JIS C 62932-1:2021 定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム―第1部:用語及び一般事項

JIS C 62932-1:2021 規格概要

この規格 C62932-1は、電気エネルギー貯蔵(EES)に用いる定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)及び定置用フロー電池システム(FBS)の,測定項目の単位,試験方法,安全性及び環境に関する用語並びに一般事項について規定。

JISC62932-1 規格全文情報

規格番号
JIS C62932-1 
規格名称
定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム―第1部 : 用語及び一般事項
規格名称英語訳
Flow battery energy systems for stationary applications -- Part 1:Terminology and general aspects
制定年月日
2021年2月22日
最新改正日
2021年2月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 62932-1:2020(IDT)
国際規格分類

ICS

29.220.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2021-02-22 制定
ページ
JIS C 62932-1:2021 PDF [15]
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語,定義及び略語・・・・[1]
  •  3.1 用語及び定義・・・・[1]
  •  3.2 略語・・・・[8]
  •  4 フロー電池の概要・・・・[8]
  •  4.1 フロー電池システム(FBS)の構成・・・・[8]
  •  4.2 フロー電池システム(FBS)コンポーネント・・・・[9]
  •  4.3 フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)の構成・・・・[9]
  •  4.4 フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)のコンポーネント・・・・[10]
  •  附属書A(参考)フロー電池エネルギー貯蔵システムのコンポーネント・・・・[11]
  •  附属書B(参考)化学組成の種類・・・・[12]
  •  参考文献・・・・[13]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS C 62932-1 pdf 1] ―――――

           C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)

まえがき

  この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電機工業会(JEMA),一
般社団法人電池工業会(BAJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産
業規格を制定すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産
業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
  JIS C 62932の規格群には,次に示す部編成がある。
    JIS C 62932-1 第1部 : 用語及び一般事項
    JIS C 62932-2-1 第2-1部 : 性能要求事項及び試験方法
    JIS C 62932-2-2 第2-2部 : 安全性要求事項

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS C 62932-1 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                         C 62932-1 : 2021
                                                                          (IEC 62932-1 : 2020)

定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム−第1部 : 用語及び一般事項

Flow battery energy systems for stationary applications- Part 1: Terminology and general aspects

序文

 この規格は,2020年に第1版として発行されたIEC 62932-1を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本産業規格である。

1 適用範囲

  この規格は,電気エネルギー貯蔵(EES)に用いる定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)
及び定置用フロー電池システム(FBS)の,測定項目の単位,試験方法,安全性及び環境に関する用語並
びに一般事項について規定する。
    注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          IEC 62932-1:2020,Flow battery energy systems for stationary applications−Part 1: Terminology and
              general aspects(IDT)
            なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
          とを示す。

2 引用規格

  この規格には,引用規格はない。

3 用語,定義及び略語

3.1 用語及び定義

  この規格群で用いる主な用語及び定義は,次による。
  ISO及びIECでは,次のサイトにおいて,規格で用いる用語のデータベースを維持している。
− IEC Electropedia: available at http://www.electropedia.org/
− ISO Online browsing platform: available at https://www.iso.org/obp/ui
3.1.1
周囲温度(ambient temperature)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムの周囲における温度。
3.1.2
補機消費エネルギー(auxiliary energy)
  フロー電池システム及びフロー電池エネルギー貯蔵システムの補機が消費するエネルギー。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 3] ―――――

