JIS C 62739-3:2019 溶融鉛フリーはんだを用いたウェーブソルダリング装置の侵食試験方法―第3部:試験方法の選定指針 | ページ 3

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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
試験前の試験片厚さ位置
侵食部分
図8−全面的に侵食している例及び断面を切断して研磨した例
6.5.4 結果の判定
侵食が深いほど判定しやすい。この試験方法の目的は,良否の判定ではなく,相対的に比較することに
よって適切なメンテナンス周期又は部品ライフを想定し,表1に例示すような溶融はんだの漏えい又は火
災の事故を未然に防ぐことにある。
注記 必要に応じ,最大深さは,JIS C 62739-1の附属書Bに記載の方法で推定できる。

7 試験の概要

7.1 試験方法

  試験の概要を表面処理の有無別に,7.2及び7.3に示す。

7.2 表面処理を施さない金属材料の侵食試験方法

7.2.1  一般
表面処理を施さない金属材料の侵食試験方法では,“350 ℃回転試験”によって発生及び進行する侵食の
深度を測定し,その値で侵食のレベルを判断する。ステンレス鋼の表面酸化皮膜など試験片の表面皮膜は,
実際の生産プロセスで用いるフラックスによって化学的に除去されることがあり,侵食速度に影響するた
め,表面処理を施さない試験片では表4で規定するフラックスを用いる(附属書C参照)。
7.2.2 350 ℃回転試験
350 ℃回転試験は,表面処理を施さない金属材料の侵食評価に適用する試験方法であり,図9に示すよ
うに試験装置の回転ブロックに試験片を固定し,試験温度350 ℃±3 ℃の溶融はんだに浸せきした状態で
100 r/min±3 r/minの回転を与え,発生した侵食の深度を測定する方法である。試験条件の概要を表4に示
す。
侵食の発生を促す目的で,回転ブロックに固定した試験片を,フラックス中に数秒間浸せきさせ,余分
なフラックスを除去した後に宙づり状態で5分10分間放置して自然乾燥させる(C.1参照)。
試験方法の詳細は,JIS C 62739-1による。

――――― [JIS C 62739-3 pdf 11] ―――――

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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
図9−試験装置の構成例
表4−350 ℃回転試験の試験条件
試験条件 規定事項
試験用はんだ合金組成 個別規格に規定がない場合,JIS Z 3282に規定するSn96.5Ag3Cu0.5を用いる。
試験用フラックス ハライド含有量が質量分率で0.2 %のロジン系フラックスを用いる。
フラックスの組成は,JIS C 60068-2-20:2010の附属書B(フラックスの組成)による。
はんだ温度(測定箇所) 350 ℃±3 ℃(はんだ表面から深さ35 mm40 mm,かつ,試験片からの距離20 mm
30 mmで測定)
試験片の回転速度 100 r/min±3 r/min
試験片の回転半径 6 mm8 mm(回転ブロックの中心から試験片の外周面)
試験片の浸せき深さ 65 mm70 mm(溶融はんだの表面から試験片の下端)
試験時間 事前に適切な試験時間を設定する。
ドロス除去の周期 16時間に1回以上

7.3 表面処理を施した金属材料の侵食試験方法

7.3.1  試験方法
表面処理を施した金属材料の侵食試験では,“450 ℃回転試験”によって発生及び進行する侵食の深度を
測定し,その値で侵食のレベルを判断する。更に加速を要求する場合は,“2 mm曲げ負荷試験”によって
発生及び進行する侵食の深度を測定し,その値で侵食のレベルを判断する。
7.3.2 450 ℃回転試験
450 ℃回転試験は,表面処理を施した金属材料の侵食評価に適用する試験方法であり,図9に示すよう
に試験装置の回転ブロックに試験片を固定し,試験温度450 ℃±3 ℃の溶融はんだに浸せきした状態で100
r/min±3 r/minの回転を与え,発生した侵食の深度を測定する方法である。試験条件の概要を表5に示す。
試験方法の詳細は,JIS C 62739-2による。
注記1 対応国際規格に明らかな誤記があったため,“表面処理を施さない”から“表面処理を施した”

