この規格ページの目次
12
C 6823 : 2010
11.5 損失の算出
損失は,式(3)によって算出する。
Pstr
La 10 log10 (3)
PBend
ここに, La : 損失(dB)
Pstr : 曲げがない状態での被測定光ファイバ出射光パワー (mW)
PBend : 曲げを与えた状態での被測定光ファイバ出射光パワー (mW)
11.6 結果
11.6.1 測定ごとに報告する情報
測定ごとに次の情報を報告する。
− 測定実施年月日及び試験方法
− 試料の識別
− 試料の長さ
− マンドレル直径(方法A)
− 曲げ半径(方法B)
− マンドレルへの巻き回数(方法A)
− 曲げの回数(方法B)
− 使用波長
− 曲げ損失 (dB)
11.6.2 要求に応じて報告する情報
要求があれば,次の情報を提供しなければならない。
− 使用した方法(方法A又は方法B)
− パワー試験方法(伝送パワーモニタ法又はカットバック法)
− 試験装置構成
− 算出方法の詳細
− 試験装置の最新の校正年月日
11.7 仕様情報
詳細な仕様は,次の情報を明示する。
− 測定した光ファイバの種類
− 入射条件
− マンドレル直径(方法A)
− 曲げ半径(方法B)
− マンドレルへの光ファイバの巻き回数(方法A)
− 曲げの回数(方法B)
− 合否判定基準
− 報告する情報
− 使用波長
− 適用する手順との差異
――――― [JIS C 6823 pdf 16] ―――――
13
C 6823 : 2010
附属書A
(規定)
損失試験 : 方法A−カットバック法
A.1 概要
カットバック法は光ファイバ損失から直接測定することのできる唯一の方法であり,入射条件を変えず
に光ファイバの二つの地点でのパワーP1( P2( 定する。P2( ァイバ末端から放射される光パ
ワーとし,P1( ば 近くで切断した光ファイバから放射される光パワーとする。測定原理から,光
ファイバの長手方向の損失情報を得ることは不可能となる。また,入力条件が変化する状態で損失の変化
を測定することも困難となる。また,状況によっては光ファイバを切断することが不都合な場合がある。
A.2 装置
A.2.1 すべての光ファイバに適用する一般的装置
試験装置構成を,図A.1及び図A.2に示す。
図A.1−一つの特定波長で損失を測定する試験装置構成
――――― [JIS C 6823 pdf 17] ―――――
14
C 6823 : 2010
図A.2−損失波長特性を求めるために使用する試験装置構成
A.2.1.1 一般的な励振装置構成
すべての光ファイバに対して用いる一般的な励振装置構成を,図A.3に示す。シングルモード光ファイ
バ及びマルチモード光ファイバの特定の種類に適用する励振装置は,A.2.2,A.2.3及びA.2.4による。
LED又はLD
LED又はLD
モードスクランブラ
モードフィルタ
クラッドモード除去器
白色光源
レンズ
入射
図A.3−一般的な励振装置構成
A.2.1.2 光源
ランプ,レーザ,発光ダイオードなどの光源を使用する。光源は測定構成に応じて決定する。光源は,
測定に要する時間より十分長い時間にわたり,位置,強度及び波長が安定していなければならない。スペ
クトル線幅(半値全幅)は被測定光ファイバのスペクトル損失特性と比較しても狭くなるよう(例えば,
10 nm以下)にする。被測定光ファイバは光学レンズ系励振の入射円すい体にそろえるか,励振用光ファ
――――― [JIS C 6823 pdf 18] ―――――
15
C 6823 : 2010
イバに同軸接続する。
A.2.1.3 光源波長
一つ以上の波長で測定可能とする。また,波長範囲にわたりスペクトル応答が必要となることがある。
A.2.1.4 光検出装置
光検出装置は,被測定光ファイバから送出されるすべての光パワーを検出器の動作領域に結合する手段
をもつ。例えば,光学レンズ系,光ファイバピグテールへの突き合わせ接続又は検出器への直接結合を用
いる。検出器に既にピグテールが備わっている場合,ピグテール光ファイバのコア径及びNAは,基準光
ファイバ及び被測定光ファイバから出射するすべての光を捕そくできるように十分に大きくなければなら
ない。
この測定を実施するときの強度範囲及び測定時間の範囲において,線形であり安定した光検出器を使用
する。典型的な測定系では,光電モードで動作するホトダイオード及び電流入力増幅器を使用し,ロック
インアンプによる同期検出をもつ。
A.2.1.5 信号処理
受信器側の信号/雑音比を改良するために光源を調整することがある。この手順を取り入れる場合,光
源変調周波数で同期を取った信号処理システムに検知器をつなげる。検出系は十分に直線的であるか,又
は特性が知られていなければならない。
A.2.1.6 クラッドモード除去器
クラッドモード除去器は,受信信号に重大な影響を与えるクラッド伝搬光を除去する。
A.2.2 すべてのシングルモード光ファイバに対する励振装置
被測定光ファイバに励振するために光学レンズ又は光ファイバピグテールを用いる。光ファイバに結合
する光パワーは,測定中は安定していなければならない。
A.2.2.1 光ファイバピグテール
励振装置に光ファイバピグテールを用いる場合には,干渉効果を除去するために光源側ピグテールと被
測定光ファイバとの間に屈折率整合材を用いることが必要な場合もある。
A.2.2.2 光学レンズ系
励振装置に光学レンズ系を用いる場合には,真空チャックなどで光ファイバの入射端を安定的に支持す
る。この支持体を,反復して光ファイバ端の位置調整ができる位置決め装置に取り付ける。試料に結合す
る光パワーが入射光ファイバ端面の位置決めに対して影響がないことが望ましい。このためには,入射端
面の全面に広がった光を入射させる必要がある。
A.2.2.3 高次モードフィルタ