           2
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
    注記 補機には,バッテリーマネジメントシステム,バッテリー支援システム,エネルギー貯蔵流体
          循環システムなどがある。
3.1.3
バッテリーマネジメントシステム,BMS(battery management system)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムの状態を監視し,二次データを計算して報告し,性能及び/又は運
用年数に影響を与える環境を管理するシステム。
    注記 バッテリーマネジメントシステムの機能は,その一部又は全部をフロー電池及び/又はフロー
          電池エネルギー貯蔵システムを用いる機器に割り当てることが可能である。
  (IEC 61427-2:2015の3.8参照。ただし,“バッテリー”を“フロー電池エネルギー貯蔵システム”に置
き換えた。)
3.1.4
バッテリー支援システム,BSS(battery support system)
  熱交換器,換気装置,安全システム,不活性ガスシステムなどのような,フロー電池エネルギー貯蔵シ
ステムで用いる周辺機器。ただし,セルスタック,電力変換システム,バッテリーマネジメントシステム
及びエネルギー貯蔵流体循環システムは含まない。
    注記 バッテリー支援システムは,バッテリーマネジメントシステムによって制御される。
3.1.5
充電(charge,charging)
  二次電池又はセルが外部回路から電気エネルギーの供給を受け,その結果,セル内に化学的変化が生じ,
化学エネルギーとして貯蔵される動作。
    注記 充電動作は,製造業者が指定する,最大電圧,最大電流,持続時間その他の条件によって定義
          される。
  (IEC 60050-482:2004,482-05-27を参照し,一部を修正した。)
3.1.6
コールドスタンバイ(cold standby)
  制御電源が入っていない待機状態。
    注記 コールドスタンバイは,冗長構成の機器又は自立機器にも適用される場合がある。
3.1.7
放電(discharge,discharging)
  二次電池がセル内の化学変化を発生させ,電気エネルギーとして外部回路に放出する動作。
    注記 放電動作は,製造業者が指定する,最大電圧,最大電流,持続時間その他の条件によって定義
          される。
3.1.8
緊急停止(emergency shutdown)
  重故障及び電力系統異常の場合,フロー電池エネルギー貯蔵システムの保護システム又は手動によって,
緊急時に行う停止。
  (IEC 60050-415:1999,415-01-11を参照。ただし,“風力タービン”を“フロー電池エネルギー貯蔵シ
ステム”に置き換えた。)
3.1.9
非常停止(emergency stop)

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                                                                                             3
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
  人に対する既存のハザード,機械の損傷又は進行中の作業への損傷の発生を避ける又はこれらを軽減す
ることを目的として,ワンタッチで行える停止。
  (JIS B 9703:2019の3.1を参照。ただし,一部を修正した。)
3.1.10
エネルギー効率(energy efficiency)
  充放電の前後で充電状態が同じであることを条件として測定された,接続点における出力エネルギーと,
フロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵システムの運転に必要な補機エネルギーを含めた接続
点における入力エネルギーとの比。
    注記1 フロー電池エネルギー貯蔵システムのエネルギー効率には,電力変換システムの変換損失,
            並びにエネルギー貯蔵流体循環システム,バッテリーマネジメントシステム及びバッテリー
            支援システムに必要な補機エネルギーが含まれる。
    注記2 エネルギー効率は,一般的に百分率で表示される。
  (IEC 62933-1:2018の4.12を参照。ただし,注記1は“EES”を“フロー電池エネルギー貯蔵システム”
に置き換えた。)
3.1.11
エネルギー貯蔵流体(energy storage fluid)
  液体,懸濁液又はガスから成り,フロー電池のセルを通って流れる活物質を含む流体。
    注記 流体が液体の場合は,電解液と呼ばれる場合がある。
3.1.12
充電終了条件(end of charge)
  製造業者が指定する,充電が終了する条件。
3.1.13
放電終了条件(end of discharge)
  製造業者が指定する,放電が終了する条件。
3.1.14
フローセル(flow cell)
  空間的に隔てられた電極及びエネルギー貯蔵流体の流動を特徴とする二次電池。
    注記 フロー電池のセルには,ハイブリッドフローセルが含まれる。
3.1.15
フロー電池エネルギー貯蔵システム,FBES(flow battery energy system)
  一つ以上のフロー電池システム及び一つ以上の電力変換システムから構成されるエネルギーを貯蔵する
システム。
3.1.16
フロー電池システム,FBS(flow battery system)
  電気的に接続された二つ以上のフローセル,バッテリーマネジメントシステム,バッテリー支援システ
ム,エネルギー貯蔵流体循環システムなど,電気化学的なエネルギー貯蔵システム内で用いる全てのコン
ポーネントを含んだシステム。
3.1.17
エネルギー貯蔵流体循環システム(fluid system)
  タンク,配管,手動弁,電動弁,ポンプ,センサなどを備え,エネルギー貯蔵流体を貯蔵し,循環させ

