JIS C 6803:2013 レーザ製品の安全―光ファイバ通信システムの安全 | ページ 2

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C 6803 : 2013 (IEC 60825-2 : 2010)
合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス3RのAELを超える
レーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定される
レベル。放射レベルは,クラス3Rレーザ機器のための測定条件(JIS C 6802参照)を用いて測定する。
ただし,条件2については,4.8.1に規定する測定条件を用いる。
注記 ハザードレベル1M又は2Mの適用限界が3Rの限界より大きく,かつ,3Bの限界より小さい
場合は,ハザードレベル1M又は2Mを採用する。
3.10
ハザードレベル3B(hazard level 3B)
合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス3BのAELを超える
レーザ放射に人体がさらされることのない,OFCS内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定される
レベル。放射レベルは,クラス3Bレーザ機器のための測定条件(JIS C 6802参照)を用いて測定する。
ただし,条件2については,4.8.1に規定する測定条件を用いる。
3.11
ハザードレベル4(hazard level 4)
合理的に予見可能な事象の下で,適用される波長及び放出持続時間に対するクラス3BのAELを超える
レーザ放射に人体がさらされる可能性のある,OFCS内の任意の被ばくする可能性がある区域に設定され
るレベル。放射レベルは,クラス3Bレーザ機器のための測定条件(JIS C 6802参照)を用いて測定する。
ただし,条件2については,4.8.1に規定する測定条件を用いる。
注記 この規格は,OFCSの運転及び保守に適用される。光伝送路に触れるおそれのある人に対して
適切な安全レベルを達成するために,この規格ではハザードレベル4は認めていない。通常の
運転条件下(例えば,光ファイバ線路に障害がない条件下)で伝送されるパワーが,特定の場
所ごとに許容された値を超える場合には,要求されるハザードレベルを達成するために,自動
パワー減衰のような保護システムの使用が認められる。例えば,通常の運転条件下で光ファイ
バを伝送するパワーがクラス4であっても,OFCSの被ばくする可能性がある場所におけるハ
ザードレベルをハザードレベル1とすることが可能である。
3.12
設置業者(installation organization)
OFCSの設置に責任がある組織又は個人。
3.13
接近が管理された区域,管理区域(location with controlled access, controlled location)
適切なレーザ安全訓練を受けた認定要員以外は接近できないように,技術的又は管理的手段が施された
区域。
注記 例えば,D.2.1 a)を参照。
3.14
接近が制限された区域,制限区域(location with restricted access, restricted location)
技術的又は管理的手段によって一般大衆は通常接近できないが,レーザ安全訓練を受けていないが特別
に許可された人は接近可能な区域。
注記 例えば,D.2.1 b)を参照。
3.15
接近が制限されない区域,非制限区域(location with unrestricted access, unrestricted location)

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C 6803 : 2013 (IEC 60825-2 : 2010)
一般大衆による接近を制限する手段が存在しない区域。
注記 例えば,D.2.1 c)を参照。
3.16
製造業者(manufacturer)
OFCSを構築又は改造するため,光デバイス及びその他の部品を組み立てる組織又は個人。
3.17
運用組織(operating organization)
OFCSの運用に責任をもつ組織又は個人。
3.18
光ファイバ通信システム,OFCS(optical fiber communication system)
光ファイバを用いて通信及び/又は制御を目的とした伝達を行うものであって,レーザ,LED又は光増
幅器による光放射を発生,伝達及び受信するためのエンドツーエンドの技術的な集合体。
3.19
合理的に予見可能な事象(reasonably foreseeable event)
事象の発生が,与えられた環境下でかなりの程度で正確に予測でき,その発生確率又は頻度が,低くな
い又は大幅には低くない事象。
注記 合理的に予見可能な事象の例には,光ファイバケーブルの切断,光コネクタの外れ,運用者の
安全操作に対する過誤又は不注意がある。
無謀な使用及び完全に不適正な目的への使用は,合理的に予見可能な事象とはみなさない。
3.20
サービス組織(service organization)
OFCSのサービスについて責任をもつ組織又は個人。
3.21
サブアセンブリ(subassembly)
光送信器又は光増幅器を内蔵するOFCSの個別ユニット,サブシステム,ネットワークエレメント,又
はモジュール。

4 製造上の要求条件

4.1 一般的条件

  この箇条では,合理的に予見可能な事象の結果として被ばくする可能性がある光放射から生じるハザー
ドに従って,OFCS及びこれらのシステムが動作する区域の種別に対する規制を規定する。OFCSに関して,
一つ以上の変更をする場合,その変更に責任がある組織は,それぞれの変更がハザードレベルに影響する
かどうかを決定しなければならない。ハザードレベルが変わる場合,その変更に責任のある組織は,この
規格への適合を引続き保証するために,被ばくする可能性がある区域のラべリングを見直さなくてはなら
ない。
OFCS内の被ばくする可能性がある区域は,その区域でのハザードレベルを決定するために,個々に評
価する。一つの区域に複数の通信システムがある場合には,その区域のハザードレベルは,それらのシス
テムから生じる最大のハザードレベルでなければならない。この規格への適合を保証するため,決定した
ハザードレベルに基づいて,適切な措置を取らなければならない。これらの措置には,例えば,その区域
への接近の制限,安全措置の実施,ハザードレベルを下げるための光通信システムの再設計などを含む。

