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C 62932-2-2 : 2021 (IEC 62932-2-2 : 2020)
5.7 運転上の危険性及び対策
5.7.1 一般
FBSが,上位又は下位にある他の機器(例えば,上位の制御センター)と連携して運転するように設計
されている場合,信号インタフェースその他の手段を設置して,起動,停止,緊急停止,充電及び放電を
含む運転をそれらの機器と協調して運転できなければならない。協調した運転が適切に行われないと,意
図しない運転の原因となり,危険な状況につながる可能性がある。
適切に協調した運転であるかどうかを,11.3によって確認する。
5.7.2 起動
FBSは,次の起動条件が全て成立した場合以外は,起動してはならない。
− 全ての安全装置が必用な箇所に設置され,機能している。
− 停止後の再起動の場合,安全条件が満たされている。
− 強制的に再起動を行う場合,危険性のない状態であることが確認されている。
− 正しいシーケンスで起動するように,適切なインターロックが設置されている。
5.7.3 遠隔監視及び制御システム
遠隔操作可能なFBS又はFBESは,現地にて操作員が検査又は保守を実施できるように,遠隔信号から
FBS又はFBESを切り離すためのスイッチその他の手段を備えなければならない。これらは,現場で認識
できるように表示されていなければならない。FBS又はFBESが安全に運転しているかを確認するために,
遠隔監視システムの導入を考慮する。また,FBSからの指令又はFBESを通した指令によって,自動的に
データを収集できれば,FBS又はFBESの健全性及び残寿命を評価する一助となる。これらの計測データ
によって,放電容量又は各種パラメータの変化を監視することで,FBS又はFBESの健全性の診断が可能
である。これらのデータは,適時,情報ネットワークによって送信することが可能である。このため,イ
ンターネットに接続しているシステムにとって,遠隔監視だけでなく,サイバーセキュリティが重要であ
る。サイバーセキュリティについての更なる指針は,IEC 62351(規格群)を参照。
5.7.4 保護
FBS及びFBESには,異常事態を検知し,システムを非常停止する適切な保護装置を設置しなければな
らない。
これらの保護機能は,11.5によって確認する。
5.7.5 補機電源の故障
FBESは,補機電源が停止した場合,確実に次の動作となるように設計しなければならない。
− FBES内の補機電源喪失の検知
− 補機電源喪失の警報起動
− 接続点(POC)からの解列を含む指定された適切な停止手順の起動
− ポンプの停止及び指定されたバルブの閉鎖
例えば,補機電源が故障しても,BMSを支援するようにUPSを組み込むこと,又は別の安全な電源か
ら電力を供給することで,これを実現することが可能である。
6 設置マニュアル(据付手順書)
FBS及びそのサブシステムは,製造業者が提供する設置マニュアルによって設置しなければならない。
製造業者が提供する設置マニュアルには,配置図,必要な建設部材,並びに設置及び起動の手順を記載
する。設置サイトについて,我が国の規制がある場合,これに適合できるような指示が必要となる場合が
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ある。
7 識別表示又はマーキング
7.1 銘板情報
FBES又はFBSの銘板又はラベル表示には,次の情報を記載しなければならない。
a) 製造業者名
b) 製造業者又は納入者の形式
c) シリアル番号(任意)
d) しゅん(竣)工日(任意)
e) 最高電圧(交流又は直流)(V)
f) 最大電流(交流又は直流)(A)
g) 定格電力(交流又は直流)(kW)
h) 定格放電容量(kWh)
i) 輸送重量(kg)(任意)
j) BSの化学区分(活物質及び溶媒を表示)
k) 危険性物質の体積量
7.2 警告表示及び位置
受渡当事者間で合意した事項に基づき,警告表示を,この情報が必要な区域,又は危険性の存在する区
域に入る前に見える位置に設置しなければならない。
警告表示などは,ISO 7010によって,次の該当する事項を表示する。
− 安全な状態(緑の四角形)
− 防火対策(赤の四角形)
− しなければならない事項(青の円)
− 危険性の警告(黄の三角形)
警告表示などの意味を,設置した場所に表示する及び/又はFBES若しくはFBSのユーザマニュアルに
記載する。
8 輸送,保管,処分及び環境
8.1 こん(梱)包及び輸送