――――― [JIS C 62932-1 pdf 5] ―――――

           4
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
ることを目的とするシステム。
3.1.18
強制換気(forced ventilation)
  機械的手段による空気の移動及び新鮮な空気との置換。
  (JIS C 62282-3-300:2019の3.9を参照)
3.1.19
満充電(fully charged)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,製造業者の指定する充電終了条件に到達している状態。
3.1.20
完全放電(fully discharged)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,製造業者の指定する放電終了条件に到達している状態。
3.1.21
ガス放出(gas release)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムから周囲の環境へのガスの排出。
3.1.22
系統連系状態(grid-connected state)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,系統に接続されている状態。
3.1.23
地絡(ground fault)
  フロー電池のエネルギー貯蔵流体循環システムの通電導体と大地との間に,偶発的又は予定外の導電路
が発生すること。
    注記 導電路は,不良な絶縁体,液膜,構造物(ポール,足場,クレーン,はしごなど),又は植物[樹
          木,かん(灌)木など]を通る可能性がある。
3.1.24
ホットスタンバイ(hot standby)
  要求があり次第,直ちに運転できる待機状態。
    注記1 ホットスタンバイは,冗長構成の機器又は自立機器に適用される場合がある。
    注記2 アプリケーションによっては,ホットスタンバイのシステムは運転中とみなされる。
  (JIS Z 8115:2019,192-02-12を参照。ただし,一部を修正した。)
3.1.25
ハイブリッドフロー電池(又はセル)(hybrid flow battery/cell)
  片極の活物質が,放電状態によって電極に付着する固体物質であるフロー電池(又はセル)。
3.1.26
入力電力(input power)
  充電中及び待機中にフロー電池エネルギー貯蔵システム供給される電力。
3.1.27
絶縁抵抗(insulation resistance)
  絶縁材料によって分離されている二つの導体間の,任意の条件における抵抗。
  (IEC 60050-151:2001,151-15-43を参照)

――――― [JIS C 62932-1 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
3.1.28
インターロック(Interlock)
  ある装置の動作を一つ以上の他の装置の状態又はポジションに依存させるために,例えば,補助コンタ
クトを介して機械装置,電気装置その他装置とリンクしたシステム。
  (IEC 60050-811:2017,811-25-13を参照し,一部を修正した。)
3.1.29
エネルギー貯蔵流体漏えい(洩)(fluid leakage)
  セル又はフロー電池システムからの想定外のエネルギー貯蔵流体の流出。
    注記 安全性要求事項で規定されているように,漏えいしたエネルギー貯蔵流体を集めるだけでは,
          漏えい対策としては不十分である。
3.1.30
最高周囲温度(maximum ambient temperature)
  フロー電池システムが運転可能であり,製造業者の仕様に従って運転する最高の周囲温度。
3.1.31
最大放電容量(maximum discharge energy)
  製造業者が指定する放電運転条件において,フロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵システ
ムが供給することのできる最大エネルギー容量。
    注記1 最大放電容量は,通常,ワット時(Wh)で表示される。
    注記2 フロー電池エネルギー貯蔵システムの最大放電容量は,補機消費エネルギーを考慮するため,
            接続点で測定するのが一般的である。
3.1.32
最大入力電力(maximum input power)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,製造業者の仕様に基づく運転において,充電時に接続点から供
給可能な最大電力(W)。
    注記 電力値は,製造業者によって指定される。
3.1.33
最大出力電力(maximum output power)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,製造業者の仕様に基づく運転において,放電時に接続点へ放出
可能な最大電力(W)。
    注記 電力値は,製造業者によって指定される。
3.1.34
最低周囲温度(minimum ambient temperature)
  フロー電池システムが運転可能であり,製造業者の仕様に従って運転する最低の周囲温度。
3.1.35
自然換気(natural ventilation)
  風又は温度勾配の効果によって発生する空気の移動及び新鮮な空気との置換。
  (IEC 60050-426:2008,426-03-07を参照)
3.1.36
負極端子(negative terminal)
  外部の電気回路をセルの負極電極に接続するために用意された端子。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 7] ―――――