――――― [JIS C 6803 pdf 7] ―――――

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C 6803 : 2013 (IEC 60825-2 : 2010)
まだOFCSに組み込まれていない能動コンポーネント及びサブアセンブリ単体の供給業者は,箇条4の
該当する部分だけ適用すればよい。
電力も伝達するOFCSは,適用する全ての電気規格に加えて,この規格の要求条件も満足しなければな
らない。
注記 ハザードレベルを決定するときには,次の二つの指標を考慮するのがよい。
1) FCSからの放射に人体が被ばくすることが合理的に予見可能な区域において露光量を決
定する場合,自動パワー減衰があるときはそれが動作するのに要する時間も含めて,最大
許容露光量(以下,MPEという。)を評価する。OFCSが自動パワー減衰を組み込んでいな
い場合,この1)に適合していれば,追加調査又は試験なしで,次の2)に自動的に適合して
いるものとみなす。要求事項は,4.8.2に規定している。
2) 合理的に予見可能な事象(例えば,光ファイバ切断)によってレーザ放射の被ばくの可能
性が生じた後では,OFCSが動作できる最大許容光パワーを評価する。自動パワー減衰の
結果,この値は正常動作時の光ファイバ内の光パワーより低くすることができる。要求事
項は,4.8.1に規定している。

4.2 OFCSの保護きょう体

  各OFCSは,設置したときに,通常の運用条件下で,ハザードレベル1の限界を超えるレーザ放射の人
体への被ばくを防止する保護きょう体をもたなければならない。

4.3 光ファイバケーブル

  OFCS内の被ばくする可能性がある区域での潜在的な危険性が,ハザードレベル1M,2M,3R又は3B
である場合,光ファイバケーブルは,その実際の場所に適した機械的特性をもたなければならない。いろ
いろな場所に適したケーブルは,IEC 60794規格群に規定されている。必要な場合,ケーブルが損傷を受
けやすい場所には,追加の保護(例えば,ダクト,導管又は配線管)も要請されることがある。

4.4 光ケーブルコネクタ

  光ケーブルコネクタに関する4.4.14.4.3の要求事項は,光コネクタの機械的設計,光コネクタの位置決
め,又はその他の適切な手段によって満たすことができる。いかなる手段を選択する場合であっても,対
応する区域における光コネクタからの許容値を超えるレーザ放射が,人体へ被ばくすることを防止しなけ
ればならない。
注記 光コネクタを外すときに工具を必要とすることは,機械的な解決策の一例である。
4.4.1 非制限区域
非制限区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場
合は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。
− 波長が400 nm700 nmの場合,ハザードレベル2
− その他の場合,ハザードレベル1
注記 非制限区域における,許容される最も高いハザードレベルは,波長が400 nm700 nmの場合
ハザードレベル2Mで,その他の場合ハザードレベル1Mである(4.9.1参照)。
4.4.2 制限区域
制限区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場合
は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。
− 波長が400 nm700 nmの場合,ハザードレベル2M
− その他の場合,ハザードレベル1M

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注記 制限区域における,許容される最も高いハザードレベルは,1M,2M又は3Rのいずれか高い
ほうである(4.9.2参照)。
4.4.3 管理区域
管理区域において,被ばくする可能性がある放射レベルが次のいずれかのハザードレベルを超える場合
は,適切な手段で光コネクタからのレーザ放射による被ばくを制限しなければならない。
− 波長が400 nm700 nmの場合,ハザードレベル2M
− その他の場合,ハザードレベル1M
注記 管理区域における,許容される最も高いハザードレベルは,3Bである(4.9.3参照)。

