JIS C 6822:2009 光ファイバ構造パラメータ試験方法―寸法特性 | ページ 8

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G.5.2 反射パルス法
t c
L (G.3)
2N
ここに, L : ファイバ長 (m)
伝搬又は反射時間 (ns)
c : 真空中での光速 (m/ns)
N : 平均群屈折率
G.6 結果
8.7に示すほか,要求があれば次の事項を記録する。
− 平均群屈折率
− 測定装置の遅延時間
− 伝搬又は反射時間

――――― [JIS C 6822 pdf 36] ―――――

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附属書H
(規定)
測定方法3-B 後方散乱光法
H.1 概要
この測定方法は,光ファイバ単体又はケーブル化した光ファイバの長さを測定するためにOTDRを使用
する。
H.2 装置
この方法では,通常,OTDRは少なくとも次の構成要素からなる(図H.1参照)。
図H.1−OTDRのブロック図
H.2.1 光送信器
通常は,複数のパルス幅と繰返し周波数とで励振するレーザダイオードを内蔵する。詳細な仕様書で規
定していない場合,各波長のスペクトルは,次を満足しなければならない。
H.2.1.1 中心波長は,規定する値の15 nm以内とする。中心波長と規定値との差が10 nm以上のときは,
その差の値を報告する。
H.2.1.2 二乗平均幅 (root-mean-squared width : RMSW) が10 nmを超えないか,又は半値全幅 (FWHM) が
25 nmを超えてはならない。
H.2.1.3 データをJIS C 6823の10.(損失波長特性モデル)のモデルに使用する場合には,次による。
− OHピークの波長領域(例えば,1 360 nm1 430 nm)では,スペクトルの幅が,FWHMで15 nm,又
はRMSWで6 nm以下でなければならない。
− 実際の中心波長を2 nm以内で報告しなければならない。
H.2.2 励振条件
ディスプレイ又は光送信器からの光ファイバピッグテールと被測定光ファイバ(又はH.2.9のデッドゾ
ーン光ファイバ)とを接続するための手段を設ける。
石英系マルチモード光ファイバの場合,光源によっては,この測定方法に対し,励振条件が良好に制御
されないか,又は適切な励振条件にならない場合がある。そのため,詳細な仕様で規定しない限りは,損
失測定における励振条件は,JIS C 6823の7.(カットバック法)で規定する損失測定手順を用いる。
H.2.3 光分岐器

――――― [JIS C 6822 pdf 37] ―――――

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光分岐器は,光送信器からの光パワーを被測定光ファイバ内へ向ける。また,反対方向からの戻り光を
光受信器へ向ける。
H.2.4 光受信器
通常は,使用パルス幅と受信信号レベルとを整合した帯域,感度,直線性及びダイナミックレンジをも
つフォトダイオード検出器を内蔵する。
H.2.5 パルス幅及び繰返し周波数
OTDRでは,分解能とレンジとの間のトレードオフを最適化するために(距離制御装置に結合すること
もある),幾つかのパルス幅と繰返し周波数とが選択できる制御を設けてもよい。大きな反射による擬似ゴ
ースト像を防止するために,繰返し率及びレンジを反射までの距離の2倍以上の値に設定することが必要
なこともある。
パルスコーディング法を採用してもよい。
注記 パルス幅,繰返し周波数及び光源のパワーを選択する場合は,注意を要する。
短距離測定では,適度な分解能を得るために,短いパルス幅が必要である。これは,ダイナミックレン
ジと最大測定長とを制限することになる。長距離測定では,ピーク光パワーを非線形効果が顕著にならな
いくらいまで上げることでダイナミックレンジを上げることができる。また,パルス幅を広げると測定の
分解能が低下することになる。
H.2.6 信号処理装置
より長い測定時間にわたって信号を平均化すれば,信号対雑音比を上げることができる。
H.2.7 ディスプレイ
これはOTDRに内蔵し,OTDRを制御する装置の一部となっている。OTDRの信号は,縦軸にデシベル
で横軸に距離といったグラフ形式で表示する。
縦軸のデシベルスケールは,後方散乱損失の往復の半分に相当する。横軸は,往復の光群遅延の半分に
相当し,距離に換算される。ディスプレイ上のOTDRトレース全体又は一部を手動又は自動で測定するた
めに,カーソルのようなツールを設けてもよい。
H.2.8 データインタフェース(オプション)
装置は,信号を自動解析したり,ディスプレイのトレースをハードコピーするために,コンピュータの
接続が可能である。
H.2.9 反射制御装置(オプション)
各反射器の後にあるデッドゾーン光ファイバの長さを低減するために,高フレーネル反射による受信器
の過渡飽和をできるだけ小さくする手段が必要である。これは分岐器の中に組み込んでもよいし,電子的
にマスキングしてもよい。OTDRコネクタでの初期反射を除くためには,OTDRコネクタと試料との間に
デッドゾーン光ファイバを使用する。
デッドゾーン光ファイバのメートル単位の長さの数値は,ナノ秒単位のパルス幅の数値の1/10より大き
い。
H.2.10 スプライス及びコネクタ
この手順で指示しない限り,OTDRで必要となるスプライス又はコネクタ(例えば,OTDR又はデッド
ゾーン光ファイバと被測定光ファイバとを接続するため)は,低挿入損失,低反射(高リターンロス)で
なければならない。これは,OTDR波形に与える外部からの影響を最小限にするためである。