           6
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
  (IEC 60050-482:2004,482-02-24を参照)
3.1.37
ノンオペレーティング状態(non-operating state)
  要求される運転を行っていない状態。
    注記 “ノンオペレーティング”という形容詞は,ノンオペレーティング状態の機器を意味する。
  (JIS Z 8115:2019,192-02-06を参照)
3.1.38
運転状態(on-state)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが,能動的に充電又は放電している状態。
3.1.39
オペレーティング状態(operating state)
  要求どおりに運転しているか,又は運転する態勢のできている状態。
    注記1 “オペレーティング”という形容詞は,オペレーティング状態の機器を意味する。
    注記2 アプリケーションによっては,アイドリング状態が,オペレーティング状態とみなされる場
            合がある。
  (JIS Z 8115:2019,192-02-04を参照。ただし,一部を修正した。)
3.1.40
運転準備(operational coordination)
  運転に向けて,電力変換システム,バッテリーマネジメントシステム,バッテリー支援システムなどの
様々な要素の全てを調整すること。
3.1.41
出力電力(output power)
  放電中に,フロー電池エネルギー貯蔵システムが供給する電力。
3.1.42
過充電(overcharge)
  満充電されたフロー電池システムが充電を継続すること。
  (IEC 60050-482:2004,482-05-44を参照し,“二次セル又は電池”を“フロー電池システム”に置き換
えた。)
3.1.43
接続点,POC(point of connection)
  電力システムにおける,フロー電池エネルギー貯蔵システムと,系統又は負荷とを接続する点。
  (IEC 60050-617:2009,617-04-01を参照し,“ユーザの電気施設”を“フロー電池エネルギー貯蔵シス
テム”に置き換えた。)
3.1.44
測定点,POM(point of measurement)
  フロー電池及び補機へ供給される,又はフロー電池から出力される電力及びエネルギーを測定する点。
    注記 測定点は,製造業者が指定するもので,契約書などに記載される場合がある。
3.1.45
正極端子(positive terminal)
  外部の電気回路を正極電極に接続するために用意された端子。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
  (IEC 60050-482:2004,482-02-25を参照)
3.1.46
定格放電容量(rated energy)
  製造業者が指定する,接続点におけるフロー電池エネルギー貯蔵システムの放電時のエネルギー容量。
    注記 ジュール(J)が基本的な単位であるが,都合によって,キロワットアワー(kWh),メガワッ
          トアワー(MWh)などを用いてもよい。
3.1.47
定格入力電力(rated input power)
  製造業者が指定する,任意の運転条件におけるフロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵シス
テムの入力電力の値。
    注記 定格入力電力は,ワット(W)で表示される。
3.1.48
定格最大電力(rated maximum power)
  製造業者が指定する,充電時又は放電時のフロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵システム
の最大電力値。
3.1.49
定格出力電力(rated output power)
  製造業者が指定する,放電時のフロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵システムの所定の運
転条件における出力電力値。
3.1.50
ルーチン試験(routine test)
  製造中又は製造後に個々の機器に実施する試験。
  (IEC 60050-151:2001,151-16-17を参照)
3.1.51
サンプリング試験(sampling test)
  供試体をサンプリングして行う試験。
  (IEC 60050-151:2001,151-16-20を参照)
3.1.52
センサ(sensor)
  理学特性を検知又は測定し,物理量に変換するデバイス。
3.1.53
運用年数(service life)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムのしゅん(竣)工試験から運用終了までの期間。
    注記 しゅん(竣)工試験(commissioning test)は,IEC 60050-411:1996,411-53-06を参照。
3.1.54
短絡電流(short-circuit current)
  フロー電池システム又はフロー電池エネルギー貯蔵システムが,外部に接続した0 Ωの抵抗負荷回路に
供給し得る最大電流。
    注記 0 Ωの電気抵抗は,仮説的な条件であり,実際には,フロー電池システムの内部抵抗に比べて
          非常に低い抵抗負荷を接続したときに負荷回路に流れるピーク電流である。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 9] ―――――

           8
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
  (IEC 60050-482:2004,482-03-26を参照。ただし,“セル又は電池”を“フロー電池システム又はフロ
ー電池エネルギー貯蔵システム”に置き換えた。)
3.1.55
サイト要件(site requirements)
  製造業者が指定するフロー電池の運転のためにあらかじめ要求される設置場所の要件。
3.1.56
セルスタック(stack)
  複数のフローセルが連続して組み立てられ,通常,直列に接続されているフローセルの集合体。
    注記 理論的には,セルを並列に接続してもセルスタックは形成し得るが,最小電圧の要件があるた
          め,セルは直列に接続されるのが一般的である。
3.1.57
待機状態(standby state)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが完全に機能しているが,充電動作又は放電動作していない状態。
3.1.58
停止状態(stopped state)
  フロー電池エネルギー貯蔵システムが系統連系していない状態にあって,電力変換システムに蓄電シス
テムが接続されていないオペレーティング状態。
    注記 補機システムは,この状態では通電されている。
  (IEC 62933-1:2018,6.1.8を参照。ただし,“EESシステム”を“フロー電池エネルギー貯蔵システム”
に置き換えた。)
3.1.59
タンク(tank)
  フロー電池システムで用いるエネルギー貯蔵流体の貯蔵容器。
3.1.60
形式試験(type test)
  製造した製品が意図した仕様を満足する設計になっていることを,確認するための試験。

3.2 略語

  この規格群で用いる主な略語は,次による。
  BMS バッテリーマネジメントシステム(battery management system)
  BSS バッテリー支援システム(battery support system)
  EES 電気エネルギー貯蔵(electrical energy storage)
  FBES フロー電池エネルギー貯蔵システム(flow battery energy system)
  FBS フロー電池システム(flow battery system)
  PCS 電力変換システム(power conversion system)
  POC 接続点(point of connection)
  POM 測定点(point of measurement)

