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像をビデオモニタに送信する。ビデオデジタイザは,更なるコンピュータ解析に備えて像をデジタル化す
る。このビデオ系は,校正後に,測定の不確かさが必要以上に大きくならないように十分な線形性を保持
しなければならない。
シングルニアフィールド走査法の場合,走査距離に関するデータを与えるなど,光ファイバのニアフィ
ールドパターンの焦点像が得られるような走査手段を設ける。
例えば,位置フィードバック機能を備えたステッピングモータ駆動の移動装置に取り付けられている単
独検出器(ピンホールなど),素子サイズと間隔が既知であるビデオアレー検出器などがある。このような
検出器は,予想される強度範囲にわたり線形である。
CCDビデオカメラの画素サイズ又は検出器(又はピンホール)サイズは,式(C.1)に示すように拡大ニア
フィールド像と比べてシステムの回折限界の2倍以下となる程度に十分小さくなければならない。
.122 M
d≦ (C.1)
4 NA
ここに, d : CCDビデオカメラの画素サイズ又は検出器(ピンホール)
サイズ (μm)
M : 光学系の近似拡大倍率
(最短)試験波長
NA : マルチモード光ファイバのコア径測定用試料のNA,又はク
ラッド径の測定の場合は対物レンズのNA。
C.1.8 ビデオ画像モニタ
ビデオ画像モニタは,グレースケール法で検出像の表示に使用する。通常,モニタ上の画面は十字線な
どのパターンを示し,オペレータが試料の像を中央に配置しやすくする。コンピュータ制御の調整及び/
又は焦点合せに使用できる。
C.1.9 データ系
グレースケール法の場合,測定,データ収集及び計算はコンピュータを使って行う。プリンタによって,
情報及び測定結果のハードコピーを作成する。
シングルニアフィールド走査法の場合,ニアフィールド強度を走査位置関数として記録する適切な装置
(例えば,X-Yプロッタ,デジタルプロセッサなど)を使用する。
C.2 試料
光ファイバ端部が汚れておらず,滑らかであり,光ファイバ軸に垂直な試料を用意する。法線から光フ
ァイバ軸までの端部角度は,1°よりも小さくなければならない。測定の正確さ及び/又は精度に与える影
響を最小に抑えるため,端部の損傷がないように管理する。マルチモード光ファイバについては,長さは
2 m±0.2 mとする。シングルモード光ファイバに関しては長さの制限はない。光ファイバに鋭角な曲げを
生じないように注意する。
C.3 手順
C.3.1 装置の校正
外径が既知の試料を使い,JIS C 6828に規定する手順に従って,装置を校正する。
C.3.2 測定
C.3.2.1 グレースケール法による測定
――――― [JIS C 6822 pdf 21] ―――――
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光ファイバホルダを使用して,用意した試料を入射端に合わせ,励振条件に設定する。出射端のニアフ
ィールド像の焦点を合わせてモニタの中央に配置する。入射端におけるコア照明の強さと出射端における
クラッド照明の強さとを,特定の試験装置に関して規定する内部基準に基づき調整する。
出射端面の像から,デジタル化したビデオデータを記録する。幾つかのデータの組合せを平均化しても
よい。
C.3.2.2 シングルニアフィールド走査法による測定
C.2に示す試料をC.3.2.1と同様に固定して調整する。出射端を調整し,拡大像を走査できるようにする。
ニアフィールド像を走査し,光ファイバ出射端の平面における位置関数としての強さを記録する。
C.3.3 識別レベル
ニアフィールド像におけるコアとクラッドとの異なる境界の識別レベルを,次に示す。
C.3.3.1 コア境界
マルチモード光ファイバの場合,識別レベルは3.3による。シングルモード光ファイバの場合,識別レ
ベルはC.4.2による。
C.3.3.2 クラッド境界
クラッド境界の決定には異なる方法を使用できる。校正手順において使用した識別レベルをクラッド境
界に使用しなければならない。
C.4 計算
C.4.1 グレースケール法の計算
コアとクラッドとの境界の生データは,実際の境界をよりよく推定するために,例えば,だ(楕)円の
ように滑らかで数学的に閉じた形状で近似する。その滑らかで数学的に閉じた形状は,理想的な円形状か
らの一次偏差を求めるために,円で近似する。これらの値と数学的な境界表現とによって,次のようにし
て,6.1に示す特性を決定する。
Rco (μm) 近似されたコアの半径
Xco,Yco (μm) 近似されたコアの中心
Rmin co (μm) コア端部から中心までの最小距離
Rmax co (μm) コア端部から中心までの最大距離
コア径 (μm) 2Rco
コア非円率 (%) 100 (Rmax co−Rmin co) / Rco
Rcl (μm) 近似されたクラッドの半径
Xcl,Ycl (μm) 近似されたクラッドの中心
Rmin cl (μm) クラッド端部から中心までの最小距離
Rmax cl (μm) クラッド端部から中心までの最大距離
クラッド径 (μm) 2Rcl
クラッド非円率 (%) 100 (Rmax cl−Rmin cl) / Rcl
2
コア/クラッド偏心量 (μm) Xc1 Xco Yc1 Yco
境界を表現するために使用した滑らかで数学的に閉じた形状は,曲率の変動が,だ(楕)円以上の場合
も許容することが要求される。だ(楕)円でない形状に対しては,半径対角度の位置を近似する前に,デ
ータを,おおよその中心に対する極座標に変換する。
――――― [JIS C 6822 pdf 22] ―――――