FBS,FBES及びFBESを構成する機器のこん包及び輸送は,我が国の規制に準じ,短絡事故のリスク並
びに重量物及びエネルギー貯蔵流体の流出リスクを考慮して実施する。
輸送する場合,短絡電流による事故防止のために,セルスタックからエネルギー貯蔵流体を抜き取るか,
FBSの出力を0 Vまで放電するなど,適切な措置を講じなければならない。また,輸送前に,セルスタッ
クの端末は短絡防止のための適切な絶縁養生を施し,漏えい防止のための適切な対策を講じる。また,我
が国及び/又は国際的な輸送規則の遵守が必要となる場合がある。
8.2 解体,処分及びリサイクル
FBS,FBES及びFBESを構成する機器の解体及び処分は,適切に訓練を受けた人員によって行わなけれ
ばならない。また,処分及びリサイクルは,我が国の該当する規則を遵守して行う必要がある。
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9 検査
機能及び安全性の確認のため,FBES及びその運用環境の定期検査を実施しなければならない。
検査は,製造業者の指示に従って,次の項目について確認を行う。
− FBSを構成する機器の外観検査[へこ(凹)み,腐食などの何らかの物理的損傷の兆候がないことの
確認]
− セルスタック,配管,バルブ,ポンプ又はタンクからのエネルギー貯蔵流体の漏えいがないことの確
認。
− FBSを構成する機器の異音,異常振動及び異臭がないことの確認(特に,電力用電子機器,ポンプ,
ファンなどの機械部位)
10 保守
FBESは,各種の機器及び部品で構成しているため,包括的な保守計画を立案しなければならない。
保守計画には,保守する品目,必要な手順及び保守作業の頻度を明確にし,次の項目を含める。
− 定期点検の頻度(例えば,日次,週次,月次,年次点検など)
− 部品交換
− FBSを構成する機器の分解整備
保守において,作業員はFBS近傍で作業する場合がある。作業員は保守作業を実施する能力をもち,特
別に必要な手順がある場合,その訓練を受けていなければならない。FBSは,傷害リスクを最小化するた
め,通電部位への暴露を最小限にして手順どおり保守ができるように,FBSの端子にカバーを付けること
ができる構造でなければならない。また,次に留意する必要がある。
− FBSの導電性の通電部位において,同時に触れる可能性のある,直流120 V(公称電圧)を超える導
電性の通電部間の離隔距離は,1.50 m以上とする。
− 直流1.5 kV以上の公称電圧のFBSにおいて,直流1.5 kV未満で動作するデバイスを区分して配置す
る。
− 必要に応じて,通電部との接触による短絡電流を防止するヒューズを設置する。
保守作業開始前に,作業員は身に着けている金属品を,手,手首,首などから外しておく。また,公称
電圧が直流の120 Vを超えるFBSについては,作業員は,絶縁防護服の着用するか又は特定部位に絶縁カ
バーを装着する。
なお,電流が流れている状態で,電池の接続状態を変更してはならない。
注記 ヒューズを取り外した場合,充電器又は並列接続した電池からのバックフィードによって,ア
クセス可能な接点が充電部となる可能性がある。ねじ式ヒューズを用いる場合,電池の出力端
子部が,ねじ込み接続部の底部にある接点につながる。両方の端子が充電部となる場合(例え
ば,並列接続された電池システム),ねじ式ヒューズは使用されない。外部からの炎又はスパー
クによって引き起こされる内部爆発を避けるため,電池には,フレームアレスタ ベントプラグ
(IEC 60050-482:2004の482-05-11参照)を備える場合がある。
11 保護項目の確認試験
11.1 一般
11.1.1 試験
箇条5における要求事項の一部を検証するために適用する試験方法及び基準を規定する。これらの確認
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試験一覧は,表1による。
表1−保護対策の確認試験一覧
試験 試験区分 試験対象 試験体数
絶縁耐圧試験 ルーチン試験 FBS又はFBES 全数
起動停止試験 ルーチン試験 FBS又はFBES 全数
非常停止試験 ルーチン試験 FBS又はFBES 全数
保護動作試験 ルーチン試験 FBS又はFBES 全数
セルスタック 附属書Bによる
11.1.2 試験対象
試験対象として可能なものには,次がある。
− FBESのコンポーネント
− サブシステム(補機)
− FBS又はFBES(システム全体)
11.1.3 試験区分
次の試験区分による。
− 形式試験
− ルーチン試験
