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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
0.6
SUS304, 部位1 : 水平面
mm)
0.5 はんだ温度: 350 (°C) : 曲面
回転速度: 0 (r/min) : 垂直面
(
0.4
侵食深さ
0.3
0.2
0.1
0
0 10 20 30
試験時間の平方根 ( h )1/2
図A.4−試験時間が侵食深さに与える影響
A.2 表面処理を施した試験片
JIS C 62739-1で規定する表面処理を施さない材料の侵食試験では,試験条件としてはんだ温度は350 ℃
±3 ℃と規定される。該当温度にて,表面処理が施した材料の侵食試験を実施することは難しい。実用化
されている表面処理材に対し試験温度350 ℃にて侵食試験を行った場合,1 000時間経過後も侵食が発生し
ないことがある。そのため,効率よく評価を行うには,温度負荷,応力負荷などを施して侵食の発生を促
進する必要がある。
高温ガス窒化及び浸炭窒化処理材についての侵食試験結果を表A.1に示す。高温ガス窒化処理材の結果
によって,母材によらず試験温度が高くなると侵食発生時間が短くなる。また,曲げ負荷についても,同
一試験温度では,曲げ負荷を加えることによって,侵食発生時間は短くなる。SUS304母材では,侵食発
生に及ぼす曲げ量の効果はあまり認められない。一方,SUS316母材は,曲げ量の増加に伴い,侵食発生
時間は短くなる。浸炭窒化処理材は,曲げ負荷に比べ温度負荷の影響の方が大きい。以上のように,表面
処理材の侵食試験を数百時間程度で実施するには,温度負荷,曲げ応力などの負荷が有効である。ただし,
過度の負荷によって,表面処理材及び母材のミクロ組織が実際のソルダリング装置のものと著しく異なる
ことのないよう注意が必要である。
――――― [JIS C 62739-3 pdf 16] ―――――
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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
表A.1−高温ガス窒化及び浸炭窒化処理材の侵食試験結果
表面処理 母材 試験温度 追加負荷 侵食発生時間
℃ h
400 負荷なし 600
450 負荷なし 200
SUS304 400 1 mm曲げ 24
400 2 mm曲げ 100
450 1 mm曲げ 24
高温ガス窒化
400 負荷なし 2 000まで未発生
450 負荷なし 200
SUS316 400 1 mm曲げ 500
400 2 mm曲げ 100
450 1 mm曲げ 50
400 1 mm曲げ 580
400 2 mm曲げ 600
SUS304
450 負荷なし 300
450 1 mm曲げ 80
浸炭窒化
400 1 mm曲げ 1 300まで未発生
400 2 mm曲げ 900まで未発生
SUS316
450 負荷なし 500
450 1 mm曲げ 100
表A.2にコーティングタイプ表面処理材の侵食試験結果を示す。コーティングタイプ表面処理の場合,
表面処理の方法によって侵食発生に明確な差がみられる。試験温度450 ℃で試験を行った場合,複合セラ
ミックスコーティングの場合には,最初の150時間目で既に侵食が観察されたが,窒化クロム(CrN)コ
ーティング及びアルミナ溶射コーティングの場合には,試験時間内での侵食の発生は見られなかった。ま
た,試験温度を500 ℃にした場合,及び曲げ負荷を追加した場合でも,試験時間内で侵食の発生は観察で
きなかった。SUS304とSUS316とによる母材の違いも見られなかった。この試験範囲では侵食が発生する
ものと,発生しないものとにはっきりと分かれており,各試験温度でのコーティング膜表面でのクラック
発生の有無が溶融はんだによる侵食発生の有無に大きな影響を及ぼすものと考えられる。
表A.2−コーティングタイプ表面処理材の侵食試験結果
表面処理 母材 試験温度 追加負荷 侵食発生時間
℃ h
複合 450 負荷なし 150までに発生
SUS304
セラミックス 500 負荷なし 150までに発生
コーティング SUS316 500 負荷なし 150までに発生
450 2 mm曲げ 300まで未発生
窒化クロム(CrN)SUS304
500 負荷なし 500まで未発生
コーティング
SUS316 500 負荷なし 500まで未発生
450 負荷なし 300まで未発生
アルミナ溶射 SUS304 450 2 mm曲げ 300まで未発生
コーティング 500 負荷なし 500まで未発生
SUS316 500 負荷なし 500まで未発生
――――― [JIS C 62739-3 pdf 17] ―――――
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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
附属書B
(参考)
侵食深さ・その他の測定ガイダンス
B.1 一般
一般的に,金属腐食を定量評価する場合,腐食減量(質量変化)を測定する方法及び侵食深さを測定す
る方法がある。
B.2 侵食深さ測定
侵食深さを測定する方法には,表B.1に記載する各種測定法がある。表B.1に各種測定法の計測面,特
長及び測定精度も示す。表B.2に,観察機器,観察状態,計測状態及び計測データの各種例を示す。
表B.1−各種測定法,特長及び精度
観察方法 観察計測面 特長 精度
画像を見ながらバーニアダイヤルを回してそ
デジタルマイクロ
の目盛を読み取るため時間が掛かる。 300倍の場合 : 68 μm以下,