――――― [JIS C 62739-3 pdf 12] ―――――

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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
に変更した。
表5−450 ℃回転試験の試験条件
試験条件 規定事項
試験用はんだ合金組成 個別規格に規定がない場合,JIS Z 3282に規定するSn96.5Ag3Cu0.5を用いる。
はんだ温度(測定箇所) 450 ℃±3 ℃(はんだ表面から深さ35 mm40 mm,かつ,試験片からの距離20 mm
30 mmで測定)
試験片の回転速度 100 r/min±3 r/min
試験片の回転半径 6 mm8 mm(回転ブロックの中心から試験片の外周面)
試験片の浸せき深さ 65 mm70 mm(溶融はんだの表面から試験片の下端)
試験時間 事前に適切な試験時間を設定する。
ドロス除去の周期 16時間に1回以上
注記2 対応国際規格に明らかな誤記があったため,表5の題名の一部を“350 ℃”から“450 ℃”に
変更した。
7.3.3 450 ℃の2 mm曲げ負荷試験
“450 ℃回転試験”では十分に判定できる侵食の発生に長時間を要し,更に加速を要求する場合は,図
10に示すように試験片に2 mmの曲げを負荷した試験によって,評価を行う。
試験方法の詳細は,JIS C 62739-2による。
単位 mm
回転ブロック
2
110
溶融はんだ
Φ90
図10−450 ℃の2 mm曲げ試験の構成例

――――― [JIS C 62739-3 pdf 13] ―――――

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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
附属書A
(参考)
試験温度・試験時間・曲げ負荷選定のガイダンス
A.1 表面処理を施さない試験片
表面処理を施さない材料の侵食試験では,試験条件としてはんだ温度,試験片回転速度などを一定に規
定している。これらの試験条件は,図A.1に示す試験片を用い,予備的な侵食試験を行うことで,侵食発
生の状況及び試験中のドロスの発生状況から決定した。
単位 mm
図A.1−予備試験時の試験片形状
溶融はんだ温度が侵食深さに与える影響を図A.2に,回転速度が侵食深さに与える影響を図A.3にそれ
ぞれ示す。これらのデータは,図A.1に示した試験片を用いて侵食試験を行った結果であり,図中の水平
面,曲面及び垂直面は,図中の位置を表している。はんだ温度が高いほど侵食深さは深くなり,回転速度
も速いほど侵食深さは深くなる。すなわち,はんだ温度及び回転速度,共に表面処理を施さない材料の侵
食現象に大きな影響を与える。一方で,はんだ温度が高く,回転速度が速いほど,すず(Sn)の酸化物が
主成分であるドロスの発生量も多くなり,ドロスの除去作業及びはんだの追加作業が必要になることから,
侵食試験の加速性と作業効率及び安全との観点から試験条件を決定する必要があった。以上のような検討
を経て,試験温度は350 ℃±3 ℃,回転速度は100 r/min±3 r/minと規定した。

――――― [JIS C 62739-3 pdf 14] ―――――

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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
0.6
0.6
部位1
SUS304, Location
1 :水平面
Horizontal
0.5
mm)
0.5 rate: :00(r/min)
Rotation
回転速度 (rpm) :曲面
Curve
Immersion time: 384 (h)
:Vertical
試験時間 :384(h) 垂直面
)(
0.4
0.4
e
侵食深さ(mpt
mh
0.3
nd
0.3
so
i
0.2
0.2
Ero
0.1
0.1
00
250250 300300 350350 400400
(℃)
Temperature (K)
はんだ温度(℃)
図A.2−溶融はんだ温度が侵食深さに与える影響
0.6
SUS304,部位1 : 水平面
0.5 はんだ温度: 350 (℃) : 曲面
mm)
試験時間: 384 (h) : 垂直面
(
0.4
侵食深さ
0.3
0.2
0.1
0
0 50 100 150
回転速度 (r/min)
図A.3−試験片回転速度が侵食深さに与える影響
試験時間が侵食深さに与える影響を図A.4に示す。試験時間が長いほど,侵食深さは深くなることが分
かる。一般的に侵食深さが深いほど,侵食の違いが明確になりやすい。一方で,侵食深さの測定方法とし
て,一般的な光学顕微鏡を用いた焦点深度法を提案しており,この方法で測定するためには,基準となる
試料表面が必要なことから,試験終了後にも侵食されることなく試料表面が一部に残っている必要がある。
したがって,侵食現象は材料の種類によって異なることから,材料の種類によって適切な試験時間を事前
に決定しておく必要がある。例えば,規定する試験条件を用いた場合,ステンレス鋼(SUS316,SUS304
など)では,その時間は200時間程度である。

――――― [JIS C 62739-3 pdf 15] ―――――

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  • IEC 62739-3:2017(IDT)

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