11.2 絶縁耐圧試験
11.2.1 要求事項
直流回路が接地されていないFBESにおいて,地絡を防止するために,セルスタック及びタンクを含め
てエネルギー貯蔵流体循環システムが,十分な絶縁耐力をもっていなければならない。
11.2.2 区分
この試験は,ルーチン試験に区分する。
11.2.3 試験体数
試験体数は,全数とする。
11.2.4 試験及び合否基準
交流1 kV以下,直流1.5 kV以下のFBESの場合,絶縁抵抗試験及び耐電圧試験は,JIS C 60364-6によ
る。
交流1 kVを超える又は直流1.5 kVを超えるFBESの耐電圧試験は,IEC 61936-1による。
11.3 起動停止試験
11.3.1 要求事項
FBSが,PCSと協調して,運転モードを停止·充電·放電に安全に切り替わらなければならない。
11.3.2 区分
この試験は,ルーチン試験に区分する。
11.3.3 試験体数
試験体数は,全数とする。
11.3.4 試験
この試験は,次の条件で行い,運転モードを次のように変更する。詳細な試験条件は,受渡当事者間の
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合意によって決定する。
a) 停止状態から充電状態,また,その逆
b) 停止状態から放電状態,また,その逆
c) 充電状態から放電状態,また,その逆
d) 充電状態から充電終了
e) 放電状態から放電終了
d)及びe)の手順による充放電は,それぞれ充電終了条件及び放電終了条件によって終了することを推奨
する。充電終了条件又は放電終了条件は,システム特有であり,所定の電流,電圧又は電力の設定につい
ては,製造業者が指定する。
11.3.5 合否基準
FBESは,運転モードが安全に移行できなければならない。遮断器,ポンプ,バルブ,表示,計測器な
どの主要部品が,受渡当事者間で合意された設計に基づいて動作しなければならない。
11.4 非常停止試験
11.4.1 要求事項
非常停止ボタンを押すことで,システム設計に従って,安全にFBS及びFBESが停止しなければならな
い。
11.4.2 区分
この試験は,ルーチン試験に区分する。
11.4.3 試験体数
試験体数は,全数とする。
11.4.4 試験
この試験は,次の条件の下で行う。
a) BS及びFBESを,充電又は放電のいずれかのモードで運転する。
b) 非常停止ボタンを押す。
11.4.5 合否基準
FBS及びFBESは,非常停止ボタンを押して直ちに安全に停止しなければならない。
11.5 保護動作試験
11.5.1 要求事項
故障が発生した場合,保護装置は,緊急停止を作動させなければならない。
FBSは,緊急停止を開始する不具合状態が発生すると,安全に停止しなければならない。
11.5.2 区分
この試験は,ルーチン試験に区分する。
11.5.3 試験体数
試験体数は,全数とする。
11.5.4 試験
この試験は,次の条件で行う。
a) 実際の故障を発生させるか,又は故障を模擬することによって保護装置を作動させる。
b) 緊急停止を作動させる故障·不具合の例を次に示す。
− 過電圧,電圧低下,周波数上昇,周波数低下などの系統故障
− 過電圧,電圧低下,過電流,温度異常,圧力異常,地絡,エネルギー貯蔵流体漏えい,制御電源停
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JIS C 62932-2-2:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62932-2-2:2020(IDT)
JIS C 62932-2-2:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.99 : その他の電池及び蓄電池
JIS C 62932-2-2:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60079-10:2008
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第10部:危険区域の分類
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60364-4-43:2011
- 低圧電気設備―第4-43部:安全保護―過電流保護
- JISC60364-6:2010
- 低圧電気設備―第6部:検証
- JISC62932-1:2021
- 定置用フロー電池エネルギー貯蔵システム―第1部:用語及び一般事項