スコープによる焦 Z(深さ方向)
倍率は200倍以上が最適。 600倍の場合 : 47 μm以下
点深度法
観察物の形状制約が少ない。
操作容易。
平面データ毎写真に取れる。
デジタルマイクロ
計測データが数値で保存できる。
スコープによる平 X−Y 10 μm
角の侵食は両面から撮影して深さを計測でき
面観察法
る。
平面上真ん中クレータ状の深さ測定不可。
操作容易。
レーザ変位法 Z 10 μm
計測データが数値で保存できる。
操作容易・高精度。
3Dレーザ顕微鏡 立体データごとに写真に取れる。
X−Y−Z 0.001 μm
による立体観察法 計測データが数値で保存できる。
観察物の寸法及び形状に制約あり。
操作容易。
ダブルスキャンレ
Z データは表示モニタから読み取る。 0.1μm0.01 μm
ーザ変位法
観察物の寸法及び形状に制約あり。
――――― [JIS C 62739-3 pdf 18] ―――――
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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
表B.2−各種観察機器の例
観察方法 観察状態 計測状態・計測データ
デジタルマイクロス
粗 デジタル
コープによる焦点深
度法 調 インジケ
節 ータ
ダ
イ
ヤ
ル
デジタルマイクロス
コープによる平面観 観察ステージ
察法
計測データ
3Dレーザ顕微鏡に レーザ顕微鏡による観察及び2D解析 レーザ顕微鏡による観察及び3D解析
よる立体観察法
――――― [JIS C 62739-3 pdf 19] ―――――
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C 62739-3 : 2019 (IEC 62739-3 : 2017)
附属書C
(参考)
侵食のメカニズム
C.1 表面処理を施さない試験片
一般に溶融金属に固体金属を浸せきした場合及び溶融金属に固体金属が接触した場合,一旦,ぬれが起
こると,固体金属の融点以下の温度であっても溶融金属中に固体金属が溶け出す現象(溶解現象)が起こ
り,溶融金属によって固体金属が侵食されることになる。例えば,はんだ付け温度が250 ℃程度の場合,
溶融はんだ中への銅(Cu),ニッケル(Ni),金(Au)などの金属の溶解は急速に発生する。ウェーブソル
ダリング装置用の表面処理を施さない材料の侵食もこのような金属の溶解現象として考えることができる。
表面に緻密な酸化被膜を形成することによって優れた耐食性をもつステンレス鋼の場合であっても,い
ずれかの原因で表面の被膜が破壊され,溶融はんだのぬれが発生すると,侵食が開始する。現実的には被
膜の破壊は限られた部分で発生するため,ステンレス鋼の場合には不均一で局部的な侵食となりやすい。
被膜が損傷し,破壊する原因は,熱及び機械的因子と化学因子とに分けられ,熱及び機械的因子は,はん
だ温度及び材料表面の温度,はんだ流速,ドロスなどによる摩耗,曲げ,引張りなどの応力が考えられる。
化学因子は,はんだ付に用いるフラックスの影響が主に考えられる。
C.2 表面処理を施した試験片
窒化処理などの原子の拡散を利用して母材の表面を処理する表面処理材の侵食は,次の手順で発生する
(図C.1参照)。
a) 窒化層の表層が離し,溶融はんだが窒化層にぬれる。
b) すず(Sn)が窒化層内に拡散してすず(Sn)拡散層を形成する。同時に,母材中の金属化合物が溶融
はんだ中に拡散して溶け,溶融はんだとすず(Sn)拡散層(旧窒化層)との界面に鉄−すず(Fe-Sn)
系の化合物が生成される。
c) すず(Sn)拡散層が窒化層全体に広がる。
d) すず(Sn)拡散層と母材との境界部にすずリッチ(Sn-rich)領域[クロム(Cr)欠乏域]が形成され
る。
e) すずリッチ(Sn-rich)領域が母材中に成長することによって,すず(Sn)拡散層(旧窒化層)下で侵
食が始まる。
f) 溶融はんだとすずリッチ(Sn-rich)との領域に挟まれたすず(Sn)拡散層(旧窒化層域)が破壊され
侵食が進展する。
f) の状態以降では,外観検査によって侵食の発生が確認できるが,e) までの状態では外観上は変色が確
認できる程度で,侵食の発生を確認することは難しい。ただし,はんだによる母材の侵食は,d) の状態で
始まっていることに注意が必要である。
また一方で,試料表面にセラミックス被膜を形成するようなコーティングタイプの場合の侵食は,上記
の拡散タイプの場合とは異なり,耐熱性の高い膜が形成されていることから,コーティング膜表面の欠陥
部などからクラックが発生し,そこにはんだが進入することで侵食が発生するものと考えられる。
――――― [JIS C 62739-3 pdf 20] ―――――
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JIS C 62739-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62739-3:2017(IDT)
JIS C 62739-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.240 : 電子設備の機械的構造
JIS C 62739-3:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC62739-2:2019
- 溶融鉛フリーはんだを用いたウェーブソルダリング装置の侵食試験方法―第2部:表面処理を施した金属材料の侵食試験方法
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状