対象波長領域内の高次伝搬モードを除去するために,高次モードフィルタを使用する。このような高次
モードフィルタは,例えば,半径がカットオフ波長を測定波長範囲の最小波長以下にシフトする程度に十
分に小さいが,波長に依存した振動を誘導するほど小さくはない,1周回のループとする。
A.2.2.4 クラッドモード除去器
クラッドモード除去器は,クラッド領域内を伝搬する放射モードがカットバックされた短い距離の光フ
ァイバから検出されないようにする。この除去器は,屈折率が光ファイバクラッドの屈折率と同等か又は
それ以上の材質となることが多い。これは光ファイバ両端近くで被覆が除去された光ファイバに直接施す
屈折率整合流体でもよい。光ファイバの被覆自体がその機能を果たす場合もある。
A.2.3 SGI及びPGI(マルチモードグレーテッドインデックス形)光ファイバに対する励振装置
励振条件は,7.2.1を満たすために非常に重要となる。光パワーを高次の過渡モードへ励振させない励振
――――― [JIS C 6823 pdf 19] ―――――
16
C 6823 : 2010
条件を設定する。光パワーを被測定光ファイバの高次の過渡モードへ励振させないことによって,ほぼ線
形に加算される損失が測定できる。この光パワー分布は本質的には光ファイバによって変化しないため,
“定常分布”という。損失測定用の定常モード励振を実現するために使用する手法には,モードフィルタ
及び幾何光学励振の二つがある。各測定手法の使用時に適切な注意を払えば,同等の結果を得られる。モ
ードフィルタを使った励振装置の一般例を,図A.3に示す。それぞれに対する例を,A.2.3.1に示す。
A.2.3.1 モードフィルタ
A.2.3.1.1 ダミー光ファイバモードフィルタ
ダミー光ファイバモードフィルタは,被測定光ファイバと同種類の光ファイバを使用する。光ファイバ
は,モードスクランブラを伴う光源を使用する場合,光ファイバによって伝搬される光パワー分布が定常
分布となるように十分な長さ(通常1 km以上の長さ。以下,“長尺被測定光ファイバ”という。)とする。
A.2.3.1.2 マンドレル巻付けモードフィルタ
マンドレル巻付けモードフィルタは,マンドレルの周りに被測定光ファイバ(以下,“短尺被測定光ファ
イバ”という。)を数回(通常3回5回)巻き付けたモードフィルタとなる。マンドレル径は,短尺被測
定光ファイバ内で励振される過渡モードを定常状態に減衰させる値にする。ファーフィールド分布測定を
用いて,全モード励振する光源によって励振された長尺被測定光ファイバから出る光パワー分布と,マン
ドレルが適用されている短尺被測定光ファイバから出る光パワー分布とを比較する。後者のファーフィー
ルド分布が,前者のファーフィールド分布に近似する分布となるマンドレル径を選ぶ。短尺被測定光ファ
イバから出る放射パターンのNA(JIS C 6825に従って測定する。)は,長尺被測定光ファイバから出る放
射パターンのNAの94 %100 %とする。マンドレル直径は,光ファイバ及び被覆の種類によって光ファ
イバごとに異なる。通常,マンドレル直径は15 mm40 mmとし,長さ20 mmのマンドレルに光ファイバ
を5回巻き付ける。マンドレルは様々な大きさ及び構成を選ぶことができるが,光ファイバのコア径とマ
ンドレル直径との対応例を,表A.1に示す。
表A.1−光ファイバのコア径とマンドレル直径との対応例
光ファイバのコア径 μm マンドレル直径 mm
50 25
62.5 20
100 25
A.2.3.2 幾何光学による限定空間励振(LPS励振)
幾何光学による限定空間 (Limited Phase Space) 励振は,被測定光ファイバのコア径の70 %及び被測定光
ファイバのNAの70 %を均一に満たす幾何学的に生成された励振として定義する。これは光パワーを漏え
いする未結合モードで励振せずに,幾何学的に励振される最大パワー分布となる。コア径50 μm,クラッ
ド径125 μm及び0.2 NAのGI(グレーデッドインデックスマルチモード形)光ファイバの場合,LPS励振
条件は均一な35 μmスポット及び0.14 NAとする。
LPS励振条件の生成に必要な光学例を,図A.4に示す。励起ビーム軸が光ファイバ軸と一致し,光のス
ポット及び入射光円すいが光ファイバのコアに集中することが重要となる。また,光学系は動作波長で設
定し,正しい測定が行われるようにする。
――――― [JIS C 6823 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS C 6823:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60793-1-1:2008(MOD)
- IEC 60793-1-40:2001(MOD)
- IEC 60793-1-46:2001(MOD)
- IEC 60793-1-47:2006(MOD)
- IEC/TR 62221:2001(MOD)
JIS C 6823:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 6823:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC6820:2018
- 光ファイバ通則
- JISC6822:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―寸法特性
- JISC6825:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性
- JISC6825:2020
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性