ槽の浸せきされる位置によって,侵食状態が異なることから図6に示すような3か所
で,各5点で測定し統計処理する。比較評価する場合は,最大値(一番深い値)を代表値にしてもよい(図
6参照)。
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単位 mm
試験片 評価部分(この部分以外で侵食している部
分がある場合は,そこを加えてもよい。)
35
溶融はんだ
70
35
はんだ槽
図6−評価部分例
6.5.3 全面(均一)侵食の深さ測定
6.5.3.1 侵食していない部分が残っている場合
図7に示すように,観察同一画面上に侵食していない部分が少しでも残っている場合,6.5.2に規定する
焦点深度法で測定することができる。
図7−侵食していない部分が残っている例
6.5.3.2 侵食していない部分が残っていない場合
図8に示すように,全面的に侵食して近くに侵食していない面がない場合,試験前後の試験片の厚さの
差を侵食深さとする。試験片の厚さは,次のいずれかの平面観察法にて測定できる。
・ 試験片の側面から観察又は測定する。
・ 試験後に限り,切断した及び研磨した,試験片の切断面を観察又は測定する。
注記 平面観察機器の例を表B.2に示している。
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- 規格番号
- 規格名称
- JISC62739-2:2019
- 溶融鉛フリーはんだを用いたウェーブソルダリング装置の侵食試験方法―第2部:表面処理を施した金属材料の侵食試験方法
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状