4.5 自動パワー減衰及び再始動パルス

  装置が,適用されるハザードレベルを下げるために自動パワー減衰システムを使用する場合,4.5.14.5.3
の条件にある制約の下で再始動しなければならない。さらに,自動パワー減衰は適切な信頼度をもつよう
に設計しなければならない(注記1参照)。
注記1 自動パワー減衰の信頼度計算の例は,D.5に記載している。
注記2 4.5.14.5.3に規定している再始動までの間隔は,JIS C 6802に規定するように波長に依存し
ている。
4.5.1 自動再始動
再始動を自動的に開始する場合,再始動プロセスのタイミング及びパワーが,システムの各々の被ばく
する可能性がある区域に割り当てられたハザードレベルを超えないように,制限しなければならない。
4.5.2 導通が保証されている手動再始動
再始動が手動によって開始され,通信路の導通が運用上の管理又はその他の手段によって保証されてい
る場合は,再始動プロセスのタイミング及びパワーは制限しない。
注記 この場合は,再始動プロセスのタイミング及びパワーは制限しないので,新しいハザード(例え
ば,火災)のリスクが増すことを考慮に入れて運用上の管理(又はその他の手段)を決定する
必要がある。これらの追加的な管理は,適切なサービス指示書に明文化することが重要である。
この再始動手順の期間中,被ばくする可能性がある区域での放射レベルが,あらかじめ設定したハザー
ドレベルを超える場合があるという事実を考慮して,運用上の管理(又はその他の手段)を決定する必要
があることを,製造業者は指示書に明記しなければならない。
4.5.3 導通が保証されていない手動再始動
再始動が手動によって開始され,通信路の導通が保証されていない場合は,再始動プロセスのタイミン
グ及びパワーが,システムの各々の被ばくする可能性がある区域に割り当てられたハザードレベルを超え
ないように,制限しなければならない。
4.5.4 自動パワー減衰の無効化
システムの手動再開による再始動が一時的に自動パワー減衰を無効にする場合,そのシステムは,運用
組織が適切な予防措置を取れるように,再始動の期間中,自動パワー減衰が作動不能になることを示さな
ければならない。次の条件を満足しない場合,ハザードレベルは,自動パワー減衰なしの伝送パワーを使
って判定しなければならない。
自動パワー減衰の無効化は,a) j)の条件を全て満足する場合に限り,クラス3B及び4の伝送パワーに
対して許可する。
a) 自動パワー減衰の無効化が,頻繁には行わないシステムの設置及びサービスに対してだけ必要とされ
ている。

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C 6803 : 2013 (IEC 60825-2 : 2010)
b) 自動パワー減衰の無効化が,ソフトウェアの命令又は手動のロックアウトキーシステムを介してだけ
行われる。
c) 自動パワー減衰の無効化がソフトウェアの命令によって行われる場合には,そのようなソフトウェア
には,不注意にシステムが無効化されないように,安全対策が組み込まれている。
d) 上記c)のようなソフトウェアには,手順が継続される場合,自動パワー減衰が無効化されることを警
告する表示装置が組み込まれている。
e) 自動パワー減衰を無効にした状態でのOFCSの連続運転が,適切な技術的手段によって防止されてい
る。
f) 自動パワー減衰を無効にした状態での装置の安全な使用に関する適切な指示が,文書に記載されてい
る。
g) 自動パワー減衰は,無効にした状態を恒久的に保持することができない。すなわち,自動パワー減衰
は自動的に再起動する(注記3参照)。
h) 自動パワー減衰の無効化は,伝送装置だけで可能である(すなわち,通常,遠隔での自動パワー減衰
の無効化は許されない。)。ただし,自動パワー減衰を無効にする前に比べて,より高レベルの放射に
露光しそうな(遠隔地にいると思われる)者へ直接連絡する場合はその限りではない。
注記1 ラマンシステムにおいては,受信端末からも高パワーが放射されることを考慮するのがよ
い。
i) 自動パワー減衰が無効になっている間は,明瞭な警告を継続的に表示する。
j) 無効になった自動パワー減衰をもつ高パワーシステムは,手動で起動又は再起動する。
高強度の光パワーを用いるシステムでは,遠隔地への信号の接続性を保証するために,必ず高パワーを
使用することが認識されている。したがって,訓練された者が規定した条件の下で実行する場合に限って,
システムの最初の起動時には高パワー(クラス4)を使用することが許可される。
システムの接続性を保証するために[すなわち,システムの両端からの光パルス試験器(以下,OTDR
という。)による接続性の試験を行うために],及び人体がクラス3B又はクラス4の放射に被ばくしない
ようにするために,あらゆる努力をしなければならない。これは厳格な運用上の管理によっても可能とな
る。
注記2 特別に明白な記載がない限り,システム内の被ばくする可能性がある区域がハザードレベル
4である場合には,エンドツーエンドのOFCSの運転を認めない。トランスミッタ,増幅器
などの伝送パワーがクラス4であり,自動パワー減衰が無効になった場合,その結果は,被
ばくする可能性がある区域におけるハザードレベル4での運転となる。それにもかかわらず,
ある条件では自動パワー減衰を無効にする必要性があり得るが,そのときは,これらの条件
は,クラス4のレーザ放射にさらされる確率が非常に低くなるように,十分に管理し,かつ,
時間を制限する必要がある。
注記3 上記の条件e)に関して,“適切な技術的手段”の一つの具体例は,自動パワー減衰の無効化を
必要とした最初の作業を完遂するのに十分な時間の経過後,速やかに自動パワー減衰を自動
的に再有効化する制御システムである。
注記4 自動パワー減衰が再起動するのに適した時間として,1時間が推奨されている。

4.6 ラベリング又はマーキング

4.6.1  一般的要求事項

――――― [JIS C 6803 pdf 10] ―――――

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JIS C 6803:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60825-2:2010(IDT)

JIS C 6803:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6803:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準