4 フロー電池の概要

4.1 フロー電池システム(FBS)の構成

  図1は,フロー電池システム(FBS)の構成例を示す。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 10] ―――――

                                                                                             9
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
                                図1−フロー電池システム(FBS)

4.2 フロー電池システム(FBS)コンポーネント

  フロー電池システム(FBS)は,次の主な四つの部分から構成される。
· セルスタック(一つ以上の)(3.1.56参照)
· タンク(3.1.59参照)
· バッテリー支援システム(3.1.4参照)
· バッテリーマネジメントシステム(3.1.3参照)
    注記 附属書A及び附属書Bを参照。

4.3 フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)の構成

  図2は,フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)の構成例を示す。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 11] ―――――

           10
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
                  a) 測定点が一つの場合のフロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)
                  b) 測定点が二つの場合のフロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)
                        図2−フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)

4.4 フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)のコンポーネント

  フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)は,フロー電池システム(FBS)及び電力変換システム(PCS)
から構成される。FBESは,接続点で系統又は負荷を接続する。

――――― [JIS C 62932-1 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
                                          附属書A
                                          (参考)
              フロー電池エネルギー貯蔵システムのコンポーネント
A.1 一般
  この附属書は,フロー電池エネルギー貯蔵システム(FBES)のコンポーネントのリストを参考として提
供するが,これが全てではない。
A.2 セルスタック
  セルスタックは,セルから構成される。一つのセルは,次のコンポーネントから構成される。
· 集電プレート
· バイポーラプレート
· 電極
· メンブレン(膜)
A.3 エネルギー貯蔵流体循環システム
  エネルギー貯蔵流体循環システムは,次のコンポーネントから構成される。
· ポンプ
· タンク
· 配管
· バルブ
· センサ
· エネルギー貯蔵流体
· 熱交換器
· フィルタ

――――― [JIS C 62932-1 pdf 13] ―――――

           12
C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
                                          附属書B
                                          (参考)
                                      化学組成の種類
  フロー電池システムのエネルギー貯蔵流体の最も一般的な化学組成及び溶液の例を表B.1及び表B.2に
示す。
                                 表B.1−フロー電池の化学組成例
                               単相式                     複相式
                              (溶液)                (ガス/溶液)
                                 V/V                      H/Br
                                Cr/Fe                     H/Cl
                                                           H/Fe
                                                           H/V
                           表B.2−ハイブリッドフロー電池の化学組成例
                                             複相式
                                             Zn/Ni
                                             Zn/Br
                                             Zn/Cl
                                             Fe/Fe
                                             Pb/Pb
                                             Cu/Cu

――――― [JIS C 62932-1 pdf 14] ―――――

                                                                                            13
                                                               C 62932-1 : 2021 (IEC 62932-1 : 2020)
                                          参考文献
     JIS B 9703:2019 機械類の安全性−非常停止機能−設計原則
      注記 対応国際規格 : ISO 13850:2015,Safety of machinery−Emergency stop function−Principles for
            design
     JIS C 62282-3-300:2019 燃料電池技術−第3-300部 : 定置用燃料電池発電システム−設置要件
      注記 対応国際規格 : IEC 62282-3-300:2012,Fuel cell technologies−Part 3-300: Stationary fuel cell
            power systems−Installation
     JIS Z 8115:2019 ディペンダビリティ(総合信頼性)用語
      注記 対応国際規格 : IEC 60050-192:2015,International electrotechnical vocabulary−Part 192:
            Dependability及びAmendment 1:2016
     IEC 60050-151:2001,International Electrotechnical Vocabulary−Part 151: Electrical and magnetic devices
     IEC 60050-411:1996,International Electrotechnical Vocabulary−Part 411: Rotating machinery
     IEC 60050-415:1999,International Electrotechnical Vocabulary−Part 415: Wind turbine generator systems
     IEC 60050-426:2008,International Electrotechnical Vocabulary−Part 426: Equipment for explosive
        atmospheres
     IEC 60050-482:2004,International Electrotechnical Vocabulary−Part 482: Primary and secondary cells and
        batteries
     IEC 60050-617:2009,International Electrotechnical Vocabulary−Part 617: Organization/Market of electricity
     IEC 60050-811:2017,International electrotechnical vocabulary−Part 811: Electric traction
     IEC 61427-2:2015,Secondary cells and batteries for renewable energy storage−General requirements and
        methods of test−Part 2: On-grid applications
     IEC 62933-1:2018,Electrical energy storage (EES)   ystems−Part 1: Vocabulary

JIS C 62932-1:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62932-1:2020(IDT)

JIS C 62932-1:2021の国際規格 ICS 分類一覧

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