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切断の損傷によるデータは,数学的形状に近似する生データ群からフィルタリングしてもよい。
曲線,試験装置,切断方法及びフィルタリングのアルゴリズムの選択は,クラッド測定結果に相互に影
響する。
次に示す形状は,使用する装置に応じた近似関数の例となる。
C.4.1.1 だ(楕)円
“最小二乗和法 (LSS)”を使用することによってx,yペアをだ(楕)円で近似する。フィルタリングと
して反復プロセスを使用してもよい。
C.4.1.2 フーリエ変換
打切り周期のようなある周期をゼロとするように係数を設定することで変換にフィルタリングをかける。
最大の打切り周期は,だ(楕)円の場合は180°とし,通常,打切り周期は90°となる(データポイント
が64の場合,これは上記のゼロ周波数基準における4次のフーリエ級数項に対応する。)。
C.4.1.3 3次スプライン
極座標においては,横座標は多数の等間隔に分割される。各間隔は,別個の三次方程式によって表現さ
れる。この方程式では0°,360°の境界を含む間隔境界において,値,第一次導関数及び第二次導関数が
等しくなるようにする。間隔数は,だ(楕)円に対応して5以上とする。最大間隔数は,12となる。
C.4.2 シングルニアフィールド走査法の計算
出力ニアフィールドパターンは,ピーク検出強度に正規化し,光ファイバ出力端の平面における有効走
査位置の関数としてプロットする。コア径の計算に使用できるオプションは,次の二つがある。
注記 断面から求めるコア径は,コアの非円率によってグレースケール法で決定されるコア径から外
れることがある。
C.4.2.1 オプション1−曲線近似しない場合
断面径を3.3に定義するkレベルにおける測定パターンから直接決定する(図C.1)。
図C.1−断面コア径−ニアフィールド強度走査,オプション1
C.4.2.2 オプション2−曲線近似する場合
最小二乗法は,10 %と80 %ポイントとの間にある正規化放射線パターンI(r)/I(0) の部分を,べき乗法則
式 (C.2) に合わせる。
g
Ir r
(C.2)
I0 a
――――― [JIS C 6822 pdf 23] ―――――
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ここに, Ir
: 正規化放射線パターン
I
r : 径位置
a : コア半径
g : べき乗の指数
適合内の変数は,a,I(0),gである。曲線適合アルゴリズムによって,結果がアルゴリズムの明細に著
しく依存しないようにする。
断面径は,I(a)=0のとき,べき乗曲線から求める。この径は,2aに等しく,すなわち,直径となる(図
C.2参照)。
図C.2−断面コア径−ニアフィールド強度走査,オプション2
C.5 結果
6.7に示すほか,シングルニアフィールド走査法の場合は,要求があれば次の事項を記録する。
a) 検出器及びアパーチャサイズ
b) シングルニアフィールド走査法の詳細及び推定分解能
――――― [JIS C 6822 pdf 24] ―――――
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附属書D
(規定)
測定方法1-D 機械的外径測定法
序文
この測定方法は,マルチモード光ファイバ及びシングルモード光ファイバのクラッド径を正確に決定す
る機械的外径測定法である。この方法によって,標準基準材料として校正した試料を提供する。
D.1 装置
D.1.1 概要
この測定方法では,被測定光ファイバを両側から接触させるために,表面が非常に平たんな二つのかな
とこ(鉄床)を用いる。かなとこ(鉄床)の面は平たん,かつ,平行でなければならず,また印加する力
も,かなとこ(鉄床)によって被覆が物理的にひずまない程度に小さくする。かなとこ(鉄床)の一方又
は両方が平たんでなかったり,被覆がかなとこ(鉄床)でひずむ場合には,圧縮に対する補正をする。
装置の概念図を,図D.1に示す。
図D.1−代表的な電子マイクロメータシステムの上面図
D.1.2 かなとこ(鉄床)
二つのかなとこ(鉄床)があり,一方は固定し,他方は移動可能とする。移動可能なかなとこ(鉄床)
は微調器に取り付けるか,空気ベアリングなどで自由に移動できてもよい。移動可能なかなとこ(鉄床)
は,固定したかなとこ(鉄床)又は光ファイバに対向して,ねじ,おもりによる力,又は何かほかの再現
性のある手段によって保持する。
D.1.3 電子マイクロメータシステム
二重経路のマイケルソン干渉計のような電子マイクロメータシステムを,載物台の移動量を正確に測定
するための反射鏡又は平面鏡及び移動可能なかなとこ(鉄床)とともに用いる。
――――― [JIS C 6822 pdf 25] ―――――
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JIS C 6822:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60793-1-20:2001(MOD)
- IEC 60793-1-21:2001(MOD)
- IEC 60793-1-22:2001(MOD)
JIS C 6822:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 6822:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC6820:2018
- 光ファイバ通則
- JISC6823:2010
- 光ファイバ損失試験方法
- JISC6827:2015
- 光ファイバ波長分散試験方法
- JISC6828:2019
- 光ファイバ構造パラメータ測定器校正方法