――――― [JIS C 6822 pdf 38] ―――――

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H.3 サンプル
サンプルは,詳細な仕様で規定する条件下にあるリール巻きの光ファイバ又はケーブル内の光ファイバ
とする。測定は単独区間又は接続区間に対し,工場又は現場で行う。
注記 長さ測定において,巻き付ける場合は,本質的な伸びが入らないように注意する。
H.4 手順
H.4.1 三つの手法
次の三つの手法がある。
− 2点法(H.4.3.1) 未知の長さの光ファイバ又はケーブル部分が被測定光ファイバ及びケーブルの前
にある場合に使用する。
− 1点法その1(H.4.3.2) 光ファイバ又はケーブル部分が,被測定光ファイバ及びケーブルの前にな
い場合に使用する。
− 1点法その2(H.4.3.3) 長さが既知で被測定光ファイバと同様の群屈折率をもつ光ファイバが被測
定光ファイバ又はケーブルの前にある場合に使用する。
注記 ケーブル測定において,大部分のケーブル構造で,ケーブル内の光ファイバ長がケーブル長
よりも長いことに注意することが重要である。このため,ケーブルの群屈折率は,同タイプ
の光ファイバの群屈折率より大きくなる。そして,これが,ケーブル内の光ファイバ長とケ
ーブル長そのものとの間の不一致をもたらす。
H.4.2 三つの手法すべてに共通な手順
H.4.2.1 試料を装置に接続する。デッドゾーン光ファイバを使用する場合は,デッドゾーン光ファイバを
試料と装置との間に接続する。
H.4.2.2 正確な長さを記録するためには,試料の実効群屈折率が必要である。この値が不明な場合は,H.4.4
によって求める。
H.4.2.3 光源の波長,パルス幅,長さのレンジ及び信号の平均化といったOTDRパラメータを,試料の群
屈折率とともに装置に入力する。一部のパラメータの値は,装置に事前設定されていることもある。
H.4.2.4 試料からの後方散乱信号を表示するように装置を調整する。粗い縦軸及び横軸スケーリングから
始めて表示長さをできるだけ大きくすると都合がよいこともある。
H.4.2.5 高分解能が必要なときは,できるだけ画面表示を調整して,対象区間をより大きなスケールに拡
大する(真信号の表示を雑音と区別できるように注意する。)。
H.4.3 それぞれの手法の手順
H.4.3.1 2点法
未知の長さの光ファイバ又はケーブル部分が被測定光ファイバ及びケーブルの前にある場合に使用する。
H.4.3.1.1 カーソルを,光パワー下降点(困難な場合もある)前の試料の冒頭(図H.2のZ1),又は反射パ
ルスの立ち上がり端(図H.3のZ1)のある箇所(製造業者によって規定する場合がある。)に置く。不連
続点が微小で冒頭が明りょうでない場合には,この位置で光ファイバを曲げ,半径を変えて,カーソルを
配置しやすくする。英数字表示装置から距離座標Z1を求める。
H.4.3.1.2 H.4.3.1.1と同様にして,試料の端部に,同一又は別のカーソルを置く。不連続点が微小で試料
の端部が明りょうでない場合には,この位置で光ファイバを曲げ,半径を変えて,カーソルを配置しやす
くする。代替的に,可能であれば,光ファイバの遠端を切断して,そこに反射を発生させる。遠端がノイ
ズレベル以下であれば,長さ測定の最大誤差はパルス長に等しい。距離座標Z2を求める。

――――― [JIS C 6822 pdf 39] ―――――

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H.4.3.1.3 長さ精度を最大とするためには,Z1及びZ2における下降点又は立ち上がり点のOTDR波形を似
たものにする。
試料長は,Z2からZ1を減じることによって求める。
H.4.3.2 1点法その1
光ファイバ又はケーブル部分(又はデッドゾーン光ファイバ)が試料の前にない場合に使用する。図
H.4参照。
H.4.3.2.1 カーソルを光パワー下降点(困難な場合もある。)前の試料の端部,又は反射パルスの立ち上が
り端(図H.4)のある箇所(製造業者によって規定されている場合がある。)に置く。不連続点が微小で端
部が明りょうでない場合には,この位置で光ファイバを曲げ,半径を変えて,カーソルを配置しやすくす
る。端部がノイズレベル以下であれば,長さ測定の最大誤差はパルス長に等しい。
代替的に,可能であれば,光ファイバの遠端を切断して,そこに反射を発生させる。距離座標Z2を求め
る(図H.4参照)。
H.4.3.2.2 試料長は,Z2に等しい。
H.4.3.3 1点法その2
長さZDの既知の光ファイバ又はケーブル(又はデッドゾーン光ファイバ)が試料の前にある場合に使用
する。
図H.5参照。長さZDは,機械的測定,例えばカウンタ付きの接触式装置などを使用すれば求められる。
試料の前にある光ファイバ(又はデッドゾーン光ファイバ)の群屈折率は,試料と類似していなければ
ならない。
H.4.3.3.1 H.4.3.2.1と同じ手順で行う。
H.4.3.3.2 試料長は,Z2からZDを減じることによって求める。
図H.2−試料の前に,未知の長さZ1の区間(例 デッドゾーン光ファイバ)があり,
光ファイバの接続点からの反射パルスがない場合の概略的OTDRトレース(2点法)

――――― [JIS C 6822 pdf 40] ―――――

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JIS C 6822:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60793-1-20:2001(MOD)
  • IEC 60793-1-21:2001(MOD)
  • IEC 60793-1-22:2001(MOD)

JIS C 6822:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6822:2009の関連規格と